2021/04/04

九州ではボルダーをしていればOKでは?

■ 北杜市 

ボルダー=堕落

という価値観だったんだよなぁ…アルパインがメインの土地柄の場所にいたころは…。

私がいた山梨県の北杜市は、登山界のグラミー賞と言われる、ピオレドール賞を受賞した人が5人も住んでいた土地柄で、一般クライマーでも、甲府に住んでいるというと、”いいな~”と羨ましがられる土地柄でした…。ま、私はイヤイヤながらそこにいた訳ですが。出るときは名残惜しく、出たくない、と言って出てきたので正解だったのかなぁ…。

で、山梨では、本格的な冬山をするのが、かっこいいクライミング、なので、ボルダーのように体力の負担の少ない、気軽に取り組めるスポーツは、都会のあまりアウトドアに見識がない男性がやるもの、団体でしかアウトドアに来れない人がやる、気の毒なもの、という感じでした。私の会も、私も、ボルダラーを見ると、”ああなっては、お終いだ”的な価値観でした。未知の山、より高く、より大きな山を目指すというのが価値観なので…。未知でもなく、高さ2mくらいの河原の石ころ登って、吠えるっていうのも、なんだかなぁ…ですが。

九州では、180度転換して、ボルダーが凄い土地柄。アルパインなんてしなくていいんじゃないかとすら思います。山登り=中高年登山以外ない感じです。

■中高年登山とは?

山登りは、別に中高年登山であれ、青年であれ、同じ技術が必要で、同じことをするのですが、価値観が違います。

中高年登山者は、老後の愉しみ、なので、交流がメインの心理ニーズです。みんなで行って、山頂でおにぎり食べたいね、っていうニーズです。ので、”山の中身は何でもいい”んですよね。

本来の山登りは、山そのものを興味関心の対象とする活動なので…。どちらかと言うと、山自体に興味を持つことが、基本的には大事です。山の気候は、平地の気候とは違うし、山のリスクは海のリスクとは違うでしょう…。

そういうことがお留守、もしくは外部にアウトソーシング中なのが、中高年登山の特色で、遭難が多いのはそのためです。

話がそれましたが、そういう本来の山登りに必要な知識が不要なのが、基本的にはボルダー、です。そのため、山自体を追求していくクライミングであるアルパインクライマーからは、ボルダーやボルダラーは尊敬されていない。

ただ九州には、アルパインの対象になるような困難な山は一つもないので、私が持っているような技術は必要なく、誰でも安心して登れる山しかないです。俺はアルパインのクライマーだ!とか言っても、無いものは無いので、仕方ないんですから、ここはボルダー天国のボルダリングを味わうのが、転地してきたクライマーには良きことではないか?と思います。

美しき白き頂きは、また別の機会に登りましょう。

【宙吊脱出】様々なロープ登高技術をご紹介!

2021/03/31

飯山健司さんが「いつかここに住む!」とまで言っていたとは…

■ 飯山さんが「いつかここに住む!」とまで言っていたとは…

高さ20~100m 幅500m、アプローチは一時間よりは少なそうですが、取りつきが今のところ、渡渉。上に林道もあって、読図できる人は、尾根伝いにも降りれるが、そっちの方が難易度高そう。

私は2年ほど前に、小山田大さんを初期に教えたという屋久島フリーウェイ開拓者の米澤さん(御年当時74歳)が、もう開拓ネタが尽きた…というので、

”ここなど、次にいかがですか~”

と言うために、お連れした場所です…。遠くから見るだけでしたが…。

この近所は石灰岩だらけなので、春先はスピリングエフェメラルがステキで、フクジュソウがこれでもか!と咲いています。天狗岩は露出している岩としては最大ですが、近所は毛虫マーク一杯なので、移住先を探している開拓クライマーの方に、ぜひ移住候補にしていただきたいと…。許可取れたら、登り放題、開拓放題が可能になるであろう土地柄。

しかし、一般ピープルは仕事に拘束されているので、そのような行為をすることは難しいので、時間が自由になるスポンサードクライマーなどにおススメ…。

どっかぶりなので、花崗岩開拓ならまだしも、定年退職組には、”体力&技術”、共に厳しいと思われ…。

開拓許可の方は、県庁勤めの助っ人クライマーがいます。めちゃねらい目岩場かも???


