2022/03/27

命あってのものだね 昇仙峡11ⅽ

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皆、命あっての物だね、なのです。

そこを基準に捉えない限り、何も見えてきません。

他人の基準で作られた世の中のものさしなど、何も役には立ちません。

あなた一人の全体、魂・心・体のバランスこそが大事なのです。

 ーーーーーーー  『ソウルリーディング』より引用…


■ 昇仙峡の11c

この11c、吉田講習で使っていたやつですが…(隣は5.9ワイドで、上は、ジャムジャム84)

ユージさん開拓の課題だったんですねぇ…

知らなかった…。

しかし、3月後半だと、もうシーズン終わりですね、昇仙峡は…。

上のマルチのジャムジャム、今ならリードできると思うんですが…

いいなぁ、遊びに行きたい。

長い間、ちゃんと遊んでいません(笑)。











■ 他人の基準で作られたものさしなど、何の役にも立ちません

というセリフが分かるには、普通のボルトクライマーは、クラックを登るべきですね。

クラックは手のサイズとの相性次第なので、例えばフィンガーなどは、手の小さい女性が有利だったりします…

5.8のワイドより、5.9のハンドクラックのほうが数倍簡単…

5.8のフィンガーって、どこに課題遭ったっけ?フィンガーってだけで、すでに10代に突入な気がしないでもないが… あ、そうだ大堂海岸にありました…。リードして、テンション入ってしまった奴。余談だが、日本の5.8はその岩場内で一番易しいのに、5.8とつけているだけで、本当にスキル的に5.8とは思えない。例えば、龍洞にあの課題があれば、絶対に5.8ではないと思う。龍洞における5.8の基準は、もっと易しい。登れなくなるような人がいないような課題でプロテクションが豊富な課題に5.8が与えてあると思う。

あ、話はそれましたが、グレードで何もかもが一列に並んでいるという幻想が事実であるのは、コンペクライミングだけで、それはコンペという性格上、そうなるように、あえて人為的に作っているからです。作る人(セッター)は大変そうですが。

自然界の中の岩場では、

 ・長い5.8は、長さゆえに5.9になり、

 ・怖い5.8は、怖さゆえに5.9になり、

 ・危険な5.8は、危険ゆえにRが付与されます

そういうことをちゃんとわかって登るのが外岩クライマーです。

例えば、小川山の愛情物語は、5.8で優しいですが、プロテクションディフィクルトなので、プロテクションが確実であるか、もしくは、プロテクションを必要としないで登れるかのどちらかである必要があり、そのどちらを取っても、初心者はあてはまらない。取り付くことが許されないです。つまり、愛情物語5.8を登っていいのは、11ノーマルの人になってから、です。

同じ論理で、白亜スラブの1ピッチ目5.8は、右上したボルト1本だけのフェイスですから、5.8といえども、11ノーマル以上の人でないと墜落時の保険がゼロ=フリーソロでも確実な必要があるので、10ノーマルの人はリードはできません。ましてや、5.8が限界グレードの人は禁止です。

それは、クライマーならば、見てパッと分かるものなのです。見てパッと分かるようになるのがクライミング教育です。

そういうことをきちんと伝える情報教育が、九州のクライミングに欠けている教育です。

■ 誰にも教わらないでも分かるのが普通

私が誰かに教わったか?というと、故・吉田さんを始め、別に誰からも教わっていません。

もちろん、私も愛情物語を登ろうとしたり、小川山レイバックなんて、かなりきわどいクライミングをしましたが…制止されてきて、その逆に、発破掛けられたりしたことはありません。

単純に、このユージさんの課題みたいに、5.9のワイドの隣にある11cフィンガーなどを触って、感触の違いから、自分で見出しただけです…。

そんなのは、外岩クライマーは誰だってやっているものだというのが山梨での認識でした…

関連記事: 白亜スラブ  昇仙峡11c (11bと思っていたようです)

2022/03/26

入門者向け課題に上級者向けリスクテイクが求められる日本の岩場

 ■ 戦うか逃げるか?

