2021/11/14

岩場整備の資金源

■新しい仕組みのニーズ

日本のフリークライミング協会の仕組みでは、岩場は整備が進まず、うまく行っているとは言えないようだ。

台湾の岩場龍洞では、クライミングインストラクターのQXが整備や見回り、リボルトも含めやっており、ビールを飲めばリボルト基金になる、コーヒーを飲めばリボルト基金になる、ということで、とてもうまく行っている仕組みと思われた。ささやかなお金だから進んで出すし、端数が出た小銭も重いの、嫌だから入れちゃう。イラナイモノを出すのだから、あまり負担にもならない。

ラオスは、ゲストハウスを運営して、その営利資金から岩場の整備費用が出たということだろう。地域の観光資源にもなっており、地域にお金を落としているので、地域貢献企業ともいえる。たくさんの外国人を集めている。

台湾と同じことで、旅行中でイラナイモノはみんなが置いていくので、置いて行ってもらったもので、ほかの訪問者が成り立つという仕組みらしい。2度目に行ったら、余暇に読む本が増えていたり、ゲームが置いてあったりした。ヨガマット、私のは置いてきた。

ので、日本の岩場でも新しい仕組みを考えたほうがいいのではないだろうか?

庵はたぶん、先行事例何だろうと思う。

2021/11/13

ボルダーとロープ

このような投稿が回ってきました。

ボルダラーでもロープが使える技術があると、より安全に登れる、という事例として紹介させていただきたいと思います。



命知らずで知られる方です…

ランナウト王子って呼ばれていたよなぁ…

たしか、5.12をフリーソロしていらっしゃりましたが…。

命知らずをPRすることが、いつの間にか自己目的になってしまうと、安全なクライミングができなくなってしまいます…。

クライミングはあくまで遊びですから、命がけではなく、安全に楽しみましょう。

朗報・どんどん更新が進んでいる40年前のカットアンカー

■ 北海道ではクラファンでリボルト資金調達


https://readyfor.jp/projects/tamaru?fbclid=IwAR1fXA4raFA3Jerqig8ymfwzhdEEHbZVrqUKAGJ49DjX3AtsxuBKm7oDyU8

■ 九州では個人口座




■ 劣化ボルトの様子

以下のものは北海道のものですが…九州も大して変わらないレベル感…。カットアンカーです…。

こんなものを うかつに信頼して、バンバン落ちながら登っていたとは…(汗)

本当に無知とは恐ろしいものです…。

■ 25kN

新規設置ボルトでなら、カットアンカーを使って良い、という誤解が根強くある
ようですが、新規設置のボルトでも、カットアンカーは時代の要請にこたえる強度があるボルトではありません…。 25kNが世界的に岩場のスポートルートに必要とされる強度であり、カットアンカーは、施工に成功しても、最大15kNでカムノーマルサイズ並みしか出ません。

文登研の黒田さんの論文にもその旨記載してあります。

2021/11/12

山やの出口…別荘地暮らしに役立つ林業知識?

 ■ 山ヤの出口は別荘暮らし?!

御坂山岳会でもそうだったが、年配の山ヤは、最終的に別荘を山の中に買って余生を過ごそうと考える人が多数らしい。

別荘を買うと、別荘以外に不必要に広大な土地…植林地であることが多い…が、もれなくついてくる。その森をどうしたものか?よく分からないらしく、薪にする、などとして活用している人は、ほとんどいなかったよなぁ…。

私も、当時は伐倒の知識がなかったので、アドバイスしようにもできなかったのだが…。長野などでは、伐倒を別荘暮らしの人に向けて教えたら、喜ばれるに違いない。

■ 伐倒届

伐倒は届け出が必要だ。しかも、かなり前。一か月前には届け出をしていないと伐れない。

 

■ 森林の用途

放置されたら、天然林へ遷移するか?というと、杉はする可能性があるが、基本的にヒノキはほかの木と共存するのは苦手なコミュ障木であるようで、混交林化しないらしい。

ヒノキの場合は人為的にギャップを作ってやらないといけないようだ。カラマツは落葉するから、勝手ににほかの木が入っているような気がするがどうなのだろうか?小川山で観察できるが。

小川山へ行くにも信州峠を通って行けば、大規模な皆伐地を見ることがある。また近隣に昔の牧場跡があるが、大規模なソーラー設置予定地になってしまい、地元の人が設置反対運動を広げている。大平牧場だ。飯盛山にあり、奥秩父全山縦走する人にとっては、入り口、もしくは出口の山。

クライマーはのんきに小川山で必死にグレードアップに励んでいるが…。グレードで、どっちがすごいかという競争に、不毛さを感じるのは、趣味のクライマーばかりではないだろう。昨今、世界のトップクライマーは軒並み子供だからなぁ。

■ 伐採が盛んな地域=災害多発地

皆伐と大規模水害の関連は証明されているので、伐採が多いところ=皆伐地であり、水害の危険があり、下流に農地を構えるのは、要注意である。自伐型林業の先進地区である、高知は入っていない。

各県の森林計画書を見たわけでないが… 宮崎県などは、単層育林(スギなら杉しか植えない森、木のモノカルチャー畑)を是としており…そういう場所はいかんせん、大規模皆伐になりやすい。

山体崩壊が起こっている様子が、普通に林道を走っていて見える。怪しいのは、森林認証みたいなのを取っているようなPRがあることだ。

これでは、都会で自然派で良かれと思った人が騙されてしまう。大規模皆伐で伐採された材を使うことは、下流の災害と災害補助金依存体質をサポートすることになる。

行政が自伐型林業に好意的な地域を選ぶのは一つの解であろう…


■ 直径何センチが伐れたらいいか?

