■ 禁止を守る力が弱い人が多い?
これは、私が一緒に登っていた人たちだけに限定的にそうなのかもしれませんが・・・
(やってはだめと禁止されていること)vs(自分の欲)
が対立することは、人が生きていたら、よくあることだと思いますが・・・その禁止に対しての抑止力・・・が非常に弱い、欲に対して非常に抵抗が少ない、という人たちだなぁと感じる事件が、何度かありました・・・。
そして、それを他の人も同じだと感じているようでした。
代表的なのは、残置のビナを「ねぇねぇ、持って帰ろうよ、みんなで山分けしようよ」って奴。
これは、山梨で登っていたころ第一発目に起ったことだったので、呆れるやら、嘆くやら…。
一緒にいた別の男性も、呆れて、「もう~〇〇さんったら!」というヤレヤレ感でした。男性同士の中でもそんな感じです。
しかし、そういう人でも、弱みを人に見せたり、相手をほめちぎったり、子分には優しいとか、純粋なところがあったりで、大体は、もう!と思いつつも付き合っていくということになると思いますが…。
反社会性、というのは、ナルシシズムの発露とは、また別の、非常に顕著な性格傾向ではないか?と思います。
私の経験では、一度でも、そのような所作や発言が見えた人は、回避するほうが良いです。
その人がクライミングをする目的…動機…ということですが… ナルシシズムの充足、つまり賞賛のゲットであることが99%の理由なのです。
自分ができるだけ楽に賞賛を得れる
というのが、ナルシストにとっては、おそらく生きやすい社会になる、ということです。
■ 「トップロープ掛けるだけガイド」がはびこった理由?
誰かにトップロープをかけてやるというのは、一般の男性クライマーが5.12は一撃できる現代では、一番簡単にできる「恩着せ」です。
だから、クライミングガイドは、楽勝の仕事です。そのために、クライマー男子のあこがれの的になっているのではないでしょうか…?
しかし、私みたいなおばちゃんクライマーですら、初心者には、ナインにトップロープ掛けてあげますからね…
「トップロープをかけるだけガイド」だと早晩、存在価値がなくなり、淘汰されて行かざるをえません。
■ アルパインクライミングが廃れた意外な理由?
昔は、5.9を登れたら賞賛を得れたのに、フリークライミングの時代へ入ったら、5.9では賞賛は得られない、できて当然のこと、とされている、というのが、もしかしたら、アルパインクライミングが廃れた理由かもしれません。
寒い雪山での宿泊や、壁でのつらいビレイ時間を耐えて、それで、そんなに褒められない…となると、やーめた!となるのではないでしょうかね?
■ 成れの果て
そうやって、どんどん安きに流れた結果、天気の良いときに、岩場でクライミングするだけ…というのが、一般的なアルパイン…伝統的な山岳会の行きつく場、だったような気がします。
最低限…ということで、厳冬期赤岳がロープなしで登れる技術力…アイゼン歩行ですが…を死守、ということになってしまっているってことです。
■ (成れの果て)はニアイコール (一般登山者が努力してたどり着ける地点)
ちなみに厳冬期赤岳が晴天時にこなせるだけのアイゼン歩行術は、雪山を何十回か歩いていれば習得できます。
これは、慣れの問題ですので、回数の問題です。もちろん若ければ早く慣れますので、若いほうが慣れに必要な回数は少ないと思いますが…。
無雪期の砂浜でいくらアイゼン履いても、積雪期の感覚とは異なると思いますが…。当然ですが、雪のことは、雪の上で学ばないと学べないのではないでしょうかね?
もちろん、岩トレは岩の上をアイゼンで歩くので、雪や寒冷は必要ないかもしれません。
私も生まれて初めての岩登りは、西湖の岩場で、アイゼンを履いてのマルチピッチでした。
(二度目からリードしています。こう書いておかないと、私だけ特別扱いされていると勝手に思って羨ましい人の溜飲が収まらないみたいなんですよね…)
というので、結局、誰でもできるところ…、努力さえすれば誰でも到達できるところ…が
赤岳 & 5.9
…というのが、白日の元のさらされてしまった…ので、賞賛を得られない。
そして、そのことが面白くない。
だから、まだ、赤岳&5.9で、「すごい、すごい」と言ってくれる人を探す…という本末転倒なことになっているのではないですかね? アルパインの世界は…
「昔、俺は山岳会ですごかったんだぞーという人たち」が、「5.9でも褒めてくれる下手くそ探しに躍起」になっていることが、私がモテた理由だったような気がしますネ(笑)。
でも、誰でも、年を取れば、登れなくなりますから…
それよりも、自分が得た知識や経験を多くの人と分かち合おうという気持ちを持つことで社会から、「賞賛」が得られるとすれば、ナルシストは、賞賛欲しさに頑張れる人たちです。
要するに、社会にとって良いことをした人を 「賞賛」 すればいいのです。
つまり、グレード以外の価値、ピオレドール賞受賞以外の価値、を見つけてあげて、褒めてあげる。
例えば、「レスキュー」とか、「遭対協」とか、そういう活動の功労者賞を作って褒めてあげる。
そういう活動が彼らの反社会性を、向社会性に転換するのに大事です。
本来は、褒めてもらうことを原動力にせず、山を愛していれば、他人からの評価なんてどうでもいいはずなのですが、その内発的動機が弱い人たちなのです…
なので、褒め力をうまいこと活用ましょう☆
一種のナルシスト向けライフハックです。
(そしてクライマー界は、ナルシストが9割なのです…)