■現代的なマルチピッチ
これはスポーツクライミングのマルチピッチの話です。一回目のトライで12時間かかっている。
https://climbers-web.jp/news/20210203-1/
13ピッチ、最も簡単なグレードで7b、6ピッチは8a以上で、最難は10ピッチ目で257m付近の8b+(5.14a)。
非常に現代的で、こういうのが、現代の若者にとっては、最適なチャレンジなのではないか?と思いました。
最適なチャレンジができないというフラストレーションは嫌ですよね。成長、ということにとって機会喪失。
スポーツクライミングですから、死ぬリスクはなく、やたら困難…8Aとかです。
その代わり、ロング…かなーり長い。体力の限界を試される、ということです。オールアウトできる。短いルートが達成出来たら、次はそれを長くしていく、という意味で、クライミングの伝統を踏襲しています。
■通常のマルチとの違い
スポーツクライミングのマルチなので、リードがフリーなのは当然ですが、セカンドもフリーにこだわって登る。
伝統的なアルパインのマルチでは、スピード重視ですので、リードもセカンドも、エイドを許容しています。そうではなく、フリーにこだわるマルチというのが特徴。
■ そんなデカい壁どこにあるの?
こんなマルチが作れるキャンバスをどこに求めるか…ですが、ダムの壁とか、そんなくらいですかね…?でかい人工的なコンクリートの壁っていうのが…。クライミングのためにわざわざ作るっていうのは、今のところありそうにないですし…。
■ 子持ち有段クライマーも、これなら満足するのでは?
私は先輩に2段登れる人がいるのですが、アルパインは生死が関わるので、子供が生まれてから、彼は困難を追求するアルパインはしなくなりました。リスクの低い、富士山の春山スキーか、太刀岡左岩稜みたいな易しいマルチのみ。スーパーアルパインへ進む素養もあった人で、中国の未踏峰まで踏んでいますが…生死を掛けるクライミングって、社会人生活と両立しないですよね…。
この煙突高難度マルチだったら、彼でも登れる。
現代の高度に上達したクライマーが、挑戦でき、達成感を感じるには、こんなルートがいいのではないか?と思いました。
スポーツのマルチなので、何か事故があるとすれば、単純に自分のポカミスです。
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