2020/05/09

対照になってくれる人

対照になってくれる人
アルパインクライミング道の追及において、私が本当に助かったのは対照になってくれた人の存在でした。
師匠と登っている間、なぜ私が登りたいと思うルートに登らせてもらえないのか謎でした。まだ難しいから、というのは変で、自分の登攀グレードに適したルートを私は選んでいたし…。ワンピッチもないってどうなのかなぁ。でも、安全マージンが新人というのは薄く実力を過信しがちなので、これは経験の厚みに譲るべきところかなぁと思っていました。
特にフリー出身のクライマーがアルパインへ行くときは要注意で、フリーの5.9が登れるからとアルパインの5.9に取り付くと大変危険です。理由はフリーは落ちてよい前提で、アルパインは決して落ちて行けない前提だからです。ですので、私はアルパインの5.9に取り付ける実力は、フリーの5.10bだと思っていたのですが、違いました(笑)5.11でした。フリーの5.10bだとアルパインの5.7しか取りつけません。
私が謎に思っていた師匠の態度がやっぱりおかしいと分かったのは別の普通の男性のクライマーで5.12が登れる人とでも師匠が自分の行きたいルートばかりを行っていたのを目撃した時です。こ、これは…。
また、私は自分の経験を盗まれないよう、念には念をいれて行きたいルートはここです、とあらかじめ宣言し、さらには足の怪我も相まって、どう考えても、易しいルートを選択するのが合理的であると見受けられる状況にいたのですが…それでも師匠のルート選択となり、私はただセカンドでロープの末端を握るだけの結末となった時、
これは、要するにこの人は自分が登りたいルートを登りたいだけで相手のニーズについてはゼロ配慮なんだ
と分かりました。がっかりという結果です。私が尊敬するのは、相手のニーズも自分のニーズも満たせる解決案を提供できる人だからです。
というわけで、一緒に行ってくれた12のクライマーには感謝しています。彼は自分の行きたかったルートは登っていないですが、初回だからアプローチ確認でいいわけだし、代表的なルートを知ったほうがどのようなクライマーにも有益なので。最初からギリギリへの追及をするというのは単なる自己顕示欲で、往々にして痛い目に合うものですので、その回は、それでよかったのです。
私は、自分の登攀グレードにあったところを一緒に登ってくれるようなクライマーと登りたいな~。自分でルートを選んで自分の意思で登らないと上達しないです。
日本の師弟関係では、クライミングに限らず、下からクライマーが支持を受けて、〇〇を登りなさい、と言われて、ハイ!と登るのが普通です。それだと、独り立ちするのに、何十年とかかり、その間、師匠側から、弟子側への労働搾取が起こります。板さんの世界でもそうだし、学問の世界でもそうです。しかし、そんなことをしなくても、ちゃんとした板さんにも、ちゃんとした学者にも、ちゃんとしたクライマーにももちろんなれます。
盲目に支障に従うという価値観を若い人は早期に手放さないと、時代が変化している今では、昔の人の方法論や価値観は陳腐化して、先に進めません。
例えば、いまどき、世界三大北壁とか言われても、ピオレドール賞の候補になります?ならないですよね?なので、三大北壁へ行くカリキュラムじゃなくて、そこはさっさと通り過ぎるカリキュラムが必要です。
クラックも、ビッグウォール、アイスやドライも同じです。うんと先に行きたい人は、そこ、おたおたしているところじゃないから~みたいな感じです。

2020/04/15

小さくてかわいい郵便屋さん

今日は運転していたら、小さくてかわいい郵便屋さんを発見しました(笑)。
いつも郵便屋さんや宅配の人は、雨の日も風の日も配達してくれて、エライな~と思っています。家にいて、荷物を受け取るときは、おやつをあげたりしています(笑)。昔、母が出入りの酒屋さんや大工さんには、ちょっとしたものをあげていたような気がするからです。

山をやるようになって、雨風には強くなったけど、山に行く日だけの私たちと違い、日々ですからねー!