クライミングは、基本的に、疑似的なファイトオアフライト行動を楽しむものです。

戦うか逃げるか反応

これに直面するのは、クライミングでピンチに陥った時です。つまり、登りに行き詰った時。

■ 戦うにおける2大対応

ムーブに行き詰った時、選択肢は3つです。

 1)麻痺する ⇒ 何もできない状態

 2)逃げる ⇒ 安易なハングドッグ、安易なA0

 3)戦う ⇒ ハードプッシュ、あるいはムーブによる解決、エイドによる解決

アルパインでは何としても前進することが肝心の目的なのですから、エイドを出して乗り切るというのは、逃走反応というよりは、冷静な対処、というほうがふさわしいです。

一方、フリークライミングの様式においては、道具なしで登るというのがフリーのフリー足る目的なので、すぐにハングドッグに行ってしまったり、安易にA0してしまうのは、フリーであることをすぐにあきらめた、逃げの反応ということになるでしょう…

しかし、これを複雑にしているのが、ボルトの信頼性の低さ…です。

■ ボルトが信頼できない場合の対処法

たとえば、私の登ったことがある課題では、大蛇山 10cがあります。

この課題は、私が課題について紹介を受けた時点では、ボルトは超怪しく、案の定、というか、のちにJFAによるリボルト対象になりました。

つまり、リボルトされるということは、気楽に墜落は許されないボルトの状態だったということです。

この課題は、私は初見のとき、2撃でしたが、核心部では、私はリーチが短いので、クリップ前に核心をこなさねばならず、だいぶ躊躇して登ったことを覚えています。確実性を上げるには、手順の暗記が必要で、何度か、降りては登る、の登り直しをしました。

このリスクを本人が考えて落ちないように登っているのに、”なんだよ!落ちろよ!!”と言われるのが嫌。基本、余計なお世話です。リスク対応こそが、クライミングのだいご味。

しかも、落ちて怪我をしても責任取るのは、本人。

■ ハードプッシュ一辺倒は危険

このようにボルトが信頼ならない状態では、暗記なしのハードプッシュ、での登りは、おススメできません…。

つまり、人工壁でやるように、ボルトが確実に墜落を支えてくれる前提、という登りは、するべきでない、ということです。

特に古いボルトの場合は、ロシアンルーレット状態になっており、前の人が登って、テンションや墜落に耐えたボルトが、その次の自分の番で耐えてくれるか?というのは、未知数、であり、全国的に問題になっているのは、その未知数性、だからです。

■ ハードプッシュを楽しむならケミカル、もしくは自分で設置したプロテクションで

逆に、ハードプッシュを楽しめるのは、ケミカルのルートです。ボルトが強固ということは、ケミカルうち替えが証明しています。

ハードプッシュを楽しみたい人ほど、ケミカルルートはどこか?と探した方が良いかもしれません。

もちろん、ケミカルだからと言って、ランナウトの問題が是正されているとは限らないのが日本の国内岩場ですので、その点は、別の注意が必要です。

支点の信頼性、ランナウト、の両方の問題点を解決する課題は、

 自分で設置したカム

による登攀です。

■ 実力にあったリスク

この写真は、私のラオスの課題を登っているところですが、見ての通り、離陸ははしごです。

さらに位置ピン目の位置がかなり低いことが見て取れるでしょう…

これはクライミングのリスクにおいて、理にかなっています。

 ・1ピン目を取る前は墜落は許されない

 ・この課題は入門課題であり、入門者には、過大なリスクテイクは求めるべきでない

です。

これは、初級者には初級者に即したリスクの量、が設定されているため、です。

当然ですが、上級者になればなるほど、大きなリスクが取れるようになっていく、というのが、まっとうな成長の流れであり、初級者の段階で、大きなリスクを取らされることは、事故の原因になります。これが日本の岩場で起きていることです。

つまり4級しか登れない人に40mランナウトに耐えるよう、求めること自体が、本末転倒です。

逆に40mランナウトが平気なくらいの人は、6級つまり、デシマル換算で5.12は登れているハズですから、そんな簡単なルートでランナウトすることに関しては、普通はバカバカしさ、しか感じなくなると思われます。

懸けなくて良いところで命を懸ける羽目になるからです。例えば、海外のクライマーをそのようなルートに招待できるか?というと、出来ないですよね?

