2023/06/16

【クライミング実情】小鹿野で ”大規模”伐採???

以下引用。 https://www.yamareco.com/modules/diary/35638-detail-302168.html

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2020年に小鹿野町二子山で起きた(一社)小鹿野クライミング協会による保安林無断伐採事件以後、国の法令である「種の保存法」で国内希少野生動植物種に指定されている植物が絶滅の危機に瀕しています。

さらに2022年にも別場所でクライミングエリア開拓と称した大規模な伐採が行われ、同様に国内希少野生動植物の生育地が絶滅の危機に晒されてしまいました。

2021年に問題を知ってから約1年以上に渡り調査を実施&地元の皆様をはじめ国の担当官&専門家等の指導助言を頂きながら、昨日ようやく関係者会議で一同に会することができました。
初めの一歩です。
以下に、昨日提出した要望内容を貼っておきます。
これを厳しいと思われる方もいると思いますが、一般社団法人による1度ならずも2度も無計画な大規模伐採が行われていることや、国の法令違反にも繋がりかねない重大な事案ですので、国をはじめ様々な専門家からのアドバイスをもとにあえて厳しく設定してあります。
長文になります。
尚、写真は昨日の会議資料表紙と、情報公開請求で得た2020年保安林無断伐採時の顛末書です。


開催日時:6月13日(火)午後1時~
場所:小鹿野町役場議場
出席者:埼玉県(みどり自然課・環境科学国際Sより計2名)、小鹿野町(まちづくり観光課計3名)、(一社)小鹿野クライミング協会(理事1名)、小鹿野の石灰岩地域の植物保護を考える会(参加団体の各代表者及び研究家等計7名)
以下、要望事項のコピペですが、希少植物の名称は伏せてあります。


小鹿野石灰岩地域における希少野生動植物種保護に係る会議への意見

2023年6月13日
小鹿野の石灰岩地域の植物保護を考える会

【埼玉県への要望】
1) 種の保存法や県の希少種保護条例に基づき、国内希少野生動植物種や埼玉県希少野生動植物種の保護保全対策を早急に行うこと。
2) 特に国の法令(種の保存法)で国内希少野生動植物種に指定されている植物の生育地は、クライミングルート開拓によりすべての生育地において絶滅の危機に瀕していることを認識し、国及び専門家からの指導助言に基づいた希少種の保護保全対策を速やかに実行すること。
3) 県条例で埼玉県希少野生動植物種に指定されている生育地の中には既にクライミングルート直下で踏みつけによる消失も起きていることから、県条例に基づいた保護保全を図ること。
4) 地主及び保安林法等の手続きを担当する関係課所等に対し、国内希少野生動植物種並びに埼玉県希少野生動植物種の生育地であることを周知し、これらの希少野生動植物種の保護保全に理解と協力を求めること。
5) 小鹿野町とともに現地確認をしっかり行った上で、上記1)、2)、3)に加えて保護保全エリア(立入禁止エリア)とクラミング可能エリアとの区分けを行うなど、速やかに有効対策や手段を講じること。
6) クライミングによる町おこし事業を推進する小鹿野町と(一社)小鹿野クライミング協会に対し、法令及び県条例に基づいた指導や処分を行うこと。また今後のクライミング事業継続について行政監視を怠らないこと。

【小鹿野町への要望】
1) 「クライミングで町おこし」という事業を推進しかつ実施する場合、きちんと事前の計画立案に基づいた環境調査や影響評価、マーケティング、関連法令の確認等、さらにPDCAやOODAの構築など、起業ルールに則った事業展開を行うべきであることを理解すること。
2) 民間にその事業を委ねる場合、最終的な責任は町がしっかりとるべきであり、「町おこし事業実施者」に対する町のガナバンス体制をしっかり構築すべきである。また委託契約の有無や金額の有無にかかわらず、「町おこし」の冠を名乗らせているものはすべて町が委ねたことにつながるという認識を持って対応すべきであることを理解すること。
3) 小鹿野町も参画している「第二次ちちぶ環境基本計画」個別項目Ⅲにある“生物多様性の保全”内容に因み、埼玉県とともに現地確認をしっかり行い、関係者間で速やかな対策が実施できるようにすること。
4) 地主及び現地森林について諸手続きを行う担当課等に対し、国内希少野生動植物種並びに埼玉県希少野生動植物種の生育地であることを周知し、これらの希少動植物種の保護保全に理解と協力を求めること。
5) 従来から設置されている一般登山道があるエリア以外の開拓は行わないこと。またクライミングエリアへ向かう踏み跡と一般登山道の区別を明確にし、一般登山者の遭難防止対策を行うこと。
6) 次年度以降の埼玉県希少野生動植物種選定候補である植物がロープの支点にされないよう、生育地の保全を速やかに行うこと。
7) (一社)小鹿野クライミング協会と共に、国内希少野生動植物種の原状回復措置を早急に行うこと。また生育地域への立入は禁止とし、生育状態の回復をはかること。

