■ 登れない原因はメンタルだよ
最近、「登れない原因はメンタルだよ」と指摘され、”さもありなん”、と思っています。
数えてみたら、師匠と岩に行ったのは、初年度2回だけでした・・・(汗) あとは落ちれないクライマーと登っていますから、登れるところしか登らないから、新たなスキル獲得にはならないですね。
■ 5.9アンダーの時期
個人的に、5.9アンダーの時期は、
・どういう課題でも落ちる可能性がある
・落ちても大怪我につながらない課題の見極めができない
・プリクリップすべきなど危険の予知力がない
ので、そうした目利きができ、安心できるビレイヤー(つまり経験者)と行くべきだと思います。
例えば、去年の今頃、私は5.8はリードできたので、5.8のクラック、愛情物語をリードしようとしたら、ダメと言われました・・・。小川山レイバックもダメ、のお達しです。
一方、兜岩では、5.10Aのフェイスは、朝一のアップもないでリードしています。(やっぱりアップは欲しいです・・・。)
■ システマ
システマの本を読んでいます。システマというのは、ロシアのマーシャルアーツなのですが、武道って、結構バレエと近い部分があり、システマもバレエをやっている中で、知った身体操作術です。
システマでは、
・戦うと同時に
・痛み
も、経験するのを重視しています。パンチを喰らうということです。理由は、共感性です。
これを、クライミングに当てはめると
・登ると同時に
・落ちる
ということになります。クライミングも、落ちることを学ばないと、落としてはいけないことが学べません(^^;)。
■ トラウマ化しないには?
しかし、痛み(=落ちる)には2パターンの反応があります。
1)懲りてしまう → 2度としない
2)自信につながる
1)懲りてしまうと、単純に”二度としない”ということになります。
クライマーはこれは是非とも乗り越えなくてはなりません。
私がいた会では、リードで落ちて、ビレイで停めてもらえず、足を骨折して、リードは二度としないと決意した先輩がいました。
では、2)自信につながる、という道を得るにはどうしたらいいか?
回復です。
苦痛からの回復は、成功体験
となります。
■ 回復がキー
ダメージを受けたまま、回復しなければ、恐怖の記憶だけが残ります。苦痛から回復したという経験は、成功体験となります。
成功体験 = 苦痛からの回復
です。
回復とは、なんぞや・・・となりますが、
心拍数、血圧、呼吸、体の緊張、感情、などが元通りに戻ること、
です。
クライミングではカンタンに
平常心
と言っていますが、平常心と言われたって、動揺している人は動揺しているとは、考えていないものです。
私も落ちれないビレイヤーと登っていた心理状態(アラート状態)のときは、基本的にストレス下にあったと思いますが、はた目には平常心で普通に見えたと思います。
その時の心理状態は、本人にとっても
まぁ落ちないだろうから、いいかな~
という程度のものです。根拠は、Ⅳ級-や、5.7くらいまでのところしか登っていないから、というもの。
12登れる人に聞いたら、ソロイストでは、5.7しか登らないのだそうです。
つまり、絶対落ちないグレードと言うものは、登れる人でも初心者でもそう変わらないものだ、ということですね。
基本的に安全パイは、限界グレードの2グレード下という話になっているらしいです。
■ 回復の方法
さて、では具体的な方法は?
・ブリージング (鼻から吸って口から出す呼吸)
・マッサージ(ボディコンタクト、筋肉を柔軟にする)
・痛みを知る
とされています。
・消化器を動かす (=副交感神経が優位になる)
も良いそうです。
クライミングなら、落ちて、落ちても大丈夫だということを知る必要があります。
■ 他者への恐怖心を取り除くエクササイズ
これは、なかなか実践しづらいかもしれませんが、
うつぶせになり、その上を他者が転がる、
というものです。
私はヨガを教えている側で日常的に良く人のカラダに触るので、救急救命では、脈を取ったり止血などが得意であったりしました。
また、海外生活が若いときにあったので、挨拶のハグに慣れており、抵抗がないほうかもしれません。
バレエもまたパートナーとの踊りですし・・・
■ 4大エクササイズ
プッシュアップ
スクワット
シットアップ
レッグレイズ
です。私のヨガのレッスンには全部入っています。スクワットだけは、寝てやっているので、あまり筋トレ効果はないですが。
バレエのレッスンには、プッシュアップ以外が入っています。考えようによっては、私はバレエでプッシュアップをやらなかったので、必要性があって、クライミングをしているのかもしれません。
■ 引き算
西洋的なメソッドでは、何かを技術などを”得よう”とします。つまり、足し算です。
しかし、逆説的なようですが、クライミングは積み上げるもの、ではないような気がします。
私がバレエをしていたときは、ただただバーこそ自分の居場所、と感じていました。いくらやっても飽きない感じです。
例えば、タンジュなど、ただつま先を伸ばすだけのことです。詳しく言うと、かかとからつま先を出す、というような細かな動きの技術があり、それを習得するのに、夢中で何年も過ごせてしまったのです。
まぁやっている時は、何へつながるのか?分かりません。私はヨガのインストラクターと言う道につながりました。
狭い意味のクライミングという技術もそういうものかな~という気がします。スラブではいま、エア拇指球を掴みかけている気がします。それを探求したいという気持ちです。
そう言う意味では、キャンパシングボードにぶら下がって保持力アップする、というのは、私の関心からは大きく逸れており、全く魅かれない気がします。
余談ですが、この本ではゾーン(フローとも言う)に触れられています。クライミングがゾーンと共に語られるのは、珍しいことではありません。フローではチクセントミハイの著書が有名です。またバレも、巨大な感動を作り出すことで、ゾーンへ人を導きいれる要素があるような気がします。