ーーーーーー引用ーーーー赤線筆者
足で登ろう!
クライミングでは「パワーは手」「テクニックは足」といいます。「手」の握る力や引上げる筋力が尽きると登れなくなりますが、クライミングのシングルピッチから数ピッチの範囲なら「足」の力は無限です。
手で鉄棒にぶら下がれる時間は数分がせいぜいですが、足では数時間歩き回っても問題ありません。足は生活や仕事中にずっと使っていますので、もともと持久力が高いのです。
したがってクライミングの命題は「上に登って行くために必要な力をどれだけ、足に分担させられるか」ということで、その足への分担率が大きいほど手の負担を軽減できます。
まずなぜテクニックは「足」かと言いますと、どのムーブを使うかはすべてフットホールドの位置関係で決まり、足の取り回しがクライミングの成否を決定づけるからです。
クライミングのムーブ体系には大きく分けて「カウンターバランス」「ハイステップ」「キョン」「ヒールフック」があります。
どのムーブでも使えるとしたら、優先順位は①ヒールフック ②キョン ③ハイステップ ④カウンターバランス です。これは足が受け持つことのできる体重分担比率の違いです。
①ヒールフック:足の力を最大限利用できるムーブです。そして他のムーブはすべて足での押し上げになりますが、ヒールフックは唯一引込みに使えます。身体の重心の位置である「腰」より上に足を上げてフックすることで引込み要素になり、第3の手の役割りをします。そしてこの手は疲れません。ヒールフックを使用しますと片手にほんの僅かに力を入れるだけで身体は安定します。またレストに使用しますと、片手ずつ気軽に離して休めます。
②キョン : 左右の足を反対方向に蹴り出すこと(オポジション/反対力)によって保持力が生まれます。これにより体重の何割かを足が負担してくれるので、手の保持力を軽減できます。このムーブの要点はひねりのタイミングと腰の上下の深さです。深いほど次のホールドが遠のくようですが、腰を沈めることにより、足を反対方向に蹴る力が増します。そこから、腰からひねり上げるのが最も力が得られる動きです。
③ハイステップ :片足に体重を乗せ込むムーブです。手より足が先行して行き、まず体重移動が完成して片足に体重を乗せ込んでから、手でホールドを取りに行きます。要点は性急に手を伸ばさず、しっかりフットホールドへの乗込みでの体重移動が完了してから手を伸ばすことです。
④カウンターバランス :片足で立ち、もう片足はバランスをとるために横方向に張り出します。最適バランス状態を作るためのムーブですが、身体が壁から剥がされるのを防止するには、手の力が必要です。
このムーブにはダイアゴナル・アウトサイドフラッギング・インサイドフラッギング の3つの種類があります。
ムーブの成否はフラッギングした足の位置です。取りに行くホールドの遠さにより、フラッギングした足の張り出す距離をコントロールします。カウンターバランスですから、取りに行くホールドの距離が遠いほど、張り出す反対側の足も遠くに伸ばします。
また最終的には腰の位置で身体の重心の位置が決まりますので、腰がホールドを踏んでいる足の真上にくるようにします。そうすることで手の負担が一番少なくなるのです。
クライミングの面白みは足の体重分担比率の高いムーブほど使用できる箇所が少ないことです。
まずヒールフックは石灰岩の岩場や城ケ崎のような大きく凹凸がある岩場でしか使用出来る部分は少ないものです。
またキョンは縦に大きく変化がある岩しか使用出来ません。
人工のホールドは突状になっているので、ヒールフックやキョンは多用出来ます。ただし試合ではこれを使われると楽になりますので、我々ルートセッターは使用出来る部分を極力無くしています(・ω・)ノ。
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■ まとめ
・「パワーは手」
・「テクニックは足」
・クライミングの命題は「上に登って行くために必要な力をどれだけ、足に分担させられるか」
・どのムーブを使うかはすべてフットホールドの位置関係で決まる
・「ヒールフック」、「キョン」、「カウンターバランス」、「ハイステップ」
・腰=フットホールドの真上
・クライミングの命題は「上に登って行くために必要な力をどれだけ、足に分担させられるか」
・どのムーブを使うかはすべてフットホールドの位置関係で決まる
・「ヒールフック」、「キョン」、「カウンターバランス」、「ハイステップ」
・腰=フットホールドの真上
初心者の頃は、手の事ばかりを考えていた。 みんなに「足だと思う」と言われても、最初に手がダメになって登れなくなるので、必要最低限の保持力もないようだった(汗)
のだが、それは前傾壁主体のジムに行くからで、外岩に行ったら足で登れるじゃあーりませんかと急に楽しくなった。
・・・ら、やっぱりかぶっていると途端に登れない・・・
・・・ので、かぶっているところ対策も必要だということで・・・ → ジム。
昨日の越沢バットレスでは、かなり楽に登れた。落ち着いて考えることができた。しばらく、岩に恐怖心を持っていたけれど、また落ち着いて岩自体を見るという気持ちが戻ってきたような気がした。
のだが、やはりムーブの引き出しがないことは課題だな~と思う。
大きく4つのムーブ、最近はフラッギングを勉強中・・・ ハイステップの立ちこみは苦手系。ヒールフックは最近初めてやって、マントリングにへぇ~と言う感じ。