何が面白しろいの?と言われてしまいそうです。

日本の岩場の問題点は、入門者向けの課題に、上級者向けのリスクテイクが設定されていることです。

しかも、手が届けばリスクは減るということなので、怖くもなく、リスクテイクもしていない人が、より大きなリスクを取らねばならず、恐怖と戦わないといけない、リーチの短い人を馬鹿にしたり、「なんでこんなところで怖がるんだよ」という無理解を押し付けることになっています。

ボルダーをしたことがない人に顕著です。6級のボルダーがシットスタートになったとたんに2段になるのは良くあることです。同じことで、5.9でもホールドに手が届かない人が登れば、もっと上級のムーブが必要、ということになります。

まぁ、日本に限ったことではなく、怖い岩場というのは世界的に多いように思いますが、海外では、そのことが日本のような暗黙知ではなく、明快な、集合知、となっていると思います。ですので、初心者の段階から意識的に自分は、どの程度のリスクを取りたいか?クライマー自身に選択肢が豊富です。

日本の場合は、本人の好むと好まざるとにかかわらず、すべての人が一律の選択肢しか取れない、ということになっています。

日本の場合、このように選択肢がない、という問題があり、インドアクライマーが、徐々に困難度とリスクを並行的に上げつつ、スキルアップができるという岩場が用意されていません。

そうなると、トップロープを手放すということはかなり難しくなります。トップロープ癖というのは、岩場の不備と二人三脚、共依存状態だということです。

ラオスのこの課題は、5c(5.9)くらいの課題ですが、こんなところで、開拓者のプライドだの、初登者の権利だの言っている人は、いません(笑)。

12が中級者であるという現代のレベルから見たら、そんなことにこだわっていること自体が陳腐であるのではないかと思います。

ですので、登る人のスキルに合わせたリスクを課題は設定すべき、という前提を超えて、初登者の権利主張にこだわるのは、過剰な保護であり、権利を主張するところ義務アリ、ですので、死亡や重大事故者に対する補償や、リボルト義務を開拓者には求めていくべきだと思います。現状は、ボルト打ち逃げ、と称しても良いような状況が続いています。

少なくとも、自分の課題での死亡者の存在には、向き合っていく必要が人としてあるでしょう…

クライマーは、同調圧力ではなく、自分の目で安全を判断せよ

 これは、あるサイトからの引用ですが…


「みんながそう言っている」「昔からそうだ」「それが常識だ」の3点セットは、理屈での説得ではなく、同調圧力と慣例です。

”みんな”は、常に正しいわけではありません。⇒ 現に九州では、トンデモ手作り支点が、現役状態です。

”慣例”は、常に正しいわけではありません。⇒ 現に九州では、トンデモ手作り支点が、現役です。繰り返しですが…。それについての問題意識もゼロでした…。

”年配の人の経験値”も常に正しいわけではありません。⇒ 昨今では若年クライマーのほうが海外の岩場で海外の人と登っているので、クライミング経験としては豊富である、という可能性もあります。海外で登っても、現地クライマーと交流が無ければ、おっかなびっくりで現地を体験しているだけで、経験の幅は広がっていないかもしれません。

■ 理屈で考えるのが大事だが、理屈が嫌いな体育会系という欠点が…

日本の学校教育では、学力、と 体力、で人を序列化し、選抜する傾向があり…その場合、学力と体力は、両立しないと考えられている節があります。

しかし、本当はそういうものではなく、頭が良くなるためには、運動しかない、と説いている本もあるくらいです。

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クライミングは、従来型のマッチョ系ではない人のほうが有利であるという珍しいスポーツで、そこに面白みがあります。

スポーツの中では高度に知能的、ってことです。ムーブに関しては確かにパズルのような面白みがあります。

それなのに、安全管理、リスク管理に関しては、なぜか、

 丸投げ

なのが、不思議です。ムーブの解析にかけるのと同じだけの情熱をかけて解決するべきなのが、クライミングにおけるリスク管理です。

そもそも、そこが掛け違っており、誰もリスクについて、精査していません…

そもそも、クライミング経験が豊富な人=リスク回避に長けている、という前提自体が、基本的には、吟味されなくてはなりません。

私の知っている方(ベテラン会長職)で、穂高でエイドの支点に足をかけたために墜落してヘリ救助という方もいましたが、これもそもそも、残置のモノを信頼してはいけないと普通はクライミングの初期に教わるものです… なぜそのような行為をしたのか?と普通は思うはずです。