フリーファン15号

師匠が向こうからやってくる…その③ 油山川

■ 屋久島フリーウェイ

私は実は、クリックアップで落とされて、グランドフォールしているのですが…岩場が血みどろの岩場になった…。その私を落とした”彼”が、念願のルート、にしているのが、屋久島フリーウェイ、です。毎年、来る来る、と言って、来ないけど(笑)。

屋久島フリーウェイを調べていて、知ったのが、米澤さんという開拓者でした。

しかも、私は、鹿児島黒稜会がやっている『福岡近郊の岩場』というHPを最初のころ、めっちゃ読んでいたのです…。なぜなら、今福岡なので。丹念に背振山脈北面を歩きつぶした記録は大変好感が持て、由緒正しい山やの姿がありました…。

ので、先輩が来てくれた時、さっそく、お願いして、油山川の岩場へ。完全に私の好み、で、先輩の好み、ではありません。私の山を紡ぐ協力者です。

行くと、沢の中州にパイプをくゆらすご老人が。米澤さんでした。感激している私を尻目に、先輩のほうは、”え?遭難者?!”と思ったそうです…(笑)。私は見る目があるので、そんなことは思いませんよ。

米澤さんは、ほとんど油山川の開拓を終わる頃でしたが、私はボルト提供を申し出、FIXE社に問い合わせを出し、二人三脚で開拓のタッグが組まれようとしていたのでしたが…次なる岩場捜索まで…で、ご一緒する時代は終わりになりました…。

米澤さんは、御年74歳でも、たぶん5.12まで登れたのかもしれません…。米澤さんが打ったボルト、12登る先輩が1ピン目でテンションしていました…。米澤さん、若い時はどんだけ凄かったんでしょう…???

以前、佐久の師匠、青木の家に児玉さんという指の無いご高齢のクライマーがやってきて、みんなで荒船山のアイスを登りに行ったら、児玉さん、いつのまにか一人でどんどん山を歩いちゃって、迷子になり、なんと17㎞先の、ぜんぜん方角違いの町から、電話がかかってきたのですが…。 ”ボケても健脚?”みたいな大事件でしたが…それを見て、次はオレか?と思った人がいたみたいでしたが…

米澤さんも私と日向神で開拓していたころ、取り付きを完全に誤解していたことがあり…、一人で岩場に置いておくのは、ちょっと心配だなぁという感じでした…。



師匠が向こうからやってくる…その② 大阪労山登山学校の校長先生

■ ✖安さん

私がいた御◎山岳会は、中✖さんと言う爆弾を抱えていました…。なかなかの策士で、新人を出汁に、自分が行くことができないバリエーションを企画して、会のリーダーを引っ張り出すのです。その作戦にひっかかったのが、会の30代新人✖野君。

それで阿弥陀北稜程度で凍傷者を3名も出したのですが…。

私はそれで、会の実力がすっかり理解できてしまい、退会。1年半の短い付き合いでした…。一応、60年の伝統ある、富士山のレスキューも担う、由緒正しい地域山岳会でした。

そんな感じだったので、困った私は、とりあえず鉱泉フェスへ。ちょうど冬だったので、アイスです。その頃、鈴木昇巳ガイドの講習も受けましたが、夜、ライトがついても、あと一本だけよ~と登らせてくださるありがたいガイドさんでした…。
 
