日本では、ボルダリングジム人口は増えて、外岩リードするクライマーが増えないが、それが、どういうことか?と色々考えてみる。
年配の人と若い世代のクライマーの隔絶とか、若い人が来なくなってしまっていること(高齢化)は、問題と見なされるが…は、スポーツクライミングの岩場にアルパインクライミングの概念を持ち込んだことが原因なのかなぁと思う。
スポーツクライミングはスポーツクライミングの理念があり、アルパインはアルパインの理念がある。
のだが、アプローチゼロ分のスポーツクライミング的なゲレンデで、アルパインの理念を持ち込むと、スポーツクライミングと思ってやってきた人たちから見ると、おかしなことが起きてしまう。
私はアルパイン向けの練習のゲレンデ、三つ峠で岩デビューなので、当然ながら、ものすごいランナウトした岩場で、落ちるとは全く想像だにせず、2度目からリードしているんだが、その感覚がアルパインでノーマルだとすると、フリーやスポーツクライミングのもつ不確実性は、まあ、桁違いである。
私はアルパイン向けの練習のゲレンデ、三つ峠で岩デビューなので、当然ながら、ものすごいランナウトした岩場で、落ちるとは全く想像だにせず、2度目からリードしているんだが、その感覚がアルパインでノーマルだとすると、フリーやスポーツクライミングのもつ不確実性は、まあ、桁違いである。
要するに話にならないレベル。アルパインの落ちる可能性、クライミングを始めたばかりの人、つまり素養のない人でも限りなく0%。
スポーツだと50%くらいで落ちそう。フリーでも40%くらい落ちそう。
しかも、練習するときは、限りなく、これが100%落ちると感じるまで、やるって話(汗)。
しかし、アルパインでは落ちない前提。ということで、まぁランナウトはしたとしても、特に問題視されない(のは、まぁいいのではないかと思う。日向神の東稜でボルト打ったら、何が楽しいのかって話になるでしょう)
というので、人工壁の墜落係数0.3とは別の基準で、スポーツクライミングの外岩の安全性が設計されているのは、悪い事でもないし、歴史的経緯からアルパインの岩場とスポーツの岩場が混在してしまうのも、仕方がない事と言える。
しかし、アルパインでは落ちない前提。ということで、まぁランナウトはしたとしても、特に問題視されない(のは、まぁいいのではないかと思う。日向神の東稜でボルト打ったら、何が楽しいのかって話になるでしょう)
というので、人工壁の墜落係数0.3とは別の基準で、スポーツクライミングの外岩の安全性が設計されているのは、悪い事でもないし、歴史的経緯からアルパインの岩場とスポーツの岩場が混在してしまうのも、仕方がない事と言える。
という事情を理解できるか?ということが、ハードルになって、若い人は外岩リードはデビューしづらい。
■ 基準が標準体型にあること
また、この安全性の基準がどこにあるか?というと、標準体型にあることは確実だ。
他人が設置したカムは、同じスタンスに立つと、私には手が届かないため、ちっとも安全を増やしてくれないのと同じになる。
その辺の事情は、一般的な人には理解が不能であり、ルートセッティングをするようにならないと、理解が難しいのだろうと思う。
ルートセッティングを行うまで、クライミング自体への理解が深まる人は、かなり少ないと思われ、そうならない限りは、核心の前ではなく、後にボルトを打ってしまう、というのは、たぶん仕方がないことのようだ。
その辺の事情は、一般的な人には理解が不能であり、ルートセッティングをするようにならないと、理解が難しいのだろうと思う。
ルートセッティングを行うまで、クライミング自体への理解が深まる人は、かなり少ないと思われ、そうならない限りは、核心の前ではなく、後にボルトを打ってしまう、というのは、たぶん仕方がないことのようだ。
その人にとっては核心を超えるまで、プロテクションについて考えるゆとりがないということなのだろうと。
というのは、私も危ないとは分かっていても、ギリギリになると、ヌンチャクをかけるゆとりがなく、飛ばして登って、後から賭けることをすでに何度か、やらかしているから(笑)。
というのは、私も危ないとは分かっていても、ギリギリになると、ヌンチャクをかけるゆとりがなく、飛ばして登って、後から賭けることをすでに何度か、やらかしているから(笑)。
つまり、安全を優先するほうがただ登るより、腕力もいるし、レスト体制の確立もいるし、難しい。
これはアイスクライミングも同じだ。だだ登るより、プロテクションを打ちながら、のほうが難しい。ので、リードの負担は重い。練習であるトップロープとリードの負担の差はかなり激しい。
ということで、結局妥協としては、背が低い人やリーチが短い人が安全に登るには、長ーいヌンチャクを伸ばしてクリップするということになる。さらにボルトを打ち足すという選択肢はないわけなので。
■ 新時代の岩場?
