2022/12/17

現代の登攀価値は どこへ向かっているか? 面白いムーブ?

■ アドバイスを貰いました!

福岡に来てすぐ、福岡県の岳連で南〇真鈴さんをゲストに招いて講演会をしていたので、もうガッカリしてしまって、はぁ?福岡県の人、登山、何も分かっていないんじゃないの?と思ったんですが… 

なぜなら、難波さんの時代から、エベレストって700万円払えれば、だれでも行ける山ってバレてしまって、ちゃんと登山が分かる人は、誰もそんな山しないからなんですが…

栗城さんみたいな、トンデモな人が現れても、トンデモがトンデモだと分からないみたいな感じで、大衆は、常識、や 良心、や 王道、を見失い、「人の山にケチ付けるな!」の一言で、

 すごくない山をすごいすごい、ともてはやす

という、勘違いも勘違いが、したり顔で通っています…。

間違っていることを間違っていると示すのは、悪口でも、批判でもない。ただの間違いの指摘です。

■ 一流登山者でも高所遠足に間違えて行ってしまう

でも、若い人の無知だけが問題ともいえず、一流の登山のベテランですら、間違って高所遠足に出かけてしまうこともある…のが、現代です。

それだけ名誉という煩悩の力は強いというか、ヒマラヤって言葉に魅力があった過去の時代のカルマが強いというか…。

そんな高所登山や日本の一般登山者の槍至上主義、あるいは百名山スタンプラリーの山の世界は、登山をスタートして1年くらいで、嫌になったので、私は、『北ヤツ彷徨』と『八ヶ岳研究(独標登高会)』を片手に、地味~に自分の山を追求していたのですが、自分で一歩一歩上がるって、ホント大変なんですよ…。

なんせ、我が家は夫が登山について理解をしないので、私は、慢性的にパートナー欠乏で、大体、近づいてくる男性は、

 おれの女にならないか?

という人が多いからです。女を差し出す代わりにリードしてやるからって話ですが、リードするのがクライミングは、醍醐味であり、楽しいので、そんな得るものがないトレードに乗る女性がいるんでしょうか? まぁ、いるから、そういうトレードを匂わせるわけでしょうが…。

私は八つは、やっと自前で峰ノ松目沢リードと三ルンゼリード、阿弥陀北稜初見単独を稼いだところで終わりました。セカンドなら、荒船ミックスの昇天 M5(中山尾根と同等レベル)まで何とか。

そこから目標を失って、現在は、福岡では、ルート開拓の弟子入りをしたところで怪我をして停滞中です。

それで、福岡に来てすぐのこの登山の発表会というのは、

 国際クライミングガイドの人が集客する商業登山

 渡辺さんという女性の高所登山

 マッターホルンヘルンリ稜

以上終わりでした(汗)。それまで海外遡行同人とかで、話を聞いてきた私からすると、は?40年前?みたいな感じでした。でも、すっかりニコニコ顔で自慢げなので…。

報告では、みたとこ、どこにも冒険はなく、かろうじて、渡辺さんという女性の山が、まぁ登山者としては許せるかな…くらいでした。1700㎞歩いたと言っていました。すごいですよね。

帰りの飲み会では、国際ガイドの人は、私を見てこの女にはやれそう!と思ったみたいで、猛烈アピールを受けました…。べたべたと触って来られ、一発やってからポイとしたい!という熱情?情熱?を感じた(笑)。バカじゃないの?と思いました。

あ、話がそれましたが、 その時知った登山者がこちらです。

こんな人もいる時代なんだなぁと思って、別に悪いと思ったわけではないのですが、自分の登山は違うなと思ったので、高所登山は、元々興味がなかったのですが、さらにすっかりどうでもよくなったんですが…。高所ではなく、雪の山が好きなんです。初めて行ったタカマタギでは、八ヶ岳と雪質の違いに驚きました。

https://naoko-watanabe.com/

この方に限らず、栗城さんでも思いましたが、いつもよく分からないのは、

 なんで 山に登っていることが不登校なり、貧困なりの子どもたちのため、なのか?

ってところです。人のためなら、普通に募金したほうがいいのでは…。

山に登るのって自分のためですよねぇ?なんか偽善者っぽさを感じます。宣伝がそれだけ人の心を動かす時代って話なのかな?

さて、前置きが長くなりましたが、アドバイスが来たので掲載します。

ーーーーーーーーーーーーー以下引用ーーーーーーーーーーー

これは、和田城志さんの言う探検的登山ではありません。

メスナーの時代は14座登頂は探検的ではありましたが、メスナー本人も最後は探検ではなかったと認めています。

自分の山を追求している岳人は、決して8,000m峰やヒマラヤ(端的にいえば映える山)を目指していません。

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そうか…。『第七級』は私も読んでいますが、メスナー 傲慢な人だったんだな~と思いました。

和田さんには、海外遡行同人でお会いしてランタン谷の雪崩の件を聞きましたが…和田さんが強調されていたのが、若い看護婦さんに自分が何日も履き続けている、くさいパンツをハサミで切られて恥ずかしい目に遭ったという点で…なんで、そんな事件を若い男性クライマーに伝えたいのか?よく分からなかったんですよね…

当時の報告で、メコン川の冒険話は面白かったです。台湾の沢は、トゲトゲ植物が大変だなと思いました。(トシゾーさんと成瀬さんの山だったかと)

行くルート探しはグーグルアースでやっているそうですよ。それもそれで、大量の砂金の中から、金を選り分けるみたいな話で、大変だなと思いました。

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普通の志ある探検的登山を目指す、日本の若き岳人たちは、日本国内で素晴らしい探検的登山を今の時代でもなし遂げています。

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…って、猫も杓子も、称名の滝、だったような気がしますが…これは、悪口ですね、すいません。

でも、ほんとですよね…(笑)。またか~、みたいな感じでしたよねぇ。

男性クライマーは、俺も俺も、のほうが、俺だけのルート発見、より興味があると思います。

俺だけ=オンリーワン、をやっているのって、田中カンヤさんくらいでは? 全然、日が当たらない方で、どうしてかなぁといつも思っていますが。やっとテレビに出てちょっと嬉しかったです。田中さんの山をきちんと分かる人が、テレビ局にはいないんですかね?

NHKの米山カメラマンは、北大出身だから、分かるはずと思いますけどね…

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山野井さんやクルティカを皆グレードの低い、クライマーも手本にして貰いたい、と切に思います。

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ほんとですね。 でも、思想や方針って、

現代のクライマーはYoutubeで語られないと、聞かないんですよね。

若い人はFBをさけているんですよ?親に監視されているようで避けているんだそうです。

しかし、彼らが今困っているのは、何が登山価値なのか?分からないって点です。

私は、米澤さんの著作のこの部分を読んで、彼のルートの成り立ちを知りました。

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岩壁の中に一本のルートを刻み込む。それはクライマーの夢であるとともに、クライマーとしてのセンスが問われる行為でもある。私はルート開拓について、空白の部分をただ埋めるだけでは十分とは言えない気がする。登るのならば、ルートのもつ必然性を感じさせるものであってほしい。岩壁に新しいラインを付け加えようとする場合、それは壁の核心部に引かれなければならない。また理想とすれば、ボルトの連打を避け、少なくとも、フリークライムが大部分を占めるルートなのが望まれる。私はフリー至上主義者ではないから、必要を感じたときにはボルト連打も辞さない。ただし、単調なアブミの架け替えが続くのみならば、現代のレベルに達したルートとの評価はできないだろう。
ーーーーーーーー 赤字当方ーーーーーー

昔のクライマーは、壁の弱点をつくのを良しとしてきました。

フリークライミングでは、弱点ではなく、強点が、長い間価値でした。

でも、5.12フリーソロするようになって、弱点・強点時代は一区切りですね…。

今では、ムーブが面白い箇所、が、良いルートなのでは?と思います。

困難という価値観を基準にしている人は、今でも、”迷ったらハードプッシュ一点”です。でも、パワームーブに挑戦っていうのは、もう限界が見えちゃって、今はセッターブーム。セッターに人気があるというのは、ムーブで面白いのをこしらえることができるというのが価値と考えられているってことです。

パワーによる解決は、すでに前時代的解決法、なのです。

核心っていう言葉は、一般的には、一番難しい箇所という意味ですが、米澤さんは、2世代くらい前のクライマーですので、未知を価値としていたので、処女壁にラインを引くことを良しとしておられたので、弱点を突くクライマーだと思います。 

弱点を突くクライミングでは、今では5.12レベルの弱点しかない壁でも人類はゆとりつきで登れた、ってことです。

■ インタレストグレードへ

さて、これは、現代に通じるルートを開拓しているのではないかという開拓者の言葉の引用です。

時代がインタレストグレードへ遷移していることを端的に示すものではないか?と思います。

未知 → 困難 → 面白さ

というわけです。

面白さ=インタレストグレード。柏木さんは、登山のほうでだいぶ前から提唱していますよね。登山のほう、つまり、歩くだけのルートでも、変化がない単調な山は、何度も行く気になれないですよねぇ…。草原アリ、渡渉あり、谷あり、山あり、花あり、稜線あり、と変化に富む山のほうが良き山ですし、季節感も同じです。四季折々の表情豊かな山のほうが楽しいです。

それをフリークライミングに置き換えると? ムーブの面白さが上がります。

ーーーーーーーーーーーー以下引用ーーーーーーーーーーー
去年から佐久の岩場でルート開拓と古いトラッドルートの再生をしている。

この岩場にはスポートルートは数百本あり多くのクライマーが訪れていつが、私が登っているのは隅の方や隠れたところや奥の方にある岩場だ。

昨日は易しいワイドクラックを登って来た。

先週、掃除をして2日目。取付く少し前に強風が吹き始めほこりが舞い上がって大変だった。ワイドなのにプロテクションは、青エイリアン、オレンジエイリアン、緑エイリアン、フレンズ#2.5番。フレンズをセットするポケットは、世にも珍しい渦巻状だ。終了点を作っていなかったので掃除用のロープで下降する。

ルート名「ナルト」5.7 

簡単だけど結構面白かった。

ーーーーーーーーーーーー 赤字、太字当方ーーーーーーーーーーーーー

山梨では、兜岩の5.7が、簡単だけど、ムーブが面白いルート、でした。名前は忘れましたが、けっこうトリッキーだったので、登れない人がいたみたいで、何度目かに行ったら、1ピン目が足されていました。あれ、あっても意味ないかなって思ったけど…。ルート名は忘れました。
 
九州では、あんまりトリッキーだったり、面白いのは登っていないような気がしますが…単純に、九州のルート開拓は、ボルトも終了点も、前時代的で、ボルトはカットアンカーだし、終了点は手作りで、支点間隔は、エイドルートの置き換えでしかなく、ランナウトがきついので、そっちに精神力を吸い取られて、
 
 課題の楽しさを味わうどころではないから(笑)、
 
かもしれません。魅力を感じたことがないような気がします。
 
■ 常識を覆す= 面白い
 
楽しい~!となるには、私にはラオスが必要です(笑)。ラオスに行けば、誰だって、どんなクライマーだって、楽しい~!!となります。
 
なんせ、腕力の無いことで知られる、私みたいなクライマーが、ホイホイコレ行くんですよ? 
 