【一般社団法人小鹿野クラミング協会への要望】
1) 国内希少野生動植物種生育地上にクライミングルートが設定されていることから、生育地周辺のルート(ボルトやロープ等のクライミング用具)は一般クライマー等の誤侵入を防ぐためすべて撤去し、法に基づく国内希少野生動植物の生育地保全のための原状回復措置を行った上で立入禁止エリアとすること。またその事実を正しく広報すること。
2) 1)の生育地のうち、伐採により今夏の生育環境が維持できなくなっている東岳右壁の生育地については、国や県の指導のもと、生育維持ができるよう日除け設置等の対策を行うとともに、1)と同様の措置を早急に進めること。
3) 埼玉県希少野生動植物種生育地の中には、東岳北壁やローソク岩北面のようにクライミングルート直下となっている場所で踏み付けによる個体数の減少や表土流出(群落の消失)がみられることから、生育地についても従来の登山道以外の場所については、1)同様にクライミングロープやボルトの撤去など、早急に対策を講じること。
4) ローソク岩に行くにあたり、従来の道標が立っている登山道ではなく2020年の保安林無断伐採時に行われた整備により造設されたアプローチ道については、国内希少野生動植物種の生育範囲内にあたることから、このアプローチ道は廃し(立入禁止とし)、ローソク岩へのアプローチは従来の登山道にある道標(分岐点)からのアクセスに戻すこと。またこのアプローチ道上にある中央稜下部付近のクライミングコースは1)の対策を講じた後に廃止とすること。
5) クライミングルートのスタート地点や途中にあるテラス部分、終了地点等に希少植物の生育地がないか確認の上、希少植物の群生地や生育地にかかるクライミングルートは撤去及び原状回復措置を行い、立入禁止とすること。またその事実を正しく広報すること。
6) 従来から設置されている登山道があるエリア以外は開拓の対象から外すこと。また既に設置されているクライミングルートは全て撤去し、国内希少野生動植物種及び埼玉県希少野生動植物種の保護保全を行うこと。
7) 次年度以降の埼玉県希少野生動植物種選定候補である植物がロープの支点になっていないか確認を行い、支点に使用されている場合は外すこと。また他の者が支点にしないよう注意喚起を行うこと。
8) 新たな開拓計画を建てる場合は、計画の前に先ずは環境調査を行い、法令等の確認を行うこと。
9) 2020年の保安林無断伐採問題から端を発したこれらの二子山希少野生動植物種生育地損壊問題及び問題解決のためのルート変更(立入禁止)等の措置についての経緯や結果、そして情報は全て、ROCK&SNOWのようなクライミング専門誌はもとより貴会HPやSNS等で速やかに情報発信を行い、会員の有無に限らず来訪クライマーに広く周知すること。なおその際に希少野生動植物種情報の取り扱いや情報発信の方法については厳重な注意を払うこと。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

■ 永遠のテーマ 観光vs環境

今日は朝から、大変だねぇみたいな話題。

観光と環境は永遠のテーマだ。

日本人は、その最適バランスを自分たちで民主的方法で見つけ出さなければならない。


これは、韓国が国家主権主導の国で、民主国家を是としていないためである。国が何もかも決めてしまい、国民は絶対服従の儒教国家が韓国であり、若者の自殺率も高い。幸福度が低い国として有名なのが儒教を信奉する国だ。

日本はアメリカ型の民主国家を戦後採用したので、国民の主体に任されている。その証拠は、山小屋だ。大体が、最初、勝手に移り住んだってのが始まり。

そんな、そもそも”無法者”だった山小屋も、山のし尿問題やオーバーユースの時代を経て、今では、

 山の環境問題の守り手

になっている。しかし、今でも、にわか登山者たちの無法ぶりには手を焼いており、私も経験があるが、今の団塊の世代の人たちなどは、グリーンロープを張っていても、中を歩いて直上してきたりして、注意をしても聞き入れない。

好意的に考えれば、彼らが子供だった時代は、奥山でも植生が豊かで、多少の踏み付け圧なども、ものともしない自然界の勢力だったのだろう…

しかし、現在は? 奥山の希少生物は、マジでひん死状態なんである。

とはいえ、だれも環境保護と観光の線引きには、手を付けたがらず、上高地の梓川だって、大腸菌が検出され、その結果、だれも梓川の水が飲めない。

私が思うには、山には山のトイレットトレーニングがあるのだが…例としては、森林限界以上でしない、川の近くでしない、など…そういう教育なしにブームだから、と登りに来てしまう登山者が問題。

