昨日は、日向神がある黒木町笠原地区にある、天空の茶屋敷の治郎さんを、開拓者の方にお引き合わせするという目的で岩場へ。
岩場と岩場がある地域との、良好な関係を築く=長期のリスクコントロール、である。
こちらが天空の茶屋敷さん… 岩場から一番近いゲストハウスだが、近いと言っても40分ある。海外放浪経験があるオーナーの治郎さんは黒木の生まれで、元自衛隊。現在は、ゲストハウスオーナーとして、地域の未来を背負う若者ホープの第一号、ってところで、色々なところに招かれて、講演活動などもされている。
日向神は、九州クライマーの外岩中心地となっている。フェイス主体であり、初心者からエキスパートまで楽しめる課題が揃った、珍しい岩場だ。
岩場がクライミングにおいて、そのような位置づけにあることを知っている地域の人はいない。今から、その”知っている人の一人”に治郎さんがなってくれるといいなというのが、この活動の狙いだ。
当初の目的は果たせたので、満足して帰った。
■ 8月16日のリスクコントロール
前回、水バテで、よれて登れなくなったことを反省し、今回、塩入りの水、2リットル以上持参…ところがやっぱり足りなくなった(笑)。
2)ヘルメット
落の痕跡が濃厚な岩場(写真添付)なので、落対策で。逃げれないビレイヤーのほうが危ないことが多い。
落石が当たって避けている立木 |
3)目的の明確化
岩場の開拓者と岩場のある地域の協力者の接点作りが目的だったので、双方に本来の目的を告げてから、引き合せたのが良かった点。
ところが、そのローカルの若者次郎さんが、初心者だったので、いつのまにか初心者対応に目的がすり替わってしまったのが残念ではあった…(笑)が、とりあえず、接点を作るという目的は達成できた。
治郎さんはやる気になり、「クライミングシューズとハーネスを買います!」と…。
どうも、
”クライマーが都会からわざわざやってくるような、そんなに素敵な岩場の近くに住んでいるのならば、せっかくだから、クライミングしないともったいない”、
と発想するらしい…。 むむ、これは、なるほどね~!な、目の付け所ではありませんか?まさに日向神でしかできない活動なのだから!
これで、この岩場のアクセス問題に、ベイビーステップが踏み出せたことに感謝。
これを実践する財力があることに感謝。
これを実践する財力があることに感謝。
■ 岩場とローカルの距離感
事例として、別の岩場では、岩場を紹介したローカルの人2名には、誰も岩に登らせていない…。今回は、治郎さんを登らせている。
岩場がある地域に住んでいても、”岩場を見たことすらない地域の人”が多いので、私は地域の人が登りたい、と言い出した時に登ってもらい、登るという体験自体を急ぐべきではないと思うが、どちらが良い活動なのか…。
この夏で、登った地域、登っていない地域の2件の事例ができたので、今後おのずと答えが出ると思う。
この夏で、登った地域、登っていない地域の2件の事例ができたので、今後おのずと答えが出ると思う。
■ クライマーにとって親切とは登らせてあげること
クライマーは親切なので、岩に登ったことがない人を岩場に連れていくと、登らせたくなる…、というのは、クライマーはクライミングすることがハッピーな人種なのだから、それをおすそ分けしようと思う訳で、クライマーの性分として、仕方がないのだろう…。
が、登ることが喜びではない人、という人も世の中にはいるんだということを忘れてはいけないと思う。
エルキャップで泣いていたセカンドの女性クライマーを先輩は見たそうです。
クライマー同士であっても、登りたいところを登りたいだけで、登りたくないところは登りたくない、わけなんですからね…。
エルキャップで泣いていたセカンドの女性クライマーを先輩は見たそうです。
クライマー同士であっても、登りたいところを登りたいだけで、登りたくないところは登りたくない、わけなんですからね…。
■ シングルロープ 一本でマルチに行く文化
敗退できないロープ配分でマルチに行く文化は、かっこいいのではなく、ただの
事故の温床
です。
事故の温床
です。
どうも、シングル一本で敗退を考えずにいくこと=かっこいい!という文化だそうです…。ああ、勘違いですね…
ビックリ仰天したので、世界のトップ、スティーブ・ロングさん(UIAA)に夜、相談したら、”それはメンタル病んでる” みたいな答えでした。
クライミングでは、無理に危険を作り出さなくても、十分危険ですので、危険を避ける想定をしないで行くと、ただの無謀に成り下がってしまいます。
ギリギリボーイズの方に、直接聞きましたが、
敗退が可能であれば、どんだけツッコんでもいい、
という話でした。敗退想定がないと自己責任とれません。落ちるたび、ヘリ呼ぶことになります。ヘリを呼んだら自己責任じゃないですよね?ヘリレスキューを前提にしているクライミング=自己責任じゃない。ぜんぜんかっこ悪いっつー話です。
良いクライミング文化環境になくて、こんなことが普通なのか?と行動様式を疑問に思われる方もいらっしゃると思いますが、すごい方にメンターになっていただいていています。すごく感謝しています。
代理で聞くこともできますので、リスク管理で、疑問に思われることがあれば、遠慮なくお知らせください。
昨日は、11cも途中まで登れて満足…(下は5.10代)
■ 備忘録
青葉若葉 5.9 マスターで再登
■ 備忘録
青葉若葉 5.9 マスターで再登