鉱泉フェスで、大学生の男子23歳が私の冬テントを訪ねてきてくれ、”一緒に登りましょう!”と…。”ならば!”と早速、張り切って、アイス初級ルートの峰の松目沢へ。

ところが、最後、帰りの懸垂で、「僕、懸垂下降したことないんです…」と。”ええ~?!”です。

…という訳で、彼の生まれて初めての懸垂下降は、親指くらいの木を三つくらい束ねたような支点でした(笑)。

それ以来、わたくしは、当時ご一緒にクラックを登っていただいていたフリーの先輩、◎氷の岩◎さんにお願いして、後輩君に岩をゼロから教えたのでした…。もちろん、人工壁からです。まさか、懸垂下降を知らないで、ルートに来るとは思ってもみなかったので…。(私は師匠の鈴木さんに会ったときは、すでに懸垂はわかっていた)

そんな苦労を見かねてか、南沢小滝のゲレンデアイスで出会ったおじさんが、別のおじさんを紹介してくれ…その方が青木さんという私の2番目の師匠です。大阪で登山学校の校長先生をしていたそうです。レスキューの隊長も。

いきなり、甲府に遊びに来てくれ、3日連続、近所の公園で、レスキューのロープワーク。私は、頭がいっぱいいっぱいで、まとめ切れず。クランベルも、その時教わりました。

当時まとめたサイトが、レスキューの部屋というサイトです。なにしろ、初心者大学生君と初心者年増女の組み合わせ…、教えておかないと、レスキューになる可能性、一杯…と思ったのでしょうか? 

当時、私は、故・吉田和正さんのビレイヤーも務めており、今日はアイス、明日はクラック、とあっちこっちと忙しかったのです…。昇仙峡は、非公開のため、トポがなく、師匠の青木さんを連れて行くと、これは登れそう、これは登れなさそう、という目視判定をして、登れそうなやつだけ登る…という原始的なクライミングになりました…。師匠は標準体型なのでクリップは問題なく、私は彼が登れたものでも、やはり危険でTRばかりでした。手が切れるので、小川山って、手垢にまみれた山だったんだなぁと…。

佐久で盛大な歓迎の宴が催され、メインゲストがなぜか伊藤◎二さん…(汗)。ぎょえ~となり、甲府のツヨツヨクライマーみんなに声を掛けた。けど、みんなビビって来ませんでした…。黒部横断の話など、私が聞いたところで、何になるでしょうか…。私が出ない訳にもいかないので、後輩大学生君も交えて、参加。新人大学生をセカンドにしている、奇特な女性クライマー?と言う立ち位置でした…。実際、半分以上はホントです…。(残念ながら、大学生君は、5.9がオンサイト出来る前に、エイハブ船長1級が登れてしまい、ボルダラーになってしまいました)

新人君は、なぜかリードしたがらないので、女性では甘くてダメなのかも?と正月にアイスを師匠と私ぬきで登るように仕向けたら…、彼、師匠の車にオカマを掘り(笑)、自分の車は、廃車にしてしまい、そのままアイスは辞めたようです…。

私は彼のビレイを見て、あまりに、だらりんで自分の一年の努力が全くゼロだということに愕然としたのでした…。

吉田さんが亡くなり、湯川クラック時代が終わり、佐久の岩場をやり、湯川へアイスで通うようになり…、アイスはコンペで締めていますが…ドライへ進みかけの足一本、突っ込んだところで、山梨時代、終了…。

元々は押しかけ師匠だったけど、今度は私がはるばる福岡から長野まで押しかけて、岩場に連れて行ってもらいました。インスボンも師匠と行きました。

本当は、インスボンに付き合ってあげる代わりに、私のラオスに付き合ってくれる約束でした。が、付き合ってくれなかったので、一人でラオスに行きました。”お前は可愛くない”、と言われるのは、そのためです。以来、味をしめて、一人で台湾へクライミング…。

”(私の山に)一緒についてきたい”と言う人は、時々います…が、私は、イコールパートナーがいいんですよね…。私も、相方のクライミングという名のジャーニーに、何が貢献できるのか?知りたいです。