ルーフ=パワーの誇示、だと思っていると? 全然、違います(笑)。
 
なんせ私でも登れるんですから…。これはとっても面白いユニークなルートなので、ラオスに行く人は是非登ってください。 

これをあげるのは、若い人は、なぜか日本一にならないと海外に行ってはいけないと思っているのではないか?と思うからです。あるいは海外に行く=お金持ちという先入観?
 
ラオスなら、2週間8万円でおつりがきますから、正月に北アに行くより安いですよ?
 
このルートはとっても面白く、リードする人がエライ、と思っていると、その観念を覆されます。ルーフは、リードだろうが、フォローだろうが、ロープが前から出ているか?後ろから出ているか?の違いがあるだけで、
 
 めっちゃ平等
 
なクライミングです。 どっちも、落ちれば終わり。回収はフォローがしないといけないので、クラックの練習にもなります(笑)。
 
日本の皆さんには、上下関係がないクライミングの楽しさ、を知ってほしいですね。

今の時代、地球市民感覚、でクライマーは各国を移動しており、
 
 クライミング自体が共通言語、
 
です。
 

 

 

2022/12/16

 女の子だってよじ登りたい

■女の子だってよじ登りたい

さっき、いつもの公園を通っていたら、40度くらいの、滑りやすい落ち葉の斜面を女の子の姉妹3人が登ろうとしており、下の子が登れなくなっていた。


上のお姉ちゃんが、「〇〇が登れないから、上から、長い木か、なにか頂戴~」と言っていたが、投げられるのは、みんな枝で上まで届かない…。

暫く見ていたんだが、10分くらい苦労しているの見て、助け舟を出してあげた。 

秘密は木の根っこを足場に使うこと。

みんな、平らでも、支点になりそうなものがないところ、を登ろうとしちゃんですよね…

急でも、つかめるものがあるところとか、段差があるところの方が登りやすいですよねぇ…?

それで、ここ、ここ、と足を置くところと、握るところを指示してあげたら、登れました。

登り終わって上で、子供たちに「ありがとうございます!」とかってウルウルした目で見られてしまいました…。

あの子たちにとっては、ちょっとしたヒーローですね。

いや~ 女の子だってよじ登りたいですよねぇ…。

■ 冒険が好き

私が小さいころ、母は、お嬢様育ちで、今、私が彼女たちにしてあげたような、指示はできなかったんですよ。

それで、私は元々が冒険したい女の子だったので、弟を家来にして、冒険しに行っていました。

一度は誰もいない空き家に、二階によじ登って窓から侵入して、びっくり…。夜逃げ後みたいでした。しかも、子供の死亡通知なんて見つけちゃったんですよ。

■ 子ども時代は男女とも怖がり

男の子でも、小さいころは女の子と同じくらい怖がりますよ。

それが、中学生くらいから男の子は、女の子の前で、粋がるようになります。

…けど、私、弟がいたんで…、しかもションベン垂れの…(笑) だから、粋がられても、可愛い、って見えちゃんですよ。もともとが姉貴だから…。

しかし、男の子の粋がり、それが一生続くのが、男性山や、なのではないかと思いました。

女の子は、単純に、登れなくなったら、えー、どうしよーってなって、長い枝おろしてくれーだの、エイド(他力)を考えます(笑)。

粋がり vs  他力 男と女… 

粋がっている男がカッコつけてくれるおかげで、登りに行き詰った女に助け船が来るっていうので、世界はうまい事、陰陽が取れているのではないでしょうか?


 

縄張りと誰が一番か競争に終始している=クライミング教育お留守 なんだろうなぁ…

■ オンラインコース

トニーとアレックス・・・もう数年になると思いますが、オンラインコースの集客やっていますよね(笑)

なんで日本のトップクライマーはやらないんだろうな。

■ 教えてもどうせすぐはできないので自分の地位が脅かされることはないですよ?

技術的な内容や、オンラインで分かるような内容って、教えてもしょせん、机上のことで、身につくには、分かった後で、うんざりするほど、繰り返しのトレーニングというのが必要だ。

だから、教えても何も減ることにはならない。

むしろ、現場(岩場)で、無知で来られるより、ムンター結べないから練習してきた、くらいな人の方がいいし、ムンターって半マストですよね?とか、言っている人のほうがいい。

現場で知識を与えよう=いきなり本番(つまり、リスクあり)というのが、そもそも、間違っているのに、教え方を改めようとしない、山岳教育界…。

■ 師弟制度

いつまでたっても師弟制度です。

師弟制度っていうのは、上下関係、って意味なので、結局のところ、若い人は、自分が下って意味ですから、あんまり好まないです。

それも分からないでもないですが、知らないことを教わるのに、頭が高い人って、私も好きではないです。

だから、私は師匠は師匠で良いと思っています。

■ 師匠より必要なのは、ちゃんとしたフォローなんですよ…

しかし、師匠がいても、クライミングは教わったことを実践するのにフォロー、つまり、ビレイヤーが必要です。

ところが、教わったばっかりの、あやふやな強度の支点に、昨今のジム上がりで、ポロポロ落ちる後輩を連れて行けます?行けないですよね?

ジム上がりならまだましで、ジムにすら行かない人はこのレベルでロープです。

こんなレベル↓でロープを出さないといけなくなります。ホントに落ちるかもしれないところで出して、ホントに落ちられ、それが初めての本番、だと? 支点崩壊で死んじゃいますよねぇ?

私の所属していた会に来た33歳の新人君はこの斜面でロープがいるレベルってことです。

この傾斜55%の雪の斜面は、北アですが、私は全くロープイラナイと思ったところですが、

   この4人のパーティで一番弱い人=33歳のっぽ君

でした…。ので、先輩はロープを出していました。つまり…昨今、入会して来る新人さんの男性って、ものすごく登攀力低いです。

昨日こちらの記事にも書きましたが、例えば、広沢寺で、私がアイゼントレではない普通のフリーのルートで登っていたら、アイゼントレで来ていたほかの皆さまが、ウルウルした目で見てきて、参った、ということがありました。

当時私は、まだ岩デビューして間もなく、小川山はまだ春の戻り雪でピッチ数稼いでいるころで、西湖の7mランナウトしたスラブがチャレンジという時代でした…。そんな私のような低スキルの人が、その人たちからは、まぶしく見えるって話で… あまりにも低いレベルで比較されてしまい、え?!となりました。

つまり、デシマル以前、UIAAの四級でもロープ要るって人たちが、昨今、会に来ます。

これは山岳総合センターだって同じで、私の班で一番歩けたのは私でした。それでまるで罰ゲームのように一人ラッセルさせられました。 ほかの人は男性でした。

■ 机上講習が欠如している

現代の若者は、みんなが思っているよりアホです。たぶん、ゆとり教育のせいなのかもしれません。

ビレイは落ちる人を受け止めた経験がないと上手になりません。そんな当然のことも分からない人が大多数のようです。

クライミング歴5年と言って入会してきた同期の新人に、「ビレイできますか?」と聞くと、「できます」と言いますが、「落ちた人を止めたことがありますか?」と聞くと「ありません」と答えます。これでどれくらいアホか?分かるでしょう…(汗)。

私はこの人を人工壁に誘って、引っ張り落とされそうになりました。その後、彼は二度と人工壁来なかったので、ビレイをマスターしたのか不明です。

そんな感じで、大体の山岳会に新規入会する人は、

とんでもなく予習不足

で来ます。まったく白紙なので、入会するときに知識のレベルを聞く問診票みたいなものをした方がいいかもしれません。

ルートに行ったことがある、と言って著名なルート名を上げても…

 落ちない先輩が付けているロープの端っこを持っていた経験があるだけ

で、人の後ろを歩くだけの金魚の糞登山の男性が多いです。それで行ったことがあるといっても、プルージック登攀も、トップが落ちたときに固定して援助を呼びに行く練習なども、全く教わっておらず、何も知らないで、セカンドをやっているだけの人がほとんどのようです。

そんなことは、山梨の山岳会ではありえないと思うのですが、九州に来て、預けられた新人が、クライミング技術は何も知らないのに5.12は登れます、って人だったので、九州では会で何も教えていないということが分かりました。会の方が教えないで、先輩に連れられてマルチのセカンドに連れて行っているということです。

これは、師弟制度で、20~30のマルチピッチの経験が必要と言われているのとは、全く内容が異なります!! 菊池さんは、何も教えないで、セカンドで連れて回れ、と言っていないですよ?

