2024/07/01

【クライミング心理学】ナルシストの攻撃&ダメージからの回復 

自己愛性パーソナリティ障害の人に傷つけられた人が回復する方法

1.  無理に忘れようとしない
2. 信頼できる人に話す
3. 相手を理解する

■ 前提

傷の大きさ= かすり傷から、重症まで。
相手の自己愛性PDの深刻度= 誇大性、賛美欲求、共感の欠如、他人の利用と幅が広い

■ 診断

次の9項目のうち5つに該当すると、単なる性格ではなく人格障害となる。

1)自己重要感の誇大性=自分は仲間とは別格であると思う、自分の業績は独特であると言いたい、
2)限りない成功の空想に囚われている、非凡な美しさ・理想的な愛の獲得に囚われている、
3)地位の高い人への同化、特別に才能がある人たちだけが自分と関係がある、そのような人たちだけがあなたを理解する、凡人には理解できないのだと感じる
4)過剰な賛美を求める 褒めてくれないときに傷つく 普通の人は批判されたら傷つく
5)特権意識 人々が意に沿わないとイライラしたり、怒ったりする
6)搾取的 他人に自分の望むことをさせようとする、他人を利用する
7)共感の欠如 他人の気持ちや欲求に気が付かない、自分勝手
8)嫉妬 他人があなたやあなたの人生をうらやんでいると感じる
9)傲慢な行動 恩着せがましい横柄な態度を指摘されたことがある

意外に本人は苦しい。
https://www.youtube.com/watch?v=nES8WadoOpQ より引用

■ クライミングと自己愛性PDの相性の良さ

以下は、クライミング自体がもつ本質がナルシストと相性が良い点です。

クライミングの事実として、いくつも相性が良い点があるため、クライミング界自体の内的な自浄作用が働かないと、クライミング界はナルシストだらけになってしまいます。

1)自己重要性

クライミングのニュースの在り方、クライミング写真の撮り方などが、過剰に自己重要性を強調しており、岩そのものを強調していない。クライマーを映して、岩を映していない。

2)成功幻想
 ・クライミング界自体が終わりのない成長神話に囚われている
 ・非凡な才能、非凡な業績の獲得に囚われている

3)俺を理解できるのは地位の高いクライマーだけだ、という同化

・誰でも入れるわけではない山岳会や、内輪主義がはびこっている
・また実際、登山の価値やクライミングの評価は非常に難しく、かなり歴史的な勉強が必要である。一般登山客は理解力が不足しているため、ポピュリズムに流れる

4)褒めてくれない傷つき体験

・素晴らしい成果を出しても理解されないことが実際には多い。ので成果自体が過激化する。

 例:スーパー赤蜘蛛フリーソロ
※これは傷ついたということではありません、理解されなかった事例

5)特権意識 

・一般登山者でも、登山初心者にウエアがどうだと怒っている人をよく見かける

6)搾取的 

・ドレイヤーが広がっている。つまり、搾取的関係でクライミングをしたがる人が多い

7)共感の欠如

・相手を殺してしまうような行為も登山やクライミングでは自己責任の掛け声のもとに横行しており、ミスした側の責任が問われない

8)嫉妬 

・ルサンチマンがクライミング界の伝統。 男の嫉妬は気持ち悪い。

9)他者が指摘するほどの傲慢な行動 

・グレードを鼻にかける

■ 改善方法

1)過剰な自己重要性を改める在り方

クライミングのニュースの在り方を見直し、多様な価値観を含める。ローカル岩場の清掃などの募集は、全国レベルで報道すれば、各ローカル岩場で清掃が行われている事実が広く共有される。

クライミング写真の撮り方を見直し、個人が特定できない程度の露出にとどめ、ナルシズムを過剰に刺激しないようにする。岩や山そのものを強調する。

2)成功幻想を矯正する

 ・クライミングに限らず、終わりのない成長は存在しないことを理解する
 ・非凡な才能、非凡な業績の獲得などの成果ではなく、プロセスにも注目した報道を行う

3)特権階級への同化を辞めさせる

・内輪主義ではなく、誰でも岩場に歓迎する雰囲気を作る
・遠い1ピン目などで、よそ者を追い返そうという意図をもった課題作りを辞める
・実際、登山の価値やクライミングの評価は非常に難しく、かなり歴史的な勉強が必要であるので、教育をしっかり行う。特にフリークライミングの歴史は戦後史と同じで、全くまとめられておらず、戦後70年の歴史は空白化している。一般登山客は理解力が不足しているため、ポピュリズムに流れるが、現在の報道体制がそれを助長しているので、ポピュリズムを刺激しない。

4)傷つき体験を改める

周囲に理解されなくても、褒められなくても、傷つかない。賞賛を得ることを目的に、登攀の対象を選ばない。自分の満足を起点に、クライミングの対象を選ぶ。

例:開拓 簡単なルートでも自分で開拓したルートは思い入れがあります。

5)特権意識 

登山者だけがアウトドアアクティビティの頂点に立つわけでないことを納得する。マウンテンバイクやトレイルランも重要な山のアクティビティで共存共栄を目指す。

6)搾取的 

ビレイヤーの地位を向上する。クライミング業界がビレイ技術についての解説をきちんと行う。

7)共感の欠如

自己責任は双方向をの掛け声に。ミスした側の責任をきちんと問う。事故の解析をきちんと行い、情報公開を行う。

8)嫉妬 

過剰な賛美=嫉妬。 過剰に賛美する習慣を改める。

9)他者が指摘するほどの傲慢な行動 

・グレードを鼻にかけるのをやめ、グレード一点豪華主義を辞める。

■ 自己愛性PDのあるクライマーの特徴

以下のうち、5点に該当する。

1)自己重要感の誇大性=自分はクライマーとして別格であると思う。
2)限りない成功の空想に囚われている=永遠にグレード向上を求め続ける
3)特権階級意識 = 俺は特別で、一般人には理解されないと思いたいため、なんとか相手に自分を理解させようとする。例:俺一高。俺だって佐藤ユースケ。
4)過剰な賛美= クライミングで間違いを指摘されると怒る カムのミスプレイスを指摘したら、なんでそんなことを言うんだよ!と返事する。
5)特権意識 = 一升瓶で阿弥陀北稜
6)搾取的 = 一升瓶で阿弥陀北稜に行き凍傷3人、〇〇買ってきてと言って買ってこさせる
7)共感の欠如 = リードの無理強い
8)嫉妬 = 私だって英語が話せたら…
9)傲慢な行動 = 自分がリードした後の回収クライミングを後輩に高く売りつける

■ 回復へのステップ

いや~、こういう人に近づいてしまったのは、なぜ父が私たち兄弟3人を捨てたのか?を知りたかったためなのですが…

回復のステップに最近乗り始めました。

1.  無理に忘れようとしない …白亜スラブ あまりにアホすぎて驚いた
2. 信頼できる人に話す … カウンセラーに話しています
3. 相手を理解する … ナルシストがどういう風に出来るか?理解しました。

■ ナルシストを作る子育て…親からの負の遺産

ナルシストって意外なんですが、生まれてから33カ月以前に親から、十分なケアを与えられず、ネグレクトやアビュースを受けたかわいそうな赤ちゃんなのです。

 男の子は外在化して暴力的になる
 女の子は内面化して内気になる

そうです。男の子は暴れて、親の注目を集めようとしてしまう、ということが将来的な残虐事件にもつながる暴力性の源泉。

幼児への虐待などの犯罪者はほとんどが自身も被害者であるのは、事実なのですが、だからと言って、免罪されるとは言えないので、自分が被害者であることを理由に加害を正当化することはできません。

■ 人としての正常な発達課題の充足を軸にクライマーを判断する


https://www.tatsuki.org/DoshishaThesis3/thesis/2016/19131034Miyakado.pdf
より引用。

■ 12歳~ 

クライミングができるのは、大体12歳以上の大人並みの理解力ができてからなので、学童期以降ですが…

この時期の解説しては、こうなります。
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この時期には,自分が誰かの役に立っている・ものをつくり,より良くできる・完全にできるという感覚をもち,仕事を完成させる「生産性」の喜びを身につけることが必要である
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要するに、先生に言われた通りにできるということです。熊本の会長さんが、「3回落ちたら、ハイ交代!」や、「5.9が4本登れたら次」というルールを守らせようとしたことは、学童期の子供への教え方を大人に強いたということになります。

大人は、自分が成長するために、適切な戦略は自分で選べます。

■ 14歳~

中高生は、クライマーとして身体能力が非常に伸びる時期ですが…思春期は、大人や親に与えらえた自我と自分のしたいことを統合することが大事になります。

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思春期には,子どもは親の価値観や生き方を見て,自分の価値観に取り入れたり修正したりするが,親の 価値観や生き方に矛盾が多くあればあるほど,子どもはそれらを自分にうまく取り込めず, 反社会的な行動をすることで親の生き方を批判する場合がある
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例えば、自分を乗り越えることが大事だと親が言いながら、グレードだけを評価したりすると、子供は混乱します。

褒めて育てる子育てはNGです。

クライマーとしては、自分がどんなクライミングをしていきたいか?を決定する時期だと思います。

名誉を求めるクライミングを俺はしたい!と、心から思っても、もちろん、良いのですが、頭が悪いと名誉でないことを名誉だと勘違いしてしてしまうことも起こります。

たぶん、クライマー的にはこの時期の発達課題で、

 クライマーとして、どんな生き方をしたいか?

