2022/02/11

アルパインクライマー×林業?

■【第132回】若手プロスノーボーダーの林業家と見る全国5団体の先進事例報告会(休眠預金事業)

この自伐型林業の社団法人は、スノーボードのアスリートが立ち上げた団体みたいだったんだが、その中のアルパインクライマーって人を見たら、たぶん、アルパイン業界では無名の人で、アルパインの業績も出ていなかった…。

どうりで、うわさが聞こえてこなかったわけだ。それを裏付けるように、スポンサーもキーンで、こういっちゃなんだが、ちゃんとしたクライマーでキーンを使う人いない…ハイキングレベルの人ご用達ブランド…。キーンを履いていたら逆に、軽登山しかしない人とレッテル受ける可能性すらある。

でも、そんな心の狭いことを言ってはいけない!と心に念じた…。世の中の新しい息吹、新しい潮流だ。大事にしないと。

自分だって別に何の実績があるわけでもないしねぇ…単に耳年増なだけで… 

クライミングのあれやこれやで人に序列をつけるような愚かな心を起こさないようにしたいと思いながら、今日のオンライン視聴ラッシュ終了…。

クライマー業界は、ホント発想力に弱く、登って登って登りまくる以外の発想を持てない人が多い。

登って有名になる、有名になって著名企業がスポンサーをつけてくれるというアレックスオノルド君がやった偉業路線しか発想できない人が多い。

それをやった日本人は、おそらく、ユージさんだと思うが、ユージクラスでも、超めんどくさいことに煩わされているようですぞ?

それより、自分がやって気分が良いことをやり続ける、これが大事かなと思います。


アルパインクライマー×林業の元祖は、馬目さんだけどなぁ~ 馬目さんはアルパインのほうがむしろ有名で、林業では名乗りを上げていない感、あるよなぁ…。

2022/02/10

【自然農】耕さない畑の「春ジャガ」栽培 ただある喜び

■ そろそろ春

なので、ジャガイモ予習中。


島の農園さんの動画は、いつも”深いい”話です。
九州のクライミングには、”ただある喜び”がなく、”目的達成の喜び”しかなかった…(汗)。

■ クライミングの魅力

女性のクライマーは少ないので、クライミングの魅力は何か?ということを良く聞かれますが、

集中

だと思いますね。

今、ここ

つまり、”ただある”、ということが容易に達成できます。

先日もサチさんの岩との対話が楽しいという投稿を九州クライマーに見せたら、意味が分からないそうで、ハッキリ言って、どうやって登っているのかこちらが意味わからなかったですが…
5.12が登れるようになろう、とか、2段が登れるようになろうとか、目標達成だけの登り、をやっているから、

 岩との対話、

と言われても、なんのことだか?になっているんだろうなぁ…。

目標を達成する生き方は、野菜で言えば、栄養成長期、つまり、子供時代の生き方ですよ。

一体、いつ人生を楽しむつもりなんです?

2022/02/09

アイス・リード練習の裏技

■アイスリード練習の裏技

前提条件:
・ビレイヤーが確実
・氷が固い

段取り
1)後輩に、重くてかわいそうだから、という顔をして「君は今日はスクリュー免除だよ」と言う

2)すると、まもとも人なら、後輩は普通、持ってこなくていいと言われたとしても、最低限のスクリュー3本を持ってくる(持ってこないような後輩は失格として、またの機会にしよう)

3)氷瀑に着いたら、「やべ!スクリュー忘れた!」と大げさに言う

4)後輩は、「ありますよ!念のためと思って持ってきました」とか言うはずだ

5)先輩としておもむろに「しゃーねーな、3本でリードするか」とか言って、3本目を打ったら、1本目を回収しながら登る。

これで、めでたくスクリューに体重を預ける体験を積みながらリード練習できます。しかも、他人のスクリューで!



花崗岩=杉・ヒノキ美林

 ■糸島の100年生の森

を今日は見学に行っていました。まさか、福岡の糸島で、100年の森を見ることができるとは…まさに灯台元暗し。

福岡に来てすぐのころ、浮嶽にクラックのボルダーを探しに行ったことがあったのですが、その時、通った林道際が現場でした。

クラックがある=花崗岩=水はけがよい=良材の杉・ヒノキ、という法則のようで、行縢とかと同じです。行縢のあのデカい杉は400年とか500年のだったのでしょう…

        100年生の森(希望の林業) 
        近所の皆伐後再造林地 ほとんど絶望の林業

何故絶望なのか?補助金依存体質だからです。自主自立の精神ゼロ…寄生虫根性だけ。

■ 県有林×素材生産者(木こり)=成功

糸島の100年生は、県有林にあるそうで、素材生産者(つまり、木こり。自営業者)の方が運よく、10年に一回の間伐を繰り返すことが出来て、この美林が維持できているのだそうです。