私は落とされて7針縫っていますが、普通に1本目かけてからですし、ボルトはグージョンで岩場の開拓時期も新しい岩場でしたので、クライマーのリスク認知的には、私には落ち度はありません。ビレイヤーの選択に間違いがなかったとは言えませんが。

一方、山にあるエイドルートの残置をうかつにも信頼して墜落だと、やはりリスク認知には、欠如があると言わざるを得ません。アルパインルートに行きたがるような人に対して、まず一日目に教えるのが、”残置を信頼しないこと”、”残置はただのアクセサリー”、ということだからです。

むろん、フリークライミングのクライマーは、ボルトへの信頼が前提にあるクライミングでこれはあてはまりません。ボルトは確実に墜落を止めるというのが、フリークライミングの前提なのですから。

日本の古い岩場では、ボルトが信頼できないボルトルートのフリークライミングという掛け違い現象が起きています。

ボルトルート(スポートルート)と同じ論理を適用はできません。アルパインと同じ論理を適用するなら、プロテクションは自分で設置できなくてはなりません。できないようであれば、リスクは、フリーソロと同じになりますので、登ること自体が不可能になります。


2022/03/25

”クライマーの自己責任”の具体的内容

自己責任の具体的内容

現代日本フリークライミングで言われる、自己責任、の具体的内容は

1)落ちていいボルトとそうでないボルトの見極めができる

具体的には、M8とM10の差が見極められる。

2)Fix社製でない、手作り終了点が、とりあえずの終了点だという認識がきちんと持てる&おかしいと気が付くことができる

3)2点、横に平行に打たれた終了点を見ておかしいと気が付くことができる

3)ランナウトを認識できる

4)クリップ体制が可能なところにボルトがあるべきだということが分かる

5)敗退用ギアを持っている (例:捨てビナ)

6)グレードは目安に過ぎないので、グレードに惑わされず、自分が登れるかどうかをルートを見て判断できる

7)カムを確実に設置できる

8)ビレイヤーのビレイスキルを評価できる

9)1ピン目が掛けらればどこでも登って良い

10)後進に自分の知っている安全対策とその理由をきちんと論理的に伝えることができる

以上です。

10)ができている人にあったことはほとんどないです。


2022/03/24

"First Ascent" (2006) Film Trailer

低血糖は自制心の低下を招く

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糖質を摂りすぎても、摂らなさ過ぎても、どちらも低血糖症からストレスホルモンが分泌されて、攻撃性やイライラに繋がります。

糖質制限と一口に言っても、精製糖質を避ける糖質選択が非常に大切で、糖質量制限のレベルには注意が必要です。

ーーーーーーーーーー https://rainafterfine.com/2022/01/22/post-12152/ より引用

例えば、セリアック病などの発症のない、一般的なクライマーが、減量やフィットネスのために糖質制限を行う場合は、一食あたり90gの通常食の糖質を 

40g程度

にまで落とす程度にしておき、完全ゼロにはしない、というのがメンタルの面でも安全そうです。

クライミングは、自制心の低下により、死を招きかねないアクティビティです。

ラーメンではなく、お蕎麦。パンではなくサラダバー。ジュースとジャンクフードや辞めて、ナッツやフルーツを持ち歩きましょう。

益富エリアでは、ラ・そばというお店がクライマー御用達の店としてローカルクライマーに知られています。

初級者、中級者、上級者、熟達者

 ■ 一昔前は、5.12で上級者

5.13を登ろうとトライしている現代クライマーの弁

ーーー
僕自身は、ずっと中級クライマーという意識だけど・・・なんかこれには当てはまらんなぁ~(@_@)