の決定に困っているクライマーが多いと思います。

私は、ラオスに一回目に行ったとき、日本のクライミングスタイルを捨て、海外の仲間と和気あいあいと登るスタイルを取り入れたいと思いました。クライミングは国際言語っていうクライミングスタイルです。

なので、正直、ネパールなどの高所登山や5000~6000mでのミックス・マルチピッチクライミングなどの挑戦は、まぁ当然ですが、私とはカンケー無いので、後回しと言うか…記録などを勉強する気にも全くなれませんでした。

それより、楽しく登れる海外岩場を日本のクライマーに紹介するほうが、価値があるというか… もうわざわざ連れて行ってあげるツアーを組んであげてもいいくらいです。当方、仕事では、アテンド経験があるので、随行やツアー企画は慣れています。

話がそれました。もとに戻します。

■ 成人初期期、18歳~

20代の若いクライマーは非常に多いです。
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初期成人期では,友人やパートナーとの出会いが発達において重要になる.自分のこと を愛してくれる重要な他者を見つけ,魅力や愛情を注ぎ,注がれることで親密な関係や相 互的な関係を築くことで,「親密性」を獲得することができる.
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デートを目的にしたクライミングが多い理由かもしれません(笑)。みなさん、クライマー同士での結婚が多いです。

■ 一般成人期 30代~

一般成人期は、
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次世代を育てていくことに対して興味を持つことである.また, 結婚して子どもを育てることが生殖性を獲得する唯一の方法ではなく,自分の特別な才能 を活かした芸術や知識などを社会に与えることも方法の 1 つとしている
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ここに90%のクライマーが位置すると思います。

私なら英語能力、誰とでもすぐ友達になれる能力を生かして、海外クライマーと登るのは、クライミング界への貢献活動です。

■ 50代~ 人生後半に入ったクライマーの在り方

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成熟期の発達課題である完全性とは,「自分の人生は自分自身の責任であるという事実を
受け容れること」(エリクソン 1958=1987: 123)と定義している.
つまり,自分自身がこれまでに作り上げたライフサイクルを評価し直すことで,自分の人生を肯定的に受け入れることだと言える.しかし,成熟期に完全性を獲得できない・欠如したままでいると,自分の人生に後悔や挫折感を持ち,自分の人生を受け入れられない
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自分のクライマーとしての限界も含め、自分のクライミング人生を良し、と納得する態度が必要です。

いつまでも初心者クライマーと自分を比べることで自分を持ち上げようとしていると、必要な納得を獲得できないかもしれません。

最近、高齢のクライマーの投稿で、自分のクライミング人生について語ったものを読みました。

沢やさんでしたが、良いクライミング人生とはなんだろうか?と不思議な思いに囚われました。

素晴らしい業績を残された方だったからです。

そうした人でも苦悩するということは、クライマー界は意外にカウンセラーニーズが高く、私の高い共感性が、話し相手として、そうした心の傷を持った年配のクライマーの聞き役として最適だった、ということが言えるかもしれません。

普通の人は、聞くことがないようなクライミングや人生での挫折や心の傷などを聞かされたことは一回や2回ではなく、私は、焚火を見ながらの山の談話はカウンセリングルームみたいだな~と感じていました。無償のカウンセリングです。

■ 自分自身に誠実な生き方をしましょう

自分自身が楽しい!と思える山だけをすることは、意外に難しいのかもしれませんね。

山をお金に変えたいという思いや、名誉や賞賛が欲しいという思いにとらわれると、したくないことをしないといけない羽目に…。

皆さん、気を付けましょう☆

2024/06/29

【クライミング心理学】根強い無価値感とクライミングは相性が良い

■ 根強い無価値感とクライミング業績

最近、若手のトップクライマーで倉上さんが亡くなられた。

以下は、私が、心理学をこの6年間(+甲府時代)勉強してきた中での、考察であり、なんら、それ以上の根拠に基づいたものではない…。なので、根拠の希薄な、戯言と受け止めていただいて構わない。

梯谷さんは、心の傷と人生に起こす現象、がどう関連しているか?を研究されている研究者だ。

その中に、「息子、やったな」というのがある。

https://youtu.be/yqhxhgGNyj8?si=xgsNvmUsFFcBb8e9

親:日ごろから、あれやれ、これやれと過干渉

子ども: ほら、ワクチン打って失敗したじゃない!と親を責めるために、異物入りワクチンを引き当ててしまう

親を責めるために、子供は自殺します。分かりやすい自殺ばかりではなく、異物入りワクチンを引き当てるみたいな死に方もします。

ほら、親も、間違ったじゃない…。私の弟は、24歳の速さで心臓発作(正確にいえば、原因不明)で突然死で夜中に亡くなったのですが…彼の死は、

 親の道具である人生から逃れるための死

でした。姉の私は、弟の死を、”弟、やったな”と捉えました。私の直感です。弟の死の検証は、ここでは控えますが。

■ 倉上さんの死

運動誘発性の狭心症を持つ人が、有酸素運動がリスクだと分かっていて、富士山に行くのだとしたら、死の確率を高めに行っていませんかね?

富士山にトップアスリートがいくのは、標高になれる、空気の薄さになれる、というのが大体のセオリーです。

海外遠征で、パタゴニアみたいな高い標高の場所を控えていたのでしょうか…。 ネパールの沢と倉上さんは、セットで考えにくいです。ジャンボさんとお親しかったことを考えるとパタゴニアかな、と。

標高に慣れる目的なら、富士山でなくても、たとえば、標高1350mの川上村に引っ越すとか、標高2400mくらいの山小屋でひと夏働くとか、標高に慣れる方法はあります。

しかし、有名クライマーになって顔が割れてしまうと、そういうことができなくなりますよね…。人気とは皮肉なものです。

アレックス・オノルド君が、エルキャップフリーソロしてしまったので、あれ以上の記録を出さないと世界を驚かせることにならない。

次なる挑戦は、前の挑戦が非常に困難なものだったので、難しいのです… しかし、倉上さんがやったことは、普通のクライマーなら、一生に一回やれば、その後、十分、一生食っていけるだけの”賞賛”を稼いだはずでした。もし、賞賛を糧に生きていくのであれば、ですが。

でも、彼はとても謙虚で、そして、クライミング界の伝統は

 さらに上を目指せ

それ以外を教えていないのです。

頂点に上り詰めた人が、さらに上を目指せば?落ちるしかなくなりませんか?

そこのところを、クライミング界は少し考えたほうがよくはないでしょうか?

人間は機械ではない。もっともっと、と言われても、限界があります。

ましては、人としての限界を一度超えて見せた人に対して、さらなる期待、って、もう神になれ、とでもいうんですか?みたいな期待ではないでしょうかね?

■ 期待に殺される!

私も、期待に殺される!という気持ちを知っています。

クライミングでは、祝子川に2名で行ってらっしゃいと言われたときとか…

私は親がなく、母親も、私以外に二人も子供がいて、大変だったので、大学の進学費用は、全額、自腹です。

みなさん、そのことを、入学金、授業料のことだと思うでしょう…違います。高校時代の毎月の学費、食費、模試代、Z会の通信教育代、参考書代、受験にかかる交通費、宿泊費、…そういうのをすべて自分で出して、大学に入ったのです。

朝は5時からバイト、そして高校に出勤するのです。夜は友人宅で勉強し、家に帰るのは2時ごろです。なんせ早く帰ると親につかまって家事をさせられ、勉強できなくなります。

もう、すごく大変でした。大学受験に合格することに事態にあくせくしたことはないです。そんなの、失敗が許されない受験なのですから、余裕のよっちゃんで合格できるところしか最初から受験しないに決まってるでしょ。絶対、落ちない40mランナウトの5.8みたいな大学しか選ばないですよ。

そのおかげで私の人生は首がつながり、晴れて大学生になることができました… もうマジ、スレスレでした。大学に入った後も、入学式前からバイト。受験したその日に生協バイトを決めて、毎日1円を数えて、支出より収入が多いことを安心の材料にして、生きていました。大学自体も、働きながら出たんです。

そのような私に…さらに、社会での繁栄と成功を求めるなんて…。

いや~、もう18歳で大学に入学した時点で、ヘロヘロの、ゴールに倒れこんでいるマラソンランナーみたいな状態なのですから…

そんなマラソンランナーに、あと4kmです、とか言います?言いませんよね、普通。

ところが、自分自身が苦しい目に遭ったことがない人は、ヘロヘロの人を見ても、ヘロヘロだと分からないし、もっと頑張れ、というんですよね…。

倉上さんは、そのような状態だったんではないか?と思います。

もちろん、私は彼を個人的には存じ上げないので、想像だけです。しかし、あのような緊迫した、偉業を成し遂げた背景には、心の問題が必ずあったろう、と思います。

5.14RXですからね。

■ 生きている意味を感じたい

動物的な生存と言う意味で、生きることが容易になってしまった現代日本で、動物として生きている、ということを強烈に実感するのが、クライミングです。

7歳で、死を思った私のような過酷な生い立ちの人ですら、クライミング中に、ここは落ちれないな…と思うと、やっぱり死ぬのはいやだ!と思って、頑張ります。頑張ります、というか、頑張れます。

そう、もうヘロヘロなので、追い込まれないと、頑張れない、んですよね…。

頑張らなくても生きていけるなら、頑張らないで生きていきたい。

追い込まれたら、そりゃ生きるのに必死という動物的な本能が目覚めて、必死に岩にしがみつく、ということになります。

私にとっては、クライミングは少なくとも、30%くらいは、そんなところが動機でした。

ああ、私って、まだ生きていたいんだなぁ…って。

■ 消耗

しかし、そういうクライミングも、どんどん高度化していきますよね…

最初は、5.5くらいで、ひえ~と思っていたんでした…。ところが、今では、5.10aくらいでも、これ10aくらいかな~、やさしいな~、となってしまいます。もちろん、ちびの私には、10Aとは言えないような課題もあるから、私には、その難度で十分なんですが…。

それより、心が摩耗したのは、

 もっともっと

の周囲からの要求です。

43歳でクライミングを本格化して、46歳で海外に行き、47歳で一人で海外登攀に行ける力って、それなりにすごい達成だと思いますよ。私はアイスクライマーで岩のクライマーではないですし、一度も岩のクライマーとして自分を好きになったことはありませんし。

なんか、世間の期待が、人間としての限界を超えた期待を持たれているようで、謎でした。

私は、期待され慣れているので、そんな場違いで、的外れな期待、スルーする能力が育っていますが…。それでも、嫌なものはいやだったなぁ…

例えば、スポーククライミングの野口啓代さんって、無理難題みたいな期待ばかりをかけられて気の毒なクライマーだな~って、手記を読ませていただいたときに思いました。日本スポーツクライミング界を無理やり背負わされていたような印象を受けました。

クライミング界は、みんなで背負うモノですよ。一人の肩に載せるなんて、かわいそうです。

結局、スポーツクライミングの分野でも、フリークライミングの分野でも、親の期待を背負った二世クライマーの再生産、量産をしていて、勝つことでうれしいのは、親のほうのようでした。親がうれしいから俺もうれしい、みたいな、まだ成熟していない子供の心をスポーツ振興に利用している。

子供は、子供らしく、自分の好き勝手に生きるのが一番幸せですよ。

まだ、何が自分の幸せなのか理解できない子供の、親を喜ばせたいという気持ちを利用して勝たせて、その子は将来どうやって生きていく心のエネルギーを得るのだろう、と思います。

話がそれましたが、5.15、5.16.5.17…と、どんどん高度化して行って、人類は、どうするつもりなんでしょうかね?

