2023/06/28

【アクセス問題】岩場のルールは守ろう!なぜなら、長年の努力が、パーになるから。


こんな動画を拝見しました。

フツーのことをフツーに言っていると思いますが…ナイトボルダリングって、禁止のところが多いですよね。

夜中に暗闇から奇声が聞こえてきたら、そりゃ気持ち悪いだろうなぁ…

■ 打ち手1)ナイトボルダリングOKの岩場とのすみわけ

逆に言えば、小川山みたいに、周辺に民家がなくて、キャンプ地だけ、みたいなロケーションなら、

キモイ、という迷惑がかかるとしても、他のキャンパーやほかのボルダラーだけ…

なので、そういう稀有なロケーションにある岩場は、

 ナイトボルダー解禁

にして、ナイトボルダーができることをマーケティング上の売りにしたらいいですね。

具体的打ち手としては、

 ナイトボルダリングが可能な岩場ばかりを集めた特集記事をロクスノでやればいい

のでは? ナイトをやりたい人はそっちでやってください、ってわけです。

■ 打ち手2) トポを買わない → 岩場に ”禁止事項を書いた”看板 を立てる 

大体、ダメクライマーというのは、岩場に行くのに、

 トポを買いたがらない、

というのが、行動の基本にあります。

この背景としては、”お得が好き”、があります。

 お得が好き=トポを買わない=禁止事項を知らない。

これは、打ち手としては、岩場の入り口に、

 見逃しようがない形で、禁止事項を書いた看板を掲示しておく、

があります。

見ていません、知りませんでした、というのが、逃げ口上だからです。

ちなみに、岩場ごとにYoutubeで発信して、登りに行く人は、その動画をもれなく見れるようにしておく、というのが、迷惑行為を未然に防ぎたい地方自治体がやっておくことができる打ち手になると思います。

■ 打ち手3) 情報公開 = 岩場公開の苦労を知らない

クライマーに限らず、日本の男性と言うのは、昭和の男性であればあるほど、

 他者の立場を想像するのが苦手

です。それは、日本が儒教文化に染まった時代の名残で、男社会、という言葉で表現されています。

スカートめくりを嫌がる女の子にしていても、「まぁ、男の子のやることだから」「やんちゃね」で終わっていた時代が長かった。今の時代なら、女の子への人権侵害として、許されない、というのが、普通の感性です。しかし、すでに大人になった男性にそんなことは思いもつかない、「え?俺って、ふつーだよなぁ?」の人たちが、一定数いるのは、会社でも、クライマーの集まりでも、同じです。

昔は、座っているだけで、女性がお酒を注ぎに来てくれたのに、今ではド田舎の地方自治体という昔の風習が残りに残っているところへ行っても、村役場の一番若い奴…しかも、男性…に、あらかじめ、根回しして、お酌するように、宴会に無理やり呼んでおかなくては、だれもお酌してくれません(笑)。昭和は終わったのです… そんな時代の変遷に乗り遅れているというか、いつまでも、未練たらたら…な人達が、どこの世界にも一定数います。

こういう人は相手の立場を想像することが非常に苦手なので、自分の我を通す…というか、通って当然だと思っているので、通らないと不当に怒りまくります…それが当然になっています。

その対策としては、岩場公開までの苦労は、全クライマーが閲覧できるように情報公開しておく、ということがあります。

普通のボランティアのローカルクライマー組織ではやってられん、となるかもしれませんが、岩場に、地域おこし協力隊などがいる市町村では、ぜひ取り組むべきことと思います。

記録があるだけでも、今後の対策を練るのに、有用な資料となるでしょう。

■ 打ち手 4) 世論形成

アクセス問題のこれまでの歴史を見てきても、

 やんちゃ=許される

という前提で、わざとやんちゃしてるという事例が多数です。例えば、谷川岳登攀の前泊で有名な土合駅では、こうした人たちが登攀用ではなく、大が付く宴会に駅ビバークを使うので、駅ビバークが禁止になってしまい、長く続いた谷川岳登攀の伝統的スタイルは、もはや実行不可能になりました。