押しかけ師匠その②の青ちゃんが来てくれたのは、たぶん、大学生をセカンドにして、”奇特な子だなぁ”と思われていたからだと思います。…が、大学生君の側は、たぶん、”ちゃっかり”、していただけだと思います…。

自分の気に入った時だけ、都合の良い時だけ、そんな時代の空気感ですが、

 本当の友は悪い時に一緒にいてくれる人

です。



師匠が向こうからやってくる… その① 運命の出会い@天狗岩

■師匠が向こうからやってくる…運命の出会い@天狗岩

私は元々クライミング志向ではなく、山旅派で、環境意識が高いタイプだったので、三つ峠山荘でアツモリソウの保護活動をしていました。

山岳写真家の新井和也さんと三つ峠ではスミレを数えたり…、三つ峠山荘のご主人と南アに出かけたり…、そうこうしている間に、劔で落石により、新井さんが亡くなってしまい、私は、当時、五竜岳山荘勤務だったのですが、暇を貰って下山し、新井さんと珍しいランを見つけた天狗岩へ行きました。すると…?

下から誰かが上がってきて…クライマーでした。私を見るなり、「さてはクライマーだな。流動分散を作って見せなさい」と言われ、面食らいつつ、作れてしまい、それが鈴木清高師匠でした。

鈴木さんは、『岳人』に寄稿するガチな山やでした…。

なぜあの時、あのタイミングで、鈴木さんがそこにいたのか?そのことを思うと、かなり不思議な気がします。

師匠が向こうからやってきた最初でした…。鈴木さんとは初級のアイスや沢、三つ峠の入門登攀、積雪期登攀、色々と教わりました…。本当にありがたいことでした。

鈴木さんをセカンドにして、マルチを登るのが私の個人的な夢です。



2021/03/27

クライマーの自滅的行動が起こる理由

■ クライマーの自滅的行動が起こる理由とは?

を知りたくなったのが、クライミングにおける私の探求、ですが…。

例えば、

・ジムで5.11が登れるから、のノリで北岳バットレス四尾根に行こう!とか…

・ビレイをマスターしていないのに、◎◎登れます、ビレイ出来ます!

とか…。

どちらも本人に指摘したら、

 「俺、やっぱりアホでした…言われてみれば、当然なのに分かっていなかった…」

とか、言っていました。

それで、多くの若い男性がクライミングの初心者時代に致命的に命を喪失する判断をしています。一般的には、易しいところではセルフ要らないとか、ロープワークの軽視とか、ですが…。

以下、教育のどの部分が欠けたら、どういう人間になるか?というリスト

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1.感情教育の欠如+思考力の欠如

= 判断力はない= 見たものを真似する(ミーハー) → アイスのビレイ

2.感情教育の欠如+猿真似思考力

=猿真似判断力

=身勝手な理論で行動する(作られた基準でも動く) → イケイケクライミング

3.豊かな感情教育+思考力の欠如

=感覚的判断力

感覚的だが人間らしい行動が出来る → 勘で危険を避ける 9割のイケイケクライマー

4.豊かな感情教育+思考力養成 

=人間的判断力

=自力で考え、人間的な判断を示し、行動できる

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http://reonreon.com/handan.html より引用

心と頭、両方を使って判断することが大事ですね。

2021/03/25

岩場にかかるコストを理解する

■茨城の開拓の岩場を教えてもらいました

茨城といえば、フラットな土地…というイメージで…

岩場ないよね、と言う話になりましたが、なんと、重機で、掘り出して、土地を購入して、クライマー有志で作った岩場があるそうです。

https://camp-fire.jp/projects/220818/activities/112843?fbclid=IwAR0GyLQz80JOnz4pf8oFdZcTepgfT4TLdBPzCT2rSsJ_2gIqICEgq6dxqXg#main

使用料は年間1万円なのだとか… 無料の今と比べると、え?と思いますが、ジムが一か月9800円であることを考えるとかなり安い。

佐久の志賀の岩場は、使用料一回1000円ですが、年間使用料のほうがいいような気がします。

ちなみに山岳会の会費は大体月1000円、年間1.2万円くらいです。

計算したらボルト7本で、資材費11800円かかっていました。



2021/03/23

北山さんと杉野さんも言ってるよ!