ーーーー

つまり、5.12は中級者ですよ。

この表だと私は中級者になりますが、現代のスケール(ものさし)では、5.10ノーマルは、初級者の域です。







過去の基準で自分を計ると、自分のスキルがものすごく上級のように感じてしまい、スキルのレベルに見合わないルートに出かけることになってしまいます。


13a 1977  ⇒  約40年前の話です。
14a 1993  ⇒ 20年以上前の話です。


2022/03/23

アスリートのための分子栄養学

■ なかなか良書がない栄養学の教科書

世間では、最高の健康だの、最強の食事術だの、ハーバード式○○などが、非常に盛んに読まれており、それ自体は探求心をくすぐり、非常に良いのだと思うのですが、問題はそのあとに、包括的に学ぼうとしたときに、適したテキストがない、ということです。

クライミングも同じで、そうか”55m登り返しを教わらないといけないらしいぞ”という気づきを得たとして、誰に教わりに行きますか? UIAA『アルパインサマー』の日本語訳ができたのは、小さな一歩前進ですが、本を読んで出来るか?というと、まぁ当然ですが、実践がないとできないです。

実践する際にも、危険が伴います。無知な人が本を読んだだけで実践すると、公園でやっても、頭打って死ぬとかありえます。その時、知っている人に援軍を頼んだとしても、プルージック登攀はこうやるんだよ~くらいの見本は見せてくれるでしょうが、そのあと降りれなくなってしまうのが関の山かもしれません。プルージックから下降機への切り替えは、リスクポイントです。本来はそのために山岳会があるのですが、会としてきちんと技術が身に着くまで特訓しているような会は見たことがありません。やったとしても名目上のポーズ、に過ぎない会がほとんどでした。結果、レスキューを職業にでもしない限り、55m登り返しができる人って誰?って感じです。

結果、岩場は、俺はできるという人のプライベート空間となることになり、一向に若い人がチャレンジできる場とはなりません。

その結果、日本国内から、チャレンジの精神が失われて、日本は世界に後れを取るばかりになります。

登り返し練習なんて、その辺の公園だってできるようなことです、きちんとやり方を知ってさえいれば。若い人は間違ったアドバイス…経験者を頼れ…を与えられ続けています。

正しくは経験者を頼らず、自分たちでリスクをつぶしていく思考回路を身に着けろ、です。

シミュレーション能力があれば、練習時にどんなリスクがあるか?くらい予想できる能力が、誰にでもあるはずです。

さて、『アスリートのための分子栄養学』は、巷の栄養本で、今までの常識を疑うことになった方が最初に手に取る教科書として最適です。

従来型の栄養学 ⇒ ビタミンcが足りないと脚気になる、などの欠乏を防ぐための栄養学

現代の栄養学 ⇒ 自分の体を最高のパフォーマンスに導く栄養学

です。一般に、部活などで、考えられている栄養学は、いまだに従来型で、例えば、私は岩根山荘で、サッカー合宿を見たことがありますが、いまだに牛乳飲め!です。子供たちは吐くまで食べさせられています。

そもそも、消化されなければ食べ物は栄養になりません。その人がもつ消化力以上に食べ物を詰め込んでも、体が大きくなるわけはないのです。

また体の大きさだけで、栄養の成否を計るのもどうか、という感じです。大きいほうが良いことだ、というのは、日本人の持つ西洋人コンプレックスの一つではないでしょうか。

昨今は、食物アレルギーの子どもたちも増えています。牛乳が飲めない、というのは、アジア人には、牛乳を消化する酵素がない、ということが科学的に事実として知られています。お腹が緩くなる人は牛乳を飲んでも消化できていないということです。

また米国産の牛乳などには、母牛に母乳を出し続けるためのホルモン剤が与えられていることが知られており、ホルモン剤の影響で、男性の女性化が心配されています。

強くなろうと思って飲んでいる牛乳で、体内に女性ホルモンを増加させているっていうこともあるということです。

包括的に、一度、古くて間違った栄養学の知識…何十年か前に小学校や中学校で教わった知識をブラッシュアップする必要がある、という方は、このアスリートのための分子栄養学がおススメです。

