2018/05/17

Alex Honnold Japan Rock Trip



アレックス君が平山ユージさんと日本の岩場へ来ている図。あの、フリーソロのアレックス君だって、スポーツクライミングの岩場が楽しいって言っているくらい。

やっぱりラオスは楽しいでしょう!

2018/04/27

グレード不明の課題

そういえば、ラオスで今回、ひとつだけ全くグレードがつけられていない新課題を登った。

見て、登れそう、と思って。

ビレイヤーは全くの初心者の人だったが、別に怖くなかった。登れて当然の感じだったし、ダメだったら、ヌンチャクセルフとおもっていたので。

登った後、「グレードはどのくらいと思う?」と聞かれ、「うーん、5cないくらい?」と答えた。泥っぽくて嫌らしかったが…。

その課題を再訪したら、5bって書いてあり、やっぱりなーと思って、ちょっと気分が良かった。


先輩の役目

ラオスでは脳内ホルモンが出て、クライミングが楽しくなった。

ラオスでは、パートナーに”ひどい目”にあわされている私を、トニーがレスキューに来てくれた。

”ひどい目”というのは、したくないことを強いられている、と、周囲のクライマーの目には映っていたようだ。

それは、私が、したいと言っていないのに、リードを無理強いされていたり、登れないほうが下、という風な関係性で登る羽目に陥っていたからだ。

そもそも、私自身も、なんでビレイヤーで呼ばれて行って、その人のビレイのために、来てあげているのに、いちいちリードを強いられるのか分からなかった。つまり、一緒に行っていた人は、

山岳会の伝統

と同じことをしていた。

しかし、私はその人の会の後輩ではないし、来てくださいとお願いされたから行っており、なんで嫌だと思っていることをしないといけないのか?と感じた。

たぶん、私は苦虫をかみつぶしたような顔をしていたと思う…楽しい海外クライミング♪ではなく、忍の一字。

そこで現れたのがトニーで、彼は日本語がペラペラだったので、グループで登るようになり、リードを強いられなくなり、最終的には、トニーのビレイで、6A(5.10A)をリードで登って、レッドポイントできた。

その後、クライミングの楽しさは一気に向上した。

最初に山を教わった先輩は、したくない人にリードさせてはいけないと教えてくれた。

初心者時代は、自分がリードできる課題が、どれなのかよく分からない。

ので、先輩が「これ、リードできると思うよ」と言ってくれた。瑞牆のツルカメで、初めてクラックをオンサイト出来たのは、このアドバイスのおかげ。

そういうアドバイスは感謝している。が、これをリードしなさいと強いるのは、クライマーを育てるのにあたって、逆効果だと思う。

この逆効果が、山岳会に蔓延していて、それで、万年フォローが出来上がってしまうのではないだろうか?

私はクライミングは楽しくあるべきと思うので、自分の後輩がリードを怖がっている場合は、楽しいと感じられていない、という意味なので、グレードをどんどん下げることにしている。

コニーの場合は、5cをトップロープさせて、できなかったので、5b、5Aと下げて行き、4まで行ってリードになった。それでいいと思う。十分、4をすれば、じきに4には飽きて、5Aに行くんじゃないだろうか?

飽きて、というところが重要なのかなぁ…???

全くの初心者時代の、三ツ峠などは、私がリードしたところをフォローでついてきた先輩が「よくこれリードしたね」と驚いていたくらいで、私の安全マージンは、当時は先輩が、そうあるべきと感じたマージンより狭かったようだ。(たぶん今は広すぎ。もちっとギリギリへ行くべき)

これはこれで、安全マージンが狭いと、先輩としては、「この人、こわいなー」と思うはずだが、それを受け止めてくれるのが、先輩の仕事、っていう気がする。

私は、その仕事はやれる自信がある。

2018/04/23

グランドフォールを見た

昨日、四阿屋の岩場で、グランドフォールを見た。インディアンフェイス 5.10bで。

友人談。

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四阿屋はトポよりワングレード高いと言われているから10bが11bぐらいのグレーディングだったかもしれませんね
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■ グレードではなく、目視で判断する