これは宮崎県の場合だが、28cmであれば、私のような非力な女性でも、なんとかなりそうなサイズ感である。

5cmくらいの支障木でも、受け口追い口を入れて講師は伐っていた。一般の人が伐倒した後を最近見ることがあったが、追い口も受け口もなく、当然、”つる”もなかったので、少しがっかりした。それでも何とかなっているということだ。

皆伐だと、ものすごい量を伐るのだそうだが、自伐型林業だと、せいぜい一日5本だそうだ。

クライミングでも、アスリートクラスになれば、毎日部活のノリで一日3時間くらい登っているが…エンジョイクライミングの趣味で登る人たちは、週に一日、もしくは二日、一日5本も登れば、お腹いっぱいである。

■ 間伐してているかどうか

間伐対象がないと合わせると、過半数は間伐していない。間伐対象がないというのは、保安林などにしてしまったのだろう…そのほうが固定資産税が安いのだろう。

切り捨て間伐というのは、山に置きっぱなしということで、拾って薪にすることができる。(生木なので重たい)

結局のところ、約2割しか適切な間伐は実施できていない。

ときどき山に行って薪に必要な分を伐採する、という生活は、成り立たせられそうに見える。自分が使う分なら、伐倒に人件費を上乗せしなくていいわけだしなぁ。

特に長野に別荘を構えてしまって、カラマツ林がもれなくついてきている人などは特にそうだ。



■ 皮むき間伐

埼玉で、皮むき間伐をした人たちが今回研修に参加していて、利点を教えてくれた。伐倒時に軽いこと。材を持ち出すときにも枯らした後なので軽いそうだ。

生木を伐倒しないで、皮むき間伐を行った後、伐倒するというのは、女性に適した方法であるかもしれない。

現在では鹿さんが、勝手に皮むき間伐をしてくれるのだが…。

林業男子 Kindle無料

『 林業男子』という本がKindle無料で読めますが、東京チェンソーズなどのお話が出ています。

https://amzn.to/3D8N8il

自伐型林業=小さい林業、が、水害を起こさない、つまり、大規模な林道を作って林道が壊れる→水害→水害による災害補助金→水害を待ち望む の悪循環を断ち切る、希望の道となっていますが、その先鋒隊?東京チェンソーズ。造林や育林も書かれているので、下刈り、という苦役からは開放されていないかもしれませんが…。

誤解が多いですが、下刈りや地拵えは、自伐型林業、では、行程そのものが不要になります。皆伐(全伐)すると、その後に必要になる作業が、下刈り、地拵え、再造林、です。

森林ファンド、元祖女性林業家、女性の林業者、映画『WoodJob!』の裏話など…気になる情報の裏側がたくさん書かれていて、非常に参考になりました。

映画『WoodJob!』は見ていましたが、東京チェンソーズと関連があるとは知らなかったなぁ。

また、不動産の方で、小規模特定事業者の指定で作る、”空き家リモデル”に私も注目していましたが、その森林版が森林ファンドですね。

この本、無料で読めて、参考になる取り組みが多いので、おススメです。




女子も憧れることができる薪生活

今回のトリップで、一番感動したのは、サーファー加藤さんの家。

彼は、Wwoofingをしながら、理想の居住地を求め、日南に落ち着いたそうだ。薪風呂暮らし。

水上村の人によれば、薪生活は、長野より、九州の方が楽だそうだ。長野だと同じライフスタイルを求める人が多すぎるということなのだろう…。

長野などでスタートした人たちが押し出されて、九州に流れて来ているみたいだ。


五右衛門風呂の様子


ぼっとんのトイレ。よく山小屋で見るけど、雨が降ると水位が上がっておつりがくるという問題がある。












居室は、学生のころ住んでいた長屋とほとんど同じだった。日本の木造建築は、安普請のことが多いよなぁ…。まぁ、町にあるものは仕方ないかもしれない。大阪でも町屋で保存価値があるようなものは、ほとんどない。安かろう悪かろうの家が戦後の焼け残りで残っているということの方が多い。

さて、木造建築を女性が好まないのは、おしゃれでない、からだろう。男性が、自分自身のかっこよさを求めるのと同じ程度に、女性は、見た目的に美しい住環境に身を置きたがる。

木造 × 薪生活 で、こんな住生活空間はいかが~?という図。西洋風である。というのは、現代のおしゃれさ、すてきさは、西洋に対するあこがれがベースになっているからだ。
仕方がない。

すてきなメインベッドルーム。 梁を見せる、でも、和ではなく、洋。日本でも定番の漆喰の壁でも、こんなにおしゃれ。


夫とヨセミテに行ったときに、ヨセミテバムというゲストハウスに泊ったが、こんな感じだった。インテリアグッズだけ、洋風にしたら良し。ホテルと同じだ。

これも、どこにも特殊なお金はかかっていそうではない。

 おがくずのトイレ。ぼっとんだとしても、洋式に変えるほうが現代人受けするであろう…。デイビッドは大阪の長屋に来て、和式のトイレで苦労していた。

これだけは、洋より、和の勝利と思われる…非現実的なセッティングのお風呂。

お湯を沸かす方法がないよなぁ…。五右衛門風呂を洋風化したら売れるかもしれない。白いタイルに変えればいいのではないだろうか?

甲斐駒七条小屋のように、温かい小屋はどうやって作れるのだろうか?

めっちゃあったかいよなぁ…七条小屋。








東京チェンソーズ

最近知った、東京チェンソーズ


ウエアが メット+チャップス。大事なのはチェップスが北欧風ということなのではないのかなぁ…。 

私が思うには、男子の動機の8割は、かっこいい!である。

3Kと言われる山仕事に人気がなくなったのは、たぶん、かっこよくない、と指定されてしまったからなのではないだろうか…?ふと思っただけなんだが…。

東京チェンソーズを支えるのは、東京美林倶楽部のようだ。


■ 男性の動機

男性、というより、男子、だろうなぁ…。

 1)かわいい女性がいる

 2)カッコイイ

これだけで、9割5分を占め、危険だからやりたくない、給料が安いから嫌だ、などというのは、後付けのとってつけたいい訳なんではないのかなぁ…。

本音は、

 ・頑張っても女子の注目を集めることがないから、やだ。

 ・かっこいくないとヤダ

の2点に集約されるのでは…?