5.20になったら、5.30になったら、5.40になったら…???

その間に、スタイルが付与され、RやXがつけ足され、エルキャピタンフリーソロも、おれは3時間30分で、お前は、3時間40分だから、お前が負けだ!とやるのでしょうか?

■ 食事

倉上さんは、ヴィーガンに傾倒したのではないか?と思っているのですが…私も一時完全ヴィーガンになりましたが…

脳内伝達物質の不足は、セロトニン不足になり、無価値感を強化します。

https://youtu.be/DLBBshmjA98?si=ABRMDq2H0uFJxlbO

もともとあった心の傷の傾向に加えて、栄養状況も加担したのではないか?と思いました。

肉が食べれなくなるのは、消化器系の機能に、不安が影響して、消化液を分泌しなくなるからなんですよ。なので、元気がないと、食欲も出ないでしょう。

不安が消化には良くないです。

■ 自分が楽しむ

”そんな承認欲求のクライミング、何が楽しいの?”

って、誰かも言っていましたよね。

海外で有名なクライマーですが、鈴木英貴さんとか、クライミングはすっかり飽きちゃってカイトサーフィンしてます、みたいな感じらしかったですが…先日は展覧会あったみたいですが…自由気ままで軽やかだなと思ったりします。

ユージさんも軽やかですよね。好きなことしかしない。

結局、心が震えることをやるのが、どんなことをしているにしても、人間は幸せなのです。

幸せに基づいてしか、他の人に幸福を分け与えることはできない。

恐怖を乗り越えることに、心のときめきを覚えてしまう回路がつながってしまったのは、心の配線ミス、みたいなものかもしれません。アドレナリンジャンキーってことです。

子供時代、非常に大変な目に遭うと、そうなることが心理学では明らかにされています。そこには、無意識と言う心理領域の働きがあります。

そして、限界を超える期待には、

答えられません、と口で言う代わりに、体で言うのです。

身体化、と言います。

■ 以下、リズ・ブルボーの『からだの声を聴きなさい』より引用

心臓にトラブルのある人は、限界を超えて、無理な努力をし、肉体を酷使しているのです。そんなとき、心臓は次のようなメッセージを送ってきています。

「お願いだから、自分を愛して!」

心臓にトラブルを抱えている人は、自分自身のニーズを無視して、他の人たちから愛されるためにすごく無理をしているのです。自分自身を愛していないので、何かをすることによって、他の人たちから愛されようとするわけです。

2024/06/28

【トレーニング】テニス最終日&水泳教室最終日

■水泳教室最終日

昨日は、水泳教室の最終日でした。

めだかスイミングクラブは、80代の方が中心で、そこで混ぜてもらうのは、まるで母親に再度お世話してもらうみたいな…そんな経験でした。

九州にいると、私の子供時代の古い傷がひどく痛みます。つまり、私は幸福な子供時代はもっていなかった、ということがよりリアルに感じられるのです。ですから、九州にいること自体が、私にとっては残酷なことです。

教室は、80歳の丸林先生が、とても教え方が、細かく、上手で、そのおかげで、あっという間に泳げるようになりました…。

■ 行くところがない!

実は、水泳教室は、4件目でした。4件も、もっと一般的なスイミングクラブを試したのですが、なんか競争的な空気感だったり、指導に工夫が無かったり、不倫の温床になっていたり…で、だめで、この先生なら泳げるようになるかも?と思い、決めたスイミングクラブでした。

ビンゴで、私が突然上手になった瞬間がありました。その瞬間のあと、泳ぐ順番も、一番後ろから、前から3番前に…なりました。つまり、私より上手な人は、前に二人だけ。バタフライは、いつも最初。

意外にあっさり上手になったので、経験が長く、ずっと通っていても、上達をあきらめている方が多いので、先生も指導に熱が入ったり、なんだり、とても良くしてもらったと思います。おかげで、子供時代にいなかったお母さんに50代で甘える体験みたいな感じでした。

私も、一応、4泳法が、全部、泳げるようになってからは、レベル的にあっていないのは、自覚がありましたが、かといって、他に行くところがないし…。

■ 指導がスポーツ振興の決め手

市井のスイミングクラブは、何件も試しました。

先生が大学生の男性だと教え方が超下手で、そのインストラクター職って、大学生の生計維持のためにあり、教わる側のためにはない、感じですし、逆に教えるのが上手な壮年期の男性の先生だと、色目使われます。

たぶん、水泳に限らず、スポーツの分野では、男性は女性が上達したい!と思っている心の、弱みに付け込んで、自分の性を満足させようとしています。特に水泳って、動きを教えるのに、体を触ることができちゃいますし… しかも、男性のほうが一般的に言語化下手くそですよねぇ? 動かし方触って教えたほうが早いと思いがちです。…というわけで男性の先生がインストラクターのスイミングクラブは微妙でした。

子供も入っているようなスイミングクラブは、とても、ついていけない…ジュニアは全く別の指導スタイル…質より量です…ということで、成人女性って、行くところがない感じなんですよね。

成人女性のスイミングでなくても、成人女性向けの、スポーツ指導はどこも同じだと思います。

しかし、女性同士でも、50代と80代だと、体力が明らかに違う…ので、ご高齢の皆さんに、一人元気な50代が混じると、練習メニューが高度になってしまって、なんか悪いなぁと思い…レッスン日は、あまり体力充実させずに行っていました。前の日にテニスの日にしたので、まぁ基本くたびれている。くたびれたくらいで、ちょうどよかったです。

水泳は、自主練のほうで、頑張って、レッスン日は、先生のアドバイスをもらう日で、頑張るのは別の日にしていました。

自主練はYouTubeなのですが、YouTubeのレッスンヒントでは、万人向けのアドバイスなので、実際、私個人がやるべきことが異なっていることがあり、先生のアドバイスがないと、やっぱり独学だと、いろいろ試しているうちに時間がたつというか…

ということで、まるでクライミングで、参加する山岳会がないんですよね…と同じ現象が水泳でも起きた感じでした。

■うまくいかなかった分子栄養学相談会の設置

80代の方々に混ぜてもらって、ありがたく感じたので、何か恩返しをしたいということで、分子栄養学のアドバイスをしてあげたいと思い、実は間宮先生という専門家の先生に格安の1000円で相談してもらえる日を作ったのですが、結局、水泳の先生に皆に宣伝して良いか?話したらダメだということで、開催をお知らせすること自体もできなくなり…私はこれをしようとしただけで、1万円近くのお金を失っただけで終わりました。

せっかく間宮先生に来てもらったけど、水泳のメンバーに、誰も相談者を募ることすらできなかったからです。本来1時間で1万円以上コンサルティングフィー取るんです。

それを1000円で出来る機会を作ったんですが・・・。

■ 皆が親切だった最終日

最後の日の今日、あれやこれや、と水泳の泳ぎ方を皆さんから、最後のアドバイスと言うことで教えてもらいました。みなさん、とっても母性的な対応でした。

こうするのよ、ああするのよ、ということですが… アドバイスをしてくださろうという姿が、とてもやさしくて、普通のお母さんってこういう感じなんだよなぁ…と思いました。

たとえ、子供が自分より、もう大きくて、むしろ子供のほうがすでにお母さんに教えるような状態であっても、大人と子供という関係性で、教える側、教わる側というのは、変わらないものなのだ…と思いました。

そういえば、母は、私がテニスを教えたとき、ほんとに下手くそだったんですよねぇ…わー、ママ、ヤバイなぁ…って14歳ながらに思ったんですが…。

私は、小学校に入るくらいまでは、母にしっかり甘えたと思うのですが、ある日、母にだっこされようと飛びついたら、母がぐらついたんですよね…それで、あ、母にタックルしてはいけないんだ、と思いました(笑)。これは、正常な心の発達だと思いますが…

一般的と思える男児たちは、14歳になっても、親が自分より体力的に弱いと気が付かない。これは、子供体験クライミングを教えて分かりました。

なので、女性に対しても、同じ心理が働くと思います。

 恋人として対象になる女性 = 体力が自分のほうが上だと無意識下で前提

 母親として対象になる女性 = 体力が女性のほうが上だと無意識下で前提

お母さん役にされてしまうと、女性の側がいかに大変でも男性は気が付かない、ということです。男性に気を使ってもらうには、恋人対象でないといけないのかも?

これが、クライミングで、数々の無理難題を突き付けられた理由ではないですかね?

女性は一般的に体力が下だ、という前提が、母親対象になると外れてしまう率が高い、のかもしれませんね。

だって大抵の男性にとって、母親は、しもべ扱いなんですよね。

■ 意地悪もある

嫌なことも少し起こりました。

私と同時期に入った人で、とても泳ぎが下手な人がいるのですが、私があっという間に上達したので、悔しかったのでしょう… なんか喧嘩、吹っ掛けられました…。

「おはようって言ってるでしょう!」「ん?あ、ごめん、気が付かなった。おはよう」「私無視されるの嫌い!」「ん?無視していないよ、聞こえなかっただけだよ」みたいな感じでした。騒々しい更衣室で、聞こえなかっただけで、毒を吐かれました。

この方、プールで、明らかに私を無視したことが何回もあるんですけど、私はやり返しはしません。聞こえない、聞きたくない、みたいな感じなら、無理強いは私はしません。こちらが嫌な気分になっても。

なので不当に感じたので、今回は反撃しました。最終日に、全面戦争開始。というか、最終日だから全面戦争。相手は、最終日じゃないと攻撃できないほど弱かったってことですね。

■ 一番上手でも教えない

私はクラスで一番上手なので、他の人に教える義務がある感じですが、だからと言って、年下の人に教わりたくないんだな、と思ったので、あっていたことが分かりました。

彼女が欲しかったのは、皆の注目を浴びること、承認みたいな感じだったんでしょうね… 

でも、先生方もかなり、彼女には気を使って、私に時間を使う以上に使っていました。ただ、先生の気持ちも、周りから見えてしまいますよね。

上手な人を育てるほうが、下手な人を上手にするより楽です。

■ 兄弟間競争を思い出す

兄弟で母親の取り合いってこんな感じだったよなぁ… 

兄弟だと、年齢差は変わらない。役割固定化します。子供のころの2歳は大きく、私は、いわゆるゴールデンチャイルドでした。

母には、お手伝いが必要で、そのお手伝いができる子供は、たいてい年長の子供で、その子に特別期待してしまう…母の愛や注目も、長子の私に注がれがちで、弟と妹はそれが悔しいのですが、追い付けない。

私は学校のクラスでも、なぜかいつも成績トップでした。がり勉はしていなかった。私の家は勉強すると、電気を消されてしまう家でした。たぶん、成績が良かったのは、絵本をよく読んだためだと思います。赤毛のアンは全巻3年生で読み終わりました。

特にがり勉せずに学業を吸収するので、学校の先生からも好かれ…何も特別なことをしていないのに、優等生で、先生のお気に入りの生徒になれたことを思い出しました。

水泳もそうだし、テニスも同じでした。水泳は11月から、テニスは5月からです。ま、テニスのほうは、中学でやっているので、上手で当然ですかね。

このように、大人のスポーツって、子供時代の再演の部分がありますね。

■ 劣等生でいれるから好き

私がクライミングを好きなのは、私がへたっぴと言うか、優秀でない自分、でいることが許される場、だからです。

再弱者って立場が好きです。これはバレエでも同じです。

もう、一生、ごまめでいいんだー、みたいな?ところが、九州に来たら、私程度のクライマーが、トップクライマーに近くて、閉口しました… みんなクライミングを分かっていなさそうだった…(汗)。

急に登れる側に入って嫌でした… マジ。相方の面倒見てやらないといけない側に(汗)。あっちのほうが倍くらいクライミング歴長いのに?