で、やつら?(笑)は、大体が若い男性です。

今日は、ふと、ん?なんか、いつも見慣れた郵便屋さんとサイズ感が違う…、と思って、よく見てみると、背の小さい、私くらいのサイズ?な女性の郵便配達員さん…。

「へぇ~、いるんだ~。ちびっこの女性も~」と、思いました。

私は弟とツインで大きくなったのですが、思春期になり、弟は180cmの大男になったのに対して、私はちびの152cmのままでした…。弟は中学生の時、14個、チョコ貰ってきましたけど…。モテ系男子だったのです。中学の頃って運動ができる男子がモテますよね。小さいころから水泳し、メドレーのメダル選手でした。野球部もサッカー部も楽々でした…。私は男子の中でも、運動能力上の上の、よりによって弟と自分を比較して、

私には、そんな体力無い、ムリムリ!
と思っていたのかもしれない、とふと、思いました。あんなちびっこ郵便配達やさんもいるのなら…、私にも勤まるのかも(笑)?

クライミングは、そんなに急激に上達はしたくないですが(笑)、じわりと実力をあげたいです。

運動しないと気持ち悪い今日この頃です。

2020/04/10

久しぶりのジム壁

■久しぶりのジム壁

昨日は久しぶりにジムの壁でも触るかねぇ…と出かけてきましたが、土曜日から閉鎖だそうでした。

大阪のジムは、がらーんとしていて、頼んでも人が来ない状態だったな~と、対照的です…。

■ 液チョー=消毒用アルコール
私は感染が心配?なので、今日は手作りの消毒アルコールにチョークを溶かした液チョーを持って行きました。

「けっこう、せめていますね」と言ってもらい、アレ?そうだっけ? でも、とりあえず、腕を張らせないと!という感じです。

■ 被り

被った壁は、いつ取り付くべきか、タイミングが難しい…というのは、最初に取り付くと、握力が消耗してしまい、垂壁や薄被りができなくなるし…。逆に後で取りつくと、すでに消耗していて離陸からできなくなるし…。

というので、かなりタイミングが難しい…やんないと一生できるようにならないし…
という事情を思い出した…。

■ どんどん登る

ラオスみたいな壁だと、一日8本×30mとか登れて、すごく上達します…そんな風にガンガン登れて面白い壁っていうのがあるといいんだけど、なかなか国内では難しいかなぁと思います。

外の岩だと、易しくてもそれなりに学ぶところが色々あります。しかし、インドアだと易しい課題は、リスクテイキングやセーフティマネジメントの学びが少なくなり、ムーブを高度化しないと、面白くない、ってなります。


MERU 再度見ました☆

■ Meruにおける登山というゲームの描き方

”芸術作品として、登山、を描く際に必要になる要素はなんだろうか?”という問題意識で、『メルー』を再度見ています。

Meruという山のゲームの本質が最初に説明されているのが、特徴だと思いました。

1)Meruには登山のすべてがある
2)誰も登っていない
3)アイス、ミックス、ビッグウォール、体力(標高)のすべての要素がメルーに詰まっている
4)エベレストとは正反対
5)標高6100mで460m花崗岩のビッグウォールを登る
6)パートナーシップの難しさを伝える
7)例外を伝えることで師匠の権威の絶大さを伝える

■ 登山のすべてがあること

登山の色々な面のうち、例えばショートのフリークライミングには、登頂、という喜びはありません。終了点について終わり、ということになっています。ボルダーには、規模、はないです。 

歩き、担ぎ、宿泊、雪山タクティックス、岩、氷、ナチュプロ、エイド、高所、要するに、全部の要素があります。

このメルーの山の要素の中で、私にとって未知なのは、標高とビッグウォール(壁での宿泊)ということかなぁ…アイス、ミックス、は知っているので。

■ 誰も成功していない なおかつ 初登争いではない

誰が最初に登庁するかの初登争いではないので、ベータ(情報)を別の登山隊に全部渡したりしています。人類代表っていう意識と思われます。

■ エベレストとは正反対

シェルパが背負ってくれ、ルート工作してくれ、危険がほとんど排除されたエベレストとは意味が違うということですね。

■ パートナーシップの難しさ

師弟制度、メンターシップで登っていますが…私も最初のころ、なんで師弟制度が必要なのかよく分からなかったんですよね…。

ジミーはコンラッドが推薦した人としか登らないと言っています。レナンが初々しいです。フリーから、いきなりアルパイン…雪と氷の世界って、違いがありすぎ、とは思いましたが…。