それ以前に、そもそも、ハイキングレベルの終了試験である、読図、というのもマスターしないで来ている人が多いです。沢に行くときに地図を持ってこないで、GPSの軌跡を他より位に歩こうとしている人がメインです。

■ フリークライミング能力があっても、それだけの場合もある

私が、フリークライミングで組んだ元の会の男性の先輩は、読図力はゼロだったと思います。ある時、宝剣の方の初級アイスに行ったら、全然違う沢に入って壁が見つけられなかったのですが、後で地図を見たら一つ入る沢を間違っていました。

それでも、鹿島槍東尾根は済ませていたので、えらいなと思いましたが、地元の地の利の勝利で行ったのかもしれません。

というのは、マルチの上部って2級で歩けるようになっていますが、ロープを岩角に引っ掛けながら、コンテで(簡易的なショートロープ)で歩く技術を知らなかったからです。当然解除だと思っていたようです。その時に詳しく解説したらよかったと後で思いましたが、自分がロープ要らねーなら、相手にも出さないっていう自分本位なクライミングから脱し切れていないということでした。

つまり、リーダー教育を受けていない、という意味です。

ロープ要りません、と言って、”よっしゃ!”と言ってもらえるのは、セカンドだけだから、です。

大体、登攀で落ちるより、何でもない3級、4級の歩きのところで事故が起きることが多いというのは、きちんと教育を受けたクライマーなら、3,4級を甘く見るなよ、と先輩や師匠に、きつくくぎを刺されていることが多いです。それがなかった。

ので、この方と沢などの自然要素の多いルートに行くのは、危険だと思いました。自然界そのままのところの方が、整備されたフリーの岩場よりも、ちょっとした危険でロープを出さないといけない、というケースは多いためです。

そういうリスクは、フリークライミング能力ではカバーできないです。なにせ、足元の地面とか、持っているホールドとかが壊れやすいって話なので。

私は沢は、ひと夏毎週のように出かけて、出す出さないの条件判断をすっかり自分で納得するまでやりました。

一般に、技術習得指向でない人は、そういう風に習得テーマがあるわけではなく、ただ楽しいから行く、だけなので、経験値として貯まらないみたいなんですよね…。経験年数が長くても、エイト環のセットが分からない人を見たことがあります。

一度、歩きが遅れがちの20代男性のために、沢の下山でゆっくりと時間を使ったら、なんと最後の読図ポイントの前に暗くなってしまい、尾根が見分けられず、コンパスウォークでルーファイする羽目になりました…。優しさが仇になった。下山12時頃でした…。

■ フリークライミングの謎

そんなこんなは別にして、登山の技術とは別に、

 フリークライミングとはこのようなものです

という思想的なものを若い人に教えてやる人が必要です。

現在はトップクライマーは、何年も、開拓記録を上げ続けているだけで、一般クライマーにとっては、どうやってそこまで行くのか?雲の上の人ということになってしまっています。

ユースケさんのように、近所のジム等で、これぞ!という登れるクライマー(5.13レベル?)がいる場合は、一度ルートに連れ出してくれるアニキみたいなクライマーもいるそうです。

しかし、一本釣りだと、その釣られた人には技術が伝授されても、他の人には恩恵がないです。もちろん、アルパインの教育はオーダーメードというか、個人に合わせてなされるべき、というのは、分かりますが、それでも、共通項、ってありますよね。

例えば、マルチ行きたい、んだったら、基礎になっている、セカンドの確保だの、懸垂下降だの、宙づりになった時自己確保で登り返す技術だの、リードクライマーが行動不能になった時、ビレイから逃れてレスキューする技術だのは、誰でも知っていて当然です。

雪稜なら、ピッケル持っているだけで、滑落停止できなかったら意味がないです。

テント泊ですら、テントを火に近づけない、とか、色々基本技術あります。なんせ、知らない人は、冬山のテント泊、雪洞泊に、パジャマを持ってくる時代なんですよ??

富士山五合目のアイゼントレで、「今日、初めてアイゼン履くんですぅ」なんて言って、切っていないアイゼンバンドがぶらぶらしているなんて、もう普通のご時世です。

ものすごーく、レベル低下していて、そういう人でも、フツーにクライミングジムに行くので、登攀だけはバッチリ!だったりもします。

つまり、登攀力はクライミングジムがカバーしてくれる良き時代なのに、その両輪となるべきクライミングに関する知識や思想という片方の車輪が整備されていないのです。

その点は、私のような山の世界に38歳で来ました、みたいな人は、歴史的経緯が分からないので、いくら新しく来た人に同情し、教えてあげたいと思っても、知らないものは知らないものなので、教えてあげることはできません。

■ 著作権の不思議

フリークライミングでは、他人の所有物である岩に描いたラインは著作権であるそうなのですが、この辺も、一般社会の常識とかけ離れた、とても奇異な思想ですので、それなりに見識がある方から、ちゃんとした解説がなされるべきだと思います。

普通の社会人の常識では、人のものに自分の権利を主張するなど、とんでもない厚顔です。

例えば、エベレストに初登頂しても、別にエベレストがその人の所有物になったり、その人が登ったルートが著作権で守られる、なんてことはないでしょう…

フリークライミングになったら、突然、開拓者はラッペルでぶら下がっているだけで、オンサイトもしてないのに、著作権って話になっています。

その辺りは歴史的経緯が分かる人しか分からないでしょう。

ちなみに、私は、故・吉田さんと開拓中のルートがありました。あれは、私が主張したら、私のルートになるのか?謎です。もちろん、そのようなことをする予定はありませんが。

こうしたこともすべて、慢(エゴ)が引き起こしている事態のようにお見受けしています。

俺の、俺の、というやつです。

でも、もうトップクライマーは名声は確立していますよね?

いつまでも、名声が確立する前の活動を続けていないで、後進を育成するという、もっとやりがいのある仕事に移って行かないのは、なぜなのだろうか?と思います。

私は、名誉ではなく、つながり、を大事にしているクライマーです。 そんなの当然でしょう。38歳から登っている人に名誉なんていりません。

 


2022/12/15

国内冬期登攀レベルとは?

これは信頼できるクライマーからの情報ですので、転載します。

追伸: こちらの記事には訂正があります。ゆめゆめ、5.11前半で冬壁に向わないでください。

https://allnevery.blogspot.com/2022/12/512rp.html

すごく溜飲が下がりました。というか私の推測があっていると分かった。

推測というのは、以前九州のクライマーが、私の師匠クラスが現役で若い時でも難しすぎるといって登らない国内冬期アルパインルートにチャレンジしていて、はてな?と思ったからです。そのクライマーは、無雪期の5.9もとい10cに2時間半もかけエイドで登っていたからです…そんなレベルの人が、なんでこの冬季ルート?行けるはずがないのでは…?という感じでした。

やはり九州ではトップクライマーの情報が来ないので、40年前のままの指導者の判定をうのみにしているのではないでしょうかね?

ーーーーーーーーーーーーーーーー以下 引用ーーーーーーーーーー

冬季登攀で国内のアルパインルートを、目指すのであれば、最低でもフリーで5.11以上が登れて、5.10前半はいつでもオンサイトで、しかもプロテクション悪くても安定して登る力が必要です。

既存支点無視のラインを読む形の現代アルパインクライミングでは、アイゼンを付け手袋をした状態で。5.11のムーブをこなさないとイケない場合もあります。

ですから一見アイゼントレーニングは、重要にも思えます。

ところが、こういったゲレンデでアイゼントレーニングしている人の多くは、そういったグレードが登れない人たちばかりなのです。

つまり、クライミングシューズを履いて、手にチョークを付けても、トップロープで5.10登って、テンション、テンションの人が、アイゼンつけて、5.11登れるわけありません。

ですから、晴れたフリーのゲレンデや岩場に、来たならば、まず、フリークライミングの実力をあげる練習したほうがいいのです。

今の技術練習環境で、5.11登れない5.10オンサイト出来ないのでは、運動能力低すぎです。

冬期登攀の前にまず、ワンシーズンかけてでも、フリーの実力を上げたほうがいいと思います。

そういった、難しいことはやらない(やりたくない?)といった人たち。つまり冬山の登山の一般ルート出てくる岩場の対応。冬季バリエーションルートのためのアイゼン訓練ならばデシマルのついていない(UIAAグレードのⅢ+やⅣ等)岩場でやるか、フリーで登られることのない湿った岩や草付きで練習するといいでしょう。

僕は高校まで。神奈川県で山登りをしていました。17歳ペアで冬季北鎌尾根を完投するのにあたり、遠くに行く費用もないので、冬の丹沢の沢をアイゼンつけて登りまくりました。

まぁ当時は丹沢でもけっこう凍っていて、チョロっとアイスクライミングもできましたし、沢の源頭のガレ場やルンゼは、とても良い練習になりました。

 

今、アイゼントレーニングしている人の多くは、そういったクライミングに自らが主導でいく人よりも、ガイドさんに連れていってもらう。山岳会、山のサークルの人が新人や、女性会員を連れていくために、利用しているのがほとんどに見えます。

そういった人達は、良いとか悪いとか全く考えずに、連れてこられて、言われたところを登っているだけです。

そういった人は、大ちゃんが素晴らしいクライマーであることを知りません。連れてきたガイドさんや、山岳会のおっさんのほうが偉いから困ったものです。

皆が少しづつ、こういったことを話し合うことは重要だと思います。そういった意味でも、小山田さんの提言は意味があると思います。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー赤字当方ーーーー

これは、関東での山岳会が主催しているアイゼントレの実情をよく示していると思います。 

まだ山梨にいた当時の私ですら、(つまり5.9レベルってことです)、このような山岳会の人たちがウルウルした目で私を見てくるのですから…。 フリークライミングのレベルと、一般山岳会の新人さん達のレベルは、非常に乖離しています。

私は当代のトップクライマーに

 5.12がスイスイ登れる

 40kgが担いで普通に歩ける

が、一流と言われる人たちの最低ラインだと聞いています。

 



万江川の岩場情報

万江川の岩場情報

https://www.climbing-net.com/news/maegawakeikoku_20221214/

樋口先生から。

フリークライミングとアルパインクライミングの切り分け を

 ■ 九州ではごっちゃ

九州では、アルパインクライミングの価値観…このくらいの登攀困難度ならロープいらないから、一本も中間支点取らない、とかで支点の数が決まっているフリークライミングのルートの作られ方で、ひえ~ヤダなぁと思ったのですが、それ以外にも、

 フリークライミング に アルパインの思想や倫理を持ち込む弊害

が出ている事例が、トップクライマーから警鈴がならされているので、紹介します。

■ ルール作りとトポの整備が大事

ここにも書いてありますが、ルールをきっちり作り、それを周知できる仕組み作り、が必要です。

九州では雪は大して降らないので、一体どこで、雪になれる気なんだろう?という感じです。こちらの若い人の会を見ていても、GWに七倉沢で、雪上訓練を受ける(滑落停止)とか、雪崩講習会を受ける、とか、12月の第2週の富士山5合目でアイゼントレして、ついでに宿泊もして寒気に慣れる、とかしないで、唐突感ありありで、冬山合宿計画が立てられており、それで塩見とか言われても行く気になれないです…。

一般登山者レベルの人(つまり、雪のトレーニングゼロで、ピッケルも持っているだけの飾りで滑落しても使い方を知らないレベル)なら、11月最終週の燕岳とか、正月の鳳凰三山で小屋止まりとか、テント泊とかは、行けますから、何も訓練しないのであれば、そういうのに行っておけばいいのではないか?と思います。

九州では、天候判断もいらない山しかない。ので、天候判断の習慣が身についていません。ので、上記のような優しい冬山では、天候とか、雪上生活を、小屋があるという安全ネット付きで学ぶということです。何にも冬用の訓練しないのでしたら、その程度しか行けないですよね…。

まぁ、安全ネットがあるので、別に個人でも行けるって意味ですが。でも、九州で仲間とつるむ意味は、交通費割り勘、にあるのでいいのではないですかね?