結局、クライミング歴の長さは関係なく、資質ですね。私自身より、危険予知がおろそかな人と組むと、私はまだビギナーなのにアダルト化…私はまだ初心者なのに監督役をやらないといけないみたいなこと…しないといけないので、疲れました…(汗)。

■ あなたの人格ですよ と言ってもらった

最後、私にちょっとちょっかいを出してきたグループのお局様、ボスになっている方が、私を褒めてくださり、人柄ですよ、と言ってくれたのが、非常に驚きました…。

私はうまく立ち回ったのでしょうか…?よくわからなかったけど。

意外な言葉で驚きました。

私はヨガの指導歴が6年あるので、スタバで、ぼーっと歩く人を見ているとそれだけで、歩き方の癖や、姿勢の傾向をどうしても解析してしまいます…水泳も水平になっただけで同じなんですよね。山の歩きも、山ヤ歩きができているかで来ていないか、すぐわかります。

水泳では、前バランス、を覚えただけで、泳げるようになりました。

ただそういうアドバイスってほしい人と欲しくない人がいるので、ほしくない人に与えることはないわけです。

結局、そういう風に受け取れない人は与えなくてもいい人だし、それは相手の問題であって、私の問題ではないのだと思いました。

テニスでも、年配の男性は、若い人、特に女性が強いと、自分を否定されたみたいに感じる人がいました。先生クラスでも…。

テニスでは、2つのスクールに行って、本当に指導法を工夫したいと思っているスクールに行くと、あっという間に上達しました…。若い男性の先生でしたが、プレイヤーとしてよりも、指導者としてのスキル向上に目覚めている方でした。

なので、クライミングでも同じことが言えるのでしょう。 

同じことがそういえば、ずいぶん昔にアメリカで、英語で起きた。ボランティアの生徒役をして、すごく上達して、皆が目を見張るような上達のことがありました…。私が英語が急速上達したのは、アメリカでボランティア活動したからかも?

そういうわけで、福岡では、

水泳界

テニス界

バレエ界

クライミング界

を知っていますが…バレエ界は日本の中でもトップクラスに環境が充実しており、テニスや水泳も指導法が確立していてハイクラスなのに比べ、福岡クライミング界の指導の窮乏状態はひどいです。

日本全国で見ても、これは同じで、他のスポーツと比べて、クライミングの指導法が確立していないことが、現在の事故多発、遭難多発の現状を招いているのかもしれません。

        最近毎週、花を買って、日々活け変えて楽しんでいます


2024/06/27

【訃報】倉上慶大さん

 いや、びっくりしました。

なんで、富士山だったんだろうか?

三名の登山者が富士山で遭難というニュースが入り、またか~と山に不慣れな登山初心者なのかなぁ…と思ってニュースを聞きましたが、なんとクライマーの中でも

 プロ中のプロ

みたいな前途のあるクライマーの倉上さんが同じ日に富士山で持病で亡くなったというニュースでびっくりしました。

心臓に問題を抱えているクライマーであることは知っていましたが…、なぜ富士山…?

以下、いくつか彼の業績や考えが分かる記事が出ていたので、紹介です。

1)なぜ除細動器をいれなかったのか?

https://number.bunshun.jp/articles/-/856054

2)公式サイト

https://keitakurakami.com/

3)プロフィール等のまとめサイト

https://hiroko310.com/2024/06/26/kurakamikeitabyouki/

4)お話しされている様子が分かる動画

https://youtu.be/3ZMykleuF-4?si=jOZLj7vnDKwg3ACQ

5)雨猿ラジオ

https://podcast.app/rainy-monkeys-radioyu-yuan-razio-p2325189

声が素敵なクライマーでした。

■ Climbers We lost 

倉上さんは、著名クライマーなので、ロクスノに追悼が出るのではないか?と思いますが、本当に親交があった人からの文章であってほしいなぁと思います。

というのは、故・吉田和正さんの記事が出たとき… 誰でも知っている有名クライマーからの追悼文だけで、本人の身辺を良く知っている人たちの追悼文ではなかったように思ったからです。

私はもっと深く吉田さんを知りたかったので…亡くなったことを聞いてショックでしたし、もっとクライミングと吉田さんの深い関係について、良く知る人から聞きたかったです。

日本では、有名クライマーの追悼しかロクスノには載りませんが…アメリカでは、Climbers We Lostという特集があり、毎年、亡くなった一般クライマーの思い出や追悼の話がまとめて出されています。

日本もやったらいいのに…。有名クライマーだけでなく、誰の命でも大事な命です。

一般クライマーの死は取り上げない、取り上げられないから、大した命ではない、価値はない、というメッセージを、暗示で送ってしまっています。

そうしたら、犬死というような、つまらない死に方のクライミング事故も減るでしょう…

■ 命を輝かせて生きるほうが、長く生きるより、私は好き

私個人の意見ですが、私は、長生きするよりも、命を精いっぱい使って好きなことをして生きるほうがいいと思います。

私は7歳から希死念慮があります。希死念慮がある、ということは、自分らしく生きさせてもらえないくらいなら、もう死んでしまいたい、と思うほどに、自分のしたいことに命を使うことが本人にとって大事だ、という意味です。

7歳から希死念慮があるのは、なぜか?

子供時代というのは、親に逆らえない。逆らったら、生きていけないからです。

なので、”偽りの自己”を作り上げないといけなくなります。親の気に入る子供像を生きるということですね。

以後の人生は、偽りの自己を抜け出すための人生みたいになります。

■ 賞賛を求めず、クライミングを求めることの大事さ

クライミングをすることや、クライマーであることが、”本当の自己”なのか?”偽りの自己”なのか?は、人によります。

親が賞賛される子供だけを欲しがる場合、子供は子供自身を愛してもらえず、賞賛を得たときだけ、愛してもらえるということになります。

例えば、テストで100点を取った時だけ親が喜び、そうでないときは悲しむなら、無条件の愛ではなく、条件付きの愛です。子供自体を愛しているのではなく、テストで100点取れる子、を愛しているってことです。

同じことで、クライミングも、”登れる俺”が、自尊心の根拠となってしまう人もいます。そうなると、登れなくなった途端に自尊心の傷つきを抱えることになってしまう… 

そういうクライマーを何人も見てきました。

そういう風にクライミングを使う人もいれば、純粋にクライミングが大好きという人もいます。

私には、登れるか、登れないかは、どんな体に生まれついたのか?いつクライミングに出会ったのか?の差にしか感じられません。

私は、ヤングケアラーであり、優等生として子供時代を過ごしたので、クライミングというのは、登山も含めて、ですが、子供時代の自分らしさ…優等生キャラ…とは対極にあり、なんだか、もともとの冒険好きで元気で明るい女の子、という本来の自分の自我を人生の中盤で取り戻した感、があります。

もちろん、それは、私たち兄弟にはいなかった父親を求める、探索要求と重なったわけですが…。

今後、私がクライミングを続けるのか?まだよくわかりませんが、私は、倉上さんのように、クライミングに自分の、何か才能のようなものを見出しているわけではなく、単純にクライミングくらい、強度の強い、失敗の許されない活動をすると、ものすごく集中でき、その集中が、自分の散らかりがちなマインドを整えるのに貢献するのです。

やってみたら、水泳でもできるし、テニスでもできることが分かりました。要するにスポーツの技の習得に、マインドフルになればよかったのかも? バレエやヨガも、技の習得にマインドフルになる活動ですしね…。

なので、私にはRはイラナイ。普通のクライミングで十分集中できるからです。いくら5.8でも、40mランナウトはイラナイ。

それにしても、彼の千日の瑠璃などの業績は、すごいものでした。

九州では、レベル感が40年前のままで、いくらランナウトしても、5.8では、現代のトップクライマーのレベル感を持ってすると、赤子の手をひねるくらいな簡単さなのではないか?と思ったりしました。

そのようなレベルで自我の源泉にしてしまうのが陳腐というか…。自己肯定感を上げる、という目的に使うには、時代感覚的に、遺物になってしまっている…。

もちろん、自己肯定感を上げるために何か成果を求めること自体が、そもそも、条件付きの愛を、本当の愛だと間違って求め続ける行為ではあるのですが…。

■ 人間の器が試される

クライミングや山登りって、正直な自分自身が試されます。

ちょっとしたミスや思い違い、かけ違いで、死ぬとなれば、いい加減なことは、普通はできないからです。(ナルシストで頭が悪い人の例外を除く…笑)

それを思うと、彼の業績から逆算すると、いかに器の大きな人だったのか?ということがうかがえると思います。

ご冥福を心より、お祈りいたします。

■参考記事

故・吉田和正さん https://allnevery.blogspot.com/2016/09/blog-post_68.html 

故・村上周平先生 https://allnevery.blogspot.com/2022/04/blog-post_19.html



           ジャンボさん、私、倉上さん


2024/06/26

【クライミング心理学】ナルシストだった実父を理解するために組んだ人

 ■ 喪に伏す

私は父を知らず、全く父のことは顔も覚えていません。そのため、父親が”いない”、ということについて、心底実感しないといけないのです。死んでいないから、”喪に伏す”という発想がゼロでした…。