つまり、森林組合にお願いしてしまうと技術不足により、本来もっと高い価格で売れる銘木クラスの大直径の木材も、残念ながら二束三文の価格で売りたたかれることになるのだそうです… それは、伐り出すときに材を傷つけてしまうから、なのだとか。

つまり高度な技術がない森林組合に任せると、山主は損をしてしまうってことですね。

森林組合も、中身はよりけりです。山岳会と同じですね。山岳会も中身は空洞化が進んで、山岳会に所属している=技術が伝授されているとか、全く法則として成り立ちません。

■ 架線集材

架線での集材は、研修で教わらなかったので、初めて見ました!これなら大型林道どころか、小型の林道すら、作らなくて済むのです。

林道がない=災害がない、の法則は成り立ちます。

■ 伐倒技術の高さ 

そして伐倒を見せてもらったのですが、あまりの早さにあっけにとられました…。

いや~私たちが研修でやった時は、ちんたらしたものだったんだなぁ~と。

おいづる切りだったのですが、いつ芯を切ったのか、それすら分からないくらいの速度でした。受け口追い口も一発で会合し、つる(ヒンジ)もきちんと残り、ものの5分もせず、100年生が、バッコーンと倒れました。しかも、伐倒方向が正確でかかり木にもならず。

明らかな技術力…つまり

・伐倒方向が正確

・会合が正確

・切り込みが正確

=早い&安全

まさに正確さがスピードにつながる、アルパインクライミングの技術力と同じ方式です。ロープもきちんとまとめられないくせに、ルートに出ようとする若い人が多すぎです。まずは、ロープをまとめる練習からですよ。登れるグレードを自慢する前に、確実な技術力が身についていることを自慢しましょう。セカンドでも、ロープアップされないとき、あるいはトップが動けなくなったときに自分で自分のしりぬぐいができるくらいの技術力は最低要りますよ。



■ 懸案の枝はらい

枝払いも見せてもらい、すごく参考になった。チェーンソーの歯を材と平行にするのが大事なのだそうです。


■ 安全対策が…皆無…これは真似できない

ただ安全対策は、昔からの人は、ノーヘルですし、防振手袋もチャップスもなく、あらー!これでは、誰かに雇われることはできないですね~!!でした。

そもそも、事業者は、保護服を義務付けられていると思います…さらに言えば、海外では、個人装備での防御は、ほぼ常識。

達人の場合は、そもそも技術がしっかりしていれば、アブナイことはやらない。

しかし、一般人の場合は、達人になる間に、死んだり怪我したりしてしまいます。良い子は、自分がどちらに現在属しているのか?冷静に考えて、自分の装備を選びましょう…

■チェーンソーはエンジンを優しく使う

大径木を伐ったことなかったのですが、玉切りというか、スライスをさせてもらい、チェーンソーをふかし過ぎてアブナイよ、とアドバイスを貰い、非常に参考になりました。

めいっぱい握って伐る必要がある場合はほとんどないのだそうです。言い訳させてもらうと、初めて研修外で使ったお借りしているチェーンソー、めちゃくちゃ切れ味悪くて、残念な感じだったんですよねぇ…。

■ 初めてのハスク

初めて、ハスクバーナで玉切りした… ハスクは、チェーンソー界のロールスロイスです。

私は体も小さいし、チェーンソー自体がとっても怖かったので、林業就業者研修では、なんと、”子軽”で、済ませたくらいです。子軽は、とても小さいチェーンソー、伐倒や玉切り用ではなく、枝払いや支障木の伐採などの、ちょっとした用途用)。

でっかい4.5kg級のチェーンソーで、え!こんな高級銘木を伐っていいんですか?!という直径60cmの位の材を伐りました…。

「やってみ!」と言われて、やってみた自分に感動しました…。人は成長する者なんだなぁ…。なんせ、研修では、”無理無理無理無理…”と完全に腰が引けていましたもんね。

今日は、なんというか、花崗岩がつないだご縁、でした…。

クライマーは、花崗岩Loveな人が多いと思いますが、アウトドアスキルを活かした職業に就きたいあなたは、木こりになりましょう☆

それも、超・達人レベルになることをお勧めします。安かろう悪かろうの薄利多売林業は、『絶望の林業』と呼ばれているくらいです。

2022/02/07

ダメビレイ

 いくらアイスクライミングでも、ダメビレイ事例です。


菩薩

■ 何がその人のためになるか?

