東さんの投稿
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ランナウトとグレード
近年、開拓した岩場に5.11aとグレーディングしたルートがあります。核心部は最上部の極小ホールドを保持するところですが、下部にも数カ所、やや難しいところがありました。ルートは多段的な形状で、前傾したテラスにマントリングした後、テラスで伸び上がってクリップする箇所が2カ所ありました。そのマットリングはさほど難しいムーヴではないので、マントリングする部分にはボルトは打っていませんでした。そのため伸び上がるところで落ちると、5mほど落ちて下の段に叩きつけられ、大ケガする可能性もありました。しかし落ち着いて処理すれば、決して落ちるような箇所ではありません。(テラスを越えるパートではやや高めにボルトを打たないと、落ちたらテラスに当たります)
ただし以下のような理由で、後からボルトを3本打ち足しました。
・岩場は都市近郊なので、初めてイレブン台に挑戦する人が登ることも多い。
・車道へは急登で30分はかかるため、ケガしたらレスキューは困難。
・最近のクライマーは難度の高いルートを登れても、「絶対に落ちないクライミング」ができないひともいる。
このボルト追加のため、ランナウトの緊張感がなくなり、表示グレードよりもやさしいと感じるクライマーが多くなったようです。
さて本来、グレードは「ムーヴの困難度」や「前腕の疲労具合」から判断されるため、プロテクションの多寡は一般的には考慮されない要素です。
ただし5.11aのルートを10回登って1回も落ちないクライマーでも、フリーソロで登るとなると、非常に緊張してパンプするか、登ることを止めるクライマーがほとんどだと思います。安全な間隔でプロテクションがある限り、落ちても保険が効いているので、余裕を持って力の抜いたクライミングを遂行できます。ランナウトやフリーソロなら、絶対落ちることができませんので、「確実にホールドする」という要素が入り、どうしてもパンプが早く訪れます。
5.12aのルートで5.10cのセクションが5m続く場合、「ボルトを設置した方がいい」のか、「そのグレードを登る人なら絶対落ちてはいけないパートなのでボルトは打たなくていい」のか、難しい判断です。
※私の場合、「岩が欠ける」「分不相応なクライマーが挑戦することもある」などの判断で、やさしいパートでも一定間隔でボルトをセットすることが多いように思います。
ーーーーーFBより引用ーーーーーーーー
了解です。文章をさらに簡潔にして、要点だけをまとめたメモ版を作りました。
ランナウトとグレード(要点メモ)
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ルート概要
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岩場:都市近郊
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グレード:5.11a
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特徴:多段的、前傾テラスにマントリング→テラスで伸び上がってクリップ2箇所
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核心部:最上部の極小ホールド
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下部にも数カ所やや難しい箇所あり
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マントリング部分はボルトなし(難しくない)
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危険性
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伸び上がる箇所で落ちると5mほど下に落下、大ケガの可能性
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落ち着けば決して落ちる箇所ではない
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テラス越えパートはやや高めのボルトが必要
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ボルト追加理由
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初めてイレブン台に挑戦するクライマーがいる
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車道まで急登30分、ケガ時のレスキュー困難
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高難度を登れても絶対に落ちないクライミングができない人がいる
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影響
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ボルト追加でランナウトの緊張感が減少
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表示グレードよりやさしいと感じる人が多くなる
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グレードとプロテクションの関係
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グレードは「ムーヴの困難度・前腕疲労」で決まる
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プロテクションの多寡は原則グレードに影響しない
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フリーソロでは心理的緊張が増し、パンプが早くなる
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ボルト設置の判断基準
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難しい判断例:5.12aルートで5.10cセクションが5m続く場合
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基準例:岩の欠けやすさ、分不相応な挑戦者の存在
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やさしいパートでも一定間隔でボルトをセットすることが多い
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■感想
リードするのにロープ長をそもそも考えていないで10年くらい登っている人が、「おれ5.12」っていう人材なんですよ?
5.12だから、5.10cのセクションでは、落ちないとか、ありえないです。5.10bでも落ちています。
(家政婦は見た)