2020/12/28
現代クライマーのためのクライミング指導法(案)
現代クライマーのためのクライミング指導法ということを、ずっと考えています。
1)為末大学が参考になりそう2)アルパインの教え方で、フリークライマーを作るのは難しい。
3)インドアスポーツクライミングの教え方で、フリークライマーを作るのは難しい。
4)ボルダーからフリークライマーになるのは難しい
5)本人系の障害: 命知らず自慢、ビレイ、ロープワーク、外岩の危険無知
6)環境系障害:そのグレードを登るクライマーのために打たれていないボルト
7)その他障害:ビレイ、時代遅れな知識、年功制度 例:ブーリン、棒フレンズ、肩がらみ
自分の価値観を譲らない強さを持つ必要性
だな、と改まって振り返って反省しています。頼りなくても、自分は自分の正解をみつけることができると信頼する、ということですね。つまり、ベテランなどの外部に正解を求めたり、頼ることはできないということですね。
以前、23歳男子の後輩ができました。
彼はアイスは初心者でしたが、若い人は見たものをコピーする能力に優れているので、アイス40年の青ちゃんとのクライミングに混ぜてあげたら、あっという間にムーブを身につけました。
が、ロープワークを覚えないと。外アイスで時間がかかるロープワークを教えるのでは、寒すぎる。季節のいい時期に岩で、となるので、他の先輩に出動してもらったりして、岩講習を彼のためにセットアップしたり、色々と急がしかったです…。
たぶん、アイスをしたいのだけなのに、なんでロープワークを覚えないといけないのか?初心者の彼の立場からは分からない。
年配の人の言うことを真に受けすぎというか…素直な良い子はクライミングにはイラナイというか。
とはいえ、自発性があり、自立していこう、という独学派は抜けも多い、です。
私もそうかもしれぬという思いがあるので、いつも自信をもって教えているわけではありません。
私がやったことをそのまま他の人がやると(例:三つ峠2度目からリード)、途中で死ぬかもしれませんし、同じ失敗を繰り返す必要はないと思うし、指導ができるほどの視点には、まだ立っていないので、という部分もあります。
自己責任が身についている人でないと、教えづらいというか、教えたことがすべて正解と解釈する人だとダメなのです、クライミングは。クライミングというか、安全管理は、ですかね?登るほう、ムーブなどは、ほっといても誰でも上達するので。
というので、私も独学者の域を出ないので、自信がない。ので、来てくれた若い人は、大体、年配のベテランと言われる人たちに託してきました。経験の厚みが、抜けをカバーするものと思われたし、今まで生き残っている事実がとりあえず安全管理能力を示すからです。
しかし、抜けなく学べるというメリットは少なく、逆に間違ったことを覚えてしまうリスクのほうが高いかもしれないと、ここ最近は思います。
例えば‥‥
2)悪いところを身に着けてしまう事例 ビレイ
などです。
岩に置き換えるとボルトや支点ですね…。
今までは山梨で一緒に登っていた先輩と登っていましたが、彼もこんなヘンテコな支点は見たことがないので、どうしたらいいものか、お互いに分からなかったのです…。山梨は外クライミング先進国なので。九州クライマーは、これが普通だと思っているので参考になりませんし…。
ビレイも課題で、ベテランというのは、昔はフリーを練習するインドアジムなんてなかったわけなので、もれなく全員がアルパインクライマーです。つまり、アルパインクライマーと言うのは、決して落ちない。落ちない登りしかしないのです。ということは、アルパインのクライマーに育てられたビレイヤーは、要するにキャッチの経験がないということです。
ところが、リードしろと強いられて本当に嫌でした。その時は、大勢の人の前で大喧嘩して、そのようなクライミングは否定しました。
そういう、ある種の強さ…がないと、ハイハイ、と言ってリードでとりつき、ミックスで落ちて、ダラリンビレイで下の氷にたたきつけられても、自業自得、というのがクライミングの掟というか、そもそも、人生の掟、なのです。