ちょっと前に、自然農を紹介してあげた人がいるのですが、その人からは、とても感謝されました。子供のころから、ペースがのんびりで、現代社会のスピード感では、仕事しづらいという記事でした。投稿を見てピン!と来た。この人に必要なのは、田畑で土に触れることだろうと。ランチ食べて、畑を見せて、冷えたので源泉かけ流しの温泉へ行って、天然酵母のパンを買って帰っただけ…なんですが。

一方、根子岳行きたいアルパインクライマー志願者とか、3級しか登れないのに2段をノーマットで登るというボルダラー初心者とか、こちらが、どんなに説明してやっても、まったく理解が進化している気配がない。感謝も言ってくれるが礼儀の上、形式の上でのことだ。

ある時、私がそういう新人で別ん人に手をこまねいていたので、師匠に相談したら、一言、「そんな奴は、ほっておけ」。

他のベテランを見ていても、単純に総すかんで誰も相手にしない。

(でも、誰も相手にしないので、余計、相手にしてほしくて、無謀な行為をするんじゃないか?と私には予想できるんだが)

私が菩薩の心を起こした2つの事例だ。

前者はうまく助けることができ、後者は助けることができない事例。今後はうまく助けることができる人だけを助けることにする。なぜなら、自分の人生が足踏みを強いられることになるからだ。



2022/02/05

東秀磯さんの投稿 2017年

 FBは昔のシェアが見れる機能があるので、こんな面白い記事が今日回ってきた。

東さんの投稿。

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東 秀磯

2017年2月5日  · 

クライミング文化論・今日も幸せ

ちょっと幸せ

 どうせハングドッグするのなら、前に登った奴よりも少し高い位置で。^ ^

楽天家と悲観主義者

 2人がクライミングに行き、あるルートを先に登った方が夕飯をおごることにした。

 楽天家は「あいつに先んじるのは悪いな」と思い。

 悲観主義者は「夕飯代が高くつく」と嘆く。(-_-;)

成功するガイド

 ガイドは教え方が上手いより、お買い得のルートをたくさん知っていた方が成功する。(^o^)/

ビレイヤー志願

 新しいビレイ器を持ってニコニコしている奴に注意。使い方はほとんど知らないのに、早く他人をビレイしたくてウズウズしているのだ。(・ω・)ノ

選択肢

 ・新しい岩場はまだホールドが落ち着いていないのでボロボロ欠ける。

 ・数年たった岩場は人が多くて待ち時間が長い。

 ・数10年たった岩場はホールドが磨かれて滑りやすい。>_<

正当なグレーディング

 あるルートが2段か3段か論争になっていた。

 あるクライマーは「僕の登った感じじゃ3段はあると思う」と言うと。

 みんなが言った「あ~、お前が登ったんじゃ2段決定!」(=゚ω゚)ノ

人気ルート

 どんな内容かは関係ない。そのルートにクイックドローが掛かれば、その日の人気ルート。(╹◡╹)

カップルでクライミング

 付き合い始めた当初は人気のないエリアに行きたがる。親密な時間を過ごすために。

 つき合って長いカップルも人気のないエリアに行きたがる。ののしり合いを他人に聞かせまいと。(😭)

オブザベーション

 最後まで完ぺきにこなそう。ボルダーによっては登るより数倍降りにくいやつもある。(´Д` )

最近のクライマーは格好だけ

 見くびるな!オレは格好から入るタイプじゃない!格好で終わるタイプなんだよ・・・・。( ̄Д ̄)ノ

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なかなか核心をついた言葉みたいで、面白いですよねぇ。東さん、もっと投稿してくれないかなぁ…

太字は私です。登るより、降りるほうが難しいボルダーって言うのは当然あります。降りれない…クライマーが危険なジャンプオフをしていたのも、岸良で見た。

初心者向けにボルダーを教えるときは、降りることを先に教えましょう☆

2022/02/04

読了『ご老人は謎だらけ』

■ 読了『ご老人は謎だらけ』

クライミングしていると、年配の人と登ることは多い。アルパインを教えることができる知識がある人は、大体団塊世代で、団塊二世は、高校山岳部自体が消滅の危機にあった世代のため、山ヤ人口は究極に氷河期。

そして、人はすぐ年を取る。出会ったとき、63歳でも、あっという間に69歳。

■ 主観年齢

63歳くらいの人は自分のことを、”老人”とは自己認識していない。たぶん、55歳くらいのイメージでいると思う。ところが、69歳ともなると、70歳目前。70歳は確実に、”老人”、だ。

かくいう私も、43歳で師匠と出会い、23歳のO君と登っていた時は、自己認識は、38歳くらいのイメージで、さして体力的な衰えは感じなかった。

一方、福岡に来たのは46歳で、この時は明らかに年齢を感じた。登攀が難しく感じるというより、そもそも男性で24歳の人と同じモノサシで測られることに疑問を感じた。大学山岳部の生徒と同じ体力を期待されるとか、なんだか疑問だった…。

その期待値は、山梨で23歳の後輩と登っていた時は明らかに取り除かれていた期待値であったので、福岡の人…が大人の初心者、現代のクライミング初心者に対する経験値が浅いのだろう…と結論した。

つまり、「私が23歳と登っている」というと、「そりゃ、大変だね、困ったことがあったら手伝うからね」という態度が、ほとんどだった山梨時代なのだが、福岡では、なぜか、同じモノサシで測られる羽目になり、”お前はもっと頑張れ”となること…、それが謎だった。

普通は46歳と大学生は、同列に計測されることはない。最初から勝敗は見えているからだ。

これは、例えば、34歳でアルパインクライミングのために、ロープをスタートした現代初心者クライマーだって同じだろう。

さて、この本では、なぜ老人は〇〇するのか?という問いに答える。例えば、

なぜ運転に執着するのか?
過去の栄光に拘るのか?
なぜ男性は自治会会長になりたがるのか?
なぜ一対一の関係を結びたがるのか?