最初の師匠は、グレードを追いかける山が嫌いな人だった。

だから、私がクライミングジムに通い始めると、嫌味を言っていた…。それが、なぜなのか?私にはわからなかったが、

それは、このような事故を防ぐためだと、今、分かる。

グレード依存症

になっている人だと、

・ジムで5.11bが登れるから、のノリでピッチグレード4級の本チャンに出かけてしまう

・5.10bなら登れると思って、登れない課題に取り付いてしまう

昨日のグランドフォールでは、登っていた人は、1ピン目でヌンチャクを掴む、Aゼロしていたので、3ピン目で落ちるのは必然だったかもしれない…

3ピン目から出ているロープ長は、グランドスレスレの長さ。手繰り落ちるとアウトだ。

しかし、ワングレード辛いの意味が、10b→10cではなく、10b→11bとは…

■ 岩のルートファインディング能力を磨く

でも、トップロープで取りついてみたら、昇仙峡でやった11bと近い感じがしたので、私のグレード感覚は、あながち間違っていないことが、せめてもの救いか。

大事なことは、自分の目で見て、自分が登れるか登れないかの判断力をつけていくことである。

まぁグレーディングが当てにならない、ということを考えると、自分の目で見て、登れるか登れないか?を判断するという格好のトレーニングなのかもしれない。

岩のルートファインディング能力を磨く、


ということだ。

クライミング用語では、オブザベーション。

実は、オブザベはあまり好きでない。のは、未知が好きだから、取りついて、それから、考える派。

でも、見て登りたいかどうかを決め、それが大体あっているのは、大事だ。

よし!テーマは、ルートファインディング能力、オブザベ能力ということにしよう。

■追記

この時みたグランドフォールでは、腰椎3か所骨折で、11月現在も療養中だそうである。

ここはベテランによると、5.10dではないかとのことだ。

2018/04/21

雌鉾岳 スラブ登攀 長征ルート

 さて、翌日(4/16)は、大快晴での幕開け。

気分が嫌がおうにも盛り上がる。6時起床、8時出発とした。

鹿川キャンプ場から普通に登山道を上がる。岩場巡りの勘が、小川山での偵察山行などで、すでに培われていて、よかった。数年前は、岩場に行く前にその山の一般登山道を歩いて概要を把握していた。

ここは、雰囲気は、瑞牆のカンマンボロンを見に行く道と同じ感じだ。右に沢、樹林帯を行くと、だんだんと岩が迫ってくる、と思ったらもう岩の基部。

比叡も、雌鉾岳も、地権問題がなく、標識が整備されているのが良い。

30分の歩きで、すぐに美しいトラバースルートのとりつきについたが、不安だったので、もっと先に行ってみる。すると、鹿川の大滝に出た。

ぱっくり岩という岩があるところも近いらしく標識が出ていたので、しばし、遊ぶ。

沢がきれいだった。本当に瑞牆っぽい。

大滝は圧巻の眺め。岩場も大きな一枚岩のスラブで、本当にインスボンみたいだった…


 こんな風なおおーという眺め… 盛り上がる。

 いや~素敵な場所だー

新緑もすがすがしく、鹿川キャンプ場に、夫とハイキングでまた来よう!と思う。
 パックリ岩。
 こんな大きさ。
 すいません、これはもう山頂。雄鉾岳の岩は垂直で取りつくしまなし!
 山頂、終了点からの眺め。

雌鉾岩は、登攀しなくても、山頂に立てる。が、岩のマルチピッチで山頂に立った時の感動が大きい山だ。
 山頂の様子。
 これは、アケボノツツジ!とても可憐でかわいい花だった。
洞窟になっている!水も澄んで、まさにカサメリ沢みたい!

というか、ほんとにいいところだー














さて登攀の様子を書き留めておかなくては…。

岩場の基部で、とりあえず、リードしますと申告。なぜなら、1ピン目が見えたからであるが…その次が見えないくらい遠いので、まるで1ピン目の意味なし。

だが、スラブは寝ていて、これは、インスボンだったら、アプローチ扱いの場所だなと思う…。韓国のクライマーはザイルを出さないところ。もちろん、私は出してもらったが…。

ので、これくらいはリードしなくては…。去年になってしまうが、小川山スラブでは一皮むけていたんだしね!

というので、1ピッチ目で朝一リード。ロープが重かったので、ビレイしている人のほうが緊張していたに違いない。

が、怖かったので、すごく急いで支点まで行ってしまったのだった…(笑)

2P目は相方リード。強つよクライマーでも、やっぱりリードは真剣。易しいところでも手を抜かず、見直した。

3P目は再度私のリード。つるべは早いね~と相方うれしそう。3P目の出だしで、フレークに小さいカムをかませるが、フレーク自体が浮いており、あんまり役立った様子はない。でも、取れるところでとらないプロテクションはかっこ悪いので、とりあえず取る。

が、トラバース気味で、あんまり…大きな木の根元でビレイ。

4P目相方。トラバース。

5P目は大トラバース…まぁ比較的大きな負っとスタンスがあるのであるが、何しろピンが遠い。2本くらいしかない。しかも気休めちっく。

6P目相方。で美しい‥‥は終了する。

7P目は、大滝左とつなげるバンド歩き。ここのトラバースは、先ほどの大トラバースより楽だったので、ダブルの流れをヌンチャク2個賭けで流すことをしなかったら、流れず、セカンドのビレイが大変になった。自分のせいなので文句は言えない。