父をしっかりと過去のものとするために、喪に伏さねばなりません。

そのために、手紙を書いていたのですが、昨日はそれでぐったりしてしまい、他には何もできませんでした…。

心理療法を受けるのは、こんな感じでクタクタになります。まぁ、子供のころから、いつも、こんな感じです。セルフケアでも、クタクタになっており、生きるだけになんでこんなにペダルが重いのかな?みたいな、坂道でもないのに、めちゃ重いギアで漕いでる自転車みたいな感じです。

■ 父を理解するために出会った人々

私の父は、これまで登山やクライミングで出会ったナルシストを総合した、トップのナルシストみたいな感じです。

いや、父とは、4,5歳から合っていないので、逆で、父を理解するために、クライミングで、父をほうふつとさせる人物に無意識で近づいてしまいその人たちは、結果としてナルシストだった、ということでしょう。

■ 一人目 …6人の子供がいて、そのことで被害妄想の男性

甲府で初期のころ、独標登高会の『八ヶ岳研究』を教えてくれたガイドさんは、6人も子供がいました。6人いて、そのために、自分は自分の人生が生きれず、かわいそうだ、と思っているのです。「俺だって、時が時なら佐藤ユースケ」が口癖でした。子供6人。それも、妻に嵌められて、子供が6人もいるのだ、と言っていたっけ…。

セックスをすれば子供が生まれる、そんな当たり前のことをしたのですら、人のせい、妻が悪いのだ、という…。あきれて物が言えない私でした。

3人の子捨てを行った父の元に生まれた子供の私に対して、彼は、執拗に自分がいかに被害者であるか?を主張し、私からガイド山行を引き出して金を巻き上げようとしていました…。いや、私がそのような星の元に生まれていなくても、ガイド山行は若い人には要りません。それに自分がかわいそうだから、参加してくれという戦法ってどうなんですかね?

         Stay away from people who act like a victim in a problem they created.

そして、私が作ってあげた彼の公式ガイドサイト、もし仕事で請け負ったとしたら、30万円の価値があったとおもいます。これがどれくらい安いのか?というと??

最近、心理学の起業で、一般的なカウンセラー起業される方がいくらでHPを作っているか、垣間見る機会がありましたが、100万円レベルでした。つまり、30万円でやってやっても、大幅ディスカウント。それで、私が代わりに受け取った山は?午前中だけみたいな半日の沢と金峰山1泊だけですので、いや~格安で仕事したなぁ。結局、搾取されているのは私ですね…。ま、自分から搾取されに行っているので相手に罪はないですが、返報性の法則とは反対ですな。

そんな方でも、結果責任、つまり、ちゃんと子供を養うために仕事はしていました。

■ 無責任は作戦勝ち

一方、私の父は、離婚が成立したとき、無職でした。そのことは彼に有利に働き、子供は妻に育てさせ、自分は何もしないで、濡れ手に粟で、子供を3人も得た、というのが、私の父です。

今では、父がわざと無職でいたことが分かる。確かに無職でぶらぶらしていれば、裁判所には、無い袖は振れないと言えばいいだけですよね…。そういう風に作戦を立てたのでしょう… もうすっかり、ずるいだけの男性が考えることは分かるようになってしまいました(汗)。

まぁ、こういうわけで、私たち兄弟3人は、人生の最初から、父親に捨てられた子供でした。なぜか?父が無責任で、快楽だけのセックスをしたい、おぼっちゃま君ナルシストだったばかりに。

ということが分かったのが、この方を知る経験でした。

■ かわいそうな弟

私の弟は、24歳で死にました。彼はついぞ、本当の父と息子の関係を知ることなく、父親の庇護や愛を全く知ることなく、死にました。

実父がいないことにはメリットもあり、私は、子供時代、”たくさんのお父さん”をこれまで得てきました。よその家のおじちゃんに助けてもらう、ということです。どのお父さんも、みな、子供には親切でした。

悲劇なのは、唯一の例外が実の父親だったことでした。

よその家のお父さんたちは、みんな、こんなに普通に、子供には優しいのに、なんでうちのお父さんだけが、違うのか?私たち兄弟3人を捨てて、どこかに行っちゃうのか?ほんとに分からなかった。

■ 二人目 …白亜スラブのパートナー

父の思考回路を本当に心底、理解することができたのは、白亜スラブのあとです。

その結果は、ただ、父は、とっても頭が悪くて…ただ頭が悪かっただけなんだ、ってことでした。

なんせ久留米大学って偏差値50しかない…んですよね。知らなかったけど…。父は久留米大卒でした。で、白亜スラブに一緒に登ったA木さんも久留米大卒。

白亜スラブのことがあるまでは、久留米大学の偏差値を調べるという、小さな行動すら思いつかなかったです。

結局、25+35が計算できないということを知って、え?と思って調べた。

暗算できないということしか、40年もののボルト1個に、二人で仲良くぶら下がる羽目になったことを説明できない…のです。

しかし、結局のところ、彼、自分の頭の悪さに無自覚でした。父もそうだったんでしょう。

私は偏差値74なんです。嫌味なので、普通の人とお話しするときにそんなこといいませんよ?でも、お医者としゃべっても下に見られたことはないです。そういうことから、自分が社会の中でどこに位置付けられるかは、なんとなく分かります。

彼は、別に自分が頭が悪いことを自覚しろとは言いませんが、ものすごく、自信家でした。自信の悪い面は、予習に手を抜くことです。彼は、自分はご機嫌で、素晴らしいクライマーだと思っており…そのことは写真に取られたがることで伺えました…そして、周囲から、強いね!とか、かっこいいね!とかの短絡的な賞賛を得るためだったら、何だってする。その上、準備不足、に自覚がない。ということでした。

つまり、その”なんだってする”ってことの中身には、クライミングパートナーを命の危険に陥れるということも含まれるのだ…ということでした…。別に悪気はないのです。頭が悪すぎて、普通の人が予見できることも、単純に予見できていないだけなので。

笑っちゃったのは、頭が悪すぎて、それをやったら、賞賛にも何にもならないことを、賞賛になるよ、とカマかけられても見抜けず、やってしまうってことです。

事例としては、クロ○ケオテ谷の記録、エイドでしたよね?今2020年代なんで、いくら初登でも、フリーで登らないと自慢にも何にもなんない。1980年代ならエイドでも、良かっただろうけど。

そんなことも理解できない頭の悪さだったこと…に驚きました。わざわざ、自分が頭の悪いということを、ロクスノで全国に広めてしまうなんて。

■ 同調=正解、の自動思考

これは、40年前の常識のままでいる九州で起ったことで、彼は山梨時代は、そんな尊大なことはしておらず、自分がどこにでもいる普通のクライマーだという自覚があったので、古い価値観のままの九州クライミング界への同調から起ったことでした。

つまり、もう周囲に同調するって方針だけで生きているらしかった…。

これで、なぜ私たち3人を捨てて、東京へ行ってしまったのか、父が理解できました。みんなが行くから俺も行きたかっただけです。

■ 善悪の検証不在

ナルシストって、自分がやったことの中身が良いことでなくても、自分の名を広めてしまうわけで、こういうわけでチッピングした人が、自分の成果?を広めてしまうことになるんだ…と共通性を理解しました。要するに、名が広まれば、良いことでなくてもいい、朱に染まれば、赤くなるってことです。

そもそも良いことと悪いことが区別できていない、んですね…。賞賛なら何でもいい。このことは名誉なことかどうか?の検証は入っていない。

これが理解できたのは、オマケでした。

■ 3人目… セックスマニアック

妻に性的生活を拒まれ、俺はかわいそうだって思ってる男性クライマーにも、複数、会いました。たぶん、妻が相手をしてくれないのは、あなたのやり方がまずいから…らしいですよ。

こちらに解説動画があります。https://shanti-phula.net/pny/m1604_video_site/videos/500/chapters/0/play

このブログはその辺を扱うものではないので端折りますけど…。まぁ、女性が嫌がるのは、一般的には、男性側が下手だから、みたいですね。

なので、拒まれるって、いったい、あなたのどこがかわいそうなの?って話です。かわいそうなのは、奥さんのほうかも?嫌なこと我慢してやってきたわけなので…。

まぁ、そういう場合、奥さんの方が一枚上手ですね。なんだか、一人暮らししているなぁと思ったら、たぶん、夫の相手をするのが、めんどくさいから、別荘に追い出されていたり。出身山岳会も、誰もフォローを務めてくれない…、結局、海外に行きたくても一緒に行ってくれる人がいない…。のは、なぜか?めんどくさい人だから。

並べる交換条件がおかしいってのがありました。

■ 比べる相手がおかしい

往年のクライマーは、皆40年登っています!と胸を張るのに、比べる相手が、その辺の初心者男性クライマーだったりしました…(汗)。

俺、まだこんなにうまい…って、初心者と比べるので、そりゃ、うまくて当然だろ、って感じでした。

比べるなら、現代のトップクライマーと比べるべきでは?

なんか、自分を比較する対象が変なのが、往年のクライマー。

それで、クライミング界最弱者のチビ&高齢初心者クライマーの私にクライミング能力で追い抜かれそうになって、焦るとか、嫉妬するなんて…(汗)。私からすれば、器がちっさすぎ、驚きました…。

じゃあ、40年やってるって自慢しなきゃいいのでは…(汗)。

だって、私のクライミング歴3年だよ?しかも、私はアスリートでもないし、そんな人に抜かれるくらいの実力?