とくに湯川は距離が短いのでビレイはシビアなのですから…。
リスクはスキルアップで克服する
素直なよゐこに欠ける資質はそこかなぁと…。
2020/12/26
2020/12/24
命題: ボルトの状態が判断できないなら、登るべきか、登らざるべきか、自分で判断しなさい
A) ボルトの状態が判断できない × 登る
→ 落ちない登りしか許されない課題 もしくはバクチ登り
→ 当然 → 現代の若者がロープしない理由
→ 死んでも自己責任 → ほぼほぼ 古い岩場の状態 さらに条件分けしてスタイルで安全性を変えて登る
→ 安全
E)ボルトの状態が判断できる × 悪い × 登らない
→ 当然 → 現代の若者がロープしない理由
F)ボルトの状態が判断できる × 良い × 登らない
→ なんで? ま、いいけど…
と言うことになるよなぁ。
反社会的でなければ何をしてもいい
1)川上村 女山
初めての山岳会の先輩が示してくれた山は、マイナーな里山の雪稜。ずーっとラッセル。山を見つけるところから勝負。いかに地図を熟読して、駐車可能な林道をみつけ、余り歩かずに取り付けるか?が勝負。危険はないけど、雪と孤独はいっぱいある。体力はいっぱい必要。体力維持と山カン維持の山。
2)太刀岡左岩稜
易しい、半アルパイン半トラッド半フリーで、ボルトもあり、整備された5.6~5.9くらいの岩稜登攀。落ちたら大変ですが、このグレードならまず落ちない。2段を登り、ガイド資格がある若者のクライマーが、これが好きと言うのですから、意味することは重い。これが登れたら、登山ガイドはどこでも可能。
3)阿弥陀中央稜 体力測定の山
最初の師匠の鈴木さんの山。南稜を毎年登っていたそうですが、年を取り、グレードダウンして中央稜。なかなか良い尾根です。ゲレンデのアイスとか鈴木さんは、南沢小滝や大滝は決して行かない。混んでいる=危険、です。実際その通りでアイスの一番の危険は、上から人やアックスが降ってくることです。教え方は最初からリードでした。
4)インスボン
青ちゃんの山。とにかく30回も行っているんですから大好きなんでしょうねぇ…。私は一回行けば十分。私的には韓国はむしろアイスゲレンデが楽しいような気がする。教え方や考え方が合わず、全然リードさせてくれないのでストレスを溜めました。男子と行くとリードの取り合いになって、喧嘩別れするそうです(笑)。男子とじゃなくても同じかい!リーダー固定制度の山。
5)ラオス
新保さんの山。フリーで初めて楽しくなった。石灰岩という新境地が開けた。石灰岩よりも、世界のクライミング文化が好きになっただけなのかも?
行く以外、何もすることがないくらい手軽。行くだけで80%は、こっちのもの!みたいなところなので…。つまり登らなくても、何もしなくても、行くだけが価値があるので、みんなにも行ってほしい。日本でもこんな岩場が一つくらいあってもいいのに、と思う。
なんというか、西成区が岩場にあるみたいな(笑)? 昼間から飲んでるおじさんのクライマーバージョンが常駐中みたいな?(飲んでクライミングをする人がいるというわけではありません) 毎日遊んで許される場?
■考察
現代の社会状況下で定年した人は、基本、やりたいことをお預けにして、我慢して定年退職を迎えてきた世代です。その心理的ニーズは、”もうしたいようにしたいんだよ”、でしょう。
その、 ”もうしたいようにしたい”(不満) が
1)不倫であるとき → 山岳会がセクハラの場になる
2)自分の山であるとき → 体力低下や力量低下に見合った後輩(多くは女性であることが多い)を探すようになる。一軍クラスの山は、その人が本当に望んだ山と言うよりも、世間に対する自己証明であることが多いのが男性の山屋としてのピーク期だからです。
3)リードだけ&特定の山だけ楽しみたい → 付き合ってくれる人(初心者であることが多い)をとっかえひっかえする
4)自由にしたい → バム?ラオスみたいな岩場?
5)人間的成長 → 岳連などの役職や後輩の育成
6)栄誉に浸る → 名誉職に安定
7)知りたい → 世界放浪?
