2016/06/20

十二ヶ岳の岩場

■ 十二ヶ岳の岩場

ゲレンデへ一緒に行く人とは本チャンへいくことができるようになりますが、ハイキングを一緒に行っても、本チャンへ行くことはできないし、人工壁だけ一緒に行っても本チャンに行くことはできない。フリーの岩場での経験の共有は必要条件であって十分条件ではない。

今回は、旗立岩がメインで、ゲレンデはついででした。甲府近辺には、兜岩や甲府幕岩など、フリーのゲレンデもあるので、どこにしようかと迷いましたが、十二の岩場にしました。ここは情報が得難いし、真冬でも使え、御坂山塊なので、神奈川方面への帰途に立ち寄るのに使えるからです。

岩場の性格としては日和田や長野だと物見岩などと同等で易しい初心者向きの岩場です。

■ 当日の様子

この日は朝から大快晴で、石和温泉での待ち合わせでは、「今日乾徳に変えようかな~」と一瞬よぎるくらいでした。でも同行者によると

 ・時間がタイトになる
 ・山だと登りでバテて暑い

というので曇りの日の翌日に本番が入って良かったです。

この日は、真冬でも登攀OKの十二ヶ岳の岩場は暑いのではないか?と不安になりましたが、風がさわやかで、湿度も低く思ったより、暑さは堪えませんでした。ただ紫外線が・・・。ほんのちょっと岩に張り付いていただけで日焼けが痛いほどでした。

石和温泉でピックアップし、御坂トンネル経由で西湖へ。駐車スペースには先行者の富士ナンバーが一台。

次回はマルチの上部へ
岩場へ到着すると、その人は単独でした。あら!きっとベテランさんですね。一番易しいルートがカンテなのですが、そこには以前はフィックスロープが張られていました。今みると、撤去されています。あら~。

ここをリードしようと思ってきたので、なんだかなー。ここは5.7くらいはあり、上はランナウトしているので、簡単ですが、朝一なら念のためと思い、Ⅲ級のマルチの壁に行きました。アップです。当然ですがリード。同行者はこんなとこラクラクなので、完全にお付き合いですが、初めてくるところなので、そう無駄にも感じないハズ(?)です。

下のフェイス壁に戻ると、同行者が不安そうに、リードを申し出てくれましたが・・・いや、ここは初年度でもリードしてきた壁ですし、朝一にへばっていてはいけませんので、ここは心を強く!カムを借りていきます。

易しいラインのカンテは支点が乏しいので、それが嫌な場所なんですよね。下にリングボルトありますが、上で7mくらいランナウト。なんでペツルが一個もないんだぁ! 

前回は、別のベテランの方を案内し、ビレイしてもらいました。

ここは出だしが核心で、出だしの一歩が嫌な感じですが、それはまぁ分かっているし、トップロープならアプローチシューズで登ったので、大丈夫です。カムを噛ませました。

先ほどのベテランさんも降りてきて、見守ってくれました。上がランナウトしているからです。隣の課題のボルトが最終で、ぬんちゃく3つで伸ばしてから、あとは思い切りです。

この後はトップロープ支点を次々隣りに移していけば、全課題が登れ、練習になります。一人がここをリードすれば、あとはリードしたくなければしなくて済みますから、初心者向きと言うワケです(^^)。

今回も、どんどん左にずれていきました。トポはこちらです。

初めてアイゼントレで来たときに、何も知らずに取り付いて落ち、数回目で師匠にレントゲンになっているよ~、と言われた思い出の5.10Bもパンプすることなく登れ、この壁では一番難しいノーマン・ベイツ5.10cも落ちずに登れ、6本ほどで終了。

午後の日の高い時間は非常に暑かったです。

■ マルチの上部

次回は、マルチの壁の上部に行くといいかも・・・でした。

そこは支点がぼろいからと言われていましたが、発言した人が登っていたので・・・ということは登れるんでしょう。

それを言われたとき、私は初心者でしたが、支点構築を初心者の私よりもさらに初心者のパートナーに教えないといけないという事情でした。そのパートナーがそのマルチ上部を登りたがったので、体よくあきらめさせるには、そう言うしかなかったのかもしれません。

なにしろ、その日初めて流動分散を作り、セカンドの確保機能がないスポーツ用の確保器しかもっておらず、終了点に着いたら、「えっと、どうするんだっけ?」となっている状態の人が登りたがったからです。