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『人生クライマー 〜山野井泰史と垂直の世界〜』


山野井さんは、誰の前に出しても黙ってくれるワイルドカード、みたいなクライマーですが… 昔の価値観と今の価値観をつなげる数少ないクライマーです。

現代のちゃんとしたアルパインクライマーで、フリークライミングを基礎力にして、最低限、5.12が登れる、というところまでいかなかった人はいません。

私が見たことがある人で、30代くらいの新人男性で、まだ9くらいしか登れないのに、鹿島槍北壁に行こうとした人がいましたが、大丈夫かなぁ…と不安になりました。

九州では、有段者のクライマーはボルダラーでは珍しくないですが、一級のエイハブ船長が登れても、5.9の普通のリードが大学生の後輩はできませんでした…。

リードと突破力だけでなんとかできるボルダーの登りは別物です。突破力が必要な人はボルダーしたら、ちょっとの努力で、今まで登れなかった課題が登れるようになるかもしれません。

どちらにしても、グレードに照準を合わせず、技術課題に照準を合わせるほうが、より正確だと思います。技術課題とは、例えば、カチ持ちをマスターする、とか、ジプスに乗れることをテーマにする、とか…支点をテーマにする、とか、ビレイをテーマにするとか、です。

グレードだけを成否の基準にしてしまうと、お買い得課題を血眼で探す羽目になります。

2022/03/22

スポーツを楽しむという視点の欠如

 今日の為末投稿…小学生の全国大会禁止

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全柔連が小学生の全国大会を廃止するという決定をしました。私は素晴らしい決断だと思います。なぜ若年層での全国大会を行わない方がいいのか三つの理由で説明します。

①そのスポーツが弱くなるから

②全ての子供がスポーツを楽しめないから

③競技を超えた学びが得られないから

まず若年層の全国大会が成人になってからの競技力向上に役に立っているかというとマイナス面の方が多いと考えられます。その理由の一つには早すぎる最適化があります。子供は大人のミニチュア版ではありません。例えば、子供は身体に対し頭が大きく、胴体も細いです。また体が小さいのになぜか子供は字を大きく書きます。それは筋の調整と連動がうまくいかないので細かい作業が苦手からです。その一方で立位のバランス自体は大人とそれほど変わらないぐらいうまくできます。

ということは子供の世代の柔道は勝利のためには大人時代とは違う戦略が求められるということです。早すぎる最適化とはこの子供時代の勝ち方に最適化してしまったが故に、大人になって本来行き着くレベルまでいけなくなってしまうことを指します。つまり器が小さくなってしまうということです。

柔道はそれほどではないかもしれませんが、日本人が海外の試合に出てよく聞かれる質問は「日本人は10代ではあんなに強いのに、20代になってからなぜ弱くなるのか」です。要するに若年層の時代にトレーニングをしすぎて、大人になった時に世界とは戦えなくなっているというのが現状だと考えています。

欧州で中高の全国大会が禁じられた時のロジックは「子供たちはスポーツを楽しむべきであり、それは試合に出ることで補欠で試合に出られないことや過剰に勝利至上主義に走ることは避けなければならない」というものだったそうです。全国大会は勝ち抜き戦の構造を作り、敗退と補欠を生みます。

日本のスポーツは全てが「選抜システム」であると言われます。それは全てが才能を発掘する目的に向かっていて、全ての子供がスポーツを楽しむという視点の欠如に向けられた批判です。一方で勝ちたい子供を制限するのかという反対の声もあります。勝負は大切で勝ちたい気持ちも大切ですが、それには上限があります。私は早い段階で日本一になりましたので、離脱していく選手をたくさんみてきました。そのような選手にある特徴は本人より周りが興奮していることです。親と指導者が選手の才能に興奮して舞い上がっている場合、その選手の才能が潰れる可能性が高くなります。なぜなら勝ち抜く上で最も重要な主体性が損なわれるからです

99.9%以上の選手はオリンピックに行けません。アスリートで食っていけるのもそのぐらいの確率です。ほとんどの選手はアスリートという職業にはつけません。だからこそ競技から学んだことにどの程度の普遍性があるかが重要になります。では普遍的な学びとはなんでしょうか。