 ■ヤマケイ登山学校『フリークライミング』

の冒頭に

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トップロープと違い、リードのビレイには様々なテクニックが必要となる。最初に声を大にして言いたいのは、確保器は絶対に体に取り付けるということ。

どんな頑強なビレイポイントがあろうとも、これに直接確保器をセットしてはならない。

確保者の体はフォールの衝撃を軽減する重要なショックアブゾーバーなのだ。

ーーーーーーー

です。

私は、初めてビレイを教わったのは雪上でしたが、その雪上ですら、支点ビレイはダメ、というのが山岳総合センターの先生が最初の一言で言ったことでした… 

ただ実際にみたことがないので、それをされている様子が全く想像つかなかったです…。

ので、これがダイナソーレベルと言われている、あれ?かどうか、調べるのに一苦労…。だいぶかかって、そうらしいと分かりましたが、男子は一生分からないみたいでした…。

自分がどんなビレイをされているか?なんて知らないで、登っている人ばかり…それが依存的クライミングと気が付いていない…みたいですね。

この文章が一番最初に出てくる文章で、ホント、まるで大御所から援軍をもらったような… 大村純忠が7人で籠城して1500人に囲まれているときに、時間稼ぎをしていたら、援軍がきた、みたいな… そんな気持ちです。

九州クライミングのこと

 ■九州クライミングのこと

故・杉野保さんの『オールドバッドゴールド』(https://amzn.to/3167pnB)が書籍になっていますが、それによると、新原さん九州クライミングの父、柏木さん=九州ボルダーの父、みたいな位置づけです。まぁ、歴史なんて、後から見る人の見方で、後から見た人が全体像を分かっているとは言えないかもですが…。

リードクライミングでは、九州のアルパインの伝統は、一言でいえば、”ランナウトに萌えるぜ”です。まぁ、基本が花崗岩なので、つまり寝ているということで、ランナウトと戦わなければ面白みがなかったのかもしれませんが…。勢い余って、現代のフリークライミングでも、その論理を貫いているので…。初めて取り付く人は、課題設定者がもつオリジナルグレーディングを思ったほうが良いです。正しくビレイしていても、落ちれば致命傷になる課題もあります。間違っても国際グレードではありません。国内標準グレードであることも、むしろ珍しいケースです。

ランナウトに萌えるぜ!が基礎的価値観の場合、ボルト連打が始まるグレードがその開拓者のギリギリグレードです。それを思うと昔の開拓者は、非常に登れる人ばかりだったのだと分かります。

私がご一緒していた当時74歳の米澤さんのボルト連打が始まるのは、5.12以上からでした。5.12をギリギリRP中の先輩、現代的なグレーディングで登っている人…が1本目からハングドッグ状態でした。一方、現代の若い開拓者は、10ⅽからボルト連打…。岩がもったいないので、もう少しレベルアップしてから、ボルト連打、始めてもらいたいかもです…。現代の開拓クライマーのレベル低下がうかがえます。(適正ボルトとは言えないという意味です)

■ アルパインルート

九州ではアルパインは、リムーバブルプロテクションではなく、なぜかボルトルートです…。いわゆる穂高みたいな高い山のルートがないため、と思いますが、アプローチが非常に短い、車から降りてすぐ登攀、というのが特徴と思います。

年配の人が多いためか、マルチピッチが多いというのは良い特徴のような気がします。

リード課題は、日向神が数の上では多いですが、本州では、もはやお払い箱になっているホームセンター手作り終了点が今も現役で、またアンカーではなく、プロテクションのほうも、どう解釈したらよいのか分からないオールアンカー一体型プロテクションなどが一杯です。