■ 退行したい

疑問が氷解したことの一つが、青ちゃんとのクライミングに、若い男子を連れていくと、なぜかいつでも、喧嘩別れに終わるということ…。

私のイメージは部活だったんだけどなぁ。私、マネージャ。青ちゃん、顧問。

老人ホームでは、男性は女性に1対1の関係を望み、女性はグループでの行動を望むことが多いのだそうだ。理由は、退化行動をとりたいから。

年齢に限らず誰でも、自分が気ごころを許した相手には、子供っぽい行動をとりたがるのだそうだ。その退行を男性はしたいのに、集団だと長、つまりリーダーをやらないといけなくなってできない…というのが理由。

たしかに、バタちゃんと菅沼さんとのクライミングに交じっている姿を見かけたときは、ちょっと意外だと思ったんだよなぁ…というのは、いつも登攀では、俺の言うとおりにしろ系で威張っているからなのだが…まぁ実際、経験値の圧倒的な差があるので、大体は言うとおりにしていた… ただ、登攀能力的に、実はオールドクライマーには、小川山はなかなか厳しい岩場なんだよなぁとは思っていた。日向神の比ではない。なので、本音は若い奴にロープを上げてほしいのだろう…。

Y澤さんは、その辺はもう枯れており、若い奴にロープを上げさせていた…もうリード欲はないというか、かっこつけるのを辞めたのだった。それができるかできないか?が老年期の楽しいフリークライミングを分けると思う。

私の考えでは、そんな上下関係に拘らず、ラオス形式で、誰かが毎週〇〇曜日と決めてさえいれば、勝手に部活が成り立ち、参加できる人が気軽な形で来れば、クライミングの技術は勝手に広がっていく… ので、私とあと一人定期的にクライミングを主宰できる人がいれば、クライミングの神様的には万々歳だろうと思っていたんだがなぁ…。

そうしたクライミングの伝統を後世に伝えていこう、という意図より、個人の都合が優先されてしまったのが残念だったなぁ…。 

新人男性だと、登攀力的に、というより、危険予知能力的に、リーダーはできないもんなぁ…。どっちかというと、こっちがロープあげてやる側だもんなぁ…。

自己防衛で、若い人とは登らないようにしないといけない、という状況にあるんだが、それは致し方ないかもしれない…なんせ、分かっていないのを分かっていないのが新人だからなぁ…。

例えば、九州では、トップロープノーテンで登って、「オンサイトだ!」とか言っている人に会った(汗)。全然分かっていない。

23歳、26歳と、みんなでやったプライベートレスキュー訓練…楽しかったなぁ。レスキュー訓練は、一緒に行く仲間とやらないと意味がありません。また、レスキューを共有することで、誰が技術力があるのか?判断力があるのか?そういうことも明らかになります。

ネイリングの練習方法(ハーケン打ち)

 ■ 山岳総合センターではハーケン配布されます

登る前に、懸垂下降を覚えるのと同じで、ハーケンが打てないのに登りに行くのは、行き詰まり、ゲームオーバーの元凶です。

登ったら降りれないといけないのですから、次に何が起こるか?予測していれば、懸垂下降ができない状態で登りに行くことがいかにアホな行為か分かると思います。

ハーケンも同じで、自然界にボルトはないのですから、支点を自分で打てるようになってから、山に出かけましょう。例えば、根子岳。

原則で言えば、”敗退から固める”というのが原則です。

■ 経験値の偏った人のアドバイスらしいですよ


このような雑誌の記事について、このようなベテランの批評があります。

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ヨセミテでいきなり練習?

シングルピッチのフリークライミングを十分していない人が、例えば瑞牆のマルチピッチでフリーの練習をしますかね?

国内でピトン打ちをしないで、いきなりヨセミテのビックウォールでネイリングなんかしたら大迷惑です。

そもそも、初級ルートでネイリングなんかするところがあるんですかね?