さて、8P目の大滝左を見上げると、5.6のスラブなのに、とてもそうは見えない。かなりピンが遠い。相方リード。

9P目は、5.7で出だしが核心、しかも屈曲も激しい…相方にリードを変わってもらう。ロープを裏返して、ビレイ体制へ。

10P目は、3の坊主の下から、2の坊主、1の坊主の間へ。トラバース。ロープが流れずピッチを切る。ロープをつないだまま、確認のため、1の坊主のほうへ行ってみる。岩角でビレイ代わりにする。

11p目は、岩のてっぺんへ登るクラック登り5.9だが、ボルトは一個しかなく、ほぼフリーソロと同じ。

粒子が荒く、手が二人とも血だらけに。

これで終わりだった。山頂は、金峰山五丈岩って感じだった。ところどころに穴が開いており、雨水がたまっている。

山頂で少しのんびりし、行動食を食べる。素晴らしい眺め!隣の雄鉾岳だろうか、岩の壁がすごい!

後ははしごを降りて、一般登山道で帰るだけだったが、これもまた不明瞭なところがところどころあり、たまに獣道へ。そのたびに、これは一般登山道の感じじゃないなと補正して戻る。

こういうのは、読図の山や、沢山行などで、培った、大地に対する感覚のたまものだ。

しかし、九州の一般登山道は、本州よりも、迷いやすいみたいだ。

途中に巨大なサルの腰掛などを見つけたり、美しいアケボノツツジを見つけたりして、癒されながら下る。

スタートは10:30.15:00トップアウト、17時30下山完了。

2018/04/20

心理的トラップを避ける

■ 心理的トラップ

”山をする”という”山ヤ道”には、あちこちに心理的トラップが仕掛けられている。

それらを避ける、ということには、ある種の自信がある。

最大の心理的トラップは、

  俺(私)のことを世間に認めさせたい!

という名誉欲を起源にしている。これは、一昔前の山のスタイルでは、肯定されている。しかし…

そんなことが重要か? 

答え) 全然、重要じゃない。

世間に俺を認めさせるためなら、死んでも結構!と思う人でない限り。

なので、私は、ほんの少しでも、

 競争心

を煽られた場合は、その山をお断りすることにしている。ラジャスな山はしない。

パートナーの競争心や名誉欲に付き合っていたら、自分が死ぬ羽目になるのは、歴史どころか、身近な友人の死が証明している。

しかし、自分を認めさせる相手として、重要な人が、一人だけいる。

 自分だ。

自分で自分に負けないということは唯一重要。なので、

 闘争心

は、多少必要かもしれない。と最近、考えを改めた。

 強い心

と言ってもいいかもしれない。

その(強い心)と(適切な判断力)のバランスが、山の醍醐味。

平たく言えば、ただの無謀になるか?チャレンジになるか?ということだ。

■ 事例

トレーニングはしていない、すでにメタボ、酒は飲む、予習のゲレンデでは、3手で腕アップ、みたいな人が、阿弥陀北稜というのは、ただの無謀。

それを止めない山の仲間。これは、心が広いのか?それとも、仲間としての役割を果たしていないのか?

どちらか知らないが、私自身は、相手が自滅的な行為を取ろうとしたら、それを指摘するのが最低限、パートナーとしての務めと考えているタイプのクライマーだ。悪しからず。

岩との絆を作る

■ 雪は怖くないけど、岩は怖い

私は雪で山を始めたので、雪の急斜面に対する恐怖心は、あまりない。だが、岩だと怖い。

岩は、なぜ怖いのか?

雪だって大怪我につながるし、ちょっとした失敗が命とり、ということは同じ。

一つには、上半身の筋力で自分の体重を支えることに自信がない、ということがある。

しかし、この数年間、絶賛取り組み中で、ラオスでは成果を感じている。

結局、岩で  

  未知の要素 

が出てきたときに、自分にそれに対応する

 対応力がない、

と感じている。

つまり、ムーブの引き出しがない、ムーブの代替えになるパワーもない、って意味ですね・・・

要するに、岩との絆を築き損ねている…。(というか、築いている途中)

なので、岩との絆が築けたな、と感じるまでは、やっぱり岩をしないといけないのだろうな、と。

それをデシマルグレードに直すと、大体の人のおおよその合意で、5.11ということになるのではないか?と想像しています。

それだけあれば、たいがいのところで困らないというグレードなのだろうと…。

私の中では、それ以上のグレードを追求するということは、イコール、フリーのクライマーになるってことで、アルパインのクライマーだったら、大事なことは、

岩との対話力、

ってことで、その岩との対話力を作るには、

 リードが必要

なのだと思う。

これがリードクライミングが岩の基本だということの真意なのではないだろうか?