まぁ、人は老いますので、どんどんと登れなくなっていくのですし、クライミングはムーブだけでないのですから、普通に5.9が登れれば、私はそれ以上を求めなくてよいと思っています。なぜかその割り切りができないらしかった。

その割りきりができないので、プライドを確立するのに、へたくそ初心者クライマーが必要、という構造が分かった。初心者男性たちは、わざとではないですが、ナルシストへの賞賛エネルギー供給源になっている。

この構造がわかったのも、オマケです。余禄。

逆に女性クライマーで登れる人は、彼らの自信を打ち砕く元になっているので、”○○さんを超えたら、もう一緒に登れない!”と叫ぶことになります…。そういう女性クライマーを3人くらい知ってて、え?そうなの?とびっくりしたことがあります。私は、私が上手になって助さん角さんのように、教えてくれた相手を支えるのが弟子の務めだ、思っていたので。

■ 4人目、5人目

阿弥陀北稜に一升瓶を抱えて行ってしまって(=自分の拡大したエゴを抑えきれなくて)、仲間3人に凍傷を負わせてしまった(重大事故を起こした)先輩もいました。山梨の山岳会時代に出会った人でした。

私からすると、

 (彼のエゴ)>(凍傷3名という結果の重大さ)

 (個人のエゴ)>(複数名の怪我という重大事故)

言葉で言えば、彼のエゴのほうが、他の三人にけがをさせるという事実より重たい。

逆から言えば、他の三人に怪我をさせても、個人のエゴが優先されるべき…

という判断を山岳会のみんなが下したことには、驚きました。代社会で、これが許されるんだー!と驚いたということです。

私の大阪での社会人経験では、いくらなんでも、ただ自分が一升瓶で、お酒に酔ってテント泊で前夜泊したいがために、仲間3人を凍傷に陥れるような山をすることは、社会的糾弾の対象でした。だって、みんなイヤイヤ参加していたんです。○○さんが言うから仕方ないなぁって。それで案の定、凍傷。しかも、判断も、同ルートを先行していたガイドがラッセルしたのをラッセル泥棒したうえで、ガイドが敗退決断したのに敗退せず突っ込んで、凍傷、という情けない内容でした。

もう、これで、許されるなら、社会が、ナルシストにわざわざ、エゴのエネルギーを供給している、としか思えない…と思ったんでした。

この経験は、山岳会という仕組み自体が、ナルシストへのエネルギー供給源である、という確信になった経験でした。

誤解がないように言っておくと、御坂山岳会は良い会です。ただナルシストへの歯止めになる、まっとうな山ヤの発言力が弱いだけです。ほかの会も同じなのではないでしょうか。

そして、5人目は、祝子川はスポートルートみたいな沢と言った熊本の会長さんです。

とても人気がある会で、クライミング主体で良い会だと思うのですが、いやはや…リスク認知が甘々もいいところです。本人はいい人なのに、なぜ? 頭も悪い人とは思えませんでした。特に疑問だったのは、支点への信頼絶大、残置を使うことの罪悪感ゼロ。それでアルパイン志向なのです。アルパインクライミングの定義がちょっとおかしいと思いました。

いろいろ考えて、九州ではエイドのことをアルパインと言っていることに気が付き、理解できるようになりました。

錫杖でも、撤去しても、撤去しても残置を置いていく人がいて、いたちごっこになっていますが、理由が分からなかったのですが、分かるようになりました。

結局、こういう風に登るのが、アルパインロッククライミングだよ…(山のクライミングだよ)っていうのが、40年前のⅣ級A1時代で止まっているため、支点は残置を使い、エイドは出して登るのが標準。山に残置はないものだ、とは教わっていないのです。

一方、現実は2020年代です、現在。支点は40年経過してぼろぼろ、現代はエイド時代は終わり、フリークライミングの時代でも、終わりの方で、高難度の時代になった。

フリー能力を底上げした人だけは、ほとんど、支点に頼らず、登れる。結果として、フリーソロと同じ論理で安全です。

つまり、落ちないから、支点強度はイラナイ。落ちない登攀力だけが保険になるクライミングをトップクライマーたちはしており、それができないフリークライミング能力(ルーファイ+ムーブ)だと、残置で落ちて大けが、という路線に落ち着くのが関の山、ということです。

いや~そうじゃないか?と、うすうす感じていましたが…やっぱりそうだ、という確認になった。

現代でアルパインにせよ、フリーのマルチにせよ、登るには落ちないクライミングしか許容できない。

私も、高齢初心者&女性で、クライマー界隈では最弱者なので、”残置で大けが”という同じ路線に追い詰められる!と感じていました。

実際、そのような女性クライマーを知っています。勝ち気で負けず嫌いな人でした。

これを避ける、抜け道は、スポーツクライミング一択です。

なんせ、フリーはアルパインの基礎力です。現代でフリーの基礎力を上げるには、スポーツクライミングに進む以外手段はないのです。

海外で延々と登り続けることができる人以外は。

■ 父を理解したかった

以上が、私が、私たち兄弟を捨てた父を理解したい、と願うあまり、排除しきれず、近づいてしまった人たちです。

子どもの愛は、無条件に深く大きく、私はすんでのところで、自分の命までなげうって、父を理解しようとしてしまったのでした…。本当に子供の愛とは深く大きいものですね。

クライミングの実情の理解は、余禄です。

私にとっては、ナルシストだ、ということが、具体的には、どういうことになるのか?学習する機会でした。

父がなぜ子供を3人も生ませた、美しい妻を捨てて、出て行ったのか? 子供に妻の愛情を取られるのが嫌だったし、そもそも子供なんて欲しくなかったし、子供を愛してなんておらず、タダの足かせであったのです。俺は俺の人生を生きる!と思って、その人生に子供は入っていなかったんです。なんで3人?学習能力が著しく低いからです。

そして、彼はナルシストに寛容な社会で、許されるという社会の後押し…離婚した女性は差別されるが、男性は甲斐性とみなされる…を背景に、罪悪感ゼロで、行動したのです。

社会がいかにナルシストにエネルギーを与えてしまい、なぜ彼らがこんなに多くの心痛を、悲劇を、生産しているのにもかかわらず、縮小ではなく、拡大しているのか?そういうことが分かったわけです。

最大のナルナルちゃんは、栗城劇場、でした…。

ホント、登山界の皆が、謎だ~と思っていた事象でしたが、謎でもなんでもなく、なるべくしてなり、起こるべくして起こることだったのです。

なんせ、ナルナルちゃんは、誰が見ても失敗の事例を、成功事例…もっとハードプッシュしても死なない…と受け取ってしまうのですから…。

■ 関連記事

2019年10月24日 父という病  父が核心と自覚 と対策

父親との自己同一化が起こると、家庭的な幸福を犠牲にして、仕事(やそのほかのもの、社会的成功)にまい進しようとする

2019年 母という病 優秀でない私も私、× 体に聞く

2021年7月23日 途中経過 代替えの父親ペルソナの形成

2020年7月11日の記録 弱点

1)父親の御し方を知らない
2)リーダーに献身しすぎて自分がおろそかになる
3)受け取り下手、一人で頑張りすぎる

2024年5月20日 の記録  → 回避傾向について自覚と原因

父親がいなくてせいせいしていた子供時代について&夫の拗ね(俺なんかいないほうがいいんだろ)が許容できない理由




2024/06/25

【クライミングエシック】ボルトの倫理

【海外ツアー】ボルトの倫理【クライミング】

やっぱり、奥村さんはかなり硬派ですね。ジョシュアの動画でも、ジョシュアのボルト倫理がかなり厳しいのが見て取れます。

なんでもオッケーの岩場もあるそうですが… 

さすがに終了点直掛けがローカルルールの岩場ってあるのかね?

【近況】クライミング界のみんな、ありがとう!

■ 山野井さんの動画、ユージさんの動画、タケチャンネル…

昨日は、山野井さんの動画を発見した後、うれしく思っていたら、なんとユージさんのオンサイトの哲学の動画を発見し、その後、悪口を書いたにも関わらず、タケチャンネルの動画を見ていたら、これだ!という良い内容だったので、

超・うれしかった☆

昨日は、3人の人から、三者三様の応援というか、後押しをもらったような、そんな気分の日だった。

 山野井さん → 服部さんとの動画で、正しいアルパインロッククライミングの在り方

 ユージさん → オンサイトとは何か?についての対談

 タケチャンネル → ボルトの倫理感について考察 

■ 現代版のアルパインロッククライミングの正しいあり方

山野井さんの動画は、アルパインロックの方法を見せる動画が必要だ!という私の主張を聞き入れてもらったような…? そんな気持ち…。

・ルートファインディングが大事

・下降を考えてから登る 

がアルパインの基本だと思っています。

動画を作ってくださった方々、本当にありがとうございます。

服部さん、前に田舎暮らしの悪口書いてすみません!

※南裏さんの元パートナーだった外山さん、色川で、超本格的な自給自足をしているんですよ…。https://www.youtube.com/watch?v=ZZG3RQMrLBI 

山の雑誌では誰も取り上げませんが…。神の導きでなぜか、この家に泊まりに行くことになりました…。その時書いたNOTE https://note.com/kinny2021/n/n91a12986f648

山の世界では、あまり自給自足の名人が取り上げられることはないので、そこらへんで、クライマー男性のレベル低下と軟弱化は、起こっているようです。 

■ ユージさんの対談動画

ユージさんの動画は、

 「最近のクライマーは、トップロープクリーンで登ってオンサイトと言う」という嘆き?

を、聞いてもらったかのようだった。

現代の若い男子って、とっても甘やかされて成長しているんで、「それは、オンサイトではないよ」とお姉さんが優しく、教えても、「は?」って言うと思います。

それくらい、男性たちは、自分たちのクライミング?というか、自分自身に根拠の全くない自己肯定感を持っています。

こないだも、読図で300m歩いただけで、こんな山、懲りた、と言われました…。それくらい、おぼっちゃま君なのですが、そのことについて、無敵の自己肯定感がある。それでいいって思ってるってことです。

これを自己肯定感と言っていいのか分かりませんが、俺の感性が最上、という自信と言うか…。私だったら、これが歩けるようになることが山をやるってことなんだ!と、自覚を深めて、さらに脇を締めて頑張る、ってところなのですが…実際、大雪のタカマタギに行ったとき、読図能力の必要性を痛感して、そこから3年かけてマスターしました…、彼らは、NO!と拒絶する。俺が辞書だ!ということです。

フリークライミングでも同じことが起こっている…。

カムがスタックしてロープが上がらない、とかいうレベルの、明らかに現実的に不都合が起こっていることでも、自分の成功体験を維持するほうが価値観、上です。

それはたぶん、合理的な思考能力が、非常に下がっているからです。これを言った人、偏差値50の人だった。私は別に自慢するようなことではないですが、社会の中では偏差値74です。でも自分がいつも働いている集団に属すと、下の方の人なので、謙虚と言うか、自分があっていて相手が間違っていると思うことは少ないです。まず、自分を振り返る。