 やんちゃ=かっこいい俺

という図式が昔はあったもの、と思われ、武勇伝にすらなっているんですよね…。お酒を大量に飲んで、登攀に向かい、そのため、テントがゲロテントになりました…とか、昔の記録には、まるでかっこいいことのように書いてあることがあります。

大体そういう人は、結局のところ、男性同士からさえも敬遠されて、誰とも登ってもらえなくなっていっているようなのですが…そうすると、悪循環で、さらに自慢げに、やんちゃぶりを喧伝してしまうという… 一般的な感性からすると、はぁ?なぜ、そうなるのか?みたいな循環にあります。でも、そうなっていることは、誰しにもなんとなくわかりますよね…

というわけで、放置しておくと、皆の注目を集めたいがために、もっと意味不明のやんちゃぶりをやる、= 事故が増える、と言うことになりますので、鳴りを潜めてもらうには、

 世論形成

が大事です。こういう人は、世論が、

 やんちゃ=かっこいい=許される

と、まだ”脳内世間”が古いバージョンのままだからです。世間では、それは全然カッコ良くないよ、と言うことが分かれば、目的は

 かっこよく見えること

ですので、何が世間ではかっこいい!と思われているか?という情報を更新してあげるに尽きます。

この点では、トップクライマーのカッコよさをPRする、感情に訴えかけるムービーが効果的です。情感たっぷりのかっこいいクライマー像…やんちゃではなく、社会規範にのっとった像を見せてあげることです。

ちなみに私には、吠えている姿は逆効果に見えるんですけど…。怖いときに吠えるものですよねぇ? これはほんとは違うのかもしれませんが…

■ 打ち手5) フォローで登った高グレードより、自分で登った低グレードというキャンペーンを実施する

岩場の禁止事項を簡単に破ってしまうような人たちの価値観の体系には、

 他の人の苦労に、ただ乗り、便乗したい、ええとこどりしたい

というのが、行動の基本的動機としてあります。

それは自分が努力して得た成果のほうが、同じ成果でも重みがある、よりうれしい、という本質的な喜びを知らないため、ではないですかね。

例えば、英語を話せる、っていうのでも、スマホの翻訳で通じるのもうれしいけど、自分が勉強した成果で通じたほうがより喜びは大きいですよね? 

そういう体験が少ないと、誰かの便乗で、うれしいほうを積み上げていくことになります。

クライミングに置き換えると、

 ・自分のプロテクションで
 ・自分のロープで、
 ・自分のリードで登れたルート

よりも、

 ・高いグレードルート

のほうが、かっこいいよな、と言う価値観です。高学歴主義にも通じるかもしれませんね。大体、耳よりなルートとか、みんなが行っているから行くルートとかに、そういう人は行きたがる気がします。ある種のポピュリズムで、自我を肯定されたがっている。つまり、行動様式が、みんなと同じになりたい、という気持ちに支えられている。

しかし、みんなと同じ、は、世間では別に珍しくない行動様式でも、クライミングでは、そんな薄っぺらい価値観では通用しません。

自分の真実が反映されるのがクライミング。

■ 打ち手6)トポ有料化の時代=トポ専門販売サイトの構築 

クライミングネットが無料でトポ公開していますが、百岩場のトポってわかりにくいですよね?

それでローカルクライマーから、続々とわかりやすい重厚なトポが販売されていますが…そうしたトポの販売元がバラバラで、IT弱者の昭和の御仁には、手に入れづらいというのが、不便としてあります。

ので、クライミングネットあたりが、一括してトポを購入できるサイトを構築してくれるとよいのではないかと思います。

これまで公共の精神でトポが無料で公開されてきた、その歴史の上に胡坐をかいてきた、というのが、権利意識、になっていて、「トポなんて無料が当然だろ」って思っていると思いますが…トポ作るのにだって、人件費は掛かります。

さらには、岩場を提供する側の苦労が理解できない、ということが根本原因なので、本来はそういう人たちにもトポを作る手間を実感できるよう、作業に参加してもらうとよいと思いますが…

まぁ、尻尾、巻いて逃げ出すでしょう…忙しいとかなんとか言って(笑)。