となると思います。
”したいようにしたい”のが人間の本来なのですから、それでいいと思うのですが、問題になるのは、”したいようにしたい”の中身が反社会的な時です。
例えば、不倫など。セクハラや、例えばお妾さん、浮気などは、男の甲斐性というのは、いつの時代の話ですかと言うことなので、現在は犯罪です。
私が寛容に感じるのは、バム生活者の方で、経済的負担をどこにも掛けていないのですから、岩場に住んでいるみたいな状態でも、いいじゃないかと思います。若者も、いつでもビレイヤーがいるというなら、気楽に岩場に出かけて行けますし。物質的な豪奢をあきらめて、毎日クライミングという生活を選ぶ選択肢があっても、別に良いではないか?とすら思いますね。
故・吉田和正さんを擁護するわけではありませんが。
指導者に求めるものとステージ
先生を選ぶ基準
2020/12/22
2020/12/21
終了点とプロテクション
1)プロテクションも悪く、終了点も悪い
=ギリギリボーイズの方限定。一般クライマーは登らない
2)プロテクションが悪く、終了点は良い
=トップロープ課題
3)プロテクションは良いが、終了点は悪い → TRADクライミング
=リードして懸垂で降りる
4)プロテクションは良く、終了点も良い → フリークライミング
=普通のあるべき姿
クライマーの自己責任の取り方 ボルトに対する対応力:事例集
はじめに。最もあってはならないこと:煽り&煽られ。
事例1)シャックル直付けのような、確信犯的に信用してはならない終了点の場合
→ 係数2で落ちるクライミング(RP型)はしない。TRは必ず3点で取る。
→ プロテクションに頼らないで登る、もしくは、各駅停車でテンション登り 係数2のフォールはしない
1)ヘルメット着用
→ ベテランクライマーがノーヘル、ニット帽だったりすることを気にせず、揶揄されても気にせず、ヘルメット着用する。
3)ほかの人に紹介するルート
RPにも内容の良しあしに色々な細かい違いがあります。
古いクライマーからは、落ちるクライミングをする若い人たちが危険だ、という指摘が根強いです。
11程度を登る一般のスキルレベルのクライマーにも、自分の身を守る方法論が必要ですが、こうした事情説明は、昔の登攀しか経験がないベテランからは出てこないのが現状です。ベテランの中でもラッペルのスタイルに進んだ人は理解がある場合もあります。
大事なこと。 落ちながら登るには、確実なプロテクション(ボルト)が必要です。
悪いボルトのルートでは、確実にオンサイト出来るつもりでないとバクチになるので、フリークライミングの見た目をしたアルパインクライミング、とでも表現したらいいような課題については、オンサイトにこだわる必要はない、というのが実情です。2000年代以前に開拓された岩場は、ほぼそのような岩場です。(小川山も結構そうです)
■ 世代間の知識の差について
エイドをやっていない現代クライマーは、クライミング中のチョンボ棒によるプリクリップクライミング、については、よく分かりません。1ピン目が遠い時にかけるプリクリップ以外のことは無自覚かもしれません。落ちれないボルト配置(ランナウト)のような課題の場合、ルートの途中でプリクリしないと、いくらビレイヤーが良くても、墜落すれば、怪我を免れません。それで登る勇気が出なくなった場合、敗退するにも、その前のボルトに落ちてぶら下がれない、という意味です。その場合は、なんとかプリクリするしか、安全に敗退する方法がないです。
12でひいひい言っている人と、10でひいひい言っている人と、14でひいひい言っている人の心の中は同じ動きです。
2020/12/20
一般向け外岩整備と現代初心者向け外岩講習の両輪
前に一緒に登っていた開拓者のボルト感覚っていうのは、
ガバ=ボルトを飛ばしていい
フリークライミングは、理論上は1ピン目を掛けれたら、後はどこで落ちてもいいハズです。甲府で一緒に登っていたクライマーには、そういう風に教わりました。
現状では、インドアクライマーが、アウトドアデビューするには
・ビレイ位置
・ヌンチャク一個持っていくこと
・捨てビナなどの敗退
・落ちていいところと悪いところの講習
・落ちる時の体制の事前学習
などがデビュー前に必要かなとおもいます。
2020/12/18
二子山エアウェイ 5.11c →7c 当時日本最難
再生された岩場で、看板ルートを再度登ってみたら、あれま!難しいじゃん!って話題です。
昔のルートって、これがありますよね。
なんとエアウェイは、7cなら12d、当時日本最難でしょう、とのこと。高難度と言っても、まだ12台なので、手ごろ感あり、とりついて頑張る男子いるかもしれません。7cかぁ。
その辺が日本では確立されていないので、常にリードしながら成長していくことはできないクライミング事情となっています。本来は、限界グレードはリードしながらあげれるはずですが、TRでの暗記が必要になっていますが…。