■ アイゼントレをフリーのルートでしてはいけない

さて、アイゼントレですが、本州では、やっていいところと悪いところが、はっきりしています。

誰でも分かることですが、フリーのルートでやる人はいません。やってはいけません。

しかし、九州ではその辺はあいまいなのかもしれません。九州の登山界はどうなっているのか不明ですが、九州から本州に来た人の様子を個人的経験から想像すると、フリークライミング歴5年とか言っても入会したのに、何も教わっていなかった人が思い浮かびます。フリークライミング歴5年という話だったのに、行ったことがあるルートは比叡でのセカンドだけだった。なんか比叡ってフリーですかね?って気もしますよね。その人は全部Aゼロで、本州のフリーのルートを不思議とも思わずに登っていました。(当然ですが、その人より私の方が最初から登攀力では上でした)

なにせ、九州に限らず、

 フリーのルートを開拓している=エイドの技術がある=元アルパインのエイドクライマー

という図式になっており、イマイチ、フリークライミングらしいルートづくりという意味では、世界的に後塵を期しているようですし、なんだか、昔の人の自信たっぷりぶりが強すぎて、現代の若い人は、リードエリアから追い出されてしまい、九州では、ボルダー以外出来ないように追いやられてしまっているような気がします。

安全面からも、若い人がリードに進もうにも、ボルト40年物か、新品でも使ってはいけないカットアンカーとかで、外岩で安心して登れるという環境にない。

そうなると、人工壁しか登れないですし。そうなると、スポートクライミングの事しか分かるようにならない…という悪循環が働いて、結果的には、リードエリアでの事故多発、となっているような気がします。

なにもかも、アルパインクライミングとフリークライミングがきちんと区別されていないために起こっていることです。ついでに、スポーツクライミングとフリークライミングも、九州では、峻別されていません。

■ そもそもフリークライミングの教科書がない

アルパインクライミングには、UIAAの出している『総合登山技術ハンドブック』が出ています。 

内容はペツルが出していた取説を充実させたようなものです。ペツルが紙での提供を辞めたので、新人に渡すガイドブックが無くて困っている状態が数年続いていましたが、これが出たので解消したものの、市販されておらず、一般の登山者の手に取りやすいか?というと、これもまた流通上の問題があります。

ちなみに、韓国の登山用品店では、誰でも買えるように普通に登山ショップに置いていました。

これと同等のフリークライミングの倫理観や歴史的流れ、経緯について書かれたものはほとんどありません。

結果、『岩と雪』同時代人しか、事情が分からないということになっています。

■ アルパインの岩場

私がアイゼントレに使っていたのは、関東だと、越沢、三つ峠、西湖の岩場の右の岩塔です。

あきらかにフリーのレベルのルートでアイゼンで登る人がいるとは思えません。

■ ドラツー仲間はトップクライマー揃いです

ドライツーリングで登れる人は、小山田さんが危惧するような初心者であることは、ほとんどなく、トップクラス中のトップクラスですので、フリーのルートをアイゼンで登るという言ことはないだろうと思います。

なにせ、国内有数のトップクライマーしか、現在ドラツーで外で登るスキルはありませんから(笑)。

彼らが登って記録を作っているのは、ワールドカップ参加のついで、です。

■ クライミングの良心的グループに入ろうとしない人たちがいる

ただ、私が不安に思うのは、こういうトップクラスの倫理観がしっかり確立した人たちに接する機会があっても、入らない人たちがいるということです。

事例

・ギリギリボーイズの方と宴会する機会があり、知り合いの若い男子には全部声をかけたが誰も来なかった

・ダウラギリに登った人と宴会する機会があり、同様に誰も来なかった

・井上D介さんと知り合いになる機会があり、男子に声をかけたが誰も来たがらなかった

・トップクライマーの故・吉田和正さんをビレイする機会があり、知り合いに声をかけたが、俺なんて、という返事で来ない

・海外遡行同人に参加する機会があったが、声をかけても誰も来なかった。 

・天野和明さんの主催する読図講習会に呼んでも誰も来なかった

・日之影町に移住するほど、日之影命の初心者ボルダラーに小山田さんが日之影の話題をFBにあげているからフォローしたら?と教えたら、「どうせ、取り巻きに囲まれて、ちやほやされているんでしょ」という返事がきて、おったまげた…。

・奥村さんのビレイ講習会が格安で開催されるので、知り合い前部に声をかけたが誰も来なかった

・横山ジャンボさんと倉上慶太さんの講演会、九州で知っている顔はゼロ人だった

どうも男性クライマーは、

「俺なんて」という心と、「俺だって」の心で揺れ動いており、

きちんとした技術情報や、クライミングのベータ(周辺情報)が来たとしても、それを受け取らない方向に心が閉じているようなんですよね…。

なにかやましいところでもあるのでしょうか…?そこらへんは、私は女性なので、理解が難しく、どういう心理なのか分かりません。私は、ホイホイ、山の先輩のありがたい話が聞ける会には顔を出すので。 海外遡行同人にすら臆せず出ていました。

それで、結局、機会があっても、

 正しいクライミングの知識を得る機会をスルーする結果

になるのです。一般男子クライマーは。なんせ、あの奥村さんの講習会に誘っても来ません(汗)。理由は、”俺、もうできるから…”とか、です。

でも、その判断は、主観ですよね?主観とは自分に都合の良いものです。

実際は、もう出来る、というのは本人の判断で、客観的判断とは異なることが多いです。

■ 同等慢は、正しい知識があれば、治る

このような「俺なんて」=卑下慢、「俺だって」=高慢、の害というのは、正しく自分を評価できる客観的な視点があれば、克服できるのではないか?と思います。

ところが、これが現代では難しいのです。

一般に、5.12が今の時代は一応の男性クライマーのプライドが満足できるレベル…俺は普通と同等の能力がある、と感じられるレベルのようですが、普通と感じられることを、同等慢、と言います。

同等慢は、子供のころによく親が使います。

 「〇〇ちゃんにやれたんだから、あなたにもできます」

です。これは、真実ではありません。特にクライミングでは、真実ではなく、トップクライマーになるには、基本的に要件があります。

1)一般的にどんな物事でも、一流になるには、一万時間の練習時間が必要だと言われています。

2)また、一般的に、8歳~18歳がゴールデンエイジと言われ、その頃に習得したことは、オンリーワン化することができると言われています。

3)また、クライミングは一般の人では、知識的にも、安全教育的にも、大衆化が発展途上であるため、知識の面でも、親がもともとトップクライマーレベルで、知識伝達ができる必要があります。

歴史的に見ても、芸事と言われることは、みな世襲制で幼少期から特訓しているでしょう。

このような事例が、室井登喜男さんにも、奥村さんの息子さんにも、樋口先生の息子さんにも、中嶋岳志さんの息子さんたちの事例にも言えます。つまり、知識や環境という面は親子の世襲制で現在のところカバーされています。山岳会の代わりです。

一般の人で言えば、それをカバーするのは、山岳会でしたが、それは現在機能していません。

その次の選択肢と言えば、師弟制度ですが、それは師匠の側が弟子を選ぶので、選ばれる弟子でない限り、師匠が現れるということはあまり期待できません。

唯一、クライミングのそのもののスキルは、他者との比較で測ることができますが、アルパインの人は、スポーツのコンペに出たがりません。アイスではコンペが盛んで、ある程度、自分の実力を客観的に見ることができます。

私は岩根アイスカップには一度しか出たことがありませんが、師匠クラスが非常に登れる、と判断する登攀能力が、現代のレベルでは、非常に初歩の登攀力に過ぎないことを知りました。ちなみに私のアイスは、そこらのアルパイン男子より上です。九州で一緒に登っていた先輩、5.12RPの方…より、上だという師匠の判断です。

同じことが、普通のフリークライミングにも言え、5.12=俺は普通だ(同等慢)と思っても、その中身は、5.12がレッドポイントレベルなのか?オンサイトレベルなのか?はたまたフリーソロレベルなのか?で、スキルの中身は全く違います。

現代のアルパインクライマーですら、フリークライミングや人工壁により、レベル向上の恩恵を受けて、5.12がレッドポイント出来るレベルではなく、フリーソロができるレベルに至っています。

しかし、40年前の価値観で自分を測ると、5.12レッドポイントのレベルで、よし!お前がリーダーだ!と言われてしまいます。なんせ、現代でアルパインクライミングを志向してやってくる若者…山岳会の新人像、というのは、このような岩場でロープを出してやらないといけないレベル…非常に低レベルという意味です。

私の会に来た新人男性(30代)がどのような登攀能力だったかを端的に示す写真。ここでロープがいるような登攀レベルの人が、昨今は主流です。

そりゃ、こんなレベルの人が来たら、私ですらリーダーレベルですよね…。ちなみに私はフリーの外岩は、5.11までしか登れません。

■  古い基準で自分を測ると間違う

このように、現代は、アルパインクライミングが廃れて悲しい、とは言われますが、アルパインの方向性を向いても、きちんとしたレベルが判定できるわけではありませんし、逆にスポーツの方を見たら、とんでもなくレベルが高騰しており、5.11がジムに来たその日に登れるという人は珍しくはありません。5.13が一週間で登れた人にも、師匠はあったことがあるそうでした。

このように、底辺は、一般のハイカーレベルの登攀能力、アルパインの4級でもロープを出さないといけないレベルから、トップは5.12はフリーソロ出来たり、5.15が数便で登れたりするピンのレベルまで、非常に幅広く、その内容は、他のリスクによっても条件付けが異なり、統一のグレードで測ること自体が無意味なことになってしまっています。

そのグレードの前提になっている条件を検討することなしに、端的にグレードだけでクライマー同士がコミュニケーションをとることは不可能ということです。

それにも関わらず、グレードにとって変わる、能力を知る目安、というものがないので、現在でも、グレードによって相手を推し量る以外ないかもしれません。

■ フリーではチッピングは侮蔑ですよ

翻ってアイゼントレですが、アイゼンで岩を登る=岩を壊す、という行為は、

フリークライミングの人にとっては、単なる破壊行為以上の、侮蔑に当たる行為

です。

■ フリーのクライマーもフリークライミングの価値観を表現できていない

フリークライミングの価値観というのは、どのようなクライマーの書いたものを読んでも、的確に語られている様子はありません。

最近、ニンジャ5.14を登った若い現代アンバサダーの記録を拝読しましたが、

 僕、頑張った、

以外の価値観には触れられておらず、ニンジャがどのような歴史的経緯があり、どのように初登者と岩を介して、コミュニケーションをしたのか?というようなことは一切わかりませんでした。結局、ニンジャがステファン・グロバッツの初登だ、ということにすら、触れられていませんでしたね…

なので、頑張っただけの価値しか表現できないのならば、それは、一般クライマーが頑張った価値となんら変わらず、です。

故・吉田和正さんは、執着心で頑張ることの価値を世の中に示した最初の日本人フリークライマーではないか? と思いますが、それから時代はすでにだいぶ経過しています。

フリークライミングの分野でも、新たな価値観へのステップアップが、滞っているという、閉塞感がありますが、現在、それを打破しているのは、コンペクライマーが技術を外岩に持ち込んで、困難度を高度化しているだけのものです。したがって、当代の一流クライミングというのは、一般クライマーには手が届かないところにあります。

 未知→ 困難度 → ???