怪しくて評価しようがない、分からない、のには登らない、ということになると、登ることが可能な課題は、多くの人が登っている人気課題ということになり、おのずと限られてきます。17mmのレンチを持っていき、不適合なボルトの課題は、パスするのが無難です。グージョン以外で、ハンガーがついていることがあるためです。

これは、日向神以外でも同じです。悪い見本を真似している人が…がいるようです。

■ボルダー

そうした人的影響から逃れられるのが、外ボルダーです。

外のボルダーを登っている限り、平和ですので… ボルダーを頑張るのが一番おススメ。

あとは人工壁ですかね~。A級セッターの徳永さんと言う方もいて、良いセットで知られています。

ボルダーの岩場数は、かなりのものです。特に宮崎の日之影。世界的クライマーの小山田大さんの貢献が偉大です。

■ 大怪我のリスクが高い時期=事情が分かっていない時期

とにかく来てすぐのころが、”RのついていないR課題”に落とされて、大怪我のリスクが一番高いので、気を付けられてください。

実は、九州の地元の人も大怪我しています。誰も公表しませんが…。日本フリークライミング協会の影響の外にあるので、怪我や事故の数字が報告されず、誰にも実態が見えないという状態にあるため、です。

■ ロープワークのレベルが低い

ランナウト前提の岩場という性格が引き起こした悲劇と思いますが、九州出身のクライマーで初心者はトップロープしかできない人もまま、います…。 セカンドでもロープワークゼロで付いて歩くだけ、が当然でしょ、という教育方針で、あまり本州では受け入れられていないかもです。一般的に、マルチに行くなら、セカンドでもロープが上がらない場合の自己確保での登攀と、トップが落ちた場合の確保、レスキューの要請のための懸垂下降程度の最低限の知識を持っていない人はセカンドでも連れて歩きません‥‥が九州では、当然のように初心者でローワーダウンすらできない人が、セカンド。トップだって、懸垂で地面にロープが届いていない…というわけで、初歩の段階でロープワーク技術を教わっておらず、ビレイも先輩が落ちないところしか登らないので形だけ、という人がまま見受けられます。そもそもクライミングシステムを理解せずに登っているセカンド限定の人多数です。

そのような人は、トップの人の言うことを聞いていれば自分の役目は果たしていると思っているので…、クライミングのみならず、運転から、何から何まで、お荷物人材で、なおかつ、なぜか偉そうです。

■ 古色蒼然としたビレイ

同じ理由だと思いますが、クライマーは落ちない登りしかしないので、年配者のビレイは、ほぼ100%間違っています。

支点ビレイ、ATCなのにグリップビレイ、お座りビレイ、2m以上壁から離れたビレイ、挙句は人工壁なのに肩がらみ…と、”やってはいけないビレイの見本市”みたいなことになっています。

そうでない確実なビレイヤーを見つけたい場合、人工壁で見つけることになりますが、人工壁でも、うーん…1ピン目からロープが90度も屈曲したようなビレイをしている人が指摘をされても、頑固に意見を変えなかったりします。

終了点で、角度が30~60度でないと、荷重が分散されないことは、よく知られていると思いますが…同じ原理を1ピン目に与えると、ビレイヤーの立ち位置は、壁とビレイヤーが出しているロープの角度が半分の15~30度になることは分かると思います。それ以上大きくなるとオイラーの法則で、衝撃吸収がなされなくなってしまいます。

ので、どこに立っているか?で、大体はビレイヤーが、どれだけよくクライミングの安全を理解しているか分かります。セカンドオンリーなので、ロープドラッグの経験がない人もいます。特に大きな人でセカンド専門で育てられたクライマーは、要注意です。バッツンビレイの衝撃を理解していない人も多数です。自分は落ちて快適だからですね。それは下の小さいビレイヤーがボディで衝撃吸収している訳なのですが…。それを初心者ではなく長年登っていても、理解していない人も多数です。

