2016/07/25

楽しいレスキュー訓練

■ 週末はレスキュー訓練

週末は、セルフレスキューの訓練をしていた。

山岳会に属す主たるメリットは、

 いつも同じ人たちと登れること

である。ステディな仲、とでも言おうか。つまり、いつ別れるとも分からない不安定な関係ではなく、安定的な関係の相手と登れる、ということである。

安定的な関係の相手と登れると何がいいのか?

それは、相手が何を知っていて、何を知らないのか?が、分かっているということなのだ。

例えば、山に行くのに地図を持ってこない人がいるとする。その人は、一人では歩けない。が、読図が必要になったら歩けないということが分かってさえいれば、例えば、その人が読図が必要な山に行くときは必ず読図上級者をセットにする、など、”傾向と対策”ができるのである。

(但し、この場合、”クライマーは自己完結であらねばならない”という原則は無視しているが・・・。)

したがって、山行計画を立てるリーダーにとって、メンバー各員の強みと弱みが良く分かっていることはとても重要だ。

■ まさかの時の保険

そうした共有している条件、知識の中で、もっとも共有しているべきものが

セルフレスキュー

である。セルフレスキューは一緒に山に行く相手と共有していないと意味がない。

逆に言えば、いつも行く相手ではなく、次から次へと相手を変えていては、事故が起こった時、どうする? 相手は事故が起こった時、どうしたらいいのか分からなくなる人かもしれない。

それは聞いて確かめるわけにもいかず、一度一緒に山に行ってみるしかないわけだ。

となると、事故のリスクが大きい場所には行くことができない。となると、ゲレンデ、ということになっている。

ゲレンデなら、何かあっても救急車が横付けできたりで、リスクが比較的低いからだ。(それでも死ぬ人もいるが)

とは言っても、やはり山岳保険と同じで、最低限のセルフレスキューを共有していないと、リスクを取って、高い山のマルチピッチに行くことはできない。

■ レスキューの共有は大事です

というようなことになっているため、セルフレスキューを共有しておくことは大変重要だ。

実践的な内容をしっかり確実にしておく必要がある。

今回やったのは、

 1)セカンドが落石があったりなどで気絶してしまった際に、引き上げる

 2)宙吊り登り返し

 3)けが人をサポートしながら、懸垂下降する(介助懸垂)

 4)トップロープ中のザイル通過

 5)懸垂下降中のザイル通過(シングルストランド)

 6)荷揚げ

 7)カウンターラッペル

 8)ロープバスケット

 9)背負い搬送で、要救助を降ろさずに、背負い担当者を交代する方法 

 10)チロリアンブリッジ

だ。結構、網羅した内容になった。

■ 今回学んだこと

私が去年出た岩場のレスキュー講座では、シナリオありきではなく、まず技術があってその技術を教わる形だった。

例えば、カウンターラッペルはどうするか?と発想する。そうではなくて、基本的に、危急時、ピンチのシナリオがあって、そのシナリオから発想することが、今回の講師の場合は基本にあるようだ、ということだった。

それが、山で実際に救助活動をしてきた人と、そうでない人の思考回路の差なのかもしれない。

■ 宴会

今回は、プライベートな集まりだったので、夜は宴会。レスキュー訓練後には山菜を取り、夕食でそれらの山菜を食べた。

お酒も入って、机上講習は飛ばされてしまったのが少々残念だったが、楽しみも必要だ。

考えてみると、前にいた山岳会では、二つとも、

 防御の技

を山岳会の仲間と共有することが非常に難しかった。確保理論の勉強会をしようとしても、成立が困難だったし、セルフレスキューどころかビレイ技術の知識だけの程度のことでも、共有化が難しかった。机上がゼロだったからだ。

結果、防御の技がないままに山行だけが重なっていく・・・それは、怖いものだ。

介助懸垂




ロープ担架で吊り下げ中


山菜がたくさん取れた☆