私がいた御◎山岳会は、中✖さんと言う爆弾を抱えていました…。なかなかの策士で、新人を出汁に、自分が行くことができないバリエーションを企画して、会のリーダーを引っ張り出すのです。その作戦にひっかかったのが、会の30代新人✖野君。
それで阿弥陀北稜程度で凍傷者を3名も出したのですが…。
私はそれで、会の実力がすっかり理解できてしまい、退会。1年半の短い付き合いでした…。一応、60年の伝統ある、富士山のレスキューも担う、由緒正しい地域山岳会でした。
そんな感じだったので、困った私は、とりあえず鉱泉フェスへ。ちょうど冬だったので、アイスです。その頃、鈴木昇巳ガイドの講習も受けましたが、夜、ライトがついても、あと一本だけよ~と登らせてくださるありがたいガイドさんでした…。
鉱泉フェスで、大学生の男子23歳が私の冬テントを訪ねてきてくれ、”一緒に登りましょう!”と…。”ならば!”と早速、張り切って、アイス初級ルートの峰の松目沢へ。
ところが、最後、帰りの懸垂で、「僕、懸垂下降したことないんです…」と。”ええ~?!”です。
…という訳で、彼の生まれて初めての懸垂下降は、親指くらいの木を三つくらい束ねたような支点でした(笑)。
それ以来、わたくしは、当時ご一緒にクラックを登っていただいていたフリーの先輩、◎氷の岩◎さんにお願いして、後輩君に岩をゼロから教えたのでした…。もちろん、人工壁からです。まさか、懸垂下降を知らないで、ルートに来るとは思ってもみなかったので…。(私は師匠の鈴木さんに会ったときは、すでに懸垂はわかっていた)
そんな苦労を見かねてか、南沢小滝のゲレンデアイスで出会ったおじさんが、別のおじさんを紹介してくれ…その方が青木さんという私の2番目の師匠です。大阪で登山学校の校長先生をしていたそうです。レスキューの隊長も。
いきなり、甲府に遊びに来てくれ、3日連続、近所の公園で、レスキューのロープワーク。私は、頭がいっぱいいっぱいで、まとめ切れず。クランベルも、その時教わりました。
当時まとめたサイトが、レスキューの部屋というサイトです。なにしろ、初心者大学生君と初心者年増女の組み合わせ…、教えておかないと、レスキューになる可能性、一杯…と思ったのでしょうか?
当時、私は、故・吉田和正さんのビレイヤーも務めており、今日はアイス、明日はクラック、とあっちこっちと忙しかったのです…。昇仙峡は、非公開のため、トポがなく、師匠の青木さんを連れて行くと、これは登れそう、これは登れなさそう、という目視判定をして、登れそうなやつだけ登る…という原始的なクライミングになりました…。師匠は標準体型なのでクリップは問題なく、私は彼が登れたものでも、やはり危険でTRばかりでした。手が切れるので、小川山って、手垢にまみれた山だったんだなぁと…。
佐久で盛大な歓迎の宴が催され、メインゲストがなぜか伊藤◎二さん…(汗)。ぎょえ~となり、甲府のツヨツヨクライマーみんなに声を掛けた。けど、みんなビビって来ませんでした…。黒部横断の話など、私が聞いたところで、何になるでしょうか…。私が出ない訳にもいかないので、後輩大学生君も交えて、参加。新人大学生をセカンドにしている、奇特な女性クライマー?と言う立ち位置でした…。実際、半分以上はホントです…。(残念ながら、大学生君は、5.9がオンサイト出来る前に、エイハブ船長1級が登れてしまい、ボルダラーになってしまいました)
新人君は、なぜかリードしたがらないので、女性では甘くてダメなのかも?と正月にアイスを師匠と私ぬきで登るように仕向けたら…、彼、師匠の車にオカマを掘り(笑)、自分の車は、廃車にしてしまい、そのままアイスは辞めたようです…。
私は彼のビレイを見て、あまりに、だらりんで自分の一年の努力が全くゼロだということに愕然としたのでした…。
吉田さんが亡くなり、湯川クラック時代が終わり、佐久の岩場をやり、湯川へアイスで通うようになり…、アイスはコンペで締めていますが…ドライへ進みかけの足一本、突っ込んだところで、山梨時代、終了…。
元々は押しかけ師匠だったけど、今度は私がはるばる福岡から長野まで押しかけて、岩場に連れて行ってもらいました。インスボンも師匠と行きました。
本当は、インスボンに付き合ってあげる代わりに、私のラオスに付き合ってくれる約束でした。が、付き合ってくれなかったので、一人でラオスに行きました。”お前は可愛くない”、と言われるのは、そのためです。以来、味をしめて、一人で台湾へクライミング…。
”(私の山に)一緒についてきたい”と言う人は、時々います…が、私は、イコールパートナーがいいんですよね…。私も、相方のクライミングという名のジャーニーに、何が貢献できるのか?知りたいです。
押しかけ師匠その②の青ちゃんが来てくれたのは、たぶん、大学生をセカンドにして、”奇特な子だなぁ”と思われていたからだと思います。…が、大学生君の側は、たぶん、”ちゃっかり”、していただけだと思います…。
自分の気に入った時だけ、都合の良い時だけ、そんな時代の空気感ですが、
本当の友は悪い時に一緒にいてくれる人
です。