だって、アルパインクライミング、超危険ですよねぇ。昔はみんな男のロマンでやっていたわけですが、年を取ると、やらなくなる。理由を聞くと?

 「寒いのはやだ」

と言われて目が点に。だって、30年前は温暖化した今よりもっと寒かったでしょうに…

そもそもやっていることが好き

というのは大事なことだと思います。

東京チェンソーズは、プロモーションの方法がとても参考になると思ったのでした。

男性はかっこよくないと動かないんですよ!!!






2021/11/11

因と縁の解析

■ 因と縁が揃って因縁

仏教的には、因と縁が揃って因縁。


種があっても、太陽と水と土が揃わないと、芽は出ない。

この場合、種=因 である。

クライミングの因は、当然、”登りたい”という思い、だろう。

 では、縁は?

パートナー と ビレイスキル と、練習する環境

の3つ。

パートナーがいない場合は、なんとかゲットする必要がある。普通は、みんな、ここで、”超いい人”化する(笑)。一緒に登ってほしいという相手に対して限定だが(笑)。

ビレイスキルがない場合、何とか身につけざるを得ない。ので、それには、ビレイを教えますと、題売っている講習会に参加するしかない。

他の人のビレイをこっそり盗み見して覚えようとしても、たぶん、間違ったビレイを覚えてしまう。それくらいビレイはちゃんとしている人が少ない。自分の子どもを登らせるのにすら、バッツンビレイで壁に子供がたたきつけられてしまうようなビレイをしているんだが、親のほうはそれに気がつかないでいたりする。(教えても聞かない)。

ビレイヤーが自分より軽いと、この危険は少ないが、私より軽い男性クライマーなんてあったことがないので、大体は下手くそビレイを我慢して登っている。

ビレイの習得は、週2半年と言われている。週4ビレイすれば、3か月で行ける計算になる。週6ビレイすれば、2か月で行ける計算になる。一般の人は週1しかビレイする時間がないと、忘れてしまって全然上達しない。1年経っても、2年経っても下手で、そういう場合は3年くらいは見たほうがいいかもしれない。

練習する環境というのは、人工壁が一般的だ。外の岩に最初から言っても、外でリードで落ちる人をキャッチする経験は積めないので、ビレイのスキルは全然伸びない。

オールドクライマーが新人だった時代には、人工壁はない。いきなり外岩。アルパインと同じ論理で死んでも落ちるな、と教わるため、オールドクライマーは落ちないクライマーをビレイした経験しかなく、落ちるクライマーをキャッチした経験がないので、見ていると、だらりんビレイをしたり、座ってビレイをしたり、支点ビレイをしたりで、現代の教科書には、”けっしてやってはいけない”と但し書きで書いてあることを、当然の顔をしてやっている…。オールドクライマーが新人だったのは40年ほど前なので、その頃の教科書には、フリークライミングのことは書いていない。やっていることが、アルパインルートに行くためのゲレンデ練習から、”フリークライミング”という別のクライミングに変化したのに、そのことにオールドクライマーは気がつく機会がない…何しろ、自分はベテランだと自覚しているから、最近出た本など読む人は少ない。

ので、結局のところ、一番ビレイが下手くそなのが、オールドクライマーということになり、特にトップロープの時は馬鹿にしており、ロープがクライマーの懐でたるんでいても、そのままだったりする。ので、初心者時代に一番一緒に登らない方が良いクライマーが、オールドクライマーなのかもしれない…。

人工壁のクライミングは、”スポーツクライミング”というクライミングで、バンバン落ちるのが当然、というのがその意味するところだ。なので、ビレイを習得したい人はスポーツクライミングをちゃんと教えている人から教わらないといけない。

ビレイを習得し、逆クリップやら、なんやら、を習得してから、外の岩場に出る。大体が、こういうことになるが、外の岩場は外の岩場で別の習得項目があるから、外の岩場に出ることは、大きなステップアップだ。

まぁ、ボルダラーからやっている人は大丈夫だが、人工ホールドを握るわけでないので、ホールドを発見することからスタートだ。

一番ボルダラーがやってしまいがちな失敗は、オンサイトで登らない、すぐに”次のホールドどこ?”と下の人に聞くことだろう…。オンサイトというスタイルが、ボルダーにはない。全員いきなりビデオトポを見て、前に登った人とそっくりの登りをしようとするのがボルダーだ。

フリークライミングの世界でそれをやると、どうなるか? あーあ、と言われるのである。せっかくオンサイトだったのに…と言われる。自分より前に登った人の登りをチラ見しただけで、もうオンサイトではなく、フラッシュになってしまう。その辺を詳しく知りたい人は、漫画版の『孤高の人』を読んでください。

ので、外の岩場に行ったら、自分が登りたい課題を登っている先客がいたら、決してその登りを観察してはいけない。オンサイトを逃すことになるからだ。

スタイルの差だけでなく、価値観の差があるのが、クライミングの各種で、その価値観を無知なために犯すと、あちこちからブーイングを食らうことになる。

現代でもっともおススメできる、リードの岩場にデビューする人への教科書的な本は、北山真さんが書いた、『フリークライミング』という本である。この本を読んでから、外の岩場に行くべし。(こちらにリンクがある)

この本には、1行目に、”支点ビレイはしてはいけない”と書いてある。こんな超・常識的なことも、オールドクライマーは知らない。自分は支点ビレイをしているが何か?と思っている。こちらも、自信たっぷりでやっている人に何かを言うこともできない。