■ 登攀という物語…

登攀を描くときに、その特定の登攀ゲームの本質、を伝える必要があります。

なぜ、その山に登らないと行けなかったのか?そこです。

コンラッドにとってのメルーは、師匠から受け継いだ山です。その師匠は山で雪崩で亡くなり、その師匠の妻をコンラッドは妻としています。

弟子であるジミーにとっては、メルーは、2度目のチャレンジの山で初登頂、最初に登頂した山です。

さらに新人であるレナンにとっては、自分がすべての判断をジミーにゆだねてしまったために大怪我をして、そして、そこからの復活…起死回生をかけた山。

レナンの事故にジミーは自責の念に駆られます。ジミー自身も雪崩からの奇跡の生還を果たしています…

■ 特定の行動様式

山ってピンチになってからが本番ですよねぇ…。4日の嵐が去って、超やる気になる師匠に、降りるつもりだったので驚く弟子。

■ パートナーに求める要件

ベストパートナーというのは

1)モチベーションを後押ししてくれる人
2)自分が気が付かないリスクに気づかせてくれる人
ということでした。


 

2020/04/09

安全マージンの考察 続き

■Kindle無料の本

こちらのKidle無料を見つけ、いや、我が意を得たり!と思ったりしたのですが…

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■ アルパインクライミングとフリークライミングでは安全マージンが違うこと

まぁ、誰でも分かっていることですが、アルパインとフリー、そしてスポーツルートでは、安全マージンの厚みが、それぞれ違いますが(アルパインは厚く、落ちれば死、フリーは薄く、落ちてもキャッチしてもらえる、スポーツは安全)、九州は特に、”命知らず礼賛文化”が強い文化的土壌があるようです。

それは、おそらく、最新のクライミング文化が東京発であるものであるために、地理的に遠い九州には入りにくい…中央のクライミング文化から遠いからですかね…。10年、20年遅れは普通のようです。

文化的には、アレックス・オノルド君の『Free Solo』を指針とするのが良いと思います。

この映画を見れば、どれくらいの安全マージンを取って彼がフリーソロに挑んだのか、理解ができます。

安全マージンは、一般的には以下のように違います。

1)インドアのスポーツクライミング 最も薄い=落ちるまで頑張る

2)アウトドアのスポーツクライミング 次に薄い=落ちても良い

3)アウトドアフリーのトップロープ  支点が良ければ厚い = 落ちるまで頑張る

4)アウトドアのリード プロテクション次第 先にプロテクションの勉強をする 落ちない

5)アルパイン =落ちてはダメ

参考までに、アイスクライミングは、落ちないところしか登らないクライミング、です。

■ 九州の岩場で、落ち練習はない!

フリーのスタイルでの、ギリギリクライミングへの移行

に躓いて、早4年… いいかげん、私もギリギリへ迫りたいですが(笑)、過去3年の九州の岩場の探求では、

  フリークライミングで許される(とされる)ギリギリに迫れる強固な岩場では、なかったんではないか?

と思っています。日本のフリークライミングの岩場は、フリー的に登ってOKの岩場ではなく、アルパインの岩場の難度高いバージョンと化しているのでは…。

やっぱり、日本の岩場で怪我をせず登るには、アルパインの岩場でフリーをする並みの、上乗せした安全マージン(つまり、スキルのゆとり)が必要な気がします。

1)落ちれないボルト品質
2)そのグレードを登る人のために配置されている訳でないボルト配置
  (5.9は5.9を限界グレードとする人のためには打たれていない)

主たる理由はこの2点です。

いや~、ほんとに良かったですね。あんまりスムーズに飛躍しなくて…

■ 悪い想像 …四阿屋のインディアンフェース

初めて四阿屋に行ったときに、グランドフォール事故を見ました。

あの課題は、5.10bなので、私がギリギリオンサイトできる可能性があるグレードなので、あの事故を見ていなかったら、取りついていたかもしれません。

墜落者は腰椎骨折で、1年半。

その2は、日向神の太郎ですかね…。どちらも、取りつかなくて正解の課題ですが、それが分かるようにはトポには書かれていません。

■ 思考力

というので、色々考えると、リスク管理をきちんとして、リードに取り付くためには、色々と思考力、が必要です。

大体、クライマーは最初、それに惹かれるもの、だと思いますが、思考力不要のボルダーが先だと、色々とリスクを考えながら取り付くのは、めんどくさい、となってしまうというリスクがある、ようです。