クラックをトップロープで登っただけでは、カムをセットし、それが墜落に耐えられるかわからないのと同じです。

また、エイドルートを経験者と同行しても、たいしたことはわからないです。ピトンは自分で打って荷重して効きを感覚として覚えるものです。トップロープでクラックを登っても、カムのセットや墜落したら大丈夫かは分からないのと同じです。

この回答者は自分でろくにハーケンを打ったことないでしょう。

”GWの奥穂にスニーカーにアイゼンを付ければ登れます”くらい、いい加減です。

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■ ネイリングは沢で練習するものです

私も初めて行った沢で、ルートファインディングを誤り、ハーケンを自分で打って降りてきたことがあります。合って良かった、ネイリング技術。

しかし、その日以降、私の技術的弱点は、ルートファインディング力がないことだと思ったので、慎重にルーファイするようになり、大体、登るところに、支点が出てくるので、一度もハーケンの出番になったことはありません。

ちなみにルートファインディングで最も易しいのは、クラックを登ることです。

クラックの場合は、ネイリングではなく、カムでの登攀になります。

2022/02/01

憑依されなくなってめでたし

■ 後輩は面倒をかけるもの

”3級しか登れないのにノーマットで2段登るとか言うクライマー”の頭の中って、どうなっているんだ?!と呆れてモノが言えない…と、思っていた。

写真はイメージです

それでも、奥村講習に来てくれたのが嬉しかったし、自分を振り返ると、私も、師匠の清高さんには、口答えいっぱいして苦労を掛けた。

特に、”5.11がインドアジムで登れるから北岳バットレス四尾根に行くとか言うクライマー”の相棒が、私を振り回していた時は、清高さんは、せっかく雪洞泊を教えてくれようとしたのに、叶わなかった。

私は、何とかして相方を思いとどまらせようと、そっちを優先した。これには、清高さんは面食らったようで、なんで自分が後回しなのか分からなかったようだったし、だいぶ、清高さんのプライドも傷つけてしまったようだった。

つまり、自分も師匠の目から見たら、私も

わからずや

だったということになる。私の方からすると、雪洞には、人の命、は、かかっていないが、相棒が四尾根をあきらめないということは、自動的に、私が殺される羽目になる、ということだった。私はそれだけ心理的に追い詰められていたという訳である。

まぁ、どんな形であれ、後輩というものは、先輩に、

面倒

をかけるものだ。私も清高さんはじめ、多くの人に助けられた。

■ クライマーの思いやりは、そこはかとないもの

というわけで、先輩はありがたいもので、私も恩送りをせねばならぬ。

先輩は後輩の面倒を見てくれるものだ。

私も先日、奥村講習では、それとなく面倒を見てもらった。

つまり、私がクリックアップで落とされた原因は、”カラビナが純正品ではなかったためなのではないか?”と、なんとなく、私に分かるように、ギアの紹介のところで伝えてもらった。

このようにクライマー間の思いやりのやり取りは、そこはかとなく、受け取りての感性次第なところがある。受け取れない人は受け取れない。感受性の感度が鈍くて、もらった恩にそもそも気がつくことができず、貰いっぱなしの人は多い。

一般的に言って、クライマーは、事故原因の究明が出来ていないと、次に安心の土台を何に築いていけばいいのか?分からない。

だから、いつまでたっても、ビレイに身を任せることはできない。

ビレイを信頼できなければ、伸び伸び登ることはできず、結果としては、上達しない。

■ 初心者は誰しもに愛されている

さて、このように、クライマー界は支え合いで成り立っているので、偶然とはいえ、自分が出会った初心者クライマーに対しては、大なり小なり、誰しもが、

気をかけてやる

ものだ。

後輩の面倒を見るうちの一環に、例のボルダラーを何とかクライマーとして、形が付く程度…山岳会一年目の新人さん程度…までにはしてやる義務はあるかなぁ…と思った…なんせ、出会っちゃったんだし…。これは神が下した私への試練かもしれん、と思ったのだった。

ので、別の男性初心者君とセットで、岩場に連れて行ってやろうかと思った。なぜなら、クライミングというものは、二個一がセット販売なのだからである。クリックアップとカラビナがセット販売のように、片方が無ければ、機能できないものなのだ。

…んだが…そっちの別の初心者君は、初心者とセットだと嫌だそうだった。残念。

その初心者も、根子岳行きたいとか言っていて、てんで分かってない…のは、同レベルだったんだけどなぁ…。

まぁ、アルパイン指向の人とボルダラーでは、そもそも相性が悪いのかもしれぬ。男性には男性同士の計り知れない相性があると思う…。私は女性だから、男性同士の相性の機微は、全く感知できないが、前に痛い目に遭っている。

■ マットがないのは誰のせいか?

さて、ボルダラーの人のほうは、”マットがないから登っていない”と言う。

うーん…なぞだ。

”マットがないと登ってはいけない(=公道でシートベルトなし運転はありえない)”ということを指摘したのは、私を通じた、小山田さんだが…。

普通に考えれば分かることだが、クライミングシューズがなくても、チョークがなくても、ボルダーは登れるが、マットがないと登れない。

私も九州に来てすぐのころ、1回目は、ジムでマットを借りてボルダーに行ったが、その後すぐ購入したけどなぁ…。普通、登りたい人は、人にマットは借りてでも、なんとかするものなんだがな…。

またまた、相手の行動原理が分からん!と思った。

まさか、マットがないから登れない!と嘆いていれば、誰かがマットを譲ってくれるとでも思った訳でもあるまい…。前に、俺には子供が6人いて大変!と嘆いていれば、気の毒に思った女性のファンが貢いでくれる、という期待をしていたガイドさんいたけど…どこが気の毒なんだか、意味が分からなかったんだよなぁ…。

