2021/06/25

無知の知 が初心者クライマーに必要なこと

 


今日の仏教説話からです。

■ アルパインの初心者も、フリーの初心者も、ジムクライマーの初心者も、ボルダーの初心者も

無知の知

自分はまだ駆け出しだ、という自己認識が必要です。

■ 事例1 アルパインの人

インドアジムでリードで、5.11が登れるから、という理由で、北岳バットレス四尾根に今すぐ行けると思っている

■ 事例2 フリーの人(これは私です)

一回トップロープで1テンで小川山レイバックが登れたからリードして良いと思っている。

2度目で小川山レイバックにリードで取りつき、しかも、組んでいるパートナーは初見で、振り向いたら、ダラリンビレイだったので、カムエイドで降りてきた人。

■ 事例3 ジムクライマーの人

10年登っていて、5.12がRPできる人でも、長ヌン初耳。ロープをびしょ濡れにしてしまう。レスキュー想定不在。ロープドラッグであっても登れたと思ってしまう。

■ 事例 4 トラッドの人

トラッドを何年も登りこんできていても、カム設置位置が悪くロープスタックで、ロープアップができない。それでも登れたと思ってしまう。

■ 事例 5 ボルダラー

初心者講習に出ても、ランディング練習、マントル練習もなく、ただ気を付けて登る、だけ。方法論、皆無。

■ 事例 6 開拓クライマー

30年前の情報でいまだにカットアンカー&手作り終了点。現代のスポートルートに必要とされる支点強度にない。

■ 事例 7 オールドスクールクライマー

人工壁をしていないので、落ちるクライマーをキャッチした経験がないまま、「ビレイできます」と言ってしまう。落ちることが前提であるフリークライミングの岩場で、落ちないアルパインの登りをクライマーに期待してしまう。

■ 事例 8 安全の軽視 リードもボルダーも

インドアでは、落ちるまで登る、落ちてなんぼ、だが、アウトドアでは落ちて良いところと、おちてはNGなところの見分けが必要。リスクの加算ができない。

■ 問題の9割はグレード競争によるグレード依存症が起こした問題

結局、クライミングと言う活動の中で、何をゴールにして登るか?ということを考えた場合、安直に

 グレード

となってしまうのが、問題の根源です。諸悪の根源と言ってよい。

グレードは、自分の適したチャレンジを選ぶ際の、

 目安

です。

(グレードを目標とする)=NG

(グレードを目安とする)=OK

ま、問題は、グレーディングが目安として機能するには、バラバラになりすぎていて、まったく目安として機能していないっていうことなんですけどね…

そこは仕方のない面もありますが、大事なことは

 取れるリスクの範囲は人それぞれ、

であり、

 別にクライミングは命知らず自慢をするゲームではない

ということです。