念のため言っておくと、その人が悪いのではなく、初心者はいつも動転して、普段していることもできない状態・・・”あわわ”となります・・・その人だけではありません。

また登れるスキルがないのに、登りたがるのも初心者にはいつものことです。

■ あれ?登れるようになっている・・・

この岩場では、アンダー気味のハングの乗越がのっこせないでいましたが、パンプもせず、腕が疲れることもあまりなく、のっこせたので、単純に3年くらいクライミングを続けていればいいだけのことだったんだなーと理解。

やっぱり成長はしているようです。小川山物語では分からなかったけれど、これは確実です。

同時期にアルパインをスタートした、少し年下の知り合いの男性が、たまたま岩場にやってきていましたが、彼はもう少し上のグレードを登れるようで、5.10Aの課題もリードしていました。

男性と比べると、腕力や蛮勇に劣る女性クライマーには少し余分に時間が必要と思いますが、5.10Aなら私もリードできるグレードですし、大体誰でも同じ程度の時間が必要なんだな~と思いました。

ただ組んでいる相手とあうんの呼吸が出来上がっている様子には、ちょっと羨ましく思いました。セカンドは先輩なんだろうな~と見て取れました。

帰りは、いずみの湯と思いましたが、大型バスが2台も止めてあったので、パスし、芦川の道の駅で、230円の天ぷら丼と220円のシソジュースを頂き、みたまの湯(770円)で締めて帰りました。

みたまの湯は混雑で敗退つづきでいしたが、いいところでしたので、また夫と行きます。

帰宅して夕飯。芦川のおいしいこんにゃくやシイタケの素焼き、焼き鮭。あとは10時前に寝ました。

≪まとめ≫

・トポ
http://www.ogawayama.com/Saiko/SaikoJ.html

・マルチの壁 Ⅲ級 1ピッチ 
・トパズ 5.8 (カンテ) NP リード 上はランナウト
・マーニー 5.10b TR
・ノーマン・ベイツ 5.10c TR
・マガフィン 5.10A TR
・アンソニー・パーキンス 5.10A TR

■ その他

3年前、始めてリードしたのは、”山羊座の下に”で、5.7と思っていたら、トポをみると、5.8になっていました・・・(汗) 当時のスキルとしたのビレイヤーの経験値を考えると、それはそれは冷や汗ものです(笑)。

隣の、壁のサイコ5.9や疑惑の風5.9の箇所でやっていた男女のパーティの女性は、その当時の私くらいのようで、とても大変そうに登っており、なんだか気持ちが分かるなぁ・・・と思いました。

初心の頃、付き合ってくれるパートナーはクライマーが怖がったり登れなかったりで、大変と思いますが、温かい目で見てあげてください☆

3年くらいは5.9アンダーの初心者クラスから、5.10Aリード、5.10b・cをTRで触るくらいに行くまでかかるもののようです。そうでない人の方がむしろ例外でしょう。女性なら、子供時代の登り遊びが不足しているので、なおさらだし、クライミングに接する時間に乏しい社会人バリバリなら、なおさら。毎週登りに行けるような人でも岩場の経験は、なかなか積めません。行く期間が一週間以上離れていると、オールリセットになるので、昔の人が岩場に通い詰めたような具合には、早く上達しないものなのです。

■ 根っこを作る岩場

今回は、だいぶ岩場の木がなぎ倒されていて、驚きました。トラバースが使えなくなっていました。

岩場に生える木は、ねっこが張れないので、成長すると、頭が重くなって強風などの理由が特になくても、自然に倒れてしまうのだそうです。

このような岩場での地味なクライミングも基礎練習ですので、根っこのようなものです。

基礎練習が不足して、高難度へ進むのは、岩場に生える木の倒木のようなことになるかもしれません。

師匠は最初の頃、私が人工壁やジムに通うのを嫌がりました。

・・・それは高難度のグレードだけを目指すようになってほしくないという意味だったと思います。

しきりに「そんなにすごいクライミンググレードがなくても登れるよ」と言われました。

ジムにいくとチクチクと言われるので、言われる側としては、カチンと来ていましたが、師匠の言わんとするところは理解していました。私もジムの人工ホールドが楽しいとは思えないタイプなので・・・。アルパインの人は強い男性クライマーでもみなそうのようです。それで仲間とつるんで、だましだまし行くのです。

外の岩場は足で登れますので、女性でも取り付くことができますが、最近の人工壁は、かぶっていてフリが出てくるのが主体で女性はあまり楽しくないものが多いです。

しかし、外の岩場ではビレイが習得できないので、やはり初心者の頃はビレイ習得を目的に人工壁に通うのが良いと思います。

今はビレイ習得ではなく、2点支持の習得で通うべき時期ですが、いまひとつジムに気持ちが向かないですが、この夏は、頑張ってみようと思います。