2018/04/18

体力が揃う相手

先日、クライマーに「いつも年配の人と登っていることが多いよね」と質問されました。その通りなのです。

これは、
A)体力が落ち、リスク管理について熟知した男性クライマーと、
B)体力がそもそもなく、リスク管理について、女性であるためにそもそも非常に敏感な女性クライマー

が、体力&リスク管理面で、意識が揃うから、です。

女性は、誰でも、子供を守る本能があるため、リスクを一般的にだいぶ早めに認識します。やばいかもな、というタイミングが早いわけですね。

一方、円熟クライマーの方々は、大怪我は体験済み。もう一回大怪我したら、クライマー人生は終わり、という方が多いです。なので、一回の致命傷を負わないように、登っています。

体力も落ちて、若い女性と同じくらいに結果的になっているので、双方のスキルと意識が揃う感じでちょうどよいのです…。

若い男性だと、女性の体力レベルは推し量れない。

例えば、私と同年齢の男性クライマーとだと、筋肉量からして、私より10kg以上、歩荷してやっと同じ負担くらいになってしまいます。でも、誰でも当然ですが、自分ばかりが一方的に歩荷するなんて嫌ですよね。

※ちなみにメタボおじさん・デスクワーク組は除きます…最初から、脂肪の重り付きで歩荷よわよわなので。

年配の男性クライマーは、妻と歩いたり、娘と山を歩いていたりと、女性と歩いた山の経験値から、どれくらいで体力限界が来るか、など、データ量が豊富なことが多く、その点でも無理をさせ合わない関係が築けます。

というので、私のパートナーは、平日休みの関係からも、年配のクライマーが多かった事情がありました。

難しいのは、落ちている体力や認知力で、無理をさせない点でした…。

最初の師匠は、64歳でしたが、三つ峠登攀中にくも膜下出血…私だったら担げないので、慣れた仲間との間で起きた事故で不幸中の幸い。

2番目の師匠は大怪我の復帰後で、あまり長時間のビレイはさせられないし、寒さにも弱くなっていたので、アイスではリード練習は遠慮気味でした…。私のほうからは、「〇〇さん、無理をしないでね」といい、向こうは「お前はもうちょっと無理をしろ」という間柄でした。

私自身が先輩で、リーダー役の時は、”自分が無理なこと”は、絶対にしないです。仲間を守れなくなるから。しかし、それだと成長もできない。ので、背伸びの山をさせてくれる、体力や登攀力が上の男性の先輩は、ありがたい存在だなーとも思っています。

女子同士の登攀は、ちょっと憧れています。体力もリスク管理も、そろっていいのかな~と。

ランナウトと登攀力はセット販売

今回、鹿川の三澤さんからお話を聞くことができて、勉強になったのは、ランナウトのこと。

50mでⅢ級なら1本、4級だったらピン2本、5級なら3本、と中間支点を取るのに、基準があったらしい。それは、ランナウトに耐える部分に、価値が置かれていたから。

かつては、登攀は、名誉を求めるもの。

楽しむ、という対象ではなかった、ということなのだ。

本来、ロープをつけるのは、なぜか?

当然だが、落ちたときに確保されているためだ。この考え方では、1ピン目は近く、2本目も1ピンと同じ距離程度、3ピン目は2ピン目よりやや遠くても良く…、と、(ロープの全長)と、(最終支点から出ている長さ)が、

(ロープ全長)>(最終支点から出ている長さ)
という関係に常にあるように、支点を作る。(余談だが、これはアイスでリードすると誰でも分かる)

しかし、ランナウトしている岩場では、このような、オーソドックスな考え方は、全くされていない(笑)。

単純に4級は落ちないので、中間支点は基本的に要らないでしょう、しかし、とはいってもゼロ個では、ロープをつけている意味自体がゼロなので、申し訳程度に打ちましょう、ということなのだ(笑)。という事情で中間支点は形骸化。

ので、

 ランナウトした岩場=絶対落ちないスキルとセット販売。

ということが分かったため、今回、奇数ピッチをリードしたのは、絶対落ちないスキルがあるということで、ほっとしました(笑)。

私にとっては登攀力は最低限身につけないといけないスキル的な、ノルマ的な感じなので…。

2018/04/17

比叡&ニードル

■ 比叡

■ 個人山行で

比叡という言葉は、本州にいるときから聞いていた。楽しい岩場らしい、ということで…。漢字もかっこいいし、一度聞いたら忘れない。それで、興味の糸口はあった。

その後、こちらに来て、比叡の岩場に行く機会があったが、寝坊敗退。恐怖もなく、トポも読み、食料品などいろいろ買って、用意も万端だったのに。

私は偶然を偶然とはみなさない。これは、しばらく待ちなさい、という神の啓示と思ったのだった。

今回、会山行ではなく、個人山行で行く機会ができて、あの時、行かなくて良かった、と思ったのだった。

というのは、私は未知を楽しみたいから。

会山行で、調べないで行くと、それは依存。
個人山行で、調べないで行くと、それは自信。

本当にやばい時…自分のスキルを上回る登攀で死ぬかもしれない、というようなときは、虫の知らせというか、行きたくないと直感で分かるものだと思う。今回は、それはなく、ただ楽しみにしていただけだった。