オールドクライマーの無知の被害を受けるのは、誰か? 山は最も弱いものを狙う、とよく言われる。

クライミングも、テンションなしで登れるなら、別にビレイヤーは誰でも良いわけで、フリーソロできるなら、ロープすらもイラナイ訳なのである。つまり、きちんとしたビレイを真摯に必要とする新人にこそ、きちんとした技術的裏付けのあるビレイが必要である。つまり、新人が喰われるのである。

ということから、オールドクライマーと最も組んではならないのが、新人だ。一方の新人の方はそんな事情とはつゆ知らず、落ちた人をキャッチした経験値がもっとも浅いオールドクライマーと組みたがり、命がけの墜落劇を演じてしまうのだが…。

私の後輩は、人工壁1ピン目で落ちていた…がたいの良い男性クライマーだったが。リードフォローの練習をしていた時は、セルフを取る前に自ら手を放して落ちていたが…。彼に関しては、人工壁に来る前に、一般的なボルジムでのクライミング経験が必要と思われた。一般的にジムで5級が登れるくらいでないと、人工壁でも取り付くのは危険だろう…

というので、いかに、因 に対して、縁を取りそろえるか?という話。

■ 師匠と登ったが師匠が教えてくれたことはない

今までパートナーには恵まれてきたが、師匠は二人とも岩場で会った人だ。一人目の師匠は、岩場のてっぺんで会った。いきなり、「流動分散を作ってみせなさい」と言われた。作れた。そうして、「ここに電話しなさい」と言われた。

次の人は、小川山レイバックで会った。その後その人が勤めているジムに遊びに行って仲良くなった。

その次の人は、こちらもその人が知らない岩場に案内してあげ、お礼にその人が知っていて私が知らない岩場に案内してもらった。

米澤先生は、いきなり油山川の岩場で会った。登りに行っていた。相方は一緒に登りたいとは思わなかったみたいだが、しばらくは二人や3人で登っていた。

という感じで、一緒に登った人は、岩場であった人で、岩場以外で会った人で、仲良く一緒に登るようになった人いたっけ?いないな。

岩場に自ら行くようような因があって、たまたまそこにその人がいたという縁がある、というわけだ。因と縁で言えば。

これがパートナーゲットの秘訣と言えば秘訣なのかもしれない。

2021/11/10

下阿蘇ビーチ

 このビーチに行ったのは、本当に良き事だった…。

美々津に行って、津波注意の掲示板を見て、サーフィンと生きるということは、津波のリスクとともに生きることだと理解した半面、下阿蘇ビーチは11月でも冬シュラフが暑いくらいで、車が引っ越し荷物で満タンなので、車中泊ではなくPキャンに変更したんだが、それでも超快適だった。

朝に散策したら、波が砂浜を削って、プチシークリフを作っており、なるほど、こうしてシークリフは形成されるのか‥と思った。

城ケ崎、大堂海岸、台湾の龍洞、それくらいしかシークリフのクライミングは知らないが…石灰岩が山の中のクライミングであることに対して、シークリフは海のクライミングだ。

アルパインをやっていたら、山には行くけど、海にはいかない…ので、初めて城ケ崎に行くことになった時は、「なんで山をやっていて海にいくことになったのかなぁ?」と不思議な気がしたものだった…

自然農をやるつもりで木こりになった、みたいな感じかなぁ…

雪が好きな人は、スキーをやればとよく言われるけど、スキーにまで手を出したらギア代が半端ないよなぁと思って遠慮していた。山梨は雪国ではない。雪ではない乾燥した寒さのあるところ。雪があるところは湿度が高いところで、アトピー体質の私にはあまり快適そうではない…湿度が低いところが好き。

フォッサマグナ→ 皆伐は森林崩壊 → 下界は砂防林がある → シークリフクライミングの可能性あり 

という理解が進んだ。岸良海岸も同じような成り立ちなのだろう…

どこの田舎に住むにしても、農業のスキルと伐倒スキルはベーシックスキルセットだろう。


2021/11/07

初・伐倒!

■ 体が小さい不利をどう乗り越えるか?

私は体が小さい。体重は50kg行かないし、身長は152cmしかない。”昔”の日本人サイズ。

ボディサイズが小さいということは、出せる馬力、つまり、エンジンサイズも小さいってことだ。

その1)担げる歩荷サイズも小さい。(相方が歩けなくなっても背負い搬送できない)

その2)当然だが、手が届く範囲(クライミングでは、”リーチ”という)も狭い。

勢い、男性が背負うと普通に見える50リットルのザックを背負うと、小学1年生がランドセル背負ったみたいな状態になってしまう。

大体、クライミングしていても、リーチの問題で、あそこにガバがある!とか言われても届かない…。ガバが、ガバにならない。

この写真、分かります?でかく見えるけど、実は50リットル。男性は100リットルを担いでこのサイズ感です…。

林業では? 

チェーンソーが不必要にデカでかく見える。

お嬢ちゃん、子どもの遊びじゃねーんだよ~な雰囲気になってしまう…(まぁ、もうお嬢ちゃんって年齢でもないが)

ので、もうほんと、自信がないって言うか、

 体格的に適性に問題あり

と理性が言ってくる、伐倒…。しかし、自伐型林業を行うに際し、伐倒ができない、っていうのは、ありえないからなぁ…。

しかし、伐倒をマスターする、”易から難へのプロセス”、が、なかなか見えてこないんだよなぁ。

■ 祝・一本目


さて、このような状態で、自信がない中ですが、先日、初めてチェーンソーにて、1本目の伐倒を経験しました。

講習仲間が記念すべき、その様子を動画に収めてくれましたので、じゃーん、公開。

嬉しかった~!I村さん、ありがとう~(T_T)



ふたつ目の動画では、先生の背中から、私が講習生の中で、どのような立場であるのか?推し量っていただければ…と思います。先生の背中が物語る、そこはかとない、”しゃーねーなーな雰囲気”と”私の本気度”の不釣り合いさが、見て取れる動画です(笑)。

ホントは、そこまで気合入れるようなサイズ感でもないのよ~な感じなのかな~?