しかし、偏差値50の人は、自分の理解が間違っているのかもしれない、とは考えない。

そういうのをどうやって説明してやったらいいのか?と思っていましたが、

 「ユージさんは、何をオンサイトと言っているんですか?」

っていう方法論はいいですね。じゃ、君も、そういうのをオンサイトというんだね、的に、相手を否定したことにならない。

まぁ、それはオンサイトとは言わないよって内容のもいくつかありましたが…。でも、人によって、それをレッドポイントと数えるかオンサイトというか、いろいろですね。私は、ロープにぶら下がること自体を嫌がっているので(ハングドッグ嫌い)、故・吉田さんのビレイヤーを務めた割には、古典的だと思いました(笑)。

ホント、この動画、上手くできた動画だと思いました。

しかも、良いのは、対談相手がため口なので、私の世代の人からしたら、世界のユージになんて失礼なんだ!と思ってしまいましたが、最近の無敵化しているクライマーには、受け入れやすいのかもしれませんよね。

一応念のため断っておくと、男女平等や、人権意識が広く広がっている欧米諸国でも、不遜な態度が社会に受け入れられているわけではない、ということは知っておく必要がありますよ。

上司をファーストネームで呼ぶけど、相手を自分の都合に使っていい、わけではありませんからね。海外ドラマとかで勉強してください(笑)。まぁ、そんなことしても、相手も、なんだこの失礼な奴、と思って動かないと思いますけど。

■ 海外との比較

3つ目の動画、ボルトの倫理…は、まだ当ブログには挙げていませんが、見ました。

実は、私も海外に出て、いろいろ岩場を見て回らないといけないのだろうと思っていたのですが、正直、一人で旅することに、荷が重かったのです。

財源もだけど、まだ私、5.11オンサイトくらいの実力なので、実力的に一人で放浪クライミングをするのは厳しいです。

もちろん、海外では5.9から登れますけど、アイスは5年、フリークライミングは3,4年の経験値では、経験値的に、見知らぬ岩場で、不安なルートに取り付くというリスクは取りづらいですよね…。

しかも、私、女だし。アメリカ・カリフォルニアに2年住んだことがありますが、私、体が小さくて、一度、連れ去られそうになったので、恋人のデイビッドが心配して、小銃を携帯させられていたことがあります…(汗)。

そう、海外は怖いのです。日本なんかより、なんでもあり、の世界なんですよ。

男性のゲイの家、女性のレズビアンの家に、部屋を持っていたこともあり、多文化のほうは、私は平気なのですが、今アメリカ、ものすごく治安悪いし…。アジア人女性って、アメリカ社会では、最弱者って意味です。しかも、私も50代に入り、高齢化してきたので、良いカモ扱いです。こうしたことは、いくら優秀でも、限界があります…。

若いときは、突っ張っていたら、相手が逃げていくし、若い女性と見れば、誰でも助けてくれますけど…。それでも、レイプの危険があり、男性のボディガードは欲しいですよねぇ。いや、そのボディガード役がレイプしてくるってのがあるあるなんですが。これは、40代に入ってもうおばちゃんになったから安全だーと思ったら違って、50代に入ってもうおばちゃんになったから安全だーというのも、どうもないみたいです…(汗)女性は80代でも危険です…。

なので、女性同士で組める人がいたらいいなぁとは思っているんですが、難しいですよね。ラオスに誘った方もいましたが、仕事が休めないそうでした。

ということで、海外の岩場をめぐって、日本の岩場の現状を振り返るようなことは、敷居が高いなと感じていました。

良い仲間がいれば、海外の登攀に混ぜてもらってもいいけど、そうでもないのなら、無理して行かなくてもいいかなくらいです。それより、ピラニアに匹敵するジムないかな、みたいな感じ。本来は、今はジムで、ムーブ蓄積したらいい時期なので。まだ4級の壁は破っていません(笑)。

…とそんなところで、「日本の岩場のボルティングはおかしい!」という私の主張を聞いて、助っ人に来てもらったような…そんな印象を持った動画閲覧でした☆

まぁ、こちらが勝手に解釈しているだけですが…。

■ お礼 : クライマー向け物件情報

私は、いろいろ、メンタル問題で、痛手を克服する必要があり、今年はラオスに行くまででしか視界は開けていません…。

クライマーのゲストハウス設立については、まだ保留中です。これは、やる気になれば、いつでもできることは、すでに数々のWwoof経験から確認済みですから…。

海外クライマーを接待することを考えると、日本の古民家がいいのですが、岩場に近い場所で、物件が見つかれば、いいですけど、市場に出ている情報サイトでは、岩場のそばの古民家って、ほとんどないです。

でも、定年退職したクライマーが、都会を引き払って、岩場の近くに住む、っていうのとか、何人かのクライマーグループで集まって、岩場へ行く途中のねぐらにするのにいいのでは?みたいな物件はいくつかありました。

ので、これらの情報をアップします(笑)。激安なので、どんな貧乏クライマーでも入手できます。むしろ、維持費をチェックしてくださいね。資産を得るつもりで負債を抱えないように…。再建築不可物件は、ある種のテクを使えば、再建築可能になりますが、そういうのは、お金持ちの手法なので、クライマーとは関係ないかな。

伊東の物件

https://ieichiba.com/project/P202300767%E4%BC%8A%E6%9D%B1%E5%B2%A1K

小海町の物件

https://fieldmatching.klc1809.com/property/a00792

伊豆の物件

https://fieldmatching.klc1809.com/property/a00823

岩場の近所の自治体は、こういう媒体を利用して、ロクスノにこうした特集記事を出したらいいんじゃないですかね?クライマーはクライミングできる土地に集まるのが、良いと思うんですけどね。

■ 梅干し 

今年は梅不作なのだそうです。でも、せっかく梅干し名人の友人がいるので、漬ける予定。

  私は、クライミング&畑&手作り食材&国際交流&外国インテリア派、な人です。
もともと、サンフランシスコに若いとき呼ばれて行って、そっちに移住する気だったし、婚約者がいました。水があって、普通にミッション地区でアメリカ人として、自営業を営んで生活していました…。チャイルドケア、エルダリーケア、ソフトウェアテスト、です。



【クライミング心理学】Why I risked my life to know how narcissist behave?

I wrote a letter to my dad. It was my homework to write a letter to him. It took me a while to get ready to write to him since I haven't seen him since I was 6 or 7. I don't really remember him or his face.

My image of my dad is somewhat a mixture of three men: Mikami, Aoki, and Araki. They are all my climbing mates: one was my guide, another was my mentor, and the last was my partner.

All of my therapists wondered why I climbed with such people, who seem obvious to avoid if you are a wise climber. Now I realize why: I wanted to know my biological dad without actually seeing him, so I wouldn't get heartbroken again. My dad had already hurt me once, and going near him again would be a bad move. But I really wanted to know why he had to abandon us, his three kids.

Sadly, I found out that there was no reason except for his irresponsibility and narcissism. My dad just wanted a beautiful woman, my mom, as his trophy, and wanted to use her as he wished, with zero responsibility on his side. So my mom was trapped.

I found out these facts by actually learning from life, observing people in similar situations as my dad. Mikami had six kids and still blamed his wife for having them. What a fool for not avoiding pregnancy. Maybe once or twice could be an accident, but six times? He was just a fool.

Aoki was my climbing mentor and was so proud of his ice climbing. But I was rapidly getting better by the end of our partnership, and he did not like the fact that I surpassed him. This made me realize something was wrong. Every climbing mentor should be happy if his apprentice becomes a better climber than him. He was not. So he climbed with me only because it was his only choice.

The last was my ex-climbing partner. He was so stupid that he couldn't even count 25 plus 35—basic math. He still thinks that climbing is his success, too dumb to know what good climbing is. Moreover, he announced how dumb he is to the entire climbing community by putting up a record of Sawanobori in Kurosukeote using aid climbing in the 2020s. It's been 40 years since free climbing became the norm, not aid climbing. Writing a record in aid is a thing of the past, unless it is something much greater than today's top climbs, like Shomyo Falls. This illustrated how stupid he is and how beginner climbers had lost the minimum intelligence of knowing today's climb.

In the end, I unconsciously wanted to do my research on my biological dad by observing someone else who seemed similar to him. That's why I went so close to such dangerous people, risking my life.

                            I enjoyed this climb without non of those people 



2024/06/24

【レジェンドクライマー】ユージさんの登り方

対談Vol.2 平山ユージ【オンサイトの極意】 再投稿

クライミングのメンタリングって、難しいですよね。

相手の価値観を否定する気はないけど、その価値観で行くと、クライミングの醍醐味は味わえないし、そもそも、フリークライミングっていう原義に反するんですけど!みたいなのとか…。


もう二度と教えてやるかって思いましたとさ!

私は50代に入ったところ、団塊2世なので、こんな偉そ~なしゃべり方の若者がいたら、まぁ、カチンと来ますが、よくユージさんは耐えているなぁと思ったりしました…(笑)。

ジム運営しているから、若者が失礼なのには慣れているんでしょうかね。

現代の若者って、ほんと、贅沢に育っていますね…

■ 新クライミング用語 ウェブザベ

ウェブでオブザベすることらしい…。

で、検索すると、専用サイトがあった…(汗)。

うわ~ 世も末…と思ったが、心の広ーいユージさんは、俺の時は、まだそんなのなかったからね~と言って、心が広い広い…。

ウェブザベしたら、オンサイトにならない。

隣のルートからルートを観察したら、もちろんオンサイトにならない…

ビレイしている手で、クライマーが登っていて、そのロープの出具合から、ルートの様子がさぐれてしまう…

私もアイスで経験がある… ロープの出るスピードが遅くなるので、ああ、難しいんだな…と分かります…

そういうので、どれがオンサイトの程度に含まれるか…という質問ですが、相談者が、自分がやっていることを完全に肯定して、自分が法律になっていることに、ほんとに心の底から驚きました…。学ぶ気ゼロじゃん…

クライミングの伝統と異なる価値観を自分が持ち込んでいるのではないか?という不安は一切ないんですね…。

これが新時代の自己肯定感ってものなのか?だとしたら、これは、世の中は、どんどんエイドクライミング化されていくんじゃないのかなぁ…というのは、人間は安きに流れるものと歴史が証明しているからです。

すごく効きが良いチョークが出ることが全然、問題視されなくなり、ボルダリングでは、ウェブでムーブを見ることが問題視されなくなり、これを広げていけば、リードだろうがマルチだろうが、どのルートでも、今なら、ドローンで登っているところを映せる…