瑞牆で登攀中のワタクシ なかなかスリルだったのでした


2020/04/07

フリークライミングをどう学ぶか?の研究

■歴史のその後をたどってみるのも一案

すでにトップクラスの登攀力があってリードに進むなら、歴史をたどるのも乙かな?と思い、日本のフリークライミングのスタート、グリズリーを検索してみた。

ーーーーーーーーーーー
http://www.sato-alp.com/?page_id=2214
2013年5月。大西良治、宮城公博パーティーにより、谷川衝立岩正面壁グリズリー5.11dが完登される。

1982年フリー初登されたグリズリーは、その時代の画期的な登攀であったが90年代の再登情報以降、完登した話を聞かない謎めいたルートとなっていた。
ーーーーーーーーーーー

1982 いきなり 2013?! だから、日本男子は、目の付け所が悪かったんですかねぇ? 

というか歴史の勉強不足なんかも。

雲稜第一と検索すれば出てきます。
大体、緑山岳会とかぶなとかが登っているみたいです。

http://www.bunanokai.jp/archives/15874

まぁ、山の雑誌が劣化しているから、仕方がないとはいえ…


■ 堀田清次でのGoole検索結果
人工壁プラスチックに進化したんですね~

■ 小川山オリジナルルートをたどるのもいいかも…
■ 菊池さんのアドバイス

2020/04/06

再読 北山真さんの『フリークライミング』

■前にも読んでいましたが、再読。

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これ、私、ジムに通いなさいと言われているころに読んだんですよね~

当時はなんで山に行きたいって言っているだけなのに、ジム?!

と超・理不尽感ありまくりでした… しかも、行っても、これの何がタノシイノデスカ?状態…(笑)

というので、かなり懐疑的な状態でいたので、再度、読みたいな~とおもっているところだったので、超ラッキーです。

北山さんの本以外に、フリークライミング、をフリークライミングとして語っている本はあるのかなぁ…。

『我々はいかにして岩に…』の菊池さんの本は参考になりましたが…

フリーは、老後の活動、と思っていました(笑)。

今でも沢のほうがフリーより強度強いと思っています。


以下、備忘録。

■歴史まとめ

池田功 谷川岳衝立岩雲稜ルート グリズリー

日和田 チームフレンズ 堀地清次

小川山&城ケ崎

平山ユージ

1988年~石灰岩ブーム

コンペブーム ヨーロッパの影響

1996年~小山田大


■トップ ロープ・プロブレム =7m以下

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トップ ロープ・プロブレム という やつ が あり ます。 これ は 最初 から トップ ロープ 用 の ルート として 設定 さ れ た こと を 意味 し ます。 理由 として は、  
① ルート が あまりに 短い( 基準 は あり ませ ん が 六、 七 メートル 以下 でしょ う か)。
ーーーーーーーーーー 

知らなかった~ 前に読んだけど、忘れていますね!

1ピン目は絶対7m以下だな! 8m離れれていれば、まぁ、登らない判断は妥当だと思います。

■ 結び替え時にコール必要なし

セルフ取りました~とか言わないでいい件。

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① 終了 点 に つい たら まず ヌンチャク で セルフビレイ を 取り ます( この とき ビレイヤー に なに も コール する 必要 なし。 ビレイヤー は もちろん ビレイ し 続ける)。
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■ 未だにカットアンカー=20年進化なし?!

ーーーーーーーーーーーーーーーー
● カット アンカー( ナット アンカー)、 オール アンカー( 芯 棒 打ち込み 式)   一時期 使わ れ て い まし た が、 グージョン の 出現 により、 使わ れる こと は ほとんど なくなり まし た が、 岩場 に 残置 さ れ た もの は まだまだ あり ます ので、 注意 し て 使用 し て ください。 
● グージョン( 締付け アンカー)   ボルト 自体 に 巻き つく よう な 形 に なっ て いる「 鞘」 が、 ボルト を 締める こと によって、 太く なっ て いる ボルト の 後ろ 側 に 移動 する こと によって 固定 さ れ ます。 施工 に ムラ が 出 にくく、 仮に 穴 が 大き 過ぎ たり する と、 永遠 に ボルト は 固定 さ れ ない ので わかり やすい です。
ーーーーーーーーーー 

■ 隙間にルートを作る場合

3mかぁ。烏帽子 50cmくらいでしたけど!