そう、問題は教育の欠如。

■ 小鹿野の大規模伐採

樹木を伐採するのには、許可がいるんだが、クライミングの岩場で、伐採許可取りましたって聞いたことがない。

本来は、伐採に許可がいるのは、植林地で、伐採した木が、売り物、だからだ。

あとは原生林などだが、日本には、まったくのところ、原生林的なものは残っていない。北八ヶ岳レベルで、なんとか少し…北岳でも下のほうはばっちり植林。

つまり、切って植生を痛めるというような話は、林業レベルの大規模伐採レベルでない限り、低標高で、奥多摩の里山である小鹿野あたりでは考えにくい。

日之影町でも同じだろう…

いったい大規模伐採って、何をもって”大規模”って言ってんのかなぁ…というのが私の感想だった。

クライマーがクライミングに必要だから…というレベルで切る伐採など、たいしたことないんだけど?環境問題で見たら…。

環境問題になるって、こういうのが問題なんですよ?

自伐林業の水害多発地域の話。

【第84回】土砂災害を招いた球磨川流域の大規模林業 

https://www.youtube.com/watch?v=QellUZdnPuo&t=1963s

自然に詳しい林業者の中では、むしろ、里山レベルのところの山林は、人の手を積極的に入れたほうがいいというのは、もう常識になっており、里山なのに人の手が入らないことが、山の荒廃をもたらしているんだけど?

■ なんでもだめにして一本取りたい?

そりゃ、法律を持ち出してきたら、木、1本からアウトであろう…

しかし、それを言ったら、小川山はどうなる? 瑞垣はどうなる?

これまで、苦労して築き上げてきたクライマーの歴史的積み上げを、自らの超・短視眼的な、小鹿野の若い奴らをとっちめたい!という衝動的行動で、無にするつもりなんだろうか?

小鹿野は、若い世代が、将来の町の未来を見据えて、クライミングを取り入れようとした稀有な事例である。主体性がなく、産業もなく、災害によって国から出される災害復旧金依存の町の運営より、なんぼもましではないか?

九州では熊本などは、水害が起きて、あー、今年はこれで首がつながったーと、ほっとしている、ていたらく、なんですよ?

ついでに言えば、私は山梨では由緒ある富士山レスキューを出す一般山岳会に参加していたが、会山行は登山道の整備を兼ねて、なた、もっていってましたよ。別に許可、取っていないです。葉っぱ一枚も持ち出してはならん、というのが、しゃくし定規のアメリカ型自然保護ですが、日本の実情にはそぐわない。

歴史的に日本の里山・奥山とアメリカの原始の自然は、全く意味違いますよねぇ?

それは富士山のふもとの里山レベルの場所でも同じです。昔から登山では、”草鞋の跡は、山の肥やし”と言います。

アメリカ型環境保護の人は、手つかずだけが賛成です。ロープウェーにも文句言いますが、ロープウェーが一番植生のダメージが少ないんですよ?そのくせ、一番ダメージ大きい道路には、賛成だったりして、一貫性がないことが多い。要するに、俺の都合がいいようにしてくれ、っていうポジショントークに、環境を使っていたりする。

もちろん、小鹿野はガードが甘かったと思いますが…私は林業の研修を受けたので、伐採が許可が必要なことは知っていますが、普通のクライマーでそんなこと知ってるやついないですよね。

必要なのは、後で揚げ足取りする人ではなく、事前に、教えてくれる人。それに、これ、始末書、かいているから、再発はしない。

■ まさにこの図を思い出すなぁ…


小鹿野のように無給で岩場の保存・再生のために頑張ってくれる人がいるから、岩場は登れるコンディションになり、ほっとけば、コケだらけです。

仮に小鹿野をとっちめたとしましょう…

で、公式に登攀禁止になった折には…?

自分だけは見つからないようにこっそり登っちゃおう!

って魂胆なんだろうか? 

どーせ岩場にだれもこないしねー、見つからなければいいでしょ、みたいな知恵はついているからなぁ。

でも、クライマーって、ほんとアホが多いからなぁ。

人の来ない岩場=コケ苔で登れない岩場。一度でも岩場整備する経験があれば、わかると思いますけど…。


クライミング業界に必要なのは、どうすれば、混雑せず、事故が起きず、不公平が起きず、クライマーが自分たちのボルトは自分たちで負担して、だれかほかの人がやってくれると期待しているだけのフリーライドする人を作らず、地元にもクライマーにもメリットがあって、世界中の人と友達になれる、楽しい岩場を次世代に残していけるか?議論することです。

このことについて私が出した結論が、クライマーのゲストハウス、なんですよ。