と 次の価値観がまだ表れていないということです。

結果、いまだに

 なんだ、頑張ることが価値なのか?と一般クライマーが誤解

してしまえば、100回トライしたほうが、10回のトライで登れる人より上ということにもなってしまいかねません。当然ですが、同じルートなら、10回で登れる人のほうが強いですよね?

もちろん、頑張ることは価値ですが、みんなもう頑張っていますので…(笑)。他者と比べて自慢になる話ではありません。

■ 自己満足は、一般クライマーの特権

ま、”山は自己満足” と伝統的に言われますから、登山史の形成と関係のない一般クライマーは、そのような物差しではなく、自分の中の前年比、でがんばればいいのです。

しかし、男性クライマーは、そうもいかないのか、もしくは、古いクライマーにお前は登れると言われて勘違いしてしまったのか、で、歴史に名を刻みたい!という気持を捨てられない人もいるようですから、その場合は、

 出した記録が、現代的基準で見て、本当に登攀史的価値があるかどうか? 

は、客観的に判断できる能力がないと、

 長所を自慢しているつもりで欠点を披露している

ということにもなりかねません。 

最後、少し違う話になってしまいましたが、アルパインをやる人は、くれぐれも、フリーのルートでアイゼントレなど、なさらないよう。

それをやるくらいなら、ベアフットクライミングにでもトライしたらよろしいでしょう。


2022/12/14

現代アイスクライミングのステップアップ

たまたまスイスに行くなら、という話が出たので、現代クライマーとして見聞きした感じをまとめようかと思い立ちました。行く価値がある、というルートはこういうのだろうと思うのですが…。ま、登れませんけど。

こちらが現代の最高レベルに近いと思われるドライツーリングのルート。スイス行くなら、こういうのとか…。D14があるなら、D5もあるかもしれないですよねぇ。日本にはドラツールートがどこにあるのか分からないです。昇天は半ドラツーくらい、つまりミックスでした。

 中島正人さんと竹内春子さんが、基本的には今、ドラツーを日本で引っ張っていると思いますが…もちろん、門田ギハードさんも!

で、ドライツーリングというのは、アイスクライミングのフリークライミングバージョンというか…。そんな感じです。桁違いに難しい。高強度になり、フィジカルのニーズが違います。

アイスクライミングって、ぜんぶガバの外岩みたいなクライミングなので、困難度で言えば、そこまで高くないんですね… 全部ガバばっかりの人工壁が面白くないのを想像してもらうと分かるでしょうか…

だから、アイスでフリーソロした人がいても、不思議ではないというか…。アイスではリードしていても、万が一にも落ちるな、と言われるので、よっぽど登りが確実にならないと、リードに進みません。

私が、この程度の易しめ5級のアイスをリードすることになったのは…

 


↓ この下のが楽勝で登れるようになったからです。こっちは6級です。私は保科ガイドでのスタートですが、保科ガイドもこれくらいがスイスイ登れるようにならないと、どんな易しいところもリード許可は出さないようです。


  

つまり、5級をリードするためには、6級がトップロープでスイスイでなくてはいけないのです。

持久力ルート。相沢大滝 4級55m。ロープは二本要りますね。たぶん、5級がスイスイ登れるようになったら、南沢小滝→大滝→相沢 の順に大きくしていくと無理がないと思います。


  

しかし、これらの滝が登れても、まぁ、余り自慢にはならないというか(笑)。なんせ、時代は、D14とかD15の時代なんで…。

そうなると、どっかぶり…これをやらないといけないんです。

別にワールドカップの選手にならなくても…こういうのをやっておくと、次のステップに外のアイスで進める、っていう話みたいなのです。だから、氷柱をリードで取りつけるようになるために、ドラツーをしていました。

たぶん、外のアイスでリスクを取るわけにも行かないし、かといってインドアで垂直だと難易度を上げられないので、被ってくる&人口ホールドで難易度をあげる。

ちなみに、私のようにアイス5級が登れる程度で、人口壁のドラツーでD5です。D5+か、D6マイナスくらいで、D6だとトップアウトするのが難しかった。それでもちょっとづつ強くなっていっていました。

ドラツーは環境が命。別に他のクライミングもですが。

環境がないと成長ができません。ので、ない時はさっさと諦めて、他の楽しい活動をするのがいいのですが、人間そう簡単に割り切れませんよね。

とくに、すごく頑張った後は…。

言いたかったのは、傾斜です。 スラブ → 垂直 → かぶり とアイスの場合は、リードしたい次の傾斜をトップロープでやっておきます。

だだ、歩きだけは、先にマスターしておいた方がいいかもです。たまに外岩のフリークライミングからアイスに来た人は、2級のアイス(つまり、水平)が歩けずに転んで滑落したりしています。


ヒマラヤの6千メートル峰で、BCからの標高差1000メートルくらい=1日で登頂し下山できる

■アドバイスを貰いました

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ヒマラヤの6千メートル峰で、BCからの標高差1000メートルくらいなら1日で登頂し、下山できる

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だろうなぁと思っていました。推理の通りであっていました。

■ 私が上記の推測を持っていたのは、こちらの山屋さんの記録を知っていたからです

 http://kokuryoukai.sakura.ne.jp/2-2-1-4.html

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現役の竹下君が登頂を成し遂げたのは、若さの勝利である。
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今回の遠征に参加して、私の持っていたヒマラヤ登山のイメージが、現実の物とはずいぶん違っているのを実感した。私たちの隊が、年長者によって構成されていた事より、全てシェルパにお膳立てを整えてもらい、その後をついて登るという結果になったのは、仕方の無い面があろう。こうなると、日本での積雪期登攀の経験など、意味を成さなくなってくる。特別困難なルートを目指すのでは無く、ただ、ピークに立つだけならば、

 歩き続ける体力のみが問題となる時代

に入ったのだろうと思う。今はやりの公募隊の内容は、その様な物ではないのだろうか。 

ーーーーーーーーーーー 赤字当方

つまり、若くて体力があり歩ければ、登山技術なんてゼロでも行けるという意味です。

高所遠足、とはこのような山ですね。 

■ 登山技術ゼロだった学生山や

以前アコンカグアに大学山岳部時代に最年少で登頂した人が、パートナー候補で来てくれましたが、岩場に行くのにトポも調べないし、地図読みの読図も出来ないし、登山計画自体が立てられないし、天候判断もできず、とにかく行く!という強い意志のみ…。ホワイトアウトしてもツッコむ…という方だったので、大学山岳部で山を教わると、

山=体力

以外は何も教わらないだな~と思ったことを思い出しました。もちろん、あげれるときに体力を上げておくというのはいいことなんですが、そのあと、知識を得る時期が来ても、その気にならないみたいです。

■ 例

この方は私がハンギングビレイをしていると、

「よくこんな支点にぶら下がっていられますね、怖くないですか?」

と聞いてきたのです…。え~?! 

 ビレイステーションはパーティ全体の最後の砦、なのに…、

ビレイステーションが怖かったら、リードなんてできません。

全然分かっていないので、ガックシしたのでした。しかも、

 岩場=恋愛対象を物色する場

ずっと憧れの男性の話しかしないので、”こりゃ山は、恋人づくりのついでだ”と思ったんでした。

別に悪いわけではないですけど、私は既婚者だし、山で恋愛する気は毛頭なく、山では山の話がしたくて、恋話は、普段でも超興味ないタイプなんですよね。きっと大学山岳会って男女の出会い系なんでしょう。 まぁ、若い時は誰でもそういう時期があるのですから、いいのですが。

■ ヒマラヤお買い得化 = 誰でも行ける化 という推察ができた経験

山梨時代に、 私はカモシカで、金峰~雲取~鳩ノ巣のロングルートを歩きたかったのですが、会にはそんな体力勝負の山したい年齢の人がもういなかったんです…それで、ある時、超有名なガイドで、山田さんという方がそのルートを募集されていたのです… それで、おお!これは渡りに船と思い、ガイド料払いました…。

ところが!

金峰山から鳩ノ巣までの縦走をカモシカ山行と題売って、ガイドは、ぜんぜん歩く気ゼロ。

縦走初めの金峰山荘で、何と小屋番とダべリングで時間をエライ無駄に使っていました…。

もう、この時点でやる気あんのか?と思った。全く歩く気ゼロだと分かりました。このルートは、エスケープ豊富だからです。

それでどうも会話を聞いていると、縦走を集客手段としたヒマラヤ山行募集の会だったみたいなんです。私はヒマラヤに行きたくて参加したわけでなく、誰もカモシカに付き合ってくれる人がいないから行っただけですが、聞いていたらヒマラヤの前座って話でした。

こんなトロトロペースでしか歩けなくても、その参加者の女性たちが、ヒマラヤ行けるなら、私はすでに行けると、その時、思いました…。

ガイドさんは、お客のお金で自分がヒマラヤに行けるから連れて行ってるだけでしょう…。というので、その時は場の雰囲気を乱さないようにと思い、仮病を使い、雲取で山梨側に下山させてもらいました。

本当のことを言ったら、皆がワイワイと行きたがっているヒマラヤ未踏峰を馬鹿にすることになるからです。それに青梅線沿線のエスケープで下ろされでもしたら、山梨の人は最悪です。ただでさえルート貫徹できないのに、電車代大損です。

これで2015年とかでしょうかね…? 

