今日の仏教説話からです。
■ アルパインの初心者も、フリーの初心者も、ジムクライマーの初心者も、ボルダーの初心者も
無知の知
自分はまだ駆け出しだ、という自己認識が必要です。
■ 事例1 アルパインの人
インドアジムでリードで、5.11が登れるから、という理由で、北岳バットレス四尾根に今すぐ行けると思っている
■ 事例2 フリーの人(これは私です)
一回トップロープで1テンで小川山レイバックが登れたからリードして良いと思っている。
2度目で小川山レイバックにリードで取りつき、しかも、組んでいるパートナーは初見で、振り向いたら、ダラリンビレイだったので、カムエイドで降りてきた人。
■ 事例3 ジムクライマーの人
10年登っていて、5.12がRPできる人でも、長ヌン初耳。ロープをびしょ濡れにしてしまう。レスキュー想定不在。ロープドラッグであっても登れたと思ってしまう。
■ 事例 4 トラッドの人
トラッドを何年も登りこんできていても、カム設置位置が悪くロープスタックで、ロープアップができない。それでも登れたと思ってしまう。
■ 事例 5 ボルダラー
初心者講習に出ても、ランディング練習、マントル練習もなく、ただ気を付けて登る、だけ。方法論、皆無。
■ 事例 6 開拓クライマー
30年前の情報でいまだにカットアンカー&手作り終了点。現代のスポートルートに必要とされる支点強度にない。
■ 事例 7 オールドスクールクライマー
人工壁をしていないので、落ちるクライマーをキャッチした経験がないまま、「ビレイできます」と言ってしまう。落ちることが前提であるフリークライミングの岩場で、落ちないアルパインの登りをクライマーに期待してしまう。
■ 事例 8 安全の軽視 リードもボルダーも
インドアでは、落ちるまで登る、落ちてなんぼ、だが、アウトドアでは落ちて良いところと、おちてはNGなところの見分けが必要。リスクの加算ができない。
■ 問題の9割はグレード競争によるグレード依存症が起こした問題
結局、クライミングと言う活動の中で、何をゴールにして登るか?ということを考えた場合、安直に
グレード
となってしまうのが、問題の根源です。諸悪の根源と言ってよい。
グレードは、自分の適したチャレンジを選ぶ際の、
目安
です。
(グレードを目標とする)=NG
(グレードを目安とする)=OK
ま、問題は、グレーディングが目安として機能するには、バラバラになりすぎていて、まったく目安として機能していないっていうことなんですけどね…
そこは仕方のない面もありますが、大事なことは
取れるリスクの範囲は人それぞれ、
であり、
別にクライミングは命知らず自慢をするゲームではない
ということです。