■ クライミングで集客???
私は、日本の岩場が世界のクライマーに登られている事実を山梨時代に知りました。今から10年以上前です。
しかし、こうした事実は、地元の商店主の方たちには伏せられているようで、今となっては閑古鳥が鳴く、地方の観光地にとってはもったいないことだ…と思っていました。
昭和の観光客が目白押しのころに、クライマーが来たら迷惑かもしれませんが、閑古鳥が鳴いて30年みたいな現代では、クライマーが落としてくれる500円、1000円でもありがたいかもしれないし、世界の超有名クライマーが来てくれる、となれば、むしろ、有名な岩場となり、集客になるかもしれないからです。
当時の記録:
https://stps2snwmt.blogspot.com/2014/11/shosenkyo-gorge-climbing-magazine-usa.html
私の考えでは、小鹿野町に、クライミングによる地域おこしを提案した平山ユージさんも同じ思いなのではないか?と思います。
■ 地方の空き家に法改正で動きが出そうです
しかも、こうした岩場は、ゼロ円物件… 一般的な市場価値という目で見たら、二束三文の場所にあるのです。
事例:不動産Gメン
https://youtu.be/mwzIXzKWQW0?si=cW-1tYBB2ZDKdvZp
この動画によると、
・田舎であればあるほど、子孫に財産を残そうと家は立派であるが、むしろ、負動産になってしまって土地だけのほうが良いくらい
・小規模の取引だと、不動産業者からは手数料収入にはならなかったが、法改正で800万円以下でも、30万円×1.1%の手数料収入を求めることができるようになった。
ことで、地方の不動産に動きが出そうです。
■ ゼロ円物件?
インターネットには、家いちばを始め、ゼロ円物件というような格安物件のサイトがあります。
目先の効くクライマーであれば、まだそこが岩場に近いと気が付いていない人が多い間に引っ越してしまうのも、良いかもしれません。
家いちば
https://ieichiba.com/board
例えば、奥秩父で280万円で別荘が売りにでています。
https://ieichiba.com/project/P202401192%E7%9A%86%E9%87%8E%E7%94%BA%E4%B8%89%E6%B2%A2N
ゼロ円物件
https://zero.estate/category/zero/koushinetsu/
■ 負動産を掴まない
しかし、これらの物件情報サイトでは、
経費のほうが掛かり、収入にはならない物件
そもそも、物件価格が高すぎる物件
も多く掲載されています。
平均所得が200万円程度の過疎の田舎に、5000万円大豪邸を立て、その物件を3000万円で売るとどうなると思いますか?買う人は、田舎の人でしょうか?昨今だとお金が余っている中国の人になりそうですよね?またその家に越してきた人が、所得レベルが大きく違う周囲の人たちと仲良くできそうか?というと?推して図るべし。
また別荘は要注意で、物件価格がゼロ円でも、管理維持費で一年何十万円か、かかります。
マンションも同様で、私たち夫婦は転勤中ですので、住んでいない自宅マンションに、管理費や修繕費など、年間30万円くらいのコストをかけて維持しているので、維持費分の赤字です。
余談ですが、転勤では、さらには、本来払わなくてよい家賃を別に払わないといけない。しかも、転勤が続けば、夫婦の片方は失業します。
これだけ不都合が重なるのが、転勤がない正社員の職が昨今、求人広告に出る理由ですね。
■ サーフスポットから住まいを探す
さて、不動産に話を戻しますが、サーフィンのための移住が盛んになった結果、このようなサイトもあります。
サーフスポットから住まいを探す
https://www.athome.co.jp/particular/surfing/
このATHOME社には、私から、クライミングスポットから住まいを探す、という提案もしていますが、返事はもらっていません。
個人的には、このような活動が、クライミングによる地域おこし、です。日本は会社文化なので、三井物産九州支社〇〇 ○○ という名刺を持っていたころは、こうした活動で、返事をもらわない、ということは考えにくく、必ず何らかのアクションが帰ってきていましたが、現在は、フリーランスですので、無視されています(笑)。
しかし、大手の不動産業者が気が付いてしまえば、不動産価格は上がってしまい、貧乏なクライマーは買えなくなりますので、みなさん、探すなら、今の内です(笑)。
■ では物件の適正価格はいくらなのか?