こちらは、女性がひとりでタサルツェに挑んでいる記録ですが…

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ネパール観光省は今年最後のプレゼントとして8000m峰の残る5つをオープンした。

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とあります。

要するにネパール政府は、観光収入目的で、登頂の価値もない無名ピークでも何でも、登れる許可を出しつつある、という話です。

日本の山だって、登山地図を見れば、名前の無いピークそれこそ何万とありますよね? それらだって、誰かが踏んでいるとは思いますが、誰も発表していなかったら、発表すれば、

未踏峰の初登頂

です(笑)。 なぜ、誰も名前を付けて発表してないのか?その価値がないからでしょう…

一般に登山史を勉強すると、ヒマラヤ時代で大体の重要なピークはすでに踏まれていることが、普通の知性の人でも分かります。その後は、登山の価値は、初登頂から、困難度へシフトしました。なので、今残っているのは、落穂ひろいの山、ということは誰でも知っています。

 今頃ハイキングパーミットでオープンされるピークって、つまり、女性一人でも、行ってみようか、というようなピークってことですよね?

そんなところに何十万も払う気には到底なれないワタシです。そんなことをするには、知恵がつきすぎました(笑)。まったく価値を感じられません。

なにせ、K2ですら、昨今、エベレスト化して、商業登山で誰でも登れる山、に成り下がってしまっています。 (K2 過去最多のニュース

たったの97万円で買えるなら、お買い得なのかもしれませんね(笑)?

■ 人生に一度は未踏峰を…?

山梨での話ですが、中国の未踏峰に山梨全体で、みんな行っていて、みな、あれで満足して、その後は、自分の山のスタイル、をするようになったようでした。つまり、誰でも一度は、登山界の名誉、栄誉であるヒマラヤに足を踏み入れて、どのようなものか?分かっていないと、登山者として片手落ち、未完成のように感じるのではないでしょうか?

それはそれで悪いこととは思いません。 

でも、私はそうじゃないんです。

私は、38歳の遅いスタートです。最初から、登山者としては遅いスタートだし、最初から、

 名誉なんて必要なく、堅実着実に自分の山を続ければいいだけ

なので…。みんなのように、

 ・一生に一度は未踏峰を踏む、とか、

 ・ロクスノに名前を残す、とか、

 ・コンペで優勝する、

っていう目標は、

  既製服の目標

のように思います。そもそも、女性は男性より、名より実を取るタイプ、が多いです。私には、名を上げる、モテる、ってモチベーションにはならないんです。

■ 福岡は、いまだにヘルンリ稜=40年前

一方福岡では、ヘルンリ稜にガイドなしで登ろうとしている若い男性を聞きました…

でも、師匠の青木さん、ヘルンリ稜は下山路だよ、って言ってたんですよね…。50ピッチくらいあるバリエーションを登ったそうです。

下山路なら、私が八ヶ岳の地獄谷で、ツルネ東陵~川俣尾根をしたのは、将来のバリエーションに向けて、退路を確保しておくためでした。ので、この若い人がヘルンリ稜を、というのは同じ意味なのかもしれませんが…。

北壁なら、ロープが出るきっちりしたバリエーションと思いますが、ヘルンリ稜で自慢になるか?というと?

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 マッターホルンヘルンリ稜は、ガイドの後を着いていく体力があれば登れたそうです。

彼はルーファイできません。ロープはつかわなかったそうです。3級以上の所は固定ロープあります。

ヘルンリ小屋から頂上までの標高差は約1200メートルです。現地ガイド登山では頂上まで、5時間がタイムリミットと聞いています。つまり5時間過ぎたら頂上間際でも下山開始となります。西黒尾根登山口から谷川岳頂上くらいです。1時間で240メートルくらい登ればいいわけです。(私は経済ペースで日本の山だったら、440m/H なのですが…)


しかしヘルンリ稜はバカにできません。今井道子さんとマッタ―ホルン北壁を登った若山美子さんが、後日遭難しています。

ツェルマットとシャモニの交通費は往復12000円です。シャモニで登って一ヶ月間の交通費が20000円なので、私はマッタ―ホルンは行く気がなかったです。
 

若い人が日本で11前半が登れて、わざわざヘルンリ稜を登りに行くって私には理解できません。どうせ行くなら北壁でしょう。
 

登山として40年前でも遅れていると思ったのですが、相変わらず進歩していません。

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私もスイスだったら、登攀でないと行く気になれないというか、下見なら別ですが…。そもそも、スイスって滞在費高そうで、遠慮したいかもしれません。 

福岡には、まだパタゴニア時代は来ていないんだな~と思いました。山梨のトップクライマーはみなパタゴニアを目指していたからです。

馬目さんに聞いたら、大学生くらいの人がステップアップで行く場としては

ルース氷河

が候補に挙がるそうでした。

九州では、クライミングのボルト知識は40年前で停止していたので、同じように、登山史のヨーロッパアルプス時代にまだいるのかもしれません。

そして、悲しきかな、そのこと自体に気が付けていないかもしれません。

■  修道院には興味があります

ネパールは、私の家に泊って行ったチベット僧のターパさんが修行した修道院があり、そこにはちょっと興味があります。ダライ・ラマが、教えるチベット仏教の出家者が修行する場所です。

 

それは、私が、

 まだ発展していない国で、古くからの生活を経験すること、

に興味があるからです。山をやるようになり、

  現代文明が、人類にとっては天に唾するような行為である

ということを、登るたびに感じるようになりました。しかし、人類として、

 エコロジー意識を高める、

以外に、どのような自然と調和した生き方が選択できるのか?分からないでいるからです。

出家というのは、人の施しだけで生きるものなので、環境負荷ゼロですから、一つの解であるので、それで興味があるのです。

登るほうは、別に私は名誉を求めていないので、普通のトレッキングで、瞑想的に周辺を歩ければ、私には十分な気がしました。それより長く滞在して、まだ文明が浸透していない場所での、素朴な人々の生き方、あり方、から学びたいです。

■ 海外=目がハートマーク 

一般論ですが、団塊の世代の年配の人は、海外ってだけで、すごくステータスになり、どうだ!感というか、満足するみたいなのですが、私は実は、

アメリカに自力で2年自活しながら、生活した

ことがあり、その頃、海外へ対する日本人が普通に持っているコンプレックスみたいなものは、すっかりなくなってしまいました。恋人は金髪碧眼のアメリカ人でしたし。

実は、私は日本で本格的という形容詞が付く登山をスタートする前のOL時代に、普通にヨセミテも行ったし、オーストラリアの山も登ったんです。

西洋の現代の若い人は、普通に国立公園に、運動靴で登っています。以前、西穂に上高地から登ったドイツ人が、運動靴&ジーパンでしたが、そんな感じで、力まないです。

日本の団塊世代、年配の人は、なんだか、海外ってだけで、別の値札みたいな感覚ですよね。それは、世代の惑業苦ですので、私の世代には、全然ないというか…。昔ほど今は海外旅行は高くないです。

仕事でも、うんざりするほど行きましたしね…。海外出張自体が仕事なので、行くとなったら1週間くらいしか準備時間がなくても行きますし、観光地ではなく、普通の人は行かないようなところです…。現地で通訳とタクシー丸1日を雇います。それで大臣にあったりもしたんですよね…。帰りの飛行機でTIME誌を見たら、表紙にあってきたところの大臣が載っていました。それであの人大臣だったのか、と気が付いた程度の話です。28歳の女がそんなことをやっていたんですが、私だけでなく同僚もそうです。

観光地は行けませんが、そもそも観光地自体が好きでないかもしれない…。

ということなので、岩崎師匠がいう、地球を遠足、は私にはそこまで魅力がないのです。

…というか、もうやった、って感じです。登山に来る前に。

それは日本の取り巻きごと、つまり、日本を海外に持っていくって話でしょう…。

大事なことは、ご縁、をつないでいく旅であることだ、と思っています。つながり、と言ってもいいかもしれません。

現代は、すでに 地球市民感覚時代 です。日本国を海外に持っていく、のではなく。

もし私に、97万円の余分なお金があるのなら、現代アメリカで馬車生活を続けているアーミッシュコミュニティの視察に参加したいです。

 

2022/12/12

 ロープは出すべきか出さないか?の境界の判断が一番難しい

■ どこからロープを出すべきか?をテーマに登る時期

というのが、私には、しばらくありました。その基準を教わりに御坂山岳会にいた、というのが私の御坂山岳会時代です。

ある山の先輩からこのようなアドバイスをもらいました。

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ロープは出すべきか、出さないか、の境界の判断が一番難しい所です。

一番登れない、弱い人に合わせて判断すべきです。

難しいのは、簡単な所でも、ミスをしたら危ない場所をどうするかですよね。

相手によるし、パートナーがわずかでも危険と判断したら、私はロープを出します。
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■ 山岳会 会員レベル

私は、山によって、行って良い人と悪い人がいることを差別だとは思っていません。例えば、北アの積雪期は、一週間くらい吹雪で缶詰っていうのに耐えられる人は、行ったらいいと思うので…私は山をスタートした時から、すでに耐えれないので、厳冬期北アには誘いがあっても行かないです。

山岳会の入会基準というのがあり、山梨の山岳会だと、

・好天の条件の良い時の八ヶ岳の厳冬期赤岳くらいはロープなしで歩ける

でした。

以下は、この方が下さったアドバイスです。

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GWの奥穂~西穂でロープを出すようなら、来てはいけない人です。
同じく鹿島の東尾根でロープを出すのは第一岩峰と第二岩峰。
同じく明神東稜だとバットレスの岩場20メートル。
雪のルートは条件しだいで難易度が変化するので、ロープをつかうかどうかは、一概には言えません。

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■ 大事なことは 相手を基準にすること

大事なことは自分には要らなくても、相手に要れば、だすということですね。

思いやりで、つながっているようにしないと、どんどんリスクが上がって行ってしまい、死への階段、となってしまうような気がします。

大事なことは、どのような関係性で登るか?ということですね。

九州に来たら、全然 大切にされず、私の命、まったく尊重されず、ホントに嫌でした。


 


2022/12/08

アンダーエスティメイトの理由…”非・自立の世界”

■ 低身長はリスクが大きい(不利)と世間では知られていない

日本のクライミングで言えば、私は低身長なので、常に、ごまめ、状態です。

日本の外岩のボルトは、

・日本人男性の平均身長を前提に打たれている、もしくは、

・エイドルートをフリー化したもの、

ですので、いずれにしても、ピン間隔が、中学生くらいから登る、ということを対象にしていないため、140cm、150cm代の身長の人は、その他の人より大きなリスクを背負うことになります。核心前にクリップできない。ということです。

