しかし、指導者がない昨今、グレード飛ばしは危険で、レベルを一気に上げたら、どうなるのか…よく判明しないことが多い。
未知のルートは一部のトップクライマーたちの特権のようになっているし… (未知のルートは難易度を求めなければ山とあり、対応力などはそういうもので磨くことができる)
一部のトップクライマーと一般クライマーのスキルがかけ離れ過ぎているというのが今の現状だ。
まぁそんなこんなこともあって、国内には未踏のルートはほぼなく、おいしい思いもできそうにないので、いかんせんフリー化を待っているような、落穂ひろい的な山になるわけだが…まぁ当然だが、そこには先人が…すでにローカルで登ろうとしている人がいる、というのは、想像に難くない。
そうして大体そういうクライマーは、地元では知られている人たちであり、温かく見守られているものだ。
若い人はそんなところに、若さに任せた強引な登りで…例えば、ラッペルして偵察するようなやり方でなく、ギアも使わず、きちんとグランドアップで初登してほしいものだ…
一応アルパインの初登としてアップする気なら…ラッペル偵察ありではアルパインの精神を損なってしまう…
もちろん、ギアもエイドを出したら、違う意味になる…
そうなると一筋縄ではいかないだろうが、一筋縄でいかないからこそ、面白いのだ。
楽勝だったということを誇示するために、シングル一本でマルチに行きました、というような粋がりは、アプローチ5分で泥でヘリ横付けできるからである…いざとなればシングルで降りて、もう一本ロープを取りに帰っても、まぁ間に合うのであるから…
そんなことができないシリアスな山をトップクライマーはやっている。そういうところを学ばないで、結果だけを取り去っていくのだったら、何が楽しいのだろうか…