ーーーーーーーーー
誰 からも 文句 を 言わ れ たく ない なら 既成 ルート との 距離 は 最低 でも 三 メートル は あっ た ほう が よい でしょ う。 基本 は 同じ ホールド を 共用 し ない
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■ランナウトの考え方

北山案… 15m ボルト5本

(ありゃりゃ、龍洞、カム3つで登っちゃったから、15mでボルト3本と変わらない!5.4だからいっか)
ーーーーーーーーー
ランナウト し た( たとえば 一 五 メートル で ボルト 三本 とか) ルート を 拓く のは よく あり ませ ん。 誰 でも 取り付ける ボルト 五 本 の ルート に する か、 かえって ボルト 二本 とか に すれ ば 初心者 は 取り付か ない でしょ う。
ーーーーーーーーーー 

■ ドイツスタイル

Ninjaのことだった。
ーーーーーー
ドイツ スタイル   ラペリング で ボルト を 打つ こと は フレンチ スタイル と 同じ だ が、 事前 に 試登 を し ない。 オンサイト トライ( と 言える か どう かは 疑問 だ が) の 余地 を 残し て いる という こと で あろ う。 しかし、 当然 ボルト の 位置 が 悪く なる こと は、 シュテファン・グロヴァッツ( ドイツ 人) が 設定 し た 小川山・親指 岩 の カンテ( 現 プラトニックラブ) や NINJA を 見れ ば わかる。
ーーーーーーーーーー 

■ランナウトの定義

これは、私が石田さんから教わったことと違う。

ランナウトはただ遠いという話ではなく、グランドフォールする長さでロープをつけている意味がなくなること、と教わりました。

マルチでは、遠くなっても上の方で落ちても、地面にグランドフォールすることはないと思います。が、墜落距離が大きいとそれだけ人体への衝撃が大きくなり、地面に墜落しなくても、ロープからの衝撃で体が壊れるのでは???

ーーー
ランナウト   run out   ふたつ の プロテクション 間 の 距離 が 長い こと。
ーーーーーーーーーー 

以上です。

『Free Solo』を観ました☆

■ 登る理由

登る理由

をアレックス君が大事にしているのが、気に入ったなぁ…。

人は何で登るのか?

私は、こないだ久しぶりに油山川行って、その時は初心者を連れていたので、一般ルート以外を歩いても、その人はよく分からないで私について来てくれるだけだったんですよね~(笑)。

それで山歩きがめちゃ楽しかった。読図の山が好きなのです。誰かいると、その分、安心も増えるので、もっと楽しい。まぁ、その人は初心者なので、私に何かあれば、その人は一人では、お家に帰れない可能性がありますが…(笑)。

しかし、そのあと、彼女からは一般ルートを離れてからは楽しくなかったのだと言われ、なるほど、ここが分かれ目か、と思いました。目的が違う。

山に行く目的が交流とか親睦、だと一般ルートを外れると面白くないです。読図しないといけないのだって、ただのめんどくさいことになってしまいます。

目的が山そのもの、だと、読図しないで済むような道を歩いても、なーんにも面白くないです。

それと同じで、クライミングも目的が岩登りそのものだと、一人のほうが岩と対峙できる。

■ 下品なクライミング

アレックス君は、周りの目が気になって、なかなか登らないでいたんですが…その理由は、

人の死ぬところを衆人環視というのは下品だから

です。

いいなぁ、この感性。

ランナウトはフリーソロと同じことなので、私も、

  ランナウトしたクライムを人に見せびらかす感性は下品

だと思います。ランナウトかっこいいというより、それしか仕方なかったから、よく耐えたね!っていうほうがいいのでは?