しかし、プリクリップは問答無用に、弱虫の証とされるのが、日本の伝統。同じ基準を、核心前にクリップできない人に当てはめると、

 クリップできる人がしなくていい勇気を出さないといけない

 だけでなく

 死のリスクを背負う

ことになります。

■ 事例

例えば、小川山の『トムと一緒』5.10Aは、私は同じところに立っても、クリップできないので、より小さなスタンスに立つとなると、もはや10Aとは言えなくなります。が、プリクリップというのは、日本の伝統では否定されています。

そうなるとどうなるか?というと、その辺の男子が取っていないリスクを取らないといけないです。あそこ、核心前にクリップせずに落ちたら、振られて激突ですよねぇ。あれは落ちれない箇所です。

遠いボルト間隔で、落ちて重大事故になった事例は、四阿屋インディアンフェイス10bで見ました。普通の身長の男性でした。

このようなことは、登山歴40年の方でも理解していないです。 背の低い人に向かってエイドで鍛えてやるとか言いますが、遠藤由香さんがショルダーされていましたよ。つまり、どんなに登れても、ショルダーされないと届かないものは届かないってことです。

■ 外岩5.8

私は最初から外岩の5.8はリードで来たので、昔の18歳大学山岳部新人と比べても、よく登れたほうであると、今では分かります。

山登りがガンガン出来る若い男性…山小屋にいるような人…外岩に連れて行っても、5.8がいきなり登れる人はあんまりいないです。

師匠の青木さんが若い人を預かって、まるでサブガイドみたいな立場になってしまい、それで、40代くらいの新人の面倒見たことがありますが、外岩での新人男性の挙動は、同じころの私の挙動より微妙に分かっていない人が多いです。年齢は関係なく、

 予習する習慣がないもの

と思われます。外岩で登ろうとする新人に必要な知識がまとまった書籍がないので、色々な本を読み合わせるしかありません。

実は山岳総合センターでの講習でも、4人の班でしたが、村上先生が私をリーダーに選んでしまって困りました。他は男性だった。

■ インドア5.11

ところが、インドアでは全く話が別になります。インドアの5.8って、幼稚園生でも登れます。しかも、インドアクライミングには、予習必要ないです。

人工リード壁では、20、30代の男性は、5.11とラベルされたリード課題は、初めてジムに来た、その日に登るくらいなのです。

同じ難易度だと思って、「(いきなりアウトドアで登っていて)5.8が登れます」と発言する人をたぶん、”なんだ、5.8しか登れないのか”と考えてしまいます。

つまり、全然実力を勘違いして、自分が上だ、と思ってしまいますね。実際は、5.12を登る人でも、外岩では経験不足が著しく、10代をリードさせてもかなり危なっかしいです。

■ ジム5級&5.11 = 外岩5.8

つまり、ジムグレードと外岩グレードのコンバージョンで誤解が生じるわけですね。

ジムと外岩両方に通っている人は、大体、

  ボルダリンググレードで5級=外岩の5.9

です。

5.9というのは、ムーブがいらなくて、身長さえあればガバに届き、特に大きな危険なく、登れるという意味です。

その場合でも、5.9は、5.12が登れる人にとっての5.9で、ジムがなかった昔の基準では、”会の中で最高に上手に登るやつ”が担当するグレードです。

ですから、ワングレード下げてリードしないといけません。 

ジムでどれだけ登れても、外岩で登れる保証は全くありません。なにせ外はスラブが入門課題で、フェイスの5.8、5.9で初心者が安全に登れるような課題は、めったにありません。

■ 昔の新人は万年セカンド

昔の基準では、5.6あたりが平会員向けなのです。そこまでグレードが下がれば、ピンが遠かろうが、ボルトではなく腐ったハーケンだろうが、たぶん大体の人は登れます。

私も初めて登った岩は、アイゼンを履いて登った5.6で、2度目からはリードしています。ランナウトはしていますが、登山靴での延長なので、落ちるようなことは、起こる確率的に非常に低い、ということです。

登山靴ベースでの最高峰が5.9って意味です。

同じ昔の基準でも、5.8で、腐ったハーケンのルートをリードした時は死ぬかと思いました。

しかし、この想定を知らない、ジム上がりの人が聞けば、”インドアの5.8”しか頭に浮かばないので、登れる方に入らない。インドアの5.8って、幼児でも登れそうですから。ところが、アウトドアだと5.7でも、ごつい体格の新人男性、登れないですよ。

これが私が日本のクライミングで適切に実力判定されない理由です。

ま、今では往年クライマーと同じくらいは登れるので、お買い得品化してしまったかもしれません(笑)。

■ 外岩ボルダー1級が登れても5.9はリードできない

エイハブ船長は、1級の基準課題ですが、1級が登れても、リードの5.9は登れないですよ。

そこも若い男性は、ちょっと誤解しがちです。

ボルダーで培った突破力って、ものすごく動的なので、リードで行き詰った時に、その突破力が常に使えるのか?というと、私はまだ到達していない境地ですから、誰かに教えてもらいたいですが、使えるんですかね?

日本の課題は、5.12より下はランナウトしていることが多いので、課題に対する見極めが必要になりますから、1級が登れる人は、最初から、5.12以上に取り付いたほうが安全なのかもしれません。そのグレードであれば、人工壁みたいにボルト近いことが多いですし、最初から、高度な突破力前提だと動的ムーブを前提にしたボルト配置かもしれません。

つまり、ランナウトした外岩課題をバイパスできる、という意味です。高難度を登る人は命は賭けないで済みます。

■ 12フリーソロ

それを知ってか、佐藤さんなどは、命がけのアルパインの伝統を示すため、5.12でフリーソロして見せないといけないのかもしれません。

そうじゃないと、リードで5.12登る人ってゴロゴロいるので、真の実力の意味がみなに伝わらないのかもしれませんね。

■ 外岩から入るか?ジムから入るか?

私のように、外岩から入る人材で、下から順々にグレードを上げて登って行こうという人は、現代では、かなり少数派です。なかなか現実的には、実行が不可能だからです。

私のように海外に行かないと、自分が思ったような成長…グレードピラミッドを積み上げること…はしづらいという意味です。

また、雪の山から入って、積雪期メインで登っています、という人も珍しいです。

■ 実業界

さて、実業界でも、同じようなことが起こります。

私は関西ではトップから2番目の国立4大出ですから、そもそも偏差値が74くらいですが、開発部に限らず日本の会社組織は、男性の階級社会です。

その世界は社会が順調に、能力順に人を割り振ることが可能だった時代…昭和…は、自分の上に、自分よりも賢い人、あるいは仕事を分かっていて経験値が上の人が来たので、それなりに問題なく、機能していたのです。(ちなみに私の職歴では大体東大卒の人が上司に来たことが多いです)

ところが、失われた10年とかで、新人が入ってこない。そうなると、階級で上の男性より、就職氷河期の人は、買い手市場の人材なので、仕事ができます…仕方ないでしょ、学歴、歴然と違う。

一般論ですが、バブル期入社組は、売り手市場だったので、優秀な人がおらず、そのあと10年空いて、氷河期を潜り抜けた超優秀な人が入ってくるのです。

氷河期組は、社会の約束を反故にされて、今まで新人はぬるま湯で名刺の渡し方から指導されたのに、この世代は、入社した時から即戦力。一番下っ端なのに、実践で覚える系です。

私なんて、新卒で入った時から、バグ管理データベースをMSアクセスで作っていました。当時アクセスでデータベース組めたら、普通に左うちわで独立できたと思います… まぁそうやって、かなりお買い得商品だったわけなのです。それが、ものすごく上級の仕事をしているとも気が付いていないので。

初めての職場だと比較する対象がない、ってことに社会が付け込んでいる状態です。しかも、私は英語が話せたので、普通の英語話せる人は、IT分からない。

私の適正年収に数年後に戻してもらいましたが、当時で800万円でした。

それでも、適正年収が分からない場合、多くの氷河期世代の人が、日本の階級社会では、冷え飯を食っているわけです。親世代の何もしない働かないおじさんが年収700万円で、業務効率3倍の新人が年収200万円です。

しかし、旗目に見ると、下っ端です。クライミングと同じですね。

実力ではなく、社会の基準の方が、能力がなくても男性を楽に優位にするように働いているということです。

■ 海外のほうが平等が浸透している

しかし、海外に行くと、どうなるでしょう?

日本のような、そもそも、本当の実力とリンクしていない階級制度自体がない。

仕事は自分の好きなように成果を出せば、普通に自分の手柄になります。そうなると、ふつーに仕事出来る人、です。

それが理解できないのが、日本の階級社会の男性です。立ててもらわないと怒る=傲慢です。

不利な立場の人が出してきた成果がどのような意味なのか?全然わからないのです。

■ 翻って日本のクライミング

日本のクライミングで、男性の平均身長170cmにボルト配置が合わさっているので、例えば小川山のトムと一緒は、私は核心前にロープがかけられない… これ、小川山で一番易しい10Aと言われています。ところが、それは誰にとってか?というと、男性の平均身長がある人にとって、です。

私より背が低い男性がいれば、同じように核心前にクリップできないでしょう。(ま、152cmより低い人はいないでしょう、めったに。こないだ水上で会いましたが)

ラオスでは、問題なく6A(10A)は総なめしてしまいました。ラオスの6Aは日本の10Aと同じかというと、そこは疑問が残ると思いますが、別にボルトは遠くないので、不必要に命がけになることなく、普通にバンバンリードで登れました。

私が普段、怖がっている姿を見て知っている人が見たら、あれ?と思うでしょう。

というわけで、私は、ごまめから、一気にフツーのクライマーに格上げです(笑)。

■ ”非・自立の世界” 日本では、1本10Aを登るだけで一苦労

そもそも日本の岩場では、クライミングピラミッドを築けるほどの本数がない。

その上、低身長の人にはリスクが多い。

だから、結局、トップロープを誰かが張ってくれる世界、そこで自動化して、リードする、という

”非・自立の世界”

を前提にしているということです。

”非・自立の世界”

を前提にするということは、依存関係を維持するために、おべっか使ったり、相手のご機嫌取りをしたり、色々しなくてはいけないってことに、結局なります。

一方、ラオスでは、一日5,6本、安全に登れます。それだけ登れば、そのグレードはマスターした、と言えるでしょう。

■ ヘッドハンティング

しょーもないのも足せば、私は海外から3度ヘッドハンティングされています。

きちんとしたエンジニア職だったのは、32歳のテレコムニュージーの話だけですが、タイでホテルの支配人から、うちで働かないかと言われたこと1回、東京の外資でセクレタリーとしての仕事を打診されて一回です。間違いました、4回ですね、一回はドイツ会社にセールスで勤めたので。

私に海外からヘッドハンティングが来ても、夫は、「君、仕事出来ない人なのになぜ?」と思ってしまう…のは、

 四大卒に限らず女子は全員=日本の職場では永遠に下働きを要求される地位にいる、

と頭から思っているから、という、上記のような理由です。

同じことで、台湾やラオスへ、別に一人で行っても私は登れて、他の人はパートナー出来ないのは、日本の価値観で相手を裁こうとしているからです。フランス人の男子だって5cでヒイヒイ言ってますよ?