■ ニードル左岩稜

ニードル左岩稜については、フリーで5.12登る女性が気に入っているルートだという話だったので、これは、難しいルートでは?という気がしていた…ピッチグレードを見ると、VII級で易しそう(後日談:ピッチグレードⅦ級は大変難しいです。『宮崎の岩場』にはⅦ級=5.10cと変換表が出ていますが、RCCとデシマルの返還には大いに議論があり、この表をまともに受け取ることには疑問があります)だが、私がリードできるかどうか?というのは、行ってみてみないと分からない感じ…しかし、いつも一緒に登っている人で、私の登攀力を見てわかると思っていたので、あまり心配していなかった。何年間か、通してみてくれている人とだと安心感がある、ということもある。私が、5.9もまともに登れないで、人工壁3mで落ちている時代から知ってくれている人だ。

しかし、クライミングというのは、なかなか成長しないし、成長するときは、一気にプラトー脱出だ。一皮むけたね、と言われたのは、去年の城ケ崎、ラオスの後だった。が、そこから、まだまだ先があり、2度のインスボンとラオスでの自立したクライミングでは、1回目のラオスほどの、脱皮はしなかったのかもしれない…そこまで成長感、脱皮感はない。特にクラックは、接する機会が乏しく、スキル減退気味。

朝は、ひとっ走りだが、福岡を出るのに、だいぶ時間がかかった…トンネルの料金所(310円)を過ぎてからはすぐで、あっという間だった。今回は待ち合わせ場所ですれ違い一回。車は安全を見て、ガレージに入れさせてもらう。宿泊で、シュラフがいるよ、と声をかけておく…。

千畳敷へは運転は交互に。途中、コンビニによったり、道を間違えたり、と、いろいろあったが、無事、登山口へ。千畳敷展望所へ続く登山口には、トイレがあった。(がペーパーなし。)

ギアを支度する。私もカムを一式持っていったが、ワンセットでいいだろうということで、不要だった。

千畳敷からは、ニードルが、山のシルエットの内側に入り、ニードルらしさが減じて、重なって見えてしまっていた。

とりつきの位置を探すのに、しばらく岩を観察する…。うーん、登れるのかなぁ?見てもわからない。

とりつきへは、一般登山道を15分ということで、登山道を登ると、すっかりあったかくなる。しばらく山を歩いていなかったなぁ…。 健康に良い山歩きを再開しなくては。

虎ロープが張られているところを超えて、クライマーの踏み後を辿る。クライマーの踏み後は登山道よりも薄く、踏まれていないところより濃い。その加減を言い表すのは難しいが、確実に一般道ではない感じは確かだ。

すぐにフィックスロープが出て、メタボチェックのような岩の隙間を通ると、すぐにとりつき。一番左が、ペツル。真ん中がダブルフレーク。右はノーマル。

ペツルが魅力で、スーパーにとりつくことに合意するが、これはスーパーだけに、なかなか厳しいスタートだった。フリークライミングの力が必要。

ニードルは、ともかく風が強く、寒かった。ウィンドブレーカー的なものを二人とも来ておらず、寒い。私はクライミング用のザックにジャケットが入っているがビレイ中で手が離せない。

 ニードルの登攀は、やはり難しく、私のリードはない感じだった…。最近アップアップの登攀はあまりない…確実感で登っているので、久しぶりのアップアップ感がある登攀。

3P目ではコールが聞こえず、ロープも動かないので、しびれを切らせて、ロープクランプで自己確保して登る。





ニードルのてっぺんで、寒く、ロープをまとめず、1本で懸垂したら、ロープジャムを直すのが大変だった。懸垂そのものは、まぁ大丈夫だった。途中でステミングで隣の岩に飛び移る。3mほど横移動して、登攀開始。

Aピーク正面壁も3Pだが、これも難しかった。最終ピッチの出だしは、3回落ちて、あきらめて人工した。とてもV級-、5.5ではない。どう少なめに見積もっても、5.10bは最低あるムーブで、フットホールドはなく、薄いフレークにジャミングか、ガストンで足は外にステミングで突っ張らなくてはならない。

