日本では、
ロッククライミング
の括りでのクライマー育成指導者要綱がなく、あるのは
- 山登りの指導者要綱
- アルパインクライミングの指導者要綱
- スポーツクライミングの指導者要綱
です。ので、抜けがでてきます。フリークライミングがその代表。
結局、フリークライミングというのは、
市井の人がいろいろ工夫して書いています。中根穂高さんとか比較的正確です。
しかし、フリークライミングのカテゴリーで書くとエイド技術は当然ですが抜けます。
つまり、
ロッククライミング、
としてまとまったものがないため、外岩=ロッククライミング、に必要な知識は、何かが抜け出てしまい、隙間に落ち込む知識が出てきます。
例えば、ロッククライミングとして勉強してこなかった人の知識には、ボルト知識は入ってきません。
それにたとえ、ロッククライミングとしてみなしても、天候とか歩荷などの山の基本知識は入ってきません。
<事例>
・懸垂下降 スポーツクライミングしか知らない人は懸垂下降がない
・プルージック登攀(宙づり登り返し) フリークライミングではエイドは教えなくて当然
・途中停止(仮固定→固定) フリークライミングではエイドは教えなくて当然
・支点知識 ボルトの強度について勉強しない人が99%
・支点の間隔 ボルトを打つ間隔については、トラッドとアイスのクライマー以外は知らない
・ビレイ知識 インドアのビレイとアウトドアのビレイは異なる
・墜落への知識 スポーツクライミングと同じようにバンバン落ちることはできない
・ストッパーノット すっぽ抜け事故=初歩的な事故だが、良く起きる
・スタイル オンサイトとは何か?グリーンポイントとは何か?
・育て方 価値観的な面。これが欠如してきた現状が九州の悲惨なクライミング現象。
ある意味、九州では、指導者がいなかったらどうなるか?という見本を提供している、と言えます。
真意は、ひどい惨状になるって意味です。
弱ったところにアブラムシが付くみたいに、金に目がくらんだもともとクライマーではない人が、それぞれ勝手にボルダリングジムを開いて、荒稼ぎして、無知なクライマーを無責任に量産しています。昔は、みな責任をもって育成していたのです。
岩場でロッククライミングをするために必要な知識を教えるには、フリークライミングとして教えても、アルパインクライミングとして教えても、抜けが発生します。
ボルダラーなんて抜けだらけというか、知っていることはクライミングという全体像からすると逆に小さいくらいです。
ロッククライミングの指導マニュアルを作ろうと、甲府時代から頑張っていますが…本来、
JMSCAがきちんと整備するべきでしょう。
そうすることで、雨後のタケノコのように全国に増えているボルダリングジムの無責任さというものも浮かび上がった来るでしょう。
クライマーがやっていないジムに規制をかける根拠の一助となること請け合いですよ。