ーーーーーーーーーーーーーーーここから引用ーーーーーーー赤線筆者
OSを試みるとき最も重要な要素はホールドの位置と形状です。それによって全てのムーブが支配されるからです。
クライミングルートのグレードは「①壁の傾斜・②ホールドの大きさ・③ホールドの間隔・④ホールドの位置関係」という岩/ウォールの4つの物理的要素で決まります。
これをクライミング的に整理しますと「引き付けや保持するために必要な筋力」と「そのホールド位置でバランスよく、力を出来る限り投入せずに登るテクニック」の困難度の違いということになります。
ルートグレードにはホールドの発見のしやすさは加味されません。グレードは保持のしやすさやムーブの困難度など純然たる運動要素で判断されるのです。
自然の岩よりクライミングウォールの方がホールド位置が見やすいのですが、このことがグレードに反映されないため、オンサイトはやさしくなります。ただしホールド位置が全て確認済みのレッドポイントではグレードは同じになります。もしくはクライミングウォールが擬岩タイプでない限り、フットホールドやインターミディエイト(中継ホールド)を多用できる岩場の方が登りやすくなるかもしれません。(これでももしジムルートの方が易しい場合はそのグレードが間違っているのです)
さてホールド位置を探しながら登るのはやっかいなものですが、ひとつのヒントがあります。見上げたホールドの保持加減が不明なとき、そのルートグレードが参考になるのです。特に人間が作ったジムルートにはそのグレード以上のホールドは出てきません。
自然の岩では・・。ユージ大先生と岡山に行って、12前半のルートを登ったときです。ルートの途中で私が全然ホールド位置がわからずフォールしたルートを彼は簡単にカンテの裏にホールドを見つけて登っていきました。いままで何回も登ったルートのようです。私はその疑問を尋ねると「東さん、このグレードならこの辺にホールドが無いと成り立たないんですよ」とのことでした(・ω・)ノ。
クライミングではテクニックとパワーの両方が必要ですが、ルートを攻略するとき、そのパートパートではどちらかの要素の方が強いものです。
ムーブは力を省けるものを選んだ方がいいので、一番いいのはヒールフックで、次点はキョン、そのどちらも使用できない場合はカウンターバランスかハイステップになります。
切羽詰った場合はダイアゴナル(カウンターバランスの一種で右手で保持した場合は左足で踏む、左手で保持した場合は右足で踏む)です。このムーブは省エネになるか力が入ってしまうかは別して、約70%位の部分に適合できるからです。
クライミングではそのパートパート、ムーブムーブで常に岐路に立たされます。
テクニカルに処理して省エネで行くか、シンプルなムーブでハードプッシュして短時間に処理するかです。
力の消耗を防ぐのは①長く小さな力を投入(テクニカル)・②強く短く力を投入(ハードプッシュ)という二つの方法が有効で、一番悪いのは長く強く投入するです。
テクニックなムーブが成功すると力は省けますが、そのムーブが見つからない場合はいたずらに時間が経過して消耗してくるばかりです。テクニカルに行けるところでハードプッシュすると、不必要な力を使ってしまいます。
OSトライでは、これらの素早い判断が必要です。何しろ保持が困難なホールドでは5秒以上保持(連続した力の投入)してしまうとアッという間にパンプしてしまい、そこで落ちるか切り抜けてもダメージは相当残るからです。
シンガポールでのワールドカップのとき、女子ルートの途中にレンコンの切り口のような持ちどころが分かりにくにホールドがありました。日本の選手は(落ちたく無いため)丁寧に対応しようと時間をかけてしまい、その部分で疲労してしまって次のパートで落ちる選手が多かったのです。ヨーロッパの選手は曖昧にしか持たず、一瞬のうちに切り抜けていました。そこはマゴマゴしていたら消耗するので、ハードプッシュで処理したのです。 このあたりはアスリートとしての勝負勘です。
こうなりますと、時々は限界ギリギリではなく、やや余裕のあるルートでも早く処理しながら登るトレーニングも必要かもしれません。実際には流れるようなクライミングが理想です。
オンサイトトライでは判断を早くして、もし迷ったらハードプッシュが基本です。マゴマゴして落ちるより、飛びついた先はガバかもしれません。
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■ まとめ
・OSを試みるとき最も重要な要素はホールドの位置と形状
・①壁の傾斜
・②ホールドの大きさ
・③ホールドの間隔
・④ホールドの位置関係」
・切羽詰った場合はダイアゴナル
・(テクニカルに処理して省エネで行く) vs (シンプルなムーブでハードプッシュ)
・オンサイトでは、迷ったらハードプッシュが基本
・流れるようなクライミングが理想
■感想
今までは、正対で行っていたのです。つまり疲れるムーブの連続が基本になっていました。
次にダイアゴナルを覚えたのですが、今はフラッギングを覚えるところ。最近やっとステミングが使えるようになってきた。
まだフラッギングすると手数が少なくて済むと言われても、???な状態です(汗)。