需要と供給で価格が決まります。いくら大豪邸でも、住みたい人がいなければ、その物件の価値はゼロ円なのです。
古民家再生協会というところが、古民家再生プランナーという教育講座で、ざっくりとした古民家価格の判別法を教えています。
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住んでくれる人が見つかる賃貸価格 × 100 が 物件価格です
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もし、3万円なら住んでもいい、と考える人がいたとして、それに100をかけた300万円が物件価格です。
■ 利回り
また古民家の適正利回りは12%です。
なぜなら、保全費用が高額だからです。
一般的な不動産の適正利回りは4%とされています。利回りだけを見ると法外ですが、ほとんどは、修繕費用に回されてしまいます。
■ 1.7万円の家賃が最安値
私は九州の過疎の村…日向神の岩場がある過疎の村で、ゲストハウスキーパーとして、”無償労働”をしたことがありますが…バイト代を払う体力は、そのようなゲストハウスにはありません…(笑)
そして、結局、分かったのは、過疎地では、一泊3000円で運営しても、お客さんが来ない…ので、ゲストハウスでは生活が成り立たないということでした。
■ そもそもそこに来る理由がない
そもそも、お客さんが来たい!と思う活動が、その場所にない限り、お客さんは来ませんよね?
そこはお茶農家でしたが、お茶積み体験では、4月の一瞬しか部屋は埋まりません。
そのゲストハウスには、クライミングという活動が集客につながることを教えましたが、現地のクライマーは、通いのクライマーなので、そのゲストハウスに宿泊する意義はありません。
したがって、県外のクライマーを対象にする必要がありますが、そのゲストハウスでは、遠方のクライマーにアピールする方法を知りません。
■ 一日6000円の収入では、非課税世帯へ転落
年間トータルして、一日2人お客さんが来ても、365×0.6万円=219万円。
休みは考慮しなくて、ですよ? 日本の所得としては最下層です。私は一日8時間フルタイムで働いて、大都会の大阪でこの収入だったことがありますが、都会では確実に何も残らない収入です。
田舎なら物々交換なので、ギリギリ何とかなります。
だだし、田舎でも、ガソリン代はかかるので、現金が必要なので、やはりギリギリは否めません。
暖房費がかかる地区ではかなり厳しいでしょう…
■ 非課税所得
ちなみに、非課税世帯と言って、課税されないレベルの貧乏さ、というのも、作り出すことが可能で、ヒッピーの人たちの間では、普通に行われています。
https://youtu.be/TPCzFCq6kiQ?si=QZ_Mm62hLQFp6Efy
子どもを産み、育てることも可能です。子供の頭数の分だけ、非課税の枠が広がり、子供たちは無償の教育を受けることができ、海外留学などの制度も無償で利用できます。
私はこのような手段は思いつきもしませんでしたが、知っていたら良かったなぁと思ったりしました(笑)。
都会でワーキングプアをするよりも、田舎で非課税世帯になるほうが、豊かな生活を送れると思います。
ただし、暖房やガソリン代に多くに支出があるようなライフスタイルでは難しいです。
山でテント泊するような生活、あるいは山小屋暮らし、みたいなのが、365日続くと思ってもらったらいいと思います。私は天草でやってきました。住んでいる家は手作りの掘っ立て小屋でした(笑)。これも無償での労働提供です。
寝ていると、お布団の上に月あかりが縞々に映って…2月です。それでも、ー25度でテント泊していた経験値があったので、耐えれました(笑)。
普段はチェーンソーで、落穂ひろいのように、捨てられた材木を拾って薪にする生活でした。
私的には、山の掃除屋というライフスタイルが気に入ったのですが…これを地でやれる人は、現代の都会のジム上がりクライマーには、少ないのかもしれません。
■ ”住んでくれる人が払える額”が、不動産価格を決め、地域経済力を決める
結局のところ、
住んでくれる人が出せる額、
が、その物件の価格であり、その土地の経済力の基盤です。
現代日本の最下層が払える金額はいくらか?ということが次なる問いになります。
