2016/06/24

メンタルとマーシャルアーツ

■ 登れない原因はメンタルだよ

最近、「登れない原因はメンタルだよ」と指摘され、”さもありなん”、と思っています。

数えてみたら、師匠と岩に行ったのは、初年度2回だけでした・・・(汗) あとは落ちれないクライマーと登っていますから、登れるところしか登らないから、新たなスキル獲得にはならないですね。

■ 5.9アンダーの時期

個人的に、5.9アンダーの時期は、

 ・どういう課題でも落ちる可能性がある

 ・落ちても大怪我につながらない課題の見極めができない

 ・プリクリップすべきなど危険の予知力がない

ので、そうした目利きができ、安心できるビレイヤー(つまり経験者)と行くべきだと思います。

例えば、去年の今頃、私は5.8はリードできたので、5.8のクラック、愛情物語をリードしようとしたら、ダメと言われました・・・。小川山レイバックもダメ、のお達しです。

一方、兜岩では、5.10Aのフェイスは、朝一のアップもないでリードしています。(やっぱりアップは欲しいです・・・。)

■ システマ

システマの本を読んでいます。システマというのは、ロシアのマーシャルアーツなのですが、武道って、結構バレエと近い部分があり、システマもバレエをやっている中で、知った身体操作術です。

システマでは、

 ・戦うと同時に

 ・痛み

も、経験するのを重視しています。パンチを喰らうということです。理由は、共感性です。

これを、クライミングに当てはめると

 ・登ると同時に

 ・落ちる

ということになります。クライミングも、落ちることを学ばないと、落としてはいけないことが学べません(^^;)。

■ トラウマ化しないには?

しかし、痛み(=落ちる)には2パターンの反応があります。

 1)懲りてしまう  → 2度としない
 
 2)自信につながる

1)懲りてしまうと、単純に”二度としない”ということになります。

クライマーはこれは是非とも乗り越えなくてはなりません。

私がいた会では、リードで落ちて、ビレイで停めてもらえず、足を骨折して、リードは二度としないと決意した先輩がいました。

では、2)自信につながる、という道を得るにはどうしたらいいか?

回復です。

苦痛からの回復は、成功体験

となります。

■ 回復がキー

ダメージを受けたまま、回復しなければ、恐怖の記憶だけが残ります。苦痛から回復したという経験は、成功体験となります。

 成功体験 = 苦痛からの回復

です。

回復とは、なんぞや・・・となりますが、

 心拍数、血圧、呼吸、体の緊張、感情、などが元通りに戻ること

です。

クライミングではカンタンに

 平常心

と言っていますが、平常心と言われたって、動揺している人は動揺しているとは、考えていないものです。

私も落ちれないビレイヤーと登っていた心理状態(アラート状態)のときは、基本的にストレス下にあったと思いますが、はた目には平常心で普通に見えたと思います。

その時の心理状態は、本人にとっても

 まぁ落ちないだろうから、いいかな~

という程度のものです。根拠は、Ⅳ級-や、5.7くらいまでのところしか登っていないから、というもの。

12登れる人に聞いたら、ソロイストでは、5.7しか登らないのだそうです。

つまり、絶対落ちないグレードと言うものは、登れる人でも初心者でもそう変わらないものだ、ということですね。

基本的に安全パイは、限界グレードの2グレード下という話になっているらしいです。

■ 回復の方法

さて、では具体的な方法は?

 ・ブリージング (鼻から吸って口から出す呼吸)

 ・マッサージ(ボディコンタクト、筋肉を柔軟にする)

 ・痛みを知る 

とされています。

 ・消化器を動かす (=副交感神経が優位になる)

も良いそうです。

クライミングなら、落ちて、落ちても大丈夫だということを知る必要があります。

■ 他者への恐怖心を取り除くエクササイズ

これは、なかなか実践しづらいかもしれませんが、

   うつぶせになり、その上を他者が転がる、

というものです。

私はヨガを教えている側で日常的に良く人のカラダに触るので、救急救命では、脈を取ったり止血などが得意であったりしました。

また、海外生活が若いときにあったので、挨拶のハグに慣れており、抵抗がないほうかもしれません。

バレエもまたパートナーとの踊りですし・・・

■ 4大エクササイズ

 プッシュアップ

 スクワット

 シットアップ

 レッグレイズ

です。私のヨガのレッスンには全部入っています。スクワットだけは、寝てやっているので、あまり筋トレ効果はないですが。

バレエのレッスンには、プッシュアップ以外が入っています。考えようによっては、私はバレエでプッシュアップをやらなかったので、必要性があって、クライミングをしているのかもしれません。

■ 引き算

西洋的なメソッドでは、何かを技術などを”得よう”とします。つまり、足し算です。

しかし、逆説的なようですが、クライミングは積み上げるもの、ではないような気がします。

私がバレエをしていたときは、ただただバーこそ自分の居場所、と感じていました。いくらやっても飽きない感じです。

例えば、タンジュなど、ただつま先を伸ばすだけのことです。詳しく言うと、かかとからつま先を出す、というような細かな動きの技術があり、それを習得するのに、夢中で何年も過ごせてしまったのです。

まぁやっている時は、何へつながるのか?分かりません。私はヨガのインストラクターと言う道につながりました。

狭い意味のクライミングという技術もそういうものかな~という気がします。スラブではいま、エア拇指球を掴みかけている気がします。それを探求したいという気持ちです。

そう言う意味では、キャンパシングボードにぶら下がって保持力アップする、というのは、私の関心からは大きく逸れており、全く魅かれない気がします。

余談ですが、この本ではゾーン(フローとも言う)に触れられています。クライミングがゾーンと共に語られるのは、珍しいことではありません。フローではチクセントミハイの著書が有名です。またバレも、巨大な感動を作り出すことで、ゾーンへ人を導きいれる要素があるような気がします。