以上が、私が経験から見出した九州の実態です。新しく来た人の参考になれば…です。



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九州では分かっていない会が超有名老舗だった件


2021/03/22

オールドクライマーvsニュークライマー

■ オールドクライマーvsニュークライマー

黒田誠さんは当代のクライマーなら知らない人がいないトップクライマーの一人です。この方が書いているように、令和の今になっても…というのが、残念ながら古い往年クライマーの皆さまです。

残念ながら、私の身内である師匠の一人もそこに加わるであろうと思います。往年の方はロープワークなどしっかりされており、マルチに行くと瞬きしている間にロープを束ねてくださり、安全に関しては通常1重のビレイループさえ、2重化されているような具合です。

若い男性クライマーにはそういう点を見習ってほしい…より高リスクの山にステップアップするには洗練された安全管理が必要だからです。ですが、この両者は全く水と油で、まじりあいません。

理由は、オールクライマーが上下関係の関係性を基本にすること、往々にしてすでに間違いであると業界内で結論づけられた技術を後輩に強いること(事例としては、リードクライマーへの支点ビレイ、肩がらみ、腰がらみ)、そして、登るグレードが違い過ぎて一緒に登っていて楽しくないこと、があります。一言で言えば、”時代遅れ”。

結局のところ、若い男子が相手をしてくれず、誰も師匠クラスの面倒を見ない、となると、ならば、と女性新人クライマーにお鉢がまわってくることになります…
 
その女性にしても自分がまだ何かを相手から学ぶことがあるビギナー時期であれば、付き合いも我慢が効きますが… 山でタバコをポイ捨てするような時代錯誤感覚の方は、往々にしてセクハラしたり、過去の栄光自慢をしたりしてくるので、なかなか我慢の度量も必要です…。それができるのは、家族くらいではないでしょうか…。まぁ、人は誰でも年を取るので、先々自分もそうなるのだ、と思えば、となると思います。

自分のクライマーとしての成長を犠牲にして、相手にお付き合いでお酌するのも、本末転倒です。

というので、基本的にオールドクライマーは業界内でお荷物化、しています。さらに痛いのは、若い人が入らない山岳会に所属していると、お荷物化していること自体に自覚がなく、若い人に自分のスキルを高値で売ろうとしてしまうことです…。
 
例えば、ラオスは、誰でも一人で行ける岩場で、行けば誰かと登れますが、上下関係でしか登れず、コミュニティ参加できない往年クライマーは、行ったとしても誰からも声がかからない可能性が濃厚です。そのような状態なのに、ガイドで行く、と言い張ります。交通費とガイド費用をお客さんに出してもらって、リード三昧で登ろうという訳です…。しかし、ですよ? 自分一人で現地まで到達すらできないのに、お客さんの財布で行きたい…って?となります。

が、そのような事例が先にあるらしく、希望を捨てない訳です…。先行事例を作っているのは、古い会のおばちゃんクライマーのような気がします。現地と交流しない日本人、韓国人クライマー集団。おばちゃんが女中のように、動かぬ男性クライマーの間をかいがいしく舞い踊って、ビレイさせていただきます、と低姿勢。ビレイはできて当然でしてもらって当然のものです。ので、女性の側の自尊心の低さも、事態に加担しているような気がします。…が、そんな虫の良いことを考えているのが年配の方の世界観なのです。

時代がこれほどに変わっていることに無自覚、ということなのです。

余談ですが、町でもポイ捨ておじさんはいます。その方たちの心情は?というと、許されたい、ということだそうです。

お前も完璧な人間ではないだろう、なら俺のポイ捨てを許せ、とのこと…。

それとこれとは全く違う問題のような気がしないですが…人が一人で自立するということがなかなか基本にない世界が日本では長く続いた結果のような気がします。

そのことを知らないのが世間に無知の大学生くらいの方です… 

確かに一歩目の海外とか、一歩目のアルパインルートは怖いものですが… せめて同レベルの仲間と一歩を踏み出しましょう…

ヒマラヤも同じと思いますよ?今の時代、ハイキングの人だって個人旅行でヒマラヤ行く時代ですよ?なにせ、許可が下りやすくなったのは、ハイキングパーミットで登れる山ですから。

ちゃんとした冬季登攀でステップアップしたクライマーは、ヒマラヤではなくアラスカのルース氷河やパタゴニア方面を目指している時代です。まとまった書籍はないですが、ロクスノ読み込んだり、ウィンタークライマーズミーティングに出れば分かるはずです。

古色蒼然としたルートを楽しむのは、老後にもできます。若い時しかできない山をすべきでは?