まぁ、私には理解できない。

しかし、それにしても、この時期、つまり冬季は、ボルダーをやっている人にとってはハイシーズンで、登り時である。

ついでに言えば、子供と違い、年齢が高めのクライマーにとっては、1シーズンでも惜しいハズである。大人になると、与えられた時間が無限ではなくなる。今が全人生で最も若いのである。やりたいことはとっととやっておかないと時間切れで、できなくなる。金に糸目をつけている場合ではない。

ちなみに、私が2017年に1シーズン35回もアイスに行ったのは、この時を逃すと時間的資源も年齢的資源も、失われると分かっており、機会喪失を避けたためである。

ま、分からないものは、わからないものであるし、それ以上ではないのだろう。

そのあと、かわいそうだから、励まそうかと思って、サチさんが岩との対話が面白いという記事を書いていたので、サチさんのコピペを送ってやったら… 完全に意図を取り違えていた…(汗)。

■ 俺なんてという自動モード

どうも、有名クライマーの投稿を読むと、役立つところを読まず、自動思考で、”俺なんてモード”に入るようだった。

 サチさん → スゴイ人 → 俺なんて…(=すごくない)

そもそも、超人と自分を比べるなんて、そこが間違ってはいないか(笑)?

それに、サチさんの記事でハイライトした、強調したところはそこではなく、岩との対話には、グレードは関係ないことを説明したが、意味が分からないそうだった。

彼は、3級が登れても、ぜんぜん今まで岩と対話しないで登っているってことで、それだとどんなクライミングをしていたのだか、想像もできない…。

日本クライミングガイド協会のクライミングガイドの資格保持者でも、ジム課題は3級がせいぜい登れるだけなのに。つまり、3級というのは、なんら自己卑下する理由はない。

岩との対話にしても、ごく普通にしていても、これは登れそう!と思った岩に跳ね返されたりとかして、あーあ、と思ったりするのは、別にアンダー9程度しか登れないような人でも当然のごとく、起こることで、そういう風にやらないで、他に登る方法があるのか?私には全く想像がつかないな。

■ 憑依されるメカニズム

結局、私と彼は、水と油のようにそり合わない。

同じ言葉を使っても、火星人と金星人なのであるから、私は、彼に技術を教えてやるには

不適任

なのであろう。

個人的にこの人に必要なのは自己肯定感で、ボルダー2段のスキルで解決できる問題ではないように思う。段が登れても自分に自信がない、という点は改善されようがないだろう。原因は、おそらく、そこにはないからだ。

最近、大嶋信頼先生の著書を読んで、ミラーニューロンという仕組みで、脳が憑依されることが分かった。

理解できない相手に対して、なぜ彼はこういう行動をとるのだろう?と考えていると、脳が憑依される。

私の場合は、マットがないから登っていない、などと言われると、え?マットがなくても、登れるけど?と、問題を解決する思考が生まれてしまう。もともと、問題解決が得意だからだ。

つまり、本来は本人が解決しないといけない問題を肩代わりしないといけないような気分になって来てしまい、どんどんと、それが義務感に変わり、苦しくなる…のは、子供の時に、母が仕事に出ないといけないのに、弟と妹がギャン泣きして出かけられず、この事態を何とか収めるには、私が悪役を甘んじて受けて、弟と妹に嫌われてでも、捕まえておかないといけない、全体像を見て、何をしたらいいのか、分かっているのは、私だけだ…という自覚に基づく義務感…の再現による。6歳の自覚が再演されてしまうのである。当時は解決できるのは、私しかいなかったが、今見ている事態は違う。課題の分離、だ。

ボルダラー君は私の年齢以上の大の大人であり、世の中にはクライミング技術の本は山とあり、マットなんて5,6万も出せば買えるものである。

5,6万なんて弟が突然死したときに、大阪から実家まで当日に飛ぶのにかかった飛行機代程度の事で、この日本で5,6万がローンで払えない人は、実質存在しない。26歳で苦学生出身の私が払えた程度の額だし。まぁ、ロープで登れば、グリグリを入れても3万円でおつりがくるとは思うけど。

