■ オピニオンリーダーが現実を受け入れ始めた?
古い山ヤやクライマーの抵抗感は、私も分かりますよ? 私だって、そんなことまで教わっていないでも分かったぞ?とか思いますよ…最近の若者の無知具合には…。
レベル低下。
一言でいえば、そうなりますが…。
しかし、レベル低下した相手を責めても、そこから現実は動かないのだし…。
結局、新しい現実に適応していくしかない、と思います。
ーーーーーー東秀機さんの投稿 FBより引用ーーーーーーーーー
ジムグレードと岩場グレードの乖離について
いまロクスノの岩場のルートに対してグレードの指標となるため、「テストピース」となるべきルートとそのグレードを選定しようという企画が進んでいるようです。これは素晴らしい着想だと思いますし、大いに奨励すべきだと思います。指標となるルートがあれば、新しいルートを作ってもそのテストピースのルートと対照して、正しいグレードを当てはめられると思います。
ところでクライミングルートのグレードに関してですが、岩場グレードとジムでのグレードとの乖離が大きくなっているのが現状です。全体的にはリードルートは甘く、ボルダールートは難しめのグレードになっています。これに対して「領分が違うから気にしなくてもいいのではないか」という考えもあるかもしれません。
ただしジムで5.11を登るクライマーが岩場でもそのグレードを登れると過信すると危険です。例えば現在のジムでの5.10bはウォーミングアップ的なルートになりますが、小川山では「ブラック&ホワイト」がそれに相当します。このルートはジムで5.12を登るクライマーでも容易に落とせないルートといわれています。
この乖離のため、岩場初心者が安易に取りつくとグラウンドホールする危険性もあります。またジムで5.11c(岩場では10d程度)を登るクライマーが、岩場で同じグレードでのランナウトしたルートに取りつくとケガをするおそれがあります。
岩場で事故を起こしても小川山や備中のように市民権を得ているエリアなら存続できる可能性があります。ただし徳島の慈眼寺では一回の死亡事故で岩場は立入禁止となり、奈良の柏木では長い期間登攀禁止(今は関係者の献身的な注力で復活)となったように事故は絶対に回避すべき要素です。
現状ではほとんどの方がジムでクライミングを始めています。このためジムと岩場のグレードの乖離に対しても、新しいエリアでのグレーディングはジムグレードに引っ張られる傾向が考えられます。
以下は最近私が開拓したエリアの例です。
・ここ10年以内にルート開拓した岩場は市街地からほど近く、オープンにすれば多くのクライマーが訪れることが予想されました。
・この岩場は地形的にやさしめのルートが多く、初心者から中級者を対象にしたエリアになります。
・岩場は半世紀以上前には多くのクライマーに利用されていましたが、その後、訪れるクライマーがいなくなっていました。岩はハーケンやリングボルトがたくさん残っている「人工登攀の時代の岩場」でした。そのため再整備したような状況です。
・昔は地権者からも認められていたようですが、現在では地権者の代替わりや未登記、またはダム計画(途中で中止)の用地買収のため、再度許可を頂くのは困難な状況です。(ただし再開拓して10年くらい過ぎても特にトラブルはありません)
・それでもそのエリアでケガや死亡事故が続くと登攀禁止になる可能性があります。
私は岩場グレードを引き継いでグレード設定をしたのですが、家内は「ジムのグレードに対して辛すぎる」と言いました。そのため近年のクライマーはジムでクライミングを始めることを鑑み、最近開拓した登攀許可が曖昧なエリア、もしくはレスキュー困難なエリアではジムグレードに迎合した難易度をつける傾向にならざるを得なくなっています。またケガを避けるため、ボルト間隔を短くしています。さらに終了点での「結び替え」をしなくてもいいように「カラビナ製終了点製品」を設置しています。これは高額なため悩みますが、結び替えミスは死亡事故に直結しますので、金額には代えがたいものとして提供しています。
このリードルートのグレードが甘い傾向は5.11台以下のルートが顕著で、5.12後半からは岩場グレードに近くなっています。しかし初心者レベル程、経験数が少なく、岩場でのケガにつながるのであれば良い風潮とはいえません。
リードジムのルートが岩場に対してグレードが甘めであることは、ジム側にとっては「お客さんが喜んでくれる=増客・増収」という図式があるかもしれません。ただしそれは岩場でクライマーを危険にさらす要素に結び付くことも考えられます。
またクライマーも現状では「ジムグレードと岩場グレードは違ったものである」ということをよく理解して、慎重・自重を規する必要があると思います。
ーーーーーーーーーーーーーー 太字当方
■ ジムグレードを辛くしたらどうでしょう…
思ったこと。
ジムグレードが易しすぎるのでは???
今、私は大阪で、二つ三つ、ジムに行ってみたのですが、外岩派のジムではグレード辛いです。ヒグラシさんでは、7級でムーブ必要。
別のジムでは、6級でやっとムーブ出て来るかなぁ。まぁ私は怪我のリハビリなので、易しいのがいっぱいあるほうが好都合なのですが。
ニシキタウォールでは、一瞬で張りましたが、それくらい張り合いがないと…みたいな感じも一方でありました。岩場では、ニシキタくらい攻めている感じです。
ラオスでは、エンジョイクライミングなので別に攻めていませんでしたし、それが良くて成長したんですが…。
確かにジムのほうが、グレードに対する調整は楽なので、ジムグレードを一斉に難しくしたらいいのではないですかね?
7級にもっと幅を持たせるとか…。私の感覚では、7級で5.8ですが。その辺は私はクライミング経験値が浅いので当てになりません。
■ 知識を授かるポイント(機会)はどこ?
しかし、岩場のグレードとジムのグレードが異なる、という知識は、今の新人クライマーは、どこで授かるのでしょう?
そのポイント自体が存在しない…
山岳会にも行かないし、ロクスノも読まないし…本を読まないでしょう、最近の人は。
というのが問題のそもそもの始まりなのでは?
クライミング、
という一言で何もかもを片付けてしまうので、今の人はクライミングと言ったら、
「あ、あのカラフルなやつを登るのね!」
10人中9人が返事します。それって人工壁でしょうし、それってクライミングの一形態に過ぎないボルダリングって奴。
全然言っている内容が、いわゆる外を登るロッククライミングを指していません。
ので、クライマーに対するイメージも異なり、私のほうが高度な山を登っているんですけど…3級しか登れないのに2段をノーマットみたいな初心者クライマーが下に見てきます…。
結局、グレードがあると、それで一直線に序列ができると思っているのが、人間の先入観なのです。
同じことで、ボルダリングという言葉を使わずにクライミングという一言でまとめてしまうから、人は同じものだと先入観で思ってしまいます。
用語の混乱とか、グレードの混乱とか、業界全体で取り組まないと、改善されない。
登山で、山に登りましたっていうのだって、I climbed a mountainで、登る、って言いますけど、登山で出てくる”登る”、は、クライミングで言う”登る”、には入っていませんから!!!
普通の2時間の歩くだけ遊歩道のハイキングの山しか登れない、おばちゃん登山者に対抗意識、燃やされたりして、びっくりします。
ロープが出る山、っていうのは、みんな、やっていないのに、同じ動詞の、
登る
を使うんですよ。クライミングの山と歩くだけのスキルで完結できる山は、全く別の”登る”です。
そこの誤解を登山界も、クライミング界も解かずに、誤解に便乗して、
すごいですねー
って言われて気分良く過ごして40年たっているんでは?