私が経験した範囲では、同じく八女で成功している事例では、1.7万円まで下げれば、共同生活で、多くの若者が、無職であっても最低限の家賃コストとしても払える金額でした。
ネット検索で不動産市場を見ればわかりますが、どんなに家賃を下げても、3万円が最安値です。2万円があれば、かなり、めぼしい物件ということになります。
私の大阪豊津での生活でも、長屋でトイレ共同風呂なしで3万円で、それより安い物件は見つけることが自体が難しかったです。その時の所得が150万円でした。
従って、都会での最貧層で3万円であれば、半額の1.7万円前後というのは、無職の若者を支援する親の側がいるとしても、負担として最低限の額である、と想像することができます。
(念のため、誤解がないように言っておけば、親に仕送りされている今時の若者は、家賃6万のワンルームに住んでいることが多いです。私が学生の時代でも、長屋にしか住めない私のような人は例外的に貧乏人でした)
■ 時給の差
東京都の最低時給は現在 1163円です。山梨県の最低時給は988円。
私がいた八女は、941円です。八女で17000円の家賃で、引きこもりの若者が楽しく田舎暮らしを満喫出来ていた様子を見てきましたが、平均時給に照らし合わせて、家賃をスライドさせると、5%平均時給が高いわけですから、17850円が同レベルということになります。まぁ私的には誤差の範囲だと感じますが。
■ 山梨県には仕事がない?
山梨県には仕事がない、というのは、私のようなハイスキル人材にとって仕事がないだけです。自分で自分をハイスキル人材などと呼んで申し訳ありませんが…DODAでの検索結果では、TOEIC900で検索するとヒット数ゼロです(笑)。個人的経験で、前回の山梨転勤の時に、ハローワークを尋ねましたが、職員の方の話でも、ハイスキル人材需要は山梨にはないという話でした…仕方なく、東京へ出稼ぎに行くことになりました。
山梨では、一方、体力自慢のクライマーに向いた林業や農業での仕事は豊富なのではないか?と思います。
林業や農業は、かなりしきいが高いと私自身も感じ、自分で実験をしてみましたが、チェーンソーでの伐倒を一日8時間ぶっとおしでやるという従来型の林業は無理ですが、自伐型林業で、日当を山主にもらいながら、間伐する、という仕事や、作業道作りは、女性でも可能かもしれません。もちろん、ショップ店員などと比べたら、体力負担が多いことは当然ですが…
■ 田舎での仕事のありよう
田舎の仕事のありようは、田舎に住んで現地の人と交流して見ないと分かりません。
7年の前回の転勤の間に、ブドウの収穫手伝いや、桃の摘果、個人で畑を借りて農園をやる、などのチャレンジをしてきましたが、甲州市では百匁柿の干し柿が収入になりますし、明野では葡萄、南アルプス市では、サクランボやスモモの施設園芸と収入減になっている産業が地域の中でも細かく分かれており、住んでみないと、飯の種が分からない、というのが正直なところです。
また、地域の困りごと、事態も、住んでみないと分かりません。
ですから、従来型の地域おこし協力隊のように、〇〇をする、と決めてかかっても、その思い込みが地域の実情と合わなかったりもします。
これまで、クライマーは、結局のところ、地域のことは度外視で、わー岩だー!と遊んでいただけで、
地域のお店に、お金を落とさない → だってコンビニしか開いてないんだもん
地域の人と交流しない → だって、クライミングの話しか興味ないんだもん
という態度しかとってこなかった。しかも、
クライマーってビンボーなんです~ まけてちょ
と、クライマー割引は求めても、クライマーの側が地域の人へ収入をもたらすという貢献のほうは、考えてこなかったわけです。
まぁ、この辺は世界のクライマーも同じです。ラオスでは、地元への利益還元を行わなかったため、放火3回されているそうです。GCHが一人勝ちだったためです。
色々とGCHの本(英語でしか読めないですが)に書かれていました。
以上で、考察を終わります。社会人として最低限の責任はクライマーにも求められます。
自らの意思で非課税世帯になるとしても、それは意思であり、被害者ではありません。
現在日本の労働市場は求人であふれており、人材は不足していて、失業率は2%です。
福岡ではさんざん若い奴に募金してきました。
今の時代、貧困であるのは、就職氷河期世代に当たる40~50代であり、売り手市場の20代ではありまえません。