 フットフォールドがないので、腕力が必要で、これは疲れていなければ登れたかもしれないが、すでに最終ピッチで疲れていてダメだった。

合ってよかった、自己脱出技術という感じ。久しぶりに使った技だ。


 これはすでにAピーク終了点から。

終了点には、リングがあった。少し行くと、立派な松の木に残置のスリングがかかっていた。こっちはブッシュがない。

本峰はまだあり、踏み後が見えたため、歩いて行けそう、と提案するが相方は北面を懸垂で降りたいそう。

北面はブッシュが出ていて、とても降りれそうではない。

ので、元来た道を戻ることに。サマーホリディというルートの基部に降りるそうだ。

しかし、ロープを投げる方法は、ブッシュに引っかかってそれの解除が大変…

3Pの懸垂だったが、3P目は束ねていく…。やっぱり懸垂は、場慣れだなぁという感じだ。いろいろな方法を知っておくと、時間が節約になる、ということなのだ。

最後の懸垂は、もうスタートからブッシュ。途中で落石を踏みそうになり、ひやり。というのは、下で待っているトップはヘルメットをかぶっていないで腰にぶら下げていたからだ。

ブッシュのとなりには、なーんだ、岩が出ていたのだが…そこを降りるにはどうすればよかったのだろう…。

さて降り立つも、まだまだ先が。ここはサマーホリディのとりつきなのに、下は、みじかい懸垂が必要なのではないか?というくらいの傾斜。ふと横を見ると、踏みあと。

クライマーの踏み後が当然あるはずなので、それを辿ると少しで虎ロープに出た。ほっとする。あとは登山道を降りるだけだ。

ところが薄暗いのと、沢地形であることがあり、踏み痕を外してしまうこと数回…

やっと元のザックを置いたところについた。アプローチシューズをもって上がらなかったので、足の痛みが限界。

さっさと車まで戻り、下山報告を。

あとは、庵・鹿川まで行くだけだが、これがまた場所も連絡先もわからず、難儀した。

が、車中泊もできるので、まぁ。那須商店へ行くことを思いつき、向かったら、奇跡的に電気がついており、おばちゃんが店を開けてくれ、二人で3000円相当のお買い物。

隣が庵だった。

庵では三澤さんが待ち構えており、お風呂を沸かしてくれていた。五右衛門風呂。

少しお話もしてくださり、深謝。


比叡&雌鉾岳

■ サボり?ゆとり?調べないで行く?

比叡&雌鉾岳は、初めて行く岩場でした。

1)トポだけを頼りに、
2)自分たちの調べられる範囲の情報だけで、なんとかする、いうタイプの山で、
3)登攀が含まれる山

は、私にとって、北アの明神主稜以来です。乾徳山旗立岩もか。しかし、なぜか、今回は、不安なく、ルンルン気分で、行きました。

…というのは、

1)相手が知っている人で、
2)自分より登攀力2、3ランクくらい上
3)ロープワークや下降、読図、運転などは、私がフォローできそう(私の意見を無視しない)
4)ちょっとしたミス(試行錯誤という)に、イライラしない、おおらかな性格の人、不安がるタイプではない

と分かっていたからです。実は、情報が乏しく、

・ニードル左稜線は人気があるが、フリークライマーに人気があるのであって、アルパインの人は、第一スラブとかだし、もしかしてトポに表れているよりグレードが辛いのでは???
・庵・鹿川の人と連絡がが取れず、場所も不明で、辿りつけるか?不安
・トポに下降が詳しく書いて無く、岩の3Dの姿が理解しづらく、下降(敗退)に不安
・トポのグレード感で、登れると思ったところを登っても、いいのか?

でした。

岩の登りも、山も、

 未知の部分

を自分たちの力で解決するのが楽しいのに、未知の部分を異様に怖がる人だと、何もかも、予定通りでなければ、精神的に動揺したりします。私はそういう人と行くと、未知の部分を楽しめないので嫌なのです。最低限、自分の身を守るスキル、ビバークとか、衣類とか、懸垂下降とか、ちゃんと携帯電話を持つとか、そういうことを達成したら、あとは、あまり調べこまず、未知の部分を楽しみたいなと思います。

が、これは、加減が難しく、全く何もかも相手にお任せ、の人と一緒だと、”何とかしてあげないといけない側”になってしまうし、”なんとかしてよオーラ”を出す人もいます。

それどころか、”どうしてくれるのさオーラ”を出す人もいるので、そういう人とだと、あまりにも、計画通りの山しかできないことになる…。

今回は、あまりベータを調べずに行って、その結果、分かったことは

《ニードル左岩稜》

・ニードルは超風強い。そのため声も聞こえない。すごく寒い!ウィンドブレーカー必携!
・下降は下降点が不明瞭。不安があったので、同ルート下降とほぼ同じサマーホリデー側から下降したら、ブッシュが多く苦労して、下降にだいぶ時間がかかった。
・ここはフリーでフェイスの相当のスキルがないと、リードは厳しい。突破力が必要なところが、登り始めなど、落ちれないところにある。
・ダブルじゃなくてシングルでもいいのかも。

