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2024/06/24

【レジェンドクライマー】ユージさんの登り方

対談Vol.2 平山ユージ【オンサイトの極意】 再投稿

クライミングのメンタリングって、難しいですよね。

相手の価値観を否定する気はないけど、その価値観で行くと、クライミングの醍醐味は味わえないし、そもそも、フリークライミングっていう原義に反するんですけど!みたいなのとか…。


もう二度と教えてやるかって思いましたとさ!

私は50代に入ったところ、団塊2世なので、こんな偉そ~なしゃべり方の若者がいたら、まぁ、カチンと来ますが、よくユージさんは耐えているなぁと思ったりしました…(笑)。

ジム運営しているから、若者が失礼なのには慣れているんでしょうかね。

現代の若者って、ほんと、贅沢に育っていますね…

■ 新クライミング用語 ウェブザベ

ウェブでオブザベすることらしい…。

で、検索すると、専用サイトがあった…(汗)。

うわ~ 世も末…と思ったが、心の広ーいユージさんは、俺の時は、まだそんなのなかったからね~と言って、心が広い広い…。

ウェブザベしたら、オンサイトにならない。

隣のルートからルートを観察したら、もちろんオンサイトにならない…

ビレイしている手で、クライマーが登っていて、そのロープの出具合から、ルートの様子がさぐれてしまう…

私もアイスで経験がある… ロープの出るスピードが遅くなるので、ああ、難しいんだな…と分かります…

そういうので、どれがオンサイトの程度に含まれるか…という質問ですが、相談者が、自分がやっていることを完全に肯定して、自分が法律になっていることに、ほんとに心の底から驚きました…。学ぶ気ゼロじゃん…

クライミングの伝統と異なる価値観を自分が持ち込んでいるのではないか?という不安は一切ないんですね…。

これが新時代の自己肯定感ってものなのか?だとしたら、これは、世の中は、どんどんエイドクライミング化されていくんじゃないのかなぁ…というのは、人間は安きに流れるものと歴史が証明しているからです。

すごく効きが良いチョークが出ることが全然、問題視されなくなり、ボルダリングでは、ウェブでムーブを見ることが問題視されなくなり、これを広げていけば、リードだろうがマルチだろうが、どのルートでも、今なら、ドローンで登っているところを映せる…

ルートファインディング能力はイラナイってことになりますね。

でも、ルーファイしながら、間違いを内包しつつ、岩や山と対話して、その駆け引きで、勝っていくっていうのがだいご味なのに…それが無くなるんだったら…

一切、コンフォートゾーンから出たことにならない…

リスクを取ることが面白さなのに、そうすることで、クライミング自体は面白さを減じていくだろうと思うので、そうした

 ハイテク登り

は、クライマーは自ら首を絞めることになるのだろうけれども、他の人がそれに気が付く前に、うまくやった人はそれだけ楽に、トップクライマーの座に座ることができるわけで…現代の若者がやっている競争はそれですね・・・

”してやったり勝ち”・・・ YouTubeも早くデビューしたもん勝ちでしたもんね…

でも、例えば、アイスクライミングのコンペでは、ヒールフックが禁止なのですが…(そうしないとクライミングが簡単になりすぎるため)…そういう自主規制を入れないと、誰でも8aが登れるという時代は、すぐそこなんだろうなぁと思いました。

5.9が価値あるものだったのが過去のものになったように、5.12が価値あるものだった時代が過去のものになったように… 5.13が陳腐で古ぼけたものになる時代が目前に見えています。

やっぱりベアフットクライミングに回帰するべきなのかもですねぇ…(遠い目)

■ オンサイトのための戦略の立て方

高難度をオンサイトするために、どういう戦略を立てるか?というのは、低グレードを登るクライマーでも、参考になるのではないかと思いました。

湯川のアイスは、15メートルしかないのですが、あれを何往復もすることで、距離を伸ばし持久力戦をしていた時期がありました。それで相沢55mが楽勝になった。

岩も同じで、近所の油山川でも、右から左に全部登ると結構な登攀距離になります。それでマルチの持久力がつく。

今のクライマーって、40年前からの

 5.12波状攻撃

から進化していないので、日がな一日ロープにぶら下がって、同じ課題をしつこくやってる。

それで、どうして、ビッグウォールに登れると思うのか?そこが謎でした…。

やっぱりユージさんもそんな登り方は、していないですよ。

私はラッキーで、師匠クラスと登っていたので、戦略は自然に身につきました。今はたくさん、ナインをオンサイトする時期なんですよね。距離を延ばせばそれが11になる。

今までのクライミング動画って、難しいのをトライにトライを重ねてやっと登れました、すごい頑張ったねーって動画しか出ていなかったからなぁ…。

こうした戦略を語るメンタリング動画は貴重だと思います。男子、一緒に登ってもそういうことは非言語に語られるので、学習しません。

米澤さんと登っていたころ、男性クライマーも一緒にいましたが、米澤さんは、岩場の端から端まで順繰りに休まず登る…それを見ても何も学習しなかったですもんね。

■ 心が広い!!

しかし、それにしても、ほんとユージさんって心広いクライマーさんなんですね!

