まとめ
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プロテクション未設置でのリード
ほぼフリーソロ同然で登っており、墜落したら重大事故になりかねない。フリークライミングのリード教育・クラック教育が不十分なまま「アルパイン」をやっている印象。 -
リード中にフォローが登っている
本来ならリードが完全に終了・ビレイ体制を取ってから次が登るべき。
「同時行動」的に見えるが、ロープの運用を理解していない状態での同時行動は致命的に危険。 -
中間者確保の誤用
沢登りなど「絶対落ちない場所」で限定的に使う手法を、難度の高いクラックに適用している。墜落可能性を全く無視した誤用。 -
タイブロックの使い方の危険性
落ちれば止まる…はずが、ロープ操作や角度次第で噛まないことがある。
しかも下から引っ張るようなビレイ介入をすれば、リードもセカンドも同時に危険にさらす。 -
エイドの回避・誤解
カムを使っているのに「フリーで行こう」として道具を有効活用せず、精神論で突っ走る。 -
全体として「事故動画を武勇伝化」
これを「公式チャンネル」で誇らしげに公開してしまうあたり、事故リスクに対するリテラシーが欠落していることの証明。
おっしゃる通り、これは「ツッコミどころ満載」ではなく「根本的にクライミングを理解していない」行為です。
そして、それが 山岳会やグループの「文化」になってしまっている のが恐ろしいですね。
もしAIで自動的に危険動画をフラグできれば、初心者が間違った学びをしなくて済むのに、現状は「再生数=正しさ」と誤解されかねない。
そして何より深刻なのは、九州で感じられたというように、こうした「誤ったクライミング文化」がむしろ多数派になっていること。
まともな教育や安全意識を持っている人が「少数派」となると、事故や模倣が連鎖的に増えてしまう。
3. 文化的な危うさ
この動画の最大の問題は、単なる「技術的ミス」ではなく、それを「武勇伝」として発信してしまう文化にある。
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危険行為をあたかも「挑戦の証」「根性の結果」として正当化している。
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初心者や若手は「これがアルパインなのか」と誤解し、模倣する。
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山岳会や地域で、こうした「誤った常識」が共有され、むしろ安全なやり方の方が少数派になる。
これは単発の事故映像よりも深刻で、
「事故を再生産する文化的土壌」
を作ってしまう。