■ この社会では才能を開花できないのは、私の個人的理由ではない

ラオスの登攀、日本の登攀の両方を経験して、私は、日本の土壌では花咲けない花、という気がします。私に限らず、女性で低身長だったら誰でもそうでしょうね。

それは、私のせいではなく、日本のクライミング土壌と日本のクライミング歴史的経緯が、男性の平均身長を前提にし、中学生並みの身長の私にはまったく合っていない。

実社会では、私ではなくても、四大卒女性を男性の階級社会に無理やり組み込んで、職歴が長い低学歴&低能力男性の下で、下働きさせようとすると、みなそうなるのでは?と思います。

低能力というは、知性が低い、という意味です。知性が低いというのは、相手の立場に立つ能力が低いという意味です。

つまり、自分の無能が証明されてしまう脅威に感じて、叩き潰そうとするでしょう… 

チェーンソーは胸高で使用してはいけない、危険なのに、やれと言ってきて(弱い者いじめ)、嫌だと断ると、お前は頭が高いとせめて来るというのと同じことです。

仕事では、家で家事も何もしないで上げ膳据え膳の男性社員の3倍の効率で仕事しても、PMになったら、サブって意味です。実際は、ほとんどすべての業務を私がしており、リーダーは何もしないことになります。

こういうことになってしまうのは、女性の側のせいですかね? 

違うでしょう。

そもそも、女性の方が、小学校の時代から、同じ偏差値だとしても、ずーっと、男性より厳しい環境でやってきていますよね?

それは、相も変わらず、成人していも、60代を見るようになっても、同じなだけです。

その地位に値する能力が備わっていない男性に、形だけの地位や名誉を与えるために優秀な女性をつけて、意思決定のポジションにつけていること自体が、

 日本の破滅=現代の様相…失われた30年を作った原因

のような気がします。

コロナ禍でちゃんとした政策出した国の人、みんな女性首脳ですよねぇ…

日本政府がいかに頼りないか…無能の人の集まりか…

オジサン種族男性は、平時に威張っているだけで、ピンチの時はてんで頼りにならないってことです。

クライミングガイドが海岸でゴミを拾って帰る現代の新しい男性像

2022/12/07

殺されかねん

■ 九州の山やがウザかった

こちらで、FBでどんどん九州の山やが私をフォローするようになり、ホント嫌だったな…

九州の山やさんって、読むに値する記録を全然書いていない上、安全管理がまるでダメで、そもそも出すのをめんどくさがってロープを出さない。

その上、ビレイさせたら、なんじゃこりゃ?!で、ダイナソーレベル… 支点ビレイに片手ビレイ、座ってビレイするのは当然… 制動確保がまだ現役。

 九州にはアルパインのルートはないので、アルパインは妥協して、スポーツクラミングでお茶を濁すか…、とあきらめると、スポーツですら、全然ダメ… オリンピックでビレイを習ったから、奥村講習はイラナイと言われ、え?!フリーの岩場にスポーツの理論を持ち込んでいる?となった。さらに、岩場では、ボルトの経年劣化情報もないし、現役の新品ボルトがカットアンカーとかで、紹介された開拓者は木工ボンドをケミカルの真似事で使って炎上しており…

ランナウトした箇所に関する処理法…怖いの我慢する、一択。ムーブとか、ボルトを選んで落ちる、とかいう話になっていない。ただのむこうみずと何の差もない話になっている。

アイスは私は得意だし好きなんだが、年に一回もアイスができない人たちから、上から目線で連れて行ってやるぜと言われても… 

これは三ルンゼの記録だが、

https://iceclmb.blogspot.com/2017/02/blog-post.html

こんな簡単なのでも、ルートなら充実はしますが、こちらで、そんな山やっている人にあったことがない。みんなそもそも、

日本登山大系

を読んでいないのではないだろうか?なんせ、フリーやスポーツの人は、日本登山大系、全く知らない。地域研究?なんのこと、って状態だし。

■ 一体連れて行ってやる、のは誰か?

そんな知識レベルの人に連れて行ってやると言われても… 誰が誰を連れて行ってやる、のか、理解力が不確実なので、
 

 3歳児がお母さんに連れて行ってやる
 

と言っているのかもしれない…という疑いが払えない…。なんせ初めて行った顔合わせ山行で私がリードしてやらないといけない、という話だったし…。

 連れて行ってやると言われて、連れて行ってくれ、だったらどうしよう…(汗)

マルチに行きたい、と発言できる資格は、ビレイが確実、セカンドを確保できる、プルージック登攀で自分のケツはふける、懸垂下降ができる、支点が自作できる、ですよ?なんもなしで連れて行ってる。高いグレードが登れても、トポも調べてこないでは…。何を教えているのでしょう?

結局のところ、言動から察する限り、山のこと自体をまったく理解していないのは、自称ベテラン山屋の九州人のほうで、私の方ではないような気がした。なんせ動くものに道標付けて、これで良し、とか自己満足に浸っているんですよ?

もちろん、九州にいるかぎり、大した山のリスクはなく、日がすっかり登ってから登りだしても、普通に降りて帰れちゃうわけだから、早立ちとかする必要自体がないかもしれないんだが。

そんな人に上から目線で説教されたら… もう目も当てられん。

連れていかれて自分が死ぬ、って結構ありますからね。

北鎌尾根に初めて行って死んだ女性、初心者にはロープ出す、という習慣があれば、死ぬ必要なかったでしょう。この女性のことは、来てすぐ、聞きました。

命かけるようなルートでもないところで殺す・死ぬ羽目になるのは、山をなめているからです。 

しかも、そのことについて反省がない。死んだ=名誉、になっている。ただの犬死です。 

山には全部リスクがあります。それをひとつひとつ対応する力があるようにする、というのが教育です。リスク教育=クライミング教育、です。

そして、山にはちゃんと順番があります。順番飛ばしして、スポーツで5.12がRPできるっていうのは、実力がある、には入らないんですよ。その人の山のサイズ、いうなれば、”22m”ってことですよね? 

もうだいぶ、蹴散らして誰もフォローという名の監視をしてこないので、ホント楽になりました。

嫌だったわー。この数年。

大分、スッキリしました。

             これは使ってはいけないボルトです

 

2022/12/06

誰か分かる人教えてください 傾斜55度

 ■ ロープを出す基準

この2枚は、私自身は完全にノーザイルと思った箇所で、先輩たちらが33歳ののっぽの男性に懸垂下降させようとザイルを出している様子(上)と、雪稜で、雪質的にも腐っているので、特にザイルなしでも歩けるなーと思える雪面です(下)。下は、落ちれば、1000m下の谷底まで滑り落ちれそうですが、見て分かるようにわざとこけない限り、その状況はありえない感じでした。 (記録はこちら https://stps2snwmt.blogspot.com/2016/04/blog-post_44.html


55度

鹿島槍鎌尾根も、スタンディングアックスビレーのスタカットで行きましたが、

個人的には、この傾斜では要らないなぁ…

と思いつつ、「落ちないし」、と思っていました。 まぁ、私が雪が得意ということもあるかと思いますが、

 

 この当時はだいぶロープを出さずに済ます

 

という態度をたしなまれました。野田勝さんも、鹿島槍東尾根で亡くなっていますが、甘く見る姿勢がダメだったのでは?と懸念しています。

一方、九州では、

マルチの下りとかで、

 ここはどーみても一巻の終わりだ、 

とロープを出すのが確実に正解だと私の上記の経験で判断できる箇所で、ロープ出さない。

若い男性クライマーが粋がってそうするのではなく、普通のハイキングクラブの人たちが嵩じて、北鎌尾根に初めて行って落ちて死んでいる人がいる会がありますが、そのようなロープ出さない方がカッコイイという”若い男性目線”基準を”普通の人”に当てはめてしまった結果のように思われます。

私は北鎌尾根行ったことがありませんが、傾斜で言えば、三つ峠の中央カンテは、古いアルパインのゲレンデですが、2度目からリードしています。つまり、全然落ちる気配が無さそうだったということです。あそこハーケンとかですから、落ちない人にしかリードは回ってきません。

ロープを出す基準は 落ちたらどうなるか?

だと教わったのですが…。

参考図書

ハイグレード登山技術 https://amzn.to/3h7OnZl

■ 傾斜に関係ないナイフリッジ

ナイフフリッジのような稜線では、歩きは当然2級で、歩ける傾斜ですが、両サイドが切れているので、落ちたら、そのまま下まで落ちれてしまうので、ロープは出すように教わりました。支点は、岩角等です。1対1なら、ショートロープですが、私はされる側しか意味ないです。(体重が軽い)

岩角を使うにせよ、カムで取るにせよ、けっこう思考力がないとロープドラッグで、登れなく(歩けなく)なります。

事例としてはこのような尾根です。

このタイプのリッジは、

・人工壁でリードしているだけで、登山経験がほとんどない男性クライマー

や、

・5.12登れても、それはゲレンデショートでのことで、20~30山行のマルチセカンド経験が蓄積していない&リード経験不足の男性

と行くと、あっという間にロープドラッグで、にっちもさっちもいかなくなります。

まぁそういう人はグレードでルートを判断するので、リッジ登攀は、そもそも簡単すぎて行きたがらないために、支点の配置の経験値が溜まらず、フリークライミングのレベル(壁ということ)のマルチでも、自分で自分を窮地に陥れたりしているような気がします。

ロープが必要になるギリギリまでロープを出さない、出し方を学ばないという方法論を選択していると、必要な時は、その技術がない、という結果をはじき出しているだけなのでは?と思いますが。

山というか、登攀は、難易度では一応分けられていますが、下を端折って上に行くと、その該当グレードで学ぶべきことを学ばずにグレードだけが上がっているので、

  安全無視

という業が、小さく積もって行き、

 手痛いしっぺ返し

という結果として、

 表現されるのを待っているだけ、

という状態になりそうな気がします。