《大長征ルート》
・ルートが錯綜して分かりづらいと思ったが、その通り
・スラブはインスボンよりもノーピン区間が長い
・登攀終了してから、一の坊主と二の坊主の隙間までのトラバースは2級だが、ザイルは必要、どこか支点にロープを通してさえいれば、簡易的なビレイ、グリップ程度で良いのでは? 屈曲が多くロープが流れない。
・隙間で、最後に短いハンドサイズのクラックが出てきてトップアウト 体感5.9
・下降は登山道だが、登山道がまた分かりづらい。薄い踏み痕が多い、荒れた登山道で、数回、獣道へ。
・ダブルが良いと思う。弱点を突くクライミング
・大滝左ルートの最初の5.6も5.7も、ショートの5.9は、最低ある感じで、かなりピンが遠い。出だしが核心で落ちれない。

■あってよかった自らを助ける技術

今回は、あってよかったロープワーク技術&総合力って感じ!!

・ニードルでコールが聞こえず、ロープアップもされず、ロープも動かないので、しびれを切らせて、登攀。とはいえ、そのまま上るわけにはいかないので、自己確保をロープクランプでとりながら、ニードル最終ピッチをセカンドで上がる。上がったら、やっぱり聞こえていなかった。たるんで余ったロープは、ループに巻いて回収しながら登攀したので、登攀がグレーディングより難しくなった。
・ニードルのてっぺんでの懸垂で、寒かったので、ロープワークが雑に。結局、きちんとたたんだほうが早かったと理解。
・ニードル終了し、正面壁へ最終ピッチの出だしは、フリーで超えられず、3回落ちたので、あきらめて、エイド。エイドもスリングで鐙を出すだけだと無理で、プルージック登攀も併用。あってよかった登り返し技術。ここは、デシマル変換で、5.7ならリードできるんじゃないか?などと、甘く見ていたところでしたが、一目みて、無理と思いました。フットスタンスの位置がどうみても、5.7レベルじゃない。ぬんちゃくはセカンドだったので、もっていなかったので、スリングで切り抜けました。こんな登攀をしたのは、初めて連れて行ってもらった小川山のクラックで登れずエイドに切り替えたとき以来…  屈辱(笑)?

雌鉾岳
・一般ルートの地図を持っていくべきでした。ゲレンデ感覚で、下降も明瞭だと思って調べずに行ったので、なんとなく歩いていると、薄い踏み後に導かれ、ルートを外すこと数回。毎回すぐに気がついて補正しました。山歩きの経験値のたまもの。
・一枚岩のスラブが素晴らしく、ほんとにインスボンみたいでした。登攀はインスボンより、若干易しかったと思う。クラックはほとんどなく、スラブのみ。スモールカムで支点構築したことが2回ありました。
・インスボンよりもランナウトはひどい

どちらも、適度なスレスレ感があり、楽しめた。ニードルの登攀は、アップアップ感がありました…(汗)最近アップアップ感があることよりも、確実感で登っていたので、久しぶりのアップアップ感でした…。

成長を実感する山で、なおかつ、山が素晴らしくきれいで、アケボノツツジ、ミツバツツジなど、お花がいっぱい。新緑が美しく、素晴らしい場所でした。

どこかに泊りこんで登攀三昧でもいいな、という感じ。


2018/04/09

5.10a オンサイトへ移行中

初夢 撮ってもらえてありがたい!
■ 5.10a オンサイト2個

昨日は2度目の日向神でした♪

■ 成績

愛のエリア
 夢中歩行 5.9 再登 MOS
 初夢 5.10a  OS

道端エリア
 スラブ 君のために 5.9 OS
     ルネッサンス 5.10b 3トライ 完登ならず
    
手前の壁 ビギナーズラック 5.10a MOS
               となりの新しい5.10b OS

ということで、なんか充実した♪

最初の初夢は、指がかじかんで大変でした…しかも、1ピン目遠い。

しかし、オンサイトはうれしいです。


愛のエリアは、この日寒かったので、2本で、そうそうに、暖かいとうわさの道端エリアへ移動しました。

道端のほうは、日が照って暑いくらいで、ウエアを脱ぐ… イチゴのような花がかわいかったです。スラブで5.9を登ったら、まぁ特に問題がなかったので、となりのルネッサンスへ… うーん。ワンムーブが出ない…。これは靴の問題もありそうでした。立ちこみに向いた靴とそうでないのがあり、今日は緩いアルパイン用しか持ってきていない。

■ 城乃井温泉 赤ちゃんの頃のデジャブー Hot Spring 250Yen!