それは少なくとも自分が何をしようとしているかを知り、何が起きたかを理解し、どうすればいいかを考えることができることで成立します。リフレクションです。ただこの能力は育つのに時間がかかります。若年層だけで活躍させようとするならば、この手順を省く方がうまくいきます。つまり言われた通りやる人間を作ることです。しかし、このような選手は引退した後、苦労します。自分の体ではある程度のことはしてきたわけですが、一体それがなんだったのか本人がわかっていないからです。考える力が育っていません。

以上の理由から、小学生の全国大会の廃止には賛成です。

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まさに、クライミングで、現代の初心者に教えようとしていることが、

・言われたとおりにやる

・主体性を重んじず、リフレクションをさせないため、考える力がない

のように思えて仕方がありません。10代、20代のみならず、30代、40代、になっても、選抜システムで登ろうとしています…。

その挙句、50代、60代で力が下り坂に入っても、自尊心を維持するために、もっと登れない人が必要になるというわけです。

行縢のクライミング3.0

以下引用…。こういうのを知らないから、変なことになるんじゃないですかね?

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 行縢山

Hideji(ヒデジ)

5.11d  6P  175m

行縢のマルチプロジェクトを完登する事ができた。

自分の開拓ルートでこれほど11の連続するルートを開拓したのは初めてで、全体を知っていてもトライは緊張した。

各ピッチそれぞれ個性的なムーブで楽しめると思う。

アルパインヌンチャクは4本程度は必要。

C0.75以下はZ4もしくはマスターカム推奨。

1p 5.11a 20m

B2 C0.2〜3

ヤブ君のハートランドと共通ピッチ

ハング越えからがバランシーで面白い。

2p 5.11d  40m

B12  アストロナッツ C0.2〜0.4+C2

我慢のカチフェイスで足もパンプする。

3p 5.11c 30m

B5  C0.2〜0.75+C0.5+C3

ボロいフェイスから硬いハング越えの後に、オノルディングトラーバース。

4p 5.11c 25m

B5  C0.1〜0.75

ヤブ君のハートランドと共通ピッチ

スラブ、フェイス、クラックと多彩なピッチ

5p 5.11a 30m

アストロナッツ C0.2〜3+0.5

簡単な階段後の凹角がピリッと緊張する。

6p 5.10c 30m

B1  アストロナッツ  C0.2+C0.3+C0.75〜2

ここまで来て落ちたく無いが威圧感がある。

ちなみに手と上腕と背中はつった。

早めにトライしたい方は連絡頂けたら詳細案内します。

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クライマーのための栄養学

 ■ 体調が悪い

膝の痛みが引かないので、クライミングは休業中です。しかし、クライミングの代わりに始めた自然農で、食生活が健全化するかと思いきや、なんだか炭水化物食に偏ることで、血糖スパイクの乱降下ではないか?と感じる倦怠感が増えました…

少し栄養を見直そうと思って、調べた分子栄養学で、最近、こういうことだったのでは?!というひらめきが得られそうですので、分子栄養学の知識をまとめています。

■ メタボになったら登れない

クライマーが食事を考える理由というのは、ただ一つです。

  メタボになったら登れない。

登れないという言葉の中身は、かつて登れたところも登れない、ということです。

オリンピックの選手になるような人でも、一般クライマーでも、老い、は同様に訪れます。

老いの速度と老いからの落下距離が、それぞれ違うだけです。

 オリンピック選手: 5.15から落ちる  落ちるスピード遅い 落ちたところ5.12 

 一般クライマー : 5.12から落ちる  落ちるスピード速い 落ちたところ5.9

大人になってスタートした私のような人は、ピークグレードが5.11ですし、30代後半、40代後半になって身に着けたスキル=潜在意識化になっていないですから、失うのも早いでしょう…

もっと一般的な30代でクライミングをスタートした男子の場合、5.12が登れるようになっても、まだ俺も5.13まで行けるのでは?と考えて、日々、涙ぐましい努力を重ねているかもしれません。

どちらのケースにも、十分な栄養、というのは、欠かせないわけですが、日本の食の常識は、2000年代以降、世界から後れを取っており、運動選手と言えば、焼き肉×ご飯大もり、から、脱せていません。

40年前に大学山岳部だった人が当時の記憶を復活させて、山に一升瓶×キムチ鍋宴会とか焼肉宴会を持ち込んでいる、というのが実態なわけです…。

それでは当然メタボになるでしょう…

⇒ メタボになれば登れないでしょう...