■ 細い木の方が伐倒は難しいですよ

この日は、午後雨の予報で、伐倒はチームで順番なのですが、私は3班あるうちの一班。一班では、一人はもう伐倒したので、二人目ですが、前述のI村さんが紳士的に、「僕はいつでも伐ろうと思えば、伐れますから」とバッター席を譲ってくれました。私は是非、今日中に伐倒経験を積みたいと思っていたので、全員の中で一人目…。プレッシャーあります。

前回の実習で選木した、ピンクリボンが付いた木のうち、もっとも細いものを選びました。

細い径から、大径木に行くのが、易から難、なのではないか?と思ったからです。

しかし、工藤講師によると、「細い木の方が難しいですよ」とのこと…。

うーむ。考えこんでしまいます。

しかし、間伐するとなると、不要の木を刈るわけです。太く立派な木を伐るということは、機会的に少ないような気がします。

私が伐りたい!と思う(であろう)邪魔な木、間伐したほうがよさそうな、弱った木、というのも、そう大きな太い木ではないだろうと思います。

というので、今回は、難しいという点は、指導者がいる間に、難しいケースを体験しておく、ということにしました。失敗するなら、フェイルセーフである、指導者がいる環境でやったほうがいいですよね。

■ 必要機材

さて、伐倒です。そうです。伐倒には手順があるのです。

(もう前の晩にシュラフの中で、何度もシミュレーションていますが…。)

まず、準備作業をします。

チャップスをつけ、ヘルメットをかぶり、笛、防振手袋、チョーク、楔、ハンマーを用意。

■ 林道などであらかじめ、チェーンソーの始動

朝一回目に使うときは、エンジンが掛かりにくいので、平坦なところで、あらかじめ掛けておきます。この時、エンジンオイル、チェーンソーオイルが十分に入っているか、もついでに確認。

講師に、「始動するときも、手袋してね~」と声を掛けられました。防振手袋です。

■ チェーンソーの選択

小さいチェーンソーの小軽を選択。

本来、小軽は、伐倒用途ではなく、支障木の伐採用なのですが、大きいチェーンソーは、私の体格には合っておらず、現時点では振り回されてしまい、リスクを感じます。また、私が購入する予定のものも、エコーの小型充電チェーンソー(前述の林家、佐藤さんが使っていたもの)なので、今回は、用途的に合っていないのは、目をつぶって、小軽。

本来は、ノーマルサイズ4.5~5kgサイズのものが良いようです。

写真は、プロも使っている小さめチェーンソー。充電式。

■ 支障木を伐る

・伐倒した際に邪魔になりそうな木、
・退避場所に退避するときに邪魔になる木

を伐ります。手首、足首サイズの灌木が多いです。これは手のこや、鉈でも伐れます。

みんなが手伝ってくれ、嬉しかった!

■ 伐倒方向の検討

今回は、真下、真横、右斜め45度下方、の3つの可能性がありました。

真下はできるだけ避けるべき、というのがセオリー。集材は楽そうですが、他の人の伐倒で、木が勢いよく、谷底まで流れて行ったのを見ましたしね。

真横というのは、木の重心の関係から、なかなか難しい方向なのだそうです。枝が山側ではなく、谷側に張り出しているので、大抵の木は、谷側に重心があるからですね。

そこで、相談の上、今回は、右斜め45度下方、に決定。

これは、仲間と講師で相談して決めました。一人で伐るとなると、まだ悩んでしまうところかもしれません。

■ 伐倒方法の選択

私が選んだのは、小径木だったので、おいづる伐りは要らないだろうと、想定。

林業用チョークで、受け口と追い口のマーキングをします。

この時、ぐるりと木の周りを観察。エンジンがかかると、音でも緊張して、観察できなくなりますから。

■ コール

ここまで出来たら、

「周囲の安全確認よし!上よし!伐倒方向よし!退避場所よし!」と指差し確認します。

そして、ピッピー(伐る用意していますー!)と笛をならします。

■ いよいよ伐倒です!

まず受け口を作ります。チョークマークの通りにチェーンソーを入れますが、深さは、直径の4分の1程度。一般の人が思うより浅いです。

チェーンソーの背で伐るのは、安定が悪く、私にはまだ不安なので、腹のほうで伐れる体制に体を持って行きます。

この時、

・伐倒方向との兼ね合い、
・退避場所との兼ね合い、
・山の傾斜との兼ね合い、

で、危険なところや不安定なところに立たないようにします。傾斜がきつい場所のほうが、立ち位置の選定は難しそうです。

受け口を作る時、難しいのは斜め伐りです。斜めに切るときは、背は使わない。腹です。30~45度です。なんか雪崩の頻発傾斜と同じ角度ですね(笑)。

また、こねる、という言い方をしますが、チェーンソーを伐倒する木に入れたあと、方向を変えようとしない、ということが大事です。火花が散っているときは、こねているときです。

私のは小径木だったので、受け口は比較的容易に伐れました。大事なことは

  会合点を合わせる

ことです。太い木のほうが難しいように思います。

■ ガンマークを見ます

伐倒方向は、受け口で決まりますので、ガンマークでチェックします。

■ 本合図

受け口ができたら、いよいよ、本合図をします。

 ピー、ピッピー (いよいよ、伐るぞー)

です。

■ 追い口を入れます

さて、追い口入れ、は、木が倒れ始める可能性があるので、緊張のしどころ、です。奥のほうを伐り損ねる、ということが多いので、しっかり奥まで良く見ながら、目的のところまで、チェーンソーを入れます。