まぁ、そういうわけで、私が憑依されるメカニズムは分かった。分かったので、もう憑依されなくなった。

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2022/01/31

素直さと謙虚さ

■ この4年間の苦悩の理由 嫉妬のミラーニューロン

最近、大嶋信頼さんという心理学の先生の本を手にし、九州に来て私に起こったことはこれだ!という確信で、色々と謎が氷解中です。


私には、クライミングにおいて別に何も嫉妬されるようなものはない。

何も嫉妬されるものがないのに…という人が嫉妬されると、学習性無気力=鬱になる。これだな!クライミングで私に起こったことだなぁ…。

元の動画は、ここです。

クライミングにおいては、九州に来て以来、普通にしていても、やることなすこと、全部裏目に出る感じ。イメージ、”身ぐるみはがされる~!”でした…

別に山梨では、特別いい目に遭っていたわけでもないし、有名なクライマーに媚を売って、特別扱いしてもらったわけでもなく、むしろ逆で、普通に山岳会が機能している時代の人なら無料でゲットしているようなクライミング教育…を、わざわざ運転3時間の安曇野まで行って、”お金を払って”受講して、能力を身に着け、自分で勝手にのし上がったわけなので、九州に来て、私ほどの環境が厳しくない人が、本を読めば分かる程度の知識すらもない=努力をしていないのに、期待の大型新人扱い、厚遇されているのを見ると、どっちの環境が恵まれているか?と言えば、あなたでしょ!という環境なのに、なぜか、嫉妬される…という状況でした。(どこかで見た図だ。そうか、私大に行っている人に国立大に行ったために嫉妬されるやつか)

まぁ、たしかに雪も岩も、基本的に、気温がマイルドなので、リスク管理についておろそかになっても、身につまされない、ピンと来ない、というのは、理解できる。昨日もサチさんの投稿で、太字にしたが、山梨クライミングでは、今の時期、”基本マイナス”。

九州では、朝以外は日中10度くらいまで上がるから、寒い、寒いと言っても寒さの中身が違うんだよなぁ…。まぁ、体感はなぜか、ホントに寒いんだが。

■ その土地に合った山岳教育

さて、4年前の昨日は、ガイドステージⅡの試験を受けていたころのようだ…。しかし、もう4年か…私が山梨でクライミング三昧していたころは、はるかかなたということだ。

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登山ガイドステージⅡの検定試験を受けて思ったこと。

登山ガイドステージⅡの資格で案内できる職能域は、森林限界を超えない程度の樹林帯の森の中までです。八ヶ岳で言えば、しらびそ小屋まで、とか本沢温泉まで。

その職能で案内できることを考えると、岩稜は通りようがないです。

それなのに、ショートロープが検定に出てくる。

一般の山岳会にいても、20年いても、ショートロープが必要になることはないです。会で出てくるのはコンテ。あるいはスタカット。

なので、ガイドはガイドを育成する機関が必要だと思います。現行では山岳会上がりの人がガイドになるのが定番ですが、ガイドって今、訴訟では負け続けですが、山の経験値を積むのは、長い長い時間がかかります。私程度の経験値でも、8年、山の数で500弱、雪山の数で120弱、アイスの数で60弱です。それだけ頻度を上げても、ショートロープなんて必要ない訳で、たかだかステージⅡのスキルは、自然に任せていては身につかないわけですから。もう少し本腰入れた本格的なガイド育成機関がないと、

求められるスキルは高く、

顧客に提供できるサービスは低く、

したがって、取得コストは異様に高く、回収できる利益は非常に小さい、ということになり、ガイドのなり手はいなくなると思います。

私は登山者としては、理想的に…良いスピード感でという意味です…育った気がしますが、それはガイド資格とは全く別のトラックです。なので、山岳会でいくら長い経験があっても違うような気がします。自分がいた会の先輩たちを想像して、かれらがガイディングスキルがあるかというと、違うなと。もちろん、山やとして尊敬できる人たちでしたが…
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このような文章を書いているんだが、福岡に来て、例えば、山岳会などの現状や、アルパインクライミングにおいて、指導的立場にある人たちの様子を見て、ますます、これでは山やは育たない、と確信するに至った。

その土地にはその土地の個性に合った山、クライミング、山岳技術があれば良く、いわゆる”アルパインスタイル”が、雪の降らない九州には、構造的に存在しえない、というだけの事ではあるが…。

逆に言えば、例えば、ボルダーなどは、年中登れるんだから、そうでない地域よりは、先進的になっても良かろうと言えるものだが…、まぁ、現実はそうではない。

せっかく、他地域に競争優位性があるボルダーも、アルパイン分野での遅れと同様に足を引っ張られて、遅れている…。その基本的な理由は?というと

 人材

ということだろうが…。本式にやりたくなったら、そりゃ、山梨とか長野に行きたいよなぁ…普通…と誰でも思うので、これまた、人材流出を阻止することは不可能なわけだ。

となると、どうしたらいいのか?ということになるが…やっぱり、ここは、”九州男児の登りを見せやるぜ!”などと、片意地張らず、普通に、外部講師を呼んで、”よろしくお願いしまーす!”ってのがいいのではないだろうか?

つまり、九州に欠けているものは、素直さや謙虚さ、なのではないだろうか?