⇒ 登れない俺は認めたくない自分の姿でしょう...

⇒ 勢い、さらに登れない奴を見つけて、自分をホッと慰めるという行為に走りたくなるでしょう

⇒ その場合、一番都合がいいのが、女性クライマー

⇒ その次に都合がいいのが、新人若者クライマー

⇒ 新人=アルパイン教育を受ける機会のない、現代の若者…を捕まえて、「お前はローワーダウンすらできないのか(俺の時は…と暗に自己満)」と馬鹿にすることに執心したくなるでしょう...(教えない心理)

⇒ その場合、根本解決は、アルパイン教育を与える、であるにもかかわらず、登れない自分の自己弁護のためには、もっと登れない奴が必要…という不健全な心理ニーズによる悪循環が起こることになり

…これが、日本のアルパイン教育界に起こっていることでしょう…

(圧倒的に少ないアルパインを教える人) vs (自分の40年前の価値観を押し付けるベテラン)

という現象は、このような心理メカニズムで起こっていることでしょう…

■ 私ができることは何か?

このような現状を見つめた場合、私ができることは何か?というと?

基本的なロープワークを教えたり、グリグリ登りを教えたり、登山ガイドの仕事をやろうとしてみたりもしましたが、そもそも、私は独学で優秀な人なのです…。英語も一人で勝手に話せるようになりましたし…

自分が何も言われなくても、知識を求め、ビレイを習得するためにだけに人工壁に通い、支点のためだけに岩場に偵察に行き、自分で自分の経済速度を山で測り、毎朝歩荷し、読図を身に着けようと山に通うような体質なので、受け身で1から10まで教わろうというような人たちが、何とも解せない、という状況に陥りました。つまり、やってらんねー感満載、ということです。心の健康に悪い。

しかし、栄養学なら、とりあえず、自分のために知りたいことでもありますので、大丈夫。

というので、このサイトでは主に栄養学について学習した成果をまとめていきます。

メタボの往年クライマーの方、まだスキルアップしたい方、トレーニングで疲れを残したくない方、みんなに役立つと思いますので、よろしくお願いします。

■ 故・吉田さんとの思い出

吉田さんと登っているとき、糖質制限をしたクライマー達と出会いました。

筋肉=タンパク質、ですので、糖質ではなく、タンパク質が運動には必要だというのは、その通りなのですが、行き過ぎた糖質制限は、腎臓、肝臓を傷めます…間違った糖質制限で、短命化するのは避けたいところです。

一方、世界は、肉食ではなく、非肉食に傾きつつあります。アレックス・オノルド君がビーガンであるだけでなく、シュワちゃんもビーガンですし、ウルトラマラソンに出るような人でもヴィーガン化しています。

しかし、単純に肉を抜くだけのヴィーガン化は、栄養欠乏で、パフォーマンスの悪化を招く可能性が濃厚です。

私は、もともと指導歴6年のハタヨガインストラクターでもありますが、ヨガ界では、食事は、インドの伝統で牛乳以外を取り除いたベジタリアンですが、かなり栄養的に気を使った食材を使います。例えば、豆の多用です。

ベジタリアン食であればあるほど、プロテインの摂取には非常に気を遣うということです。その他スーパーフードと言われる、スピルリナ、キヌア、ココナツなどの特殊な食材を常食する、というのも特徴です。

一方の、一般的なクライマーの食生活のほうを見ると、

・家族にお任せ

・コンビニにお任せ

であることのほうが標準のようで、自己責任、とは非常に縁遠い状態のように見受けられます。

登るのは自分、登る自分の体は自分、であるにも関わらずです。

そのような状態を克服していく、ということ

 =主体的に自分の食を栄養の面からも選んでいくことができる状態

を目指していくこととします。

      ビーガンと非ビーガンが選べるグリーンクライマーズホームの食事

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