この時、指導で、のこ道が閉じてしまわないように、小さい楔を入れて、伐りました。

■ 楔を打ちます

一つ目の動画は、楔を打っているところです。

楔の打ち方は、奥深いものです。基本はハの字ですが、私の木は、小径なので、ハにならない…。小さいのをどんどん打ち進めたら、長さ分、全部使ってしまいました…。大きいのを入れて、小さいのを出し、さらに打ちます。

打ちながらも、退避準備。上を見て、木が倒れ始めたら、一目散に逃げるためです。

追い口から、楔までを素早くスムーズに行うことが大事だそうです。倒れる方向が楔である程度、確約できるからですね。

打つ時は、一回一回、上をみる。パーン上を見る、パーン上を見る、というように、楔だけに集中しないようにします。

■ 成否…かかり木

伐倒の成否は、かかり木になってしまったら、失敗、って感じがしてしまいます。

伐倒方向を選ぶときに、かかり木がない方向を選ぶべきなのですが、例えば、真横、など、伐倒自体に熟達が必要で、真横を選べない、となると、次善の伐倒方向では、かかりやすい方向となってしまい、かかってしまう…ということも起こりえます。

■ かかってしまったら

残念ながら、私もかかってしまいました…くすん。このような時は、フェリングレバーの登場です。

基本的に、丸太状態になった木を回して係りを取ります。私のは、なんとか地面まで倒れましたが、かかり方によっては、右に回しても、左に回しても、周囲の枝に乗ってしまう、という状態を作ってしまうことがあります。

かかり木処理になると、余計な時間がかかるので、ばーんと地面に倒れたら、ホントにスッキリ!しますが、かかってしまったら、あーあ、って感じ。

この日の研修では、6人伐倒して、かからなかった人は2名くらいで、ほとんどかかってしいまいました。そうなると、色々と他の道具も必要になってしまいます。

かかりが取れて、材が安定したら、

「材の安定よし!」とコールして、

 ピー

で、終了の合図をして終わりです。

■ パチパチ~ 祝・伐倒

今回の伐倒は、このような感じでした。

私は以前に大阪のほうで、間伐ボランティアの経験がありますが、伊賀の森で伐った木は、手のこサイズで、「これ日ごろのストレス解消にバッチリね~」と思ったのとは裏腹に、伐倒が本格林業サイズ…20mはある飫肥スギで、緊張で汗びっしょり。あまりに濡れたので、後で着替えました。濡れたままだと低体温症です…。

これは、本気モード、っていう伐倒で、ボランティアレベルの経験値は、何の役にも立たないのだ、ということが、改めて理解できたのでした。

他の男性の研修生も約1名の慣れた人を除いては、似たり寄ったりで、伐倒は男性にとってもストレスレベルが高い作業のようです。初めての人はあたふたしています。体格的に不利がある女性の私だから、ここまで緊張して伐倒するっていうことでもないようです。

チェーンソーに慣れているK藤さん、かなりの大径木を選んでいましたが、彼は動じることなく、普段のまま。聞いてみたら、いつも薪風呂で、薪がいるので、チェーンソーに使い慣れているのだそうです。やっぱり、慣れですかね?

伐倒も一回しただけでは、「ワタシ、伐れます!」とは言い切れません。伐った後、かかり木になってしまったら、処理のために、また色々な知識や道具が必要になってしまいます。

 シンプルな道具立てで伐れる=熟達者

ということです。初心者ほど、色々なギアや知識が必要、ということは、アルパインクライミングやフリークライミングの世界とも共通でした。

初・林業アルバイト!

■ 自伐型林業・就業者支援講習

私は、大阪OL時代から、森林の保全活動には興味があり、間伐ボランティアなどに良く行っていました。山梨へ転勤になった際も、初めて出かけた山は、芦安ファンクラブ主催の南アルプスの登山道整備ボランティアです。(こちらが当時の様子

今回は、自伐型林業の講習に出ています。

■ 女性でもできる林業のバイト

偶然ですが、外ボルダーで全国的に有名な日之影町の方が、チェーンソーの講習の先生でした。工藤建樹先生です。(日之影トポ http://hinokageboulder.com/

福岡から延岡まで通うのは遠すぎて、お財布ピンチよ!と訴えたせいか?先生、助け舟を出してくれました(笑)。

そんな事情だったら、

   女性でもできる林業のバイトを紹介してあげるよ!

ということで、出かけてきました。

■ 山は複数 の鉄則

講習会の仲間と3人で参加。どうも林業の世界では、

  ”スリーマンセル”(Three man cell)

と言うらしいですね。安全対策のために3人一組で行動しましょう、ということ。

クライミングも、一人でもできるけど、怪我をしたときに救援が…というので、仲間と行動するよう、指導を受けます。まぁ、聞かない人も多いですけど、単独だとリスク行動取れない(笑)。リスクを取るのが楽しいのですから、リスクが取れないと、つまり、楽しくないかもしれない(笑)。

なにせ、足をねん挫しただけで、”這って帰った”とか、良く先輩から聞かされます。昨今、若い人は、山岳会に行かないので、こんな話を聞かされていないのかもしれませんが…。

余談ですが、私がいた御坂山岳会では、事故ゼロ&ヘリ出動ゼロを誇っていました。が、よく考えたら、這って帰っているだけ、だったのかもです(笑)。会の宴会で聞かされることと言えば、ピンチをどう乗り越えたか?って話ばかりだからなぁ。 

  ”山は自己責任”

と言われますが、山を甘く見て、自己責任を取る羽目になったらどうなるか? そんな話が聞けるのが山ヤの宴会(笑)。あ、でも、死んじゃったら、這っても帰れないよなぁ(笑)。

■ ステキなロケーション!一面のススキ野原

さて肝心のバイトですが、

  こーんなステキなロケーション! 気分の良い野っぱら

で、初アルバイト!

