2021/04/04

九州ではボルダーをしていればOKでは?

■ 北杜市 

ボルダー=堕落

という価値観だったんだよなぁ…アルパインがメインの土地柄の場所にいたころは…。

私がいた山梨県の北杜市は、登山界のグラミー賞と言われる、ピオレドール賞を受賞した人が5人も住んでいた土地柄で、一般クライマーでも、甲府に住んでいるというと、”いいな~”と羨ましがられる土地柄でした…。ま、私はイヤイヤながらそこにいた訳ですが。出るときは名残惜しく、出たくない、と言って出てきたので正解だったのかなぁ…。

で、山梨では、本格的な冬山をするのが、かっこいいクライミング、なので、ボルダーのように体力の負担の少ない、気軽に取り組めるスポーツは、都会のあまりアウトドアに見識がない男性がやるもの、団体でしかアウトドアに来れない人がやる、気の毒なもの、という感じでした。私の会も、私も、ボルダラーを見ると、”ああなっては、お終いだ”的な価値観でした。未知の山、より高く、より大きな山を目指すというのが価値観なので…。未知でもなく、高さ2mくらいの河原の石ころ登って、吠えるっていうのも、なんだかなぁ…ですが。

九州では、180度転換して、ボルダーが凄い土地柄。アルパインなんてしなくていいんじゃないかとすら思います。山登り=中高年登山以外ない感じです。

■中高年登山とは?

山登りは、別に中高年登山であれ、青年であれ、同じ技術が必要で、同じことをするのですが、価値観が違います。

中高年登山者は、老後の愉しみ、なので、交流がメインの心理ニーズです。みんなで行って、山頂でおにぎり食べたいね、っていうニーズです。ので、”山の中身は何でもいい”んですよね。

本来の山登りは、山そのものを興味関心の対象とする活動なので…。どちらかと言うと、山自体に興味を持つことが、基本的には大事です。山の気候は、平地の気候とは違うし、山のリスクは海のリスクとは違うでしょう…。

そういうことがお留守、もしくは外部にアウトソーシング中なのが、中高年登山の特色で、遭難が多いのはそのためです。

話がそれましたが、そういう本来の山登りに必要な知識が不要なのが、基本的にはボルダー、です。そのため、山自体を追求していくクライミングであるアルパインクライマーからは、ボルダーやボルダラーは尊敬されていない。

ただ九州には、アルパインの対象になるような困難な山は一つもないので、私が持っているような技術は必要なく、誰でも安心して登れる山しかないです。俺はアルパインのクライマーだ!とか言っても、無いものは無いので、仕方ないんですから、ここはボルダー天国のボルダリングを味わうのが、転地してきたクライマーには良きことではないか?と思います。

美しき白き頂きは、また別の機会に登りましょう。