2018/04/17

比叡&雌鉾岳

■ サボり?ゆとり?調べないで行く?

比叡&雌鉾岳は、初めて行く岩場でした。

1)トポだけを頼りに、
2)自分たちの調べられる範囲の情報だけで、なんとかする、いうタイプの山で、
3)登攀が含まれる山

は、私にとって、北アの明神主稜以来です。乾徳山旗立岩もか。しかし、なぜか、今回は、不安なく、ルンルン気分で、行きました。

…というのは、

1)相手が知っている人で、
2)自分より登攀力2、3ランクくらい上
3)ロープワークや下降、読図、運転などは、私がフォローできそう(私の意見を無視しない)
4)ちょっとしたミス(試行錯誤という)に、イライラしない、おおらかな性格の人、不安がるタイプではない

と分かっていたからです。実は、情報が乏しく、

・ニードル左稜線は人気があるが、フリークライマーに人気があるのであって、アルパインの人は、第一スラブとかだし、もしかしてトポに表れているよりグレードが辛いのでは???
・庵・鹿川の人と連絡がが取れず、場所も不明で、辿りつけるか?不安
・トポに下降が詳しく書いて無く、岩の3Dの姿が理解しづらく、下降(敗退)に不安
・トポのグレード感で、登れると思ったところを登っても、いいのか?

でした。

岩の登りも、山も、

 未知の部分

を自分たちの力で解決するのが楽しいのに、未知の部分を異様に怖がる人だと、何もかも、予定通りでなければ、精神的に動揺したりします。私はそういう人と行くと、未知の部分を楽しめないので嫌なのです。最低限、自分の身を守るスキル、ビバークとか、衣類とか、懸垂下降とか、ちゃんと携帯電話を持つとか、そういうことを達成したら、あとは、あまり調べこまず、未知の部分を楽しみたいなと思います。

が、これは、加減が難しく、全く何もかも相手にお任せ、の人と一緒だと、”何とかしてあげないといけない側”になってしまうし、”なんとかしてよオーラ”を出す人もいます。

それどころか、”どうしてくれるのさオーラ”を出す人もいるので、そういう人とだと、あまりにも、計画通りの山しかできないことになる…。

今回は、あまりベータを調べずに行って、その結果、分かったことは

《ニードル左岩稜》

・ニードルは超風強い。そのため声も聞こえない。すごく寒い!ウィンドブレーカー必携!
・下降は下降点が不明瞭。不安があったので、同ルート下降とほぼ同じサマーホリデー側から下降したら、ブッシュが多く苦労して、下降にだいぶ時間がかかった。
・ここはフリーでフェイスの相当のスキルがないと、リードは厳しい。突破力が必要なところが、登り始めなど、落ちれないところにある。
・ダブルじゃなくてシングルでもいいのかも。

《大長征ルート》
・ルートが錯綜して分かりづらいと思ったが、その通り
・スラブはインスボンよりもノーピン区間が長い
・登攀終了してから、一の坊主と二の坊主の隙間までのトラバースは2級だが、ザイルは必要、どこか支点にロープを通してさえいれば、簡易的なビレイ、グリップ程度で良いのでは? 屈曲が多くロープが流れない。
・隙間で、最後に短いハンドサイズのクラックが出てきてトップアウト 体感5.9
・下降は登山道だが、登山道がまた分かりづらい。薄い踏み痕が多い、荒れた登山道で、数回、獣道へ。
・ダブルが良いと思う。弱点を突くクライミング
・大滝左ルートの最初の5.6も5.7も、ショートの5.9は、最低ある感じで、かなりピンが遠い。出だしが核心で落ちれない。

■あってよかった自らを助ける技術

今回は、あってよかったロープワーク技術&総合力って感じ!!

・ニードルでコールが聞こえず、ロープアップもされず、ロープも動かないので、しびれを切らせて、登攀。とはいえ、そのまま上るわけにはいかないので、自己確保をロープクランプでとりながら、ニードル最終ピッチをセカンドで上がる。上がったら、やっぱり聞こえていなかった。たるんで余ったロープは、ループに巻いて回収しながら登攀したので、登攀がグレーディングより難しくなった。
・ニードルのてっぺんでの懸垂で、寒かったので、ロープワークが雑に。結局、きちんとたたんだほうが早かったと理解。
・ニードル終了し、正面壁へ最終ピッチの出だしは、フリーで超えられず、3回落ちたので、あきらめて、エイド。エイドもスリングで鐙を出すだけだと無理で、プルージック登攀も併用。あってよかった登り返し技術。ここは、デシマル変換で、5.7ならリードできるんじゃないか?などと、甘く見ていたところでしたが、一目みて、無理と思いました。フットスタンスの位置がどうみても、5.7レベルじゃない。ぬんちゃくはセカンドだったので、もっていなかったので、スリングで切り抜けました。こんな登攀をしたのは、初めて連れて行ってもらった小川山のクラックで登れずエイドに切り替えたとき以来…  屈辱(笑)?

雌鉾岳
・一般ルートの地図を持っていくべきでした。ゲレンデ感覚で、下降も明瞭だと思って調べずに行ったので、なんとなく歩いていると、薄い踏み後に導かれ、ルートを外すこと数回。毎回すぐに気がついて補正しました。山歩きの経験値のたまもの。
・一枚岩のスラブが素晴らしく、ほんとにインスボンみたいでした。登攀はインスボンより、若干易しかったと思う。クラックはほとんどなく、スラブのみ。スモールカムで支点構築したことが2回ありました。
・インスボンよりもランナウトはひどい

どちらも、適度なスレスレ感があり、楽しめた。ニードルの登攀は、アップアップ感がありました…(汗)最近アップアップ感があることよりも、確実感で登っていたので、久しぶりのアップアップ感でした…。

成長を実感する山で、なおかつ、山が素晴らしくきれいで、アケボノツツジ、ミツバツツジなど、お花がいっぱい。新緑が美しく、素晴らしい場所でした。

どこかに泊りこんで登攀三昧でもいいな、という感じ。