さすが世界のユージ!そこは、吉田さんとはやっぱり違うなって思いました(笑)。

2023/10/03

【リーダーシップ】フリークライマーだってレスキュー講習

 ■ フリークライマーだってレスキュー講習

現役日本人クライマーの中で、ダントツの世界的知名度の平山ユージさんのFB投稿が回ってきたので、シェアします。

ユージさんと言えば、日本フリークライミング界のエース、星として、長い間、輝き続けてきた人でした。(現代はたくさんの若手がいます)

その偉大なクライマーが、レスキュー講習をインストラクター技能講習で、再講習受けている姿です。


■ アルパインクライミングには、レスキューが必要だけど、フリーには要らない

というのが、長く、

 フリークライミングでスポートルートしかしないクライマーがレスキューを端折っている言い訳

でした。

なんせ、アルパインクライミングをする場所って、北アなどの山の中、なので、基本的に携帯電話の電波が入らない、が前提です。

しかし、フリークライミングの岩場って、車が横付けできる場所がほとんどなんですよ。

なので、もともと山をやっていた人にとっては、”安全地帯”って感じです。

その安全地帯感覚が一般フリークライマーに模倣されたのか?

 事故ったら、119番すればいいや

っていうのが、一般フリークライマーの考え方でした。

■ 安易な119番はしない慣行

もちろん、もともと山岳会や個人的に師匠に弟子入りするなどして、教育を受けたクライマーは、事故なんて起こそうものなら、その岩場が登攀禁止になってしまい、他のクライマーに大迷惑をかけてしまうので、事故報告なんてする人はいません…。

私が前にいた御坂山岳会では、足首骨折したのに這って帰ってきた、つわものがいました…。

私自身も、ビレイ失敗して落とされて頭の傷7針、とか、肉離れして痛くて立つのもしんどいのに、自力で5時間運転して帰る、とか、アキレスけん断裂したのに自力歩行で医者にいったとか、そんなです。

■ レスキュー講習に、登り返しやリードクライマーレスキューが入っている

安易な119番はしないにしても、別に車で病院に搬送するからいい、っていうのがおそらく

 9割がたの安易な外岩フリークライマーの発想

なんですが… グリグリで登る方法とか、アッセンダーの使い方とか、落ちたクライマーと二人で懸垂下降する方法、とか、が基本的には、

 エイド技術 を基本とするもの

なので、

 20mくらいの岩場をハングドッグでうんうん唸りながら、RPして解決して最高グレード5.12を達成する

という内容のクライミング活動を何日続けていても、ヨセミテビッグウォールを登るために必要な技術、っていうのは身につかないんですよねぇ…。

そのために必要なエイド技術は、レスキュー講習が教えてくれるんですよ?

都岳連の岩場講習でも教えていました。そこが一般フリークライマー、特にスポーツのインドアクライミング上がりの人には、てんで想像もつかないみたいなんです。

たぶん、

 リードで落ちたクライマーが意識を喪失した、というトラブルシナリオ自体が思い浮かばない

んじゃないでしょうか?

■ インスボンでは振り子トラバースがありますよ

普通にフリークライミングのルートにカテゴライズされているルートを登るにしても、エイド技術が必要な場合があります。

例えば、インスボンには、振り子トラバースがあるルートがありました。

そういうのをヨセミテに行きたい人は、練習としてやらないといけないんですが…、普通の岩場で振り子トラバース出てきます?出てきませんよね?

そういうことが、なんか分からないみたいなんですよね。

フリークライミングの世界で、グレード信奉の世界にどっぷり漬かっていると。

エイドだって、練習がないと、エイドこそ、うっかりミスで死んでしまいますよ。

フリーなら、迷ったら”ハードプッシュ”でなんとか切り抜けられても、エイドでは知性がないと解決できません。

■ ロープにセンシティブになれる

人のロープで登るのに何の問題があるの?

というクライマーが9割だった、海外のクライマーたち…

も、その無神経さから、レスキュー講習とは無縁の方々だったことがうかがえます。

なんせ、レスキューの講習を受けていると、自分のロープでマッチしているプルージックが人のロープでは回転数が合わなくて、使いづらかったりします。

私のプルージックコードはケブラーですが、自分のロープだと2巻きでちょうどよくプルージックできるのに、人のだと、最初に何巻き必要かチャックしないといけないです。

マルチに行く前に、ダブルのロープなら細系のコードが必要になります。

そんな機微も分からないレベルの人が、人のロープで登りたい、という人たちです。

そんな ノー天気120%クライマーがいくら集まってきても、クライミング仲間っていうより、ただのリスク増加要因

人のロープをガンガン痛めることだけして、たぶん、ありがとうの一言も言わないです。

だいたい山岳会の新人の様子がそのような様子です。人のロープを使っても、当然だと思っているでしょう…。

■アウトドアツーリズム上の課題

ちゃっかりすること…それが海外における、自己責任の世界のようです。

となるとそれに備えるアウトドアツーリズムが必要で、結局は、

   たくさんのクライミングガイドが必要になる

ってことです。

要するに、クライミングにおける安全は、日本人か、外国人か、で分けられるのではなく、

 きちんとリスクを考えて、行動できる思考力があるか、ないか?

と言うようなことです。

ない人たちには、啓蒙を続けるしかなく、いくら水を飲ませようとしても馬が飲みたくないのであれば、水を飲まないのと一緒です。

クライミング界は、魚の釣り方を教えるのではなく、魚そのものだけ上げ続けてきてしまった…楽しみだけを上げ続けてしまい、モンスターカスタマーを作ってしまった…という現状にある、ということです。

そのような中で、模を示す意味で、ユージさんのレスキュー講習参加情報は、かなり意味のあることだと思ました。

Let’s safe climbing!


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