私は菊池生まれ。(とはいっても、3つまでしかいない)

せっかく、その菊池へ行くというので、何か、アクティビティを足そう、ということで、菊池水源を訪れること、近所のおいしいお店、温泉、柚餅子、神社を訪ねる、などを考えた。

しかし、土曜日は、非常に寒く、また家事も、はかどっていたので、家を出るのがおっくうに…。

というので、出発が遅かったため、肝心のアクティビティをする時間はなく、用事であった、呼ばれていた会の総会出席になった。

が、いつもの習慣で早朝に起床。かつて、鹿島槍鎌尾根の時に、温泉は10時くらいからしか営業していないと思って、山で開店を待っていたら、実は7時営業の温泉もあった。

そんなこともあるので、ちょっとグーグルしたら、すぐにヒットした。

ので、そそくさと温泉へ。

いきしなにセブンで朝食ゲット。おにぎりが売っておらず、しかたないので、サンドイッチ。

7:00に城乃井温泉についたら、なんかデジャブー…。

どうも、赤ちゃんの頃に入った温泉のようだ。菊池神社に続く表参道に見覚えがある…。

入ってみると、温泉だけれども、生活感があり、銭湯と言ってもいい、地元密着感があった。数人がすでに入浴中だった。

入浴料も250円と安く、温泉は組み放題。菊池神社を散策もできるので、おすすめ。

ただ温泉水を組んだ容器が、紫外線で劣化していたらしく、持ち帰りの衝撃で、壊れてしまった… いつも入れている、タブバケツがあってセーフ…。

優れモノを持ち歩いていてよかった。

タブバケツは、冬は凍ったロープを入れるのに、ないと車がびしょびしょになってしまうし、無雪期はクライングのガチャ入れになっている(笑)






■ くねくねロードに辟易

いい気分で朝風呂の後、8時出発で、日向神へ。ナビに従い、ひどい目にあった。

堰堤の上を走るとは驚き
新しくできた道ではなく、どうみても峠越えの1車線の道を自信たっぷりに案内するカーナビ…。

以前、金峰山に行くのに、観音峠越えを強要されたことを思い出す…。登山口についた時点で、吐きそうだったのだった…。

落石注意なんて看板がある道を走るはずがないのだ。

とはいえ、無事についたが…

雰囲気は、奥秩父の一ノ瀬のようだった。人が去った山村という感じ。


けほぎ岩


たしか、甲府幕岩に行くときも、狭い林道に案内され、悲惨な経験を…(笑)。

よみがえる思い出…しかし、まぁ行けるところまで行くことに。

どうも取水地があるようで、水汲みの人が来ていた。空の容器がもうないので、スルー。今思えば、一口で言いから飲んでおけばよかった。水容器は複数必要。(焼酎の入っていた4リットル入りの取っ手付き容器が一番使いやすい)

調べてみるとカヌーが良い場所のようだ。

■ 八女祭り … 思わぬラッキーで三等賞

無事、日向神ダムへ着くと、なにやらお祭りのようで、トイレ休憩に入りたい、道の駅で、草餅や手作りのお漬物などを買う。漬物は、こうしたところ以外では、添加物満載すぎて買えないからだ。

ヨモギ餅は出来立てで、今丸めているところだった(笑)。

抽選権をくれ、三等賞を当ててしまう(笑)。わるいなー。ブルーベリーの苗木だった。

■ 基山PA

岩場では、無事、楽しくクライミング。

今回は、知っている人とだったため、量的にも質的にも、脳内クライミングパズルスイッチがオンになった。

帰りに、JAで野菜を少し買う。

こういうところで買っておかないと、福岡市内に戻ると、なかなか野菜が手に入りづらい。

高速に入ると、運転が退屈なのもあり、急激に眠気が襲ってきた…。あきらめて基山パーキングへ入る。

そういえば、今日は、血糖値が乱降下しやすいものばかりを食べたからなぁ…と思いつつ、また、コーヒー100円と梅が枝餅120円を食べてしまう。

基山PAは、九州各県の扇のかなめであるためか、各県のお土産が取り揃えてあった上、韓国語の記述がいっぱいあった。

韓国の人を案内するのによさそう、と思ったら、女の子二人グループが韓国語…。

どこから来たのかしら?と見やると大型観光バスが…。観光業界は、韓国人ツアーで荒稼ぎ中なんだよな~
 
あとは、渋滞につかまりつつも、7時ごろ帰宅。2時間ということで、まぁ小川山と変わらないかなぁという感じだ。

楽しく登り、充実した。今日は広背筋が筋肉痛で痛い。

・城乃井温泉 
・基山PA
・道の駅八女
・鯛生金山 中津江村 http://taiokinzan.jp/
・カヌー&カヤック http://gonature.jp/index.html