2018/04/18

体力が揃う相手

先日、クライマーに「いつも年配の人と登っていることが多いよね」と質問されました。その通りなのです。

これは、
A)体力が落ち、リスク管理について熟知した男性クライマーと、
B)体力がそもそもなく、リスク管理について、女性であるためにそもそも非常に敏感な女性クライマー

が、体力&リスク管理面で、意識が揃うから、です。

女性は、誰でも、子供を守る本能があるため、リスクを一般的にだいぶ早めに認識します。やばいかもな、というタイミングが早いわけですね。

一方、円熟クライマーの方々は、大怪我は体験済み。もう一回大怪我したら、クライマー人生は終わり、という方が多いです。なので、一回の致命傷を負わないように、登っています。

体力も落ちて、若い女性と同じくらいに結果的になっているので、双方のスキルと意識が揃う感じでちょうどよいのです…。

若い男性だと、女性の体力レベルは推し量れない。

例えば、私と同年齢の男性クライマーとだと、筋肉量からして、私より10kg以上、歩荷してやっと同じ負担くらいになってしまいます。でも、誰でも当然ですが、自分ばかりが一方的に歩荷するなんて嫌ですよね。

※ちなみにメタボおじさん・デスクワーク組は除きます…最初から、脂肪の重り付きで歩荷よわよわなので。

年配の男性クライマーは、妻と歩いたり、娘と山を歩いていたりと、女性と歩いた山の経験値から、どれくらいで体力限界が来るか、など、データ量が豊富なことが多く、その点でも無理をさせ合わない関係が築けます。

というので、私のパートナーは、平日休みの関係からも、年配のクライマーが多かった事情がありました。

難しいのは、落ちている体力や認知力で、無理をさせない点でした…。

最初の師匠は、64歳でしたが、三つ峠登攀中にくも膜下出血…私だったら担げないので、慣れた仲間との間で起きた事故で不幸中の幸い。

2番目の師匠は大怪我の復帰後で、あまり長時間のビレイはさせられないし、寒さにも弱くなっていたので、アイスではリード練習は遠慮気味でした…。私のほうからは、「〇〇さん、無理をしないでね」といい、向こうは「お前はもうちょっと無理をしろ」という間柄でした。

私自身が先輩で、リーダー役の時は、”自分が無理なこと”は、絶対にしないです。仲間を守れなくなるから。しかし、それだと成長もできない。ので、背伸びの山をさせてくれる、体力や登攀力が上の男性の先輩は、ありがたい存在だなーとも思っています。

女子同士の登攀は、ちょっと憧れています。体力もリスク管理も、そろっていいのかな~と。