2021/03/21

皆さんプラスチックに夢中な現代

私はセットは全く興味ないですが、ピラニアにいたころ、難しくて登れなかった5級を1週間悩んで、室井さんにできないのですが…と言いに行ったら、あっさり、こっちのホールド使っていいよ、って話になり、えええ?????と、おったまげた経験から、

絶対値である外岩作法 

ムーブ習得の場であるインドアジム作法

は、大きく異なるらしい…と開眼。

九州では行く先行く先、男性のマスターベーションみたいな課題でうんざり感があり、5級以上の入門グレードは、ほとんど手抜きの課題設定でお金払った分の学ぶところがないよ…と感じています。

その感じ方があっていたような気がする、今日この頃…。なぜなら多久高校の壁が私には快適だからですが。

今回の特集をまとめました。インドアクライミングジム対策を考える予定です。

■ 東秀樹さん他 19人からのまとめ

・初級ルート = フィジカル的に難しいルートの設定を少なくする

         保持力が必要なルートはすぐやる気をなくす恐れがある

         ムーブを工夫すれば登れるルートを作る

・中級ルート :トリッキー、ファニー、インタレスティング、フィジカル、ストレニュアス

大事なこと:全体に調和がとれていること、メッセージ性のある内容

■ 興味の高い課題とは?

1)見た目が印象的

2)変化に富んだ内容

3)他人が登っている姿をみて登りたくなる

■メジャーvsマイナー

メジャー:厳しめホールドでも、バランスのいい配置でスムーズな登りができるライン

マイナー:持ちやすいホールドでも一手一手動きを止めながら登るライン

■難易度について

ジムグレードは、外岩と比べて、ボルダリングは難し目、リードは易し目。

■外岩vsプラスチック

外岩 = 与えられた形状を生かすラインを設定

ルートセット = ゼロから意味ある内容を設定=人工ホールドだからこそできるルート

■ ほかの方から、気になったコメントまとめ

木村伸介さん コンペグレード、外岩グレード、ジムグレード

柴田晃一さん リーチ感を出さない

若宮京介さん 体が立体的に動く 関節や体に無理な力がかからない ガバでも落ちる

水口つかささん 使わないホールドがあったり、ショートカットできない

小西大介さん 各ムーブはできるけどつなげるとできない 通いたくなる課題

柴田将基さん それぞれにあったムーブで登れるような課題 高度が上がるにつれて難しく

藤原祐樹さん、低グレードはそのグレードを登る人が成長できるような課題 最近はジムによってグレード感が違い過ぎる

笠原大輔さん 最初はよく分からなくてもトライを重ねて理解を深めることでたどり着ける

佐藤優哉 登りやすい3級 ど真ん中 限りなく二級に近い3級

■ まとめ

私が感じていた感じ方は、まぁ全然間違っていなかったですね~(遠い目)。

リーチさえあれば取れる課題で、ホールドをどんどん悪くするだけの課題作り…それじゃ面白くもなんともないわなー。 まぁ、男性の標準身長と標準フィジカルにマッチしていて、パワーを出し切って一発瞬間芸で登れる俺を実感したいという向きには合っていると思います…

色々と勉強になった。クライミング界で元気なのは、プラスチック業界ですよね。まぁ、外岩はお金にならないが、プラスチックはお金になるんだから仕方ないですが。

ロクスノ090号からのまとめです。https://amzn.to/3cYnXn4