■ オレだって教わっていない
クライミングって、本を読めば基本的なことはちゃんと書いてあり、別に誰からも教わらなくても、
懸垂下降ですっぽ抜けしたら、自由落下
とか
岩角にロープが当たったら、流れなくて、登れなくなる
とか、
2級、3級の歩きでも、高度が高ければロープが必要
とか、
終了点を占領しては行けない (直がけすると終了点が削れる)
とか
普通に登って、周りの人のリスク管理を見ていれば、分かるようになっていくものと思いますが…
分かっていなかった人、私のことを羨ましがっていそうだったんですよね。
鉄って経年で劣化せずより強くなる、とか、そんなの知っていたところで、それは外ではなく適切に保管していたらの話だし、ハーケンは外にしかないですから、知っていたところでだから何?、って知識です。
■ 誰もきちんとクライミングを教わったことがある人はいない
山岳総合センターに行ったり、2名の師匠を得たりしていますが、みんなが想像するような手とり足取りの指導なんてないですよ?
たぶん、あると思っている人はお受験の害で、正解がある世界だ、と思っているのです。
クライミングに正解はありません。最善解があるだけです。
私は、後輩には手取り足取り教えるけど、自分自身は、勝手に学べ、みたいな方法で教わりました。
支点の位置をどこにするのが最適なのか、とか、半年くらい悩んで、考え抜いた記憶があります。
私はどちらかというと、1を聞いて10を知るタイプなんです。クライミングの先輩からもそう言われました。
講習会の良いところは、これは学ぶことである、という前提が働くことだと思います。
現場で学ぶ、って男性はできないんですよ。正確には、できない人もいる。ナルシズムが強すぎて、
実際にカムが3つ飛んでも、そこから学ぶどころか、オレかっこいい!と思って
しまいます。強すぎる自己肯定感=反省しない&逆解釈=永遠に学ばない、です。
■ 自分で分かるようになる人 = だめな子を許せない人
心理学によると、私だって、誰からも教わっていない典型事例みたいなんですよね。
でも、努力で必要な能力は身につけてきた。
だから、いいカモにされている。
でも、自分の力でできるようになったと感じている人、つまり私、みたいな人って、ちゃっかり、ずるして教わっちゃおー!みたいな人のことが、どうも
許せない
みたいなんですよね。
許せるようになるために、家事力の学校に行くことにしました。私が一番許せない人は、
私の家事にフリーライドして、自分は好きなことをして生きている人、
だからです(笑)。
クライミングでも、私が苦労して得た知識にフリーライドされることには、まったく協力する意識ゼロです。
■ 6歳のわたしを乗り越えることにした!
もし私が、クライミングでフリーライドしたがっている人たちを許せるとしたら…
再度、きちんと家事を教わって、手とり足取り教わることでしか、私は自分を救う事ができないのだろうと。
海外で暮らしたり、学生寮で暮らしたりして、自分は普通のお母さんがいる家のことを知らないという自覚があったので、その後、少し時間ができるたびに、家事をきちんと身につけようと、色々やってはみたのですが…
英語も、プログラミングも、クライミングも、取り組む気になればできるようになったのに、家事は身につかず…。仕事では成果があがれば、それは承認欲求が満たされます。給料にも反映されます。
しかし、家事は、一生続き、誰かに褒められるということはなく、部屋の隅の誇りと同じで、やらなければ貯まる一方です。
私は家事を夫と分かち合わないと子育ての時期を乗り越えることができないと思っていたので、家電にはお金を掛けてきましたが…家事も、取組課題として、興味がある間はいいのですが、他に興味があることができると、すぐ散らかる。
最近では数年前に、コンマリメソッドをやろうとして挫折しました。挫折するたびにダメ人間決定みたいでした…(><)
家事力アッププログラムの主催者の西崎さんの娘さんが言っていたそうですが、親から成功した結婚を見せてもらっていないのに娘の私に期待されても無理、と娘さんが言ったそうです。まさに、同じ気持ちがあります。
私は自立が早くて、自分の分どころか、弟と妹の分をやってきて、弟と妹は私を親と勘違いしていたみたいなんですよね…
例えば、30歳の頃、妹にお金を貸してほしいと言われ断ると、切れられました。親と思っていない限り、逆ギレされるとかおかしいです。
同じことがクライミングで起こりました…私が登れる課題グレードだからと、怪しいボルトのエリアに連れて行かれました…いくら5.9でも、オールアンカーのルートに登りたい人いるわけないですよねぇ?こんなボルトですよ?
そんなところに連れて行って、「ビレイしてあげる気があるよ」と言われても…それは、”してあげる”に入らないです。むしろ、その逆。
■ 成功したクライミング、成功した結婚
成功した結婚どころか、私は親から成功した家事の仕方自体も教わった覚えがないです(笑)。
当時は子供だったので、仕方がなかったけど、心の反応が残っていて、
夫に一家の家事や料理の能力を当然のように期待されることに、なんだか、理不尽な要求をされているような気
がしてしまいます。
これは、井上さんに声かけられたりしたときと同じです、なんで私?みたいな。
UIAAの事務局長のステーブさんにイギリスに来ない?と言われたときも同じ気分でした。
なんで私?みたいな。
家事の仕方なんて、教わったことがないのに…クライミング教育なんて受けたこと無いのに…みたいな。
特に フリーは誰からも教わった気持ちがないです。都岳連の岩講習は、アルパインだし、ビレイ講習は、インドアジムの話ですよね。
■ 家事は女の仕事ではない 人間の必修課題
働くOL時代も夫は、家事は女の仕事、と思っている‥。今はなおさら、そうみたいです(汗)。
でも、私だって、家事の仕方、習ったわけじゃないのに…。
なんで私ばっかり?
しかし、家事って、女の仕事っていうより、普通の人間の必修課題ですよね。
大体、家事が、一番人生でやりたくないことです。なぜなら、私が家族全員のお皿を洗って夕飯の準備をしている間、弟と妹はテレビを見ているだけで、完全に私をお母さんと勘違いしていたからです。
私も子供なのに…。
クライミングでも、同じで、若い男子は完全に私をコーチと勘違いしており、
「どの課題を登ったらいいですか?」「トップロープ、貼ってください」
と一切、主体性なしどころか、クライミングの主役は、なぜか自分です。
私は先輩にそんな態度を取ったことはありませんでした。自分の立場はわきまえていました。
つまり、先輩が登りたいのに登ってもらい、自分はそのおこぼれを登るだけでした。クライミングの主役は先輩なので、先輩が登りたいところを登る、です。
自分が登りたいところを登るときは、それをビレイしてくれる人と組みました。ビレイはかわりばんこ、が次の段階です。
まかり間違っても、自分が登りたいところを登ってください、なんて厚かましい要求ありませんでしたけど。
家事では、夫ばかり、仕事(遊びの位置づけ)だけしてずるい!みたいな気持ちです。
私は実業界では夫よりも能力が高く、家庭にこもるのは、才能の浪費です。誰に言われなくても自分でもそう思います…しかし、こんなに頻繁に転勤続きで、どうしろと?
でも、夫の方は、真逆の発想していそう… 僕ばかりが苦労している…と思っていそうです。
…というので、私は料理はそこまで好きでなく、やるべき義務としてやっていたことなのに、夫は私を料理好きな家庭的な人だと勘違いする…なんで?ということが今、我が家で起きているのです。まるでクライミングで起きたこととそっくりです。
相方は、私が料理をアップしたら女子力PRだと思っていたらしいんですよね(汗)。
というので、物事を正道に戻すため、家事力6歳の私を救うことにしました。