ルートファインディング能力はイラナイってことになりますね。

でも、ルーファイしながら、間違いを内包しつつ、岩や山と対話して、その駆け引きで、勝っていくっていうのがだいご味なのに…それが無くなるんだったら…

一切、コンフォートゾーンから出たことにならない…

リスクを取ることが面白さなのに、そうすることで、クライミング自体は面白さを減じていくだろうと思うので、そうした

 ハイテク登り

は、クライマーは自ら首を絞めることになるのだろうけれども、他の人がそれに気が付く前に、うまくやった人はそれだけ楽に、トップクライマーの座に座ることができるわけで…現代の若者がやっている競争はそれですね・・・

”してやったり勝ち”・・・ YouTubeも早くデビューしたもん勝ちでしたもんね…

でも、例えば、アイスクライミングのコンペでは、ヒールフックが禁止なのですが…(そうしないとクライミングが簡単になりすぎるため)…そういう自主規制を入れないと、誰でも8aが登れるという時代は、すぐそこなんだろうなぁと思いました。

5.9が価値あるものだったのが過去のものになったように、5.12が価値あるものだった時代が過去のものになったように… 5.13が陳腐で古ぼけたものになる時代が目前に見えています。

やっぱりベアフットクライミングに回帰するべきなのかもですねぇ…(遠い目)

■ オンサイトのための戦略の立て方

高難度をオンサイトするために、どういう戦略を立てるか?というのは、低グレードを登るクライマーでも、参考になるのではないかと思いました。

湯川のアイスは、15メートルしかないのですが、あれを何往復もすることで、距離を伸ばし持久力戦をしていた時期がありました。それで相沢55mが楽勝になった。

岩も同じで、近所の油山川でも、右から左に全部登ると結構な登攀距離になります。それでマルチの持久力がつく。

今のクライマーって、40年前からの

 5.12波状攻撃

から進化していないので、日がな一日ロープにぶら下がって、同じ課題をしつこくやってる。

それで、どうして、ビッグウォールに登れると思うのか?そこが謎でした…。

やっぱりユージさんもそんな登り方は、していないですよ。

私はラッキーで、師匠クラスと登っていたので、戦略は自然に身につきました。今はたくさん、ナインをオンサイトする時期なんですよね。距離を延ばせばそれが11になる。

今までのクライミング動画って、難しいのをトライにトライを重ねてやっと登れました、すごい頑張ったねーって動画しか出ていなかったからなぁ…。

こうした戦略を語るメンタリング動画は貴重だと思います。男子、一緒に登ってもそういうことは非言語に語られるので、学習しません。

米澤さんと登っていたころ、男性クライマーも一緒にいましたが、米澤さんは、岩場の端から端まで順繰りに休まず登る…それを見ても何も学習しなかったですもんね。

■ 心が広い!!

しかし、それにしても、ほんとユージさんって心広いクライマーさんなんですね!

さすが世界のユージ!そこは、吉田さんとはやっぱり違うなって思いました(笑)。

【動画】無雪期の正しいアルパイン・ロック・クライミングの仕方

【本編】未踏の岩峰『ガンガラシバナ』服部文祥・山野井泰史 (BUNSHO HATTORI/YASUSHI YAMANOI)

なんだ、ちゃんと服部さんと山野井さんが、きちんと、

 無雪期のアルパインロックはどうあるべきか

ちゃんと分かる動画あげているではないですか!しかも2年も前。コロナ全盛期に。

クライマーは、沢をやって、読図ができないと、未踏の岩壁は登れないって何度も言ってるのですが、誰も、読図したり、沢歩きしたりすることに納得がいかない様子なんですよね…

この動画を見れば分かるでしょう。

水平の300m程度の谷間の道を読図で歩いただけで、ビビっている現代の若者…

昨日聞いたら、そこ、遭難者が出たんだそうです。ただ普通に危険個所をよけながら、直進すればいいだけの谷間の道すら、歩けないのですから、黒部川の十字峡なんて歩けるはずがないでしょう…

結局、スノーピークスが大人気… たった標高597mの油山すら、スノーピークスで人工化&豪華施設化されて、自然、とは全く逆方向の、人工、に向かっている福岡ハイキング…山業界。

まったく山ヤ道の砂漠です。

【クライミング技術】九州で冬壁をやる方法が進化しないのは、ドライをやらないからでは?

 本州のクライマーは、アックスでアイスとミックスになったクラックを登るんですけど…足元は、フルーツブーツで…

九州では、

アイスクライミングはゲテモノ、

さらにドライツーリングはゲテモノ、

さらに、ドライをやらないからミックスをやらない、

という理由で

冬壁は一生大山北壁年一回

から出れないという話なんではないですかね?

まぁ、九州は寒くないのが、気候的な制限なので、

ボルダリング

×

川遊び

で頑張るのが、気候に即した自然遊び、のような気がします。


2024/06/23

【心のつながり】山野井さんにお礼ができて、よかった☆

 ■ 山野井さん×福岡山フェスタ

数日前に知ったのですが、今日は福岡山フェスタでした…

福岡に来て初年度は、福岡の山事情を知ろうというので、私も、海外登山研究報告会みたいなのに出たりしたんですが…

その時の講演者が、南谷真鈴さんとか…、全然山ヤじゃないじゃんか!と腹が立ち、福岡の人は何にも分かっていないなーと思ったんですよね…

しかも、その時の報告が、マッターホルンヘルンリ稜敗退記で、がっかりしたんですよね…。なんで現代の若者が、ヘルンリ稜? こんなの、行くくらいなら、普通に中崎尾根でも行けばいいのに…と思ったりしたのでした。

そんなこんなで行かなくなった山フェスタ…素人さんのお祭り…という悪口を書いたせいか(笑)?今年のゲストは、泣く子も黙る山野井さんでした…。

実は、私は今年は、小屋に2か月ほど詰めるのですが…久しぶりに、私の大型ザックを出してみると、内張がポロポロと外れてきたので、これは…(汗)と買いなおしを迫られ、それでザックを選びに山道具屋へ行ったことで、今回のフェスタ開催を教わりました。

■ 相変わらず、”山ヤ”も”クライマー”も、おらず、登山客しか来ていないようだったが…

宝満山は良い山だし、岩場もあるが、と言っても、エイドで登りましょう、みたいなのが九州のアルパインクライミングだし、宝満の登山者の99%は、一般登山”客”。

で、それを反映しているかのような聴衆だと思われた。

もちろん、私がそう思っただけで、本格山仕様の人もいるのかもしれません…めちゃデカいザックを背負った若い兄ちゃんを一人見ましたので。

でも、ここでデカいザックを背負う必要はないので、何かのアピールとしか思えないしなぁ…。

よほど、暇でないと普通はクライマーは、こういう山フェスとか来ませんよね…

私は、山野井さんにお礼が言いたかったので、今回その機会が持てたのは、まさに神の采配!と思いました。

■ スティーブの件

実は、以前、UIAAのスティーブ・ロング氏が日本を訪ねてきたときに、知人伝いに、ご対応いただいて…。

お世話になったので、お礼は言わなくては…!と思っていました。

今日は、直接会うのは無理かなと、あきらめかけたときに、トイレに行く途中で、山野井さんとすれ違ったので、お礼を言う機会が持てました。

他の方はファンとして、行列に並んでいたので…。並ばず、お礼が言えて助かった…。

というのも、午前中、試験を受けて、ランチなしの足で向かったので、腹ペコで限界でした(笑)。

■ 山の価値観を伝えるのは難しい

しかし、福岡県民は、山野井さんの偉業は、たぶん、内容的なものは分からなかったと思います…

クライマー向けには話しておらず、山野井さん的には、写真と山人生を紹介するだけの、内容的には、軽い内容だったと思います…。

大きな声では言えないですが…、たぶん、詳しい話をしても、どうせ、この人たち、わかんないし、って感じだったのではないかと…。

■ 野田勝さんと山野井さんの違い

鹿島槍天狗尾根で亡くなった野田さんの笑顔の写真と動画があったのですが…彼と自分との違いは?という自問自答に、山野井さんが、山頂では、自分は緊張を緩めない、と言っていたので、だよなぁと思いました。

山を下りるまでが、山、と習いました。下山のほうが難しい、とも…。

降りるまで緊張を緩めない、そこが違い、とおっしゃっていて、かなり重要なポイントだと思ったけど、誰も分からなかったのではないかなぁ…

だって、プロセスはどうでもよく、ピークをゲットしたら、よっしゃ!ってのが最近の登り方ですもんね。

■ おじさんは何を象徴していたのか?

隣に座っているおじさんが、金山につながる登山道で花乱の滝コースっていうのがあるのですが、そこを推したので、「金山、山頂からは何も見えないですけど、良いコースですよね」と言ったら、おじさんが誤解し、

「山の初心者はピークから見える景色がないとか言うんだよ」

と、私、言われたんですよね…(笑)。

積雪期ガイドステージⅡ持ってるけどね… 山、初心者扱い(笑)。

そのあと、山野井さんのスライドショーで、ガンガン、山のピークから、大絶景が広がる写真ばかりがたくさん出てきました…(笑)。

あの景色をご褒美に頑張っているって話なんだもんねぇ…。

まぁいろいろな山があってよいと思います。私もいつもプロセスを楽しむタイプですし。

けど、ヒトを見た目で判断して、すぐ素人扱いするのは、どういう心の習慣なんでしょうかね?

で、そのおじさんに、「これ、八ヶ岳ですよ」とアイスクライミング中の写真を見せ、「これは岩登り中です」と、ラオスの登攀中の写真を見せたら、黙りました…。その後反撃され、携帯の画面がまぶしいと苦情を言われました…。そんな姑息な嫌がらせ、よく考えつくもんだ、と思いました。まさに、私がナルシストマグネットであることを自覚した瞬間でした。

その後おじさんは、山野井さんの話は聞かずに、ずっと私を責める言葉を頭の中で言い続けているんじゃないかなぁと思いました。山野井さんが話しているのに、寝てた…。

そのおじさんのおすすめルートは花乱の滝ルートで、私もそのルート好きですけど、山頂に景色がないのは、事実なので、その事実を指摘しただけで、”山初心者”、呼ばわり…。

こんなことを年配の人がしているから、若者が山からいなくなるんだろう…。

もう私も、山を教えるのはあきらめて、山野井さんみたいに、クールに着々と自分の山をやろう!と思いました。

上を見ても、下を見ても、がっかりするような人しかいないんだもん…

結論、これです(笑)。