 佐藤さんとおっしゃる方の下請けでした。佐藤さんは、60代(と思う…多分)の山のベテラン。

道具持っていない!と訴えたら、ちょいちょいと山の小灌木を刈払機できって、さすまた(猪八戒が持っているやつ)を作ってくれました!なんてワイルド!びっくり~!

いつも田んぼの電柵下の草刈りで使っている刈払機が、丸ノコみたいで驚いた!

  「”あさり”をつけるんだよ」

と教えてくださりました。これがその”あさり”とあさりをつける道具。


あさりというのは、のこぎりのように、刃が左右に開いているという状態のことです。

奥の四角い治具で、刃を押し倒して、あさりを付けます。これだけのことで、刈払機が丸ノコにバージョンアップとは!もちろん、キックバックをさせない技術力あってのことだとは思いますが。(アサリ出し動画

刈払機は、農業では、みんなプロテクターもつけないで、「あーあ、また草刈りかぁ~、草には勝てないよなぁ~」と、トホホな感じで使っている、おなじみの道具です。林業の刈払機は、ワンランク上な感じですね。パワフルで、驚きました。

■ 地拵え

私たちが依頼を受けたのは、
   
  地拵え(じごしらえ

と言って、皆伐跡地に植林を行う作業の前段階、準備作業です。

明るいカヤ畑になっていた。早速、ベテランが作業のデモ。


刈られたカヤを列に集めて、植林する苗を植える地面を見えるようにする、という作業です。

植林するにも、地面が見えないと植えにくい、ということなんですね。

これがビフォーとアフター。
ビフォー

 アフター

こちらが佐藤さんに撮っていただいた動画! 私と相方が作業しています。たまたまですが、二人とも青い服、着てる。


作業は、屋外作業なので、トイレ、当然ですが、ありません(笑)。ま、山ヤの男子で問題になる人がいるとは思えないけど。女子も当然、お花摘み、です。

農業などの野外労働では毎度のことですが、あっという間に休憩…。休憩多いな~と、普通の人は驚くかもしれません。9時にスタートしたのに、10時半には休憩、12時はもちろん休憩、15時にも休憩…休憩だらけだよなぁ。しかも16時であがり。

でも、これも、疲労を貯めずに、体を大事にして働く工夫なんだろうな。疲れていなくても従うに限りますね。

で、休憩中、とにかくススキが満開できれいだった。

しかし、なんでススキばっかりなんだ?!と思ったら、どうも、鹿がほかのは、全部食べちゃって、残るのがススキだけ、ってことらしいです…。

ほおずきが、時々、出てきて、見つけたら、パクっ!

薄いベージュのカヤの中で、オレンジ色が光っています。

けっこう、おいしいほおずきだったよ。

昔の人は、ほうずきを食べると流産すると言ったそうです…。









■ 鹿の食害 深刻

鹿の食害は、深刻らしく、この日は同じ現場で、他の講習生仲間が、遠くで鹿柵設置のアルバイト中なのが見えました。

そういえば、山梨県の三つ峠でも、鹿柵設置のボランティア活動をしましたが、設置したとたんに植生回復したんですよね。鹿、ホント困りますね。

別件ですが、鹿肉のロースト、今までの人生で食べた中で、一番美味しいロースト肉だったなぁ…。岡山のクライマーに貰ったものでしたが。ローストビーフと同じ手法で作れる。

■ 一日の成果


こちらが、今回、どうなったか?遠くから見て撮影した結果です。プロは、同じ時間で、この見えている範囲の下のほうまで終わってしまうのだそうです。えっええ~?すごい!

そういえば、林道を運転していて、山が横のシマシマのストライプ模様になっているよなぁと、よく思っていました。カヤを寄せたものを下から見るとストライプになっています。

これだったんだなぁ。

   森が本当に、ひとつひとつ手作りで作られていること

に感動しました。黙々、粛々と作業できる、瞑想チックなバイトでした。

帰りは、心地よい疲れを感じ、日之影温泉に入って帰りました。外ボルダーの筋肉痛とは、全然、違うな。全身で運動したなって感じでした。まぁ、やっていることが、大きな箒で掃く、みたいな動作だからですね。

お天気が良い日で癒されました☆

工藤先生、佐藤さん、お世話になりました!

2021/10/21

正見

 今朝、やっと正見が開けた。

仏教説話をしてくれている、おかもん先生に感謝している。毎朝、旅行中以外は欠かさず、仏教説話を聞いている。その講師のおかもん先生にはとても感謝している。

不思議なことに今日は執着の話を聴いていて、突然、正見が開けた。

■これまでの経緯

私は、一般登山が嵩じ、アルパインクライミングをスタートしたのだが、そこから、何かがおかしくなり始めた…。おそらく、それは、顔の見えない大衆や夫からの嫉妬、だと思う。今、振り返って、そう思う。

山を知る喜びや発見をつづった文章が、むしろ、人々の”嫉妬”や”人を引きずり下ろしたい気持ち”などの、ネガティブな感情を刺激していたらしい…と今は分かる。しかし、当時は、私は、自分の立場を恵まれた立場というよりは、”被災民”のように感じていたので、その嫉妬に面食らうばかりだった。

こう何度も、自分の都合でも意志でもない転勤で、ころころと転地していては、まともな仕事にありつくこと自体がそももそ不可能であり、やりがいや生きがいをほかのこと…つまり、趣味に見出さずにはおれない、というだけのことだったからだ。趣味にだって仕事並みに全力投入すれば、誰だって私くらいの成果は出せるだろう…いや、もっとすごい成果が出せて当然だろう。

私は生い立ちがアダルトチルドレンで200%の人だ。つまり、出来ていることも、出来ていないと感じる、どこまでも、自分にOKが出せないというのが基盤にあるということなんだが、長い社会人生活でそれを克服してきた。