2022/01/30

岩との対話が本質ですよ

  ■ 1月27日のサチさんの投稿より



---引用---

ここ最近は野猿谷でひたすらこのボルダーを開拓している。ラインを自分で見出し、一から一人で開拓するのは人生で初めてのこと。ぱっと見3段くらいかな?と思ったが想像以上に傾斜が強くて難しい。3日通って、細切れではあるが、解決出来ていないパートは残すところあと1手となった。
終始コンプレッションなので、落ちる時は左右に大きく振られて落ちることが予想されるのだが、ランディングがとにかく悪い。コツコツ下地整備もしている。
ひとつひとつの作業が新鮮だ。ラインが完成していく過程がこんなにも楽しいとは思わなかった。自分の気持ちが岩と通い合っていく感覚。良い冬だ。

Recently, I've been exploring this boulder in Yaen Valley. It's the first time in my life that I've found a line by myself and developed it from scratch by myself. At first glance, I thought it would be around V12 but much harder. After three days of climbing, I have only one move left that I have not solved, though it is in small pieces.
It's all compression all the time. When I fall, I am expected to swing left and right a lot, but landing is just not good. I'm working on the groundwork. It is all so fan part of it. 
Each task is new to me. I never thought that the process of completing a line would be so much fun. I felt like my feelings were communicating with the rock. It's a good winter.
@adidas 
@adidasterrex 
@fiveten_official 
@petzl_official 
@newhale_japan 
#アルテリア 
#野猿谷ボルダー 
#開拓 
#気温基本マイナス
ーーーーーーーーーーー太字当方ーーーーーーーー

太字は、私が付けました。別にワールドカップで優勝しなくても、

 普段でも、
 誰でも、
 
 岩と対話しています。

その対話が分からないというのなら、その人、登れないときに、岩に跳ね返された、とか感じないんですかね? 普通に、今の実力じゃ無理だから、出直しておいでと、岩に言われる程度のことは、クライミングに行けば頻繁に起こっていると思いますが。

■ 岩との対話は、ルートファインディングで起こることが多い

分からないという人は、とっかかりとして、ルートファインディング(=ラインを見出す)を突き詰めてみることをお勧めします。

歩くだけでもルートファインディングはできます。宝探しゲームのように、ピンクテープや赤布などの目印を追いかけるのではなく、国土地理院の地図を用意して、尾根を拾って歩く訓練をします。それだけでも、山が語りかけてくることは、これ以上ないくらいにハッキリとすることでしょう。

歩きでもできることですが、岩でやりたかったら、ボルトを追いかけるとか、ビデオトポを見て登るとか、トポに載っているグレード順に登るとかを辞め、自分が登れそう!と思った岩を登ることにします。

それでも、いきなり取り付いては行けません。登れそう!と思ったものは、大体が登れないものですから、じーっとにらんで、オブザベします。ムーブもあらかじめ目見当を付けます。たぶん、違うムーブになると思いますが、とりあえず考えておきます。

自分と岩だけで、トポとかグレードとかの他者の思惑を介在させない、というのがミソです。

必要ならロープを出し、あるいはギアで登ったり、友達に応援に来てもらったり、自分が登るために必要だと思える手段を自分の努力で用意します。

■ 劣等コンプレックス



心理学者ではなくても、誰でも分かることだと思いますが、

グレードを自信の根拠にしたり、あるいはグレードが低い相手を馬鹿にしたり、あるいは、〇〇段が登れるようになったら××しよう!と考えたり、するのは、

 劣等コンプレックスのため

です。

アメリカの雑誌によると、全クライマー人口の4分の1が、5.10代を登っています。

2段を登れなければクライマーじゃねえ!みたいなのは、支配者タイプの人に入れられた暗示です。

実際、有段者や、5.13クライマーなんかは普通にゴロゴロしている山梨で、そんな暗示を入れてくる時代錯誤クライマーはいません。

■ 子どもと大人は違うモノサシの上にありますよ

科学的にも、クライミングは非日常の動作ですから、8歳から18歳のゴールデンエイジでクライミングをスタートしたかどうか?がほとんど核心です。子供だと、一日で5.12が登れたりします。

大人でスタートした人に向かって「子供”ですら”、5.13が登れるんですよ」とこちらを恥じ入らせるような人も、ままいますが、”ですら”は、科学的に正しくなく、”子供だからこそ”が、正しいです。

グレード競争というのは、本来、競争がないと興味や関心が持続できない、アテンションスパンの短い子供をいかにして動機づけるか?ということのために考え出された方策です。

大人こそ、競争がなくても、大人は、”内的動機”で岩に登れますから、そのような競争動機は必要としてないハズです。それでもグレードに拘るなら、岩が好きなんではなくて、単に注目されたいだけでしょう。大人は勝手に

 自分と岩との対話

を深めていきましょう。それがクライミングの、そもそものだいご味なのですから…。

 自然は大いなる師

です。そのためには、自分でプロテクションを打ったり、自分の頭で自分のクライミングには何が必要なのか、考えたり、と、

 自分の課題にきちんと向き合う

という姿勢が必要です。

つまり、人生に対する態度と同じものが必要です。自分で自分のことを愛せないかもしれないですが、自分ですら愛せないような自分を、なぜ他人が愛せるというのでしょうか? 他者の愛を求める前に、自分で自分を十分に愛するべきです。