楽しみにしていた岸良の岩場。
…しかし、行く前になんとなく、”大丈夫かなぁ”という虫の予感が少しありました。ただ、虫の予感…不安が、漠然としすぎていて、山行をキャンセルするほどの問題とは思わなかったんですよね。
以前の師匠の鈴木さんに、”山行目的を明確にするように” とだいぶ言われたのですが、それがぼやけていた。今回は、私が甘かったです。
パートナーの山行目的と私の山行目的がずれていた違った、と思います。互いに、期待やもくろみが違うと、ちぐはぐになってしまいますよね。一致しなくなり、それぞれが自分のエゴ(山行目的)を通そうとしだすと、分解します。互いをつなぐ横糸がないからです。
それで行く前に一回、不安になり、大丈夫ですかね?とメールしたことがあったんですが…不安の中身を私自身が良くつかめていなかった。
おそらく、
相方
・メインは鬼岳
・宴会で旧友に会う
・クライミングはついで
私
・易しいクラックの登り貯めが主たる目的 ぶっちゃけクラックだけで充分
・鬼岳はついで
でした。
■ 悪天候と沈殿
しかも天候が悪い予報が出ており、4日間中、天気が確実なのが初日だけ。その上、初日に怪我をしてしまいました。悪天候の予報だと当初の目的を達することができないため、その場合の対策をきちんと考えた計画をすべきでした。反省です。
なにか不測のことが起きた場合、というのは、その対応のいかんで、信頼関係が向上したり、悪化したりします。
不測の事態というのは、試金石でもあるのです。
■ いいクラックでした!岸良の岩場
今回は、岸良の岩場でナインアンダーのクラック登り貯めが、私のメインの目的でした。私の目的の一つは、何とか達成しました。ただ3本しか登っていないですが。
岸良の岩場は良きクラックの岩場でしたが、なにしろ一本も登る前に、アプローチで肉離れになってしまったのです…。
それでも、なんとかクラックを触りたい!という目的は、根性で達成!
5.7をアップでオンサイトした後、5.9のクラックを登りましたが、これはとても良いクライミングでした!
5.7の易しいクラック 2番が一杯いります |
まだどんなムーブでも来い!って段階にないから、登れるものを登って、”登れる実感”を貯めないといけないんですね。
私のクラック登攀は5.9オンサイト登りだめが課題です。
リードで5.10bに取り付くのは、ギリギリすぎて楽しくないってことみたいです。
その後、足が腫れて悪化し、何も登れなくなり、歩くのすら、つらくなったので、岩場の偵察もできず…。
■ 甘いリスク管理
本来この時点で、アイシングを考えるべきでしたが、リスク管理が甘く、アイシング用品も、保険証も持って行っていませんでした。これは反省です。
岩場では常に怪我のリスクがあるからです。
しかも海だったり、近くに沢が流れ込んでいたので、海に足を浸していればよかったなぁと今振り返ると思います。
なんというか、自分の体のニーズを後回しにする心理的な癖、それを当然受け入れてしまう、という習慣、あまりよくない日本的習慣?があるかもしれません。
やっぱり体育会系(笑)?
やはり、一番大事なのは、体です。私自身は自分が連れて行く人に対して責任感が十分あるのに、自分自身を同じくらい大切にする、ということが貫徹できていないようです。
泊まり場 |
岸良の岩場は、町が寂れて過ぎて、周辺に何も商業施設がないです。買い物するところがない。
幕営も海に面した展望休憩用のパーキングスペースです。
基本的に、山やに泊まれない場所はないですが、山と同じことを町でせざるを得ない=岸良。
快適性は、全くなしです。
一応、幕営によさそうな場所(調理せずに食事でき、トイレと風呂と水道があり、泊まっても怒られないところ、雨の場合、屋根があるところ)の目星をつけて行きましたが、そこは通らなかったので、初日は展望駐車場で泊まりました。私はテントも持っていましたが、雨だと面倒が増えるため、車中泊にしました。
なかなか景色が良いところでした。トイレもなく水道もないので、幕営場所としては快適度は低いですが、まぁ、山やなら問題なし。
■ 二日目
さくらはもう散り初めでした |
二日目は、朝から雨だったので、次の偵察地に向けて出発したのですが、選択した道が失敗。
時間がかかる上に展望もなく、ただ悪いだけでした…(汗)。
いや、あの道は疲れた。
鬼岳 マルチがあるそうです |
開聞岳がかっこいい |
途中で疲れて休憩しようにも、ずーと何もない林道で休憩すら…です。
鬼岳を偵察し、近所で仕入れによさそうな道の駅で夕飯になりそうなものを購入し、本日の予定終わり。
大隅半島は、肝付周辺より、根占側のほうが栄えています。ので、ベースとするのは、根占側のほうが良いみたいです。
根占のほうは、車中泊に良い神川オートキャンプサイト(電気も取れる)があるようでした。コンビニも道の駅もあり、温泉もご近所。
今思えば、あそこに泊まったら、節約になり良かったな~、なんですが。テントもあったので。
連日の車中生活だと、充電は結構、問題になります。今回はパソコンを充電するのに、新しいバッテリーを購入してみました。
金曜夜が宴会だったのでそれに送り届けるため、あと二日、クライミングができないならば、何をして過ごそうか?と考え、湯治宿に投宿することにしました。
何もしない時間を無為に過ごすより、ゆっくりして、体を癒すことを考えたほうが良いかなと思ったため。この湯治の本、なんとなく、ふと魔が差した、な感じで、出かけに入れたんですよね。今回はこれが保険になった。人間の予感力は不思議なものです。
大隅半島はゲストハウスなどの安宿もないので、(山や)&(車中泊装備)でないと、旅行することも基本的に困難かもしれません。
■ きらく館
きらく温泉 |
きらく温泉
お湯も良かったし、清潔さもOKだったので、足さえ大丈夫だったらまた行きたいです。
しかし、足がどんどん悪化するし、とどまる理由は相方の宴会出席だったので、2泊の予定を繰り上げて、一人でも帰ったほうが良いと判断。先に帰りますと言うと、その判断に相方が寄り添う形で、2名で帰ってきました。
2泊分の宿泊料を払った後だったので、無駄になってしまいましたが…。宿からは公共の交通機関で、鹿児島市や福岡にも、たどり着くことができそうでした。
やはり、けがをした後は、一旦、山行は中止にして、負傷者と怪我の療養を第一に考えるべきだと勉強になった。
今回は、帰ってきたほうが良いということだったんだろうなぁと思います。
とはいえ、海岸の岩場岸良の5.9、負傷があるにもかかわらず、ノーテンで楽勝で登れてよかった。
黒稜会の若い人にも会えました☆
やっぱりクラックなら何とかなる感があるんですよねぇ‥‥指力がいるフェイスはダメですけど。