これはアイスクライミングも同じだ。だだ登るより、プロテクションを打ちながら、のほうが難しい。ので、リードの負担は重い。練習であるトップロープとリードの負担の差はかなり激しい。
ということで、結局妥協としては、背が低い人やリーチが短い人が安全に登るには、長ーいヌンチャクを伸ばしてクリップするということになる。さらにボルトを打ち足すという選択肢はないわけなので。
■ 新時代の岩場?
一旦、全部のボルトを引き抜いて、最初から適正な設置ができる誰かに再設定してもらったらいいのか?
そんなことをしたら、現代のトップクライマーは5.14を登るので、トップクライマーのグレードが、5.12だった時代に打たれ、5.7でのランナウトで済んでいる現状より悪化し、5.11で巨大ランナウト、ということになってしまうかもしれない。
そうなったら、ますます取りつける人は減ってしまう。今11台を登っている人は、とりあえず取りつけない。
誰でも年を取り弱くなると大体10台後半ぐらいが快適グレードとなるが、ランナウトしてしまえば、そうしたグレードですら、トップロープしか登れなくなり、トップロープだと、クライミングの重要なスパイスであるスリルが楽しめない。
スリルが楽しめないと、ムーブが出てこないということになっている。と、トップロープで登るということは要するに、ツマンないということになる。
現状でも、人工壁で、ある程度素養を作った人しか、岩場には取りつけない、登れないようなことになっているが、だとしても、トップロープにすれば誰でも登れるわけだし、初心者の場合はトップロープもリードも違いは分からず、どっちにしても怖いということになっているので、まぁ5.7でランナウトしても、結論的には誰も困らない。その程度でのグレードでのランナウトで済んで良かった、ということになっていると思います。
現状でも、人工壁で、ある程度素養を作った人しか、岩場には取りつけない、登れないようなことになっているが、だとしても、トップロープにすれば誰でも登れるわけだし、初心者の場合はトップロープもリードも違いは分からず、どっちにしても怖いということになっているので、まぁ5.7でランナウトしても、結論的には誰も困らない。その程度でのグレードでのランナウトで済んで良かった、ということになっていると思います。
5.11でランナウトし始めたら、悲惨です。
■ セーフクライミング
しかし、海外での(と言っても、3つしか知りませんが)流れから、日本だけが確実に取り残されていそうな感があるクライミング界…
アレックス・オノルド君は世界中で一番尊敬を集めているクライマーですが、そのアレックス君ですら、石灰岩のスポーツクライミングでリスクを冒すより、そういうリスクは本当に必要な時にとっておく、と話していますが…
その本当に必要な時、というのは、たぶん、パタゴニアでの全山縦走とか、そういうので、間違っても、アプローチゼロ分の山ではないと思います。車で降りてすぐ岩場というのが、本番であるはずがない。
日本であれば、すくなくとも、前穂北尾根くらいは。前穂北尾根は6時間のアプローチですので、それが厳しいとなれば、1時間でも。
結局のところ、困難度で、余り困難がないということの困難の中には、歩きがプラスされるという要素が現代は限りなく欠如して、それは、クライマーの高齢化により歩けなくなってきているということが後押ししていると思われます。
そこを踏みとどまって、
歩けて登れるクライマー
というのは、限りなく希少価値になっています。歩ける=若さ だからです。
■ 弱さを受け入れているのか?
確実に言えることは、日本一厳しいクライミングの倫理観を保っている小川山よりは、九州のスポーツクライミングの岩場のほうが、初心者にフレンドリーと言うことです。
小川山はなかなか厳しい基準を持っている岩場です。5.9でも1ピン目取る前に、5.10cのムーブが出てくるなど普通です。
そうした厳しい岩場では、日本のクライミングの基準を向上する、厳しいクライミングが行われて良いと思いますし、一方ですべてがその基準に合わせると、まぁ時間の経過で登れる人は誰もいなくなることは確実であるので、ある程度基準を下げた岩場も必要です。
特に初心者には一歩間違えれば死というルートは適していませんが、5.15登るあなたには適しているでしょう。
ので、結局のところ、今ある現実はすべて正しいということになっているかと。