ところが、その面がクライミングでは足元を見られるようになった…。例えば、車。車がないクライマーがクライミングできないのは、当然の事なんだが、そうはこちらでは受け取られていないようだ。あるいはギア。カムを持っていないアルパインクライマーなんてルートに行くことすらできないのが普通だが、それもなし。カムどころか、ロープすら人のだったりする。ギア不足で当然というのは、自立したクライミングではない。ビレイスキルがない、も同じだ。

私にとってはあって当然、できて当然のことが、他のクライマーには、出来ないということになっている。

200%の人は、50%の人のターゲットにされる。ので、なかなか釣り合う人がいない。有料で教わったことを無料で教える羽目になっている。

結果、自分自身の喜びを山で追及できなくなった。自分のことが後回しになるということだ。

これはおかしいということで、色々なところに救いを求めたが、ギーターの勉強したり、心理学を勉強したり、チベット僧のターパさん、サンフランシスコのマイケル牧師、人生のメンターが必要なのか?と思って、古い友人との交流を再開したり…長い間、模索が続いた。

模索する中で出会ったのが、おかもん仏教説話だ。仏教にも、学生時代から何度かはチャレンジしていて、やっぱり違うなぁ…と過去になった経験があり、あまり期待しないで聴いていたが、おかもん先生の仏教は、ターパさんと同じで、ブッダが言ったこと、また法(ものごとの理)だけを立脚点にしているので、変な宗教的色付けがない。それが気に入った理由だ。私が子供のころから信じてきた、善、と最も近い。お葬式に大枚はたくのが仏教だと思っていたら間違いですぞ。

仏教なら誰でもいいのか?というと違い、大愚和尚のYouTubeを見てみたが、それも違う。

ので、おかもん先生にはとても感謝している。

おかもん先生に教えてもらって開けた知恵は、

 クライミング仲間が、ガリガリ亡者連中だ

ということ。自分の登りたいところを落とすためなら、パートナーが危険にさらされても良い、それは相手の責任だ、という歪んだ自己責任論で犯されている。そこには自分さえよければよいがあり、仲間意識はない。仲間意識がないということは、分かち合いの意識もない。そんなところでやっていきたいとは思えない。

というので、最近やっとスッキリ…。クライミングの業(ごう)は深かった…。

私は、すっかり手放す気満々で福岡に来たのに…色々な人に誘われて、全然手放せなかった…

私はクライミング歴が浅いクライマーで相互監視の中で登りたかった…だから、仲間が欲しいという気持ちが執着として残り、クライミングはとっくに賞味期限が切れた趣味だったのに、手放すことができなかったのだろう。

クライミングは危険な行為なので、仲間同士で助け合い、相互監視する間柄が必要だと、九州クライマーは思っていない。どちらかというと、どっちのほうが命知らずか?競合しあっている。そんな関係性で登って行けば、早晩、命が無くなる。

ただでも危険なことをしているのがクライミングなのだが、それをより危なくなるように、わざわざランナウトさせているのが九州のクライミングルートの形だからだ。まぁ、これは小川山もヨセミテ流を継承しているから、同じなんだが。

したいと思っていないリードも無理強いされて不愉快だった。

というのが、明らかに見れるようになるのに、業が深すぎて、4年かかった…(汗)。 

アイスでワンシーズン35回、登りまくって楽しく成長したのがたったの1年の事で、その35回のクライミングで作った業を燃やしつくすのに、4年もかかったのでは割に合わないなぁ(笑)。

おかもん先生に大感謝だ。

■ 僻地

九州に来た当初から、九州では山やクライミングをやらないで、他のことに取り組みたいと思っていたんだよなぁ…。何しろ、登山業界として見ると、九州には特に見るべき山はないんだし。

日本登山大系という立派なシリーズがあるが、穂高は山ひとつで一冊なのに、関西以西は四国、中国、九州をまとめて一冊程度の話にまとめられている。そんな状況を知っていたから、最初から気分は盛り下がっていたのに、なぜか、次々とクライミングでやっておくことが出来てしまい、ずるずると断ち切れずにいた…。

それは、やはり、私が山が好き、という執着があるから、だろう。

高度な登山をする以前から、森林ボランティアで間伐に行ったり、山梨でも山一発目は登山道の整備活動だったり、だからなぁ…。

山が好き、自然が好きという執着が、こんな形でしか昇華させられないとは… まさに、”私の不徳の致すところ”という感じだなぁ…。

もしかして、BMCトラッドフェスに行っておけばよかったのだろうか?いや、そんなことをしたら、嫉妬の炎はより強く燃え盛っていただろう…。つまり、もっと悪口を言われていただろう…

というので、人の目を気にして生きている、ということも分かった次第…。スティーブには悪いことをしたなぁ…。せっかく誘ってくれたのに。

このような悪いチョイスをしてしまう業は、私の”禁止令”にあると思うが…。うしろめたさということを感じているのは、それだけの努力をしたという気持ちがないからかもしれない。

たしかにクライミングも別に頑張ったわけではなく、能力を100%出し切ったわけではない。ただ、山のご縁がつながって、どんどんと広がっただけだ…。山梨でいただいたご縁はすごかったよなぁ。まぁ、半分は下心で支えられていたような気がするが。

九州で担っている役割は、私よりも能力があり、適任の人が担うべき責任だという気持ちがどこかにあるよなぁ…例えば、九州クライマー連絡会とか。

私の実力そのままの山で言えば、甲斐駒積雪期単独、阿弥陀北稜積雪期初見で単独、そんな感じかな。明神主稜も自分の山だ。フリーはまだ初級で足踏みだし、この怪我でさらに後退中だ。まぁ、だからと言って惜しいと思っていない。そこまで私に喜びをもたらさないからだ。

ドライの練習はしたいんだが、岩根まで行っても練習するのは相手の問題でできなかったからなぁ…。

とりあえずやれることはやっている感、あります。