■ 小さな動機vs大きな結果

ランナウトというのは、結局のところボルトがあったとしても、それがプロテクションとして機能しない配置で、意味がなく、フリーソロと同じ、ということなのですが…

私が、ランナウトの何が嫌いなのか?というと、その取扱いが

軽々しすぎること、

だと映画フリーソロのアレックス君を見て分かりました。皆が、あれだけの心血を注いでいるか?というと注いでいなくて、

粋がる

程度の軽ーい動機でやっているのが、恐ろしくバカっぽいというか…

それで死んだらなおさらバカっぽいというか…

私はホラー映画は見れない質なのですが、アレックス君が終にフリーソロで登って行く間は、やっぱり見ていられませんでした…。とりあえずお皿洗いながら、遠目にちらちら見る程度にしました…いや~ 成功したと分かっていても、見るの怖いです。

クライマーなら、これは、ホラームービーです。

ちょっと手を滑らせただけで、100%死ぬこと確実ですから!

以下は映画からピックアップした事実…

・Climbing over Ladies (彼女よりクライミング)
・Map クライミングの地図を頭に入れる
・Right reason to climb 正しい動機で登る
・ミスタースポックと呼ばれている
・Auto Pilot(自動操縦)
・SkechyClimb 危なっかしいクライム
・彼の偏桃体があまり反応しない

核心がいくつかあり、テフロンコーナー(テフロン加工みたいにつるつるのコーナー)か、シビアなボルダームーブのところを登るかの選択肢になる…そこ、トニーも落ちているところでした…

あとガールフレンド!ローワーダウン中のグリグリのすっぽ抜けでアレックス君を落っことしている(笑)。さらに足首の骨折…いや~私の膝も6カ月以上かかっていますが、足首も最低6カ月と言われており、一旦、痛めたところは、前と同じ感覚では登れないので、特にスラブなんか嫌だなーと思いました。フリーブラストスラブ… 

あ~、怖かったー。

クライミングは、些細で、一瞬のちょっとしたうっかりミスが死や再起不能になる、大きな事故につながる。その行為と結果の重さが釣り合っていないところを、クライマーが全く理解していないで、気軽に扱うのが私は嫌いなのです。

ランナウトのある課題に挑むとき、アレックス君と同じくらい真剣に向かうなら、別にやっていいと思います。

その真剣さがなく、ほとんどが

粋がるため

程度の動機…それって命を懸けるに値する動機でしょうか?…なので、ランナウト嫌いなのです。

課題設定者でランナウトした課題を設定するのは、

俺の課題は怖いだろーとかっこつける

程度の動機で、登る側は命がけになる、その動機と結果のアンバランスさが馬鹿っぽくて嫌なのです。

ということが分かったフリーソロでした。

やっぱり自動化です。

有段者へのリードクライミング導入方法の考察

■ 有段者へのリードクライミング導入

についてベストな戦略を考えています…。

これまでの大学山岳部新人君向けを、体力がない人、知力が劣る人、などすべての人に、じゅっぱひとからげに転用したような教え方ではない、良い教え方はないかなと…。

戦略1)アルパイン風…
歩きの山の山頂で易しい1、2ピッチのマルチ登攀で、山全体をトップアウトする喜びを伝える作戦

戦略2)ザイルを伸ばす風
リムーバブルプロテクションの使用から教え、自分の判断でリスクコントロールし、ザイルを伸ばすという真の意味を教える作戦

戦略3)杉野さん方式
トップロープして、疑似リード、リード、で、それぞれの安全マージンの厚みの差を理解させる

戦略3)一般路線
インドアスポーツクライミングのリード → ビレイの習得&ロープワーク → 外岩スラブ → 外岩エイド → 外岩ハング… → 外岩マルチ

戦略4)必要最低限路線

懸垂&結び替え練習 → TR → リード

戦略5)待つ路線

トップロープフィックスでの各自クライミング → リードしたくなったら、自分には何が欠けているか?考えさせる


私としては、戦略5)の待つ路線が一番いいかなぁと思ったりしますが…。


自分に必要なことは何なのか?

を考えるスキルがつくと、自動航行、オートパイロットできる。

■ 男子の師匠の得方

大事なことは、自分から意欲がわく、ということ。それが発生するにはどうしたらいいのか?

私が思うに、男性は男性の師匠の得方があると思います。

師匠の青ちゃんは釣りを学んだとき、自分の後から来た釣り人が自分より多く釣っているのを見つけ、驚いてその人に、後ろを歩かせてください!と言って、後ろを歩かせてもらって盗んだそうです。彼は今では釣り名人…

まずは相手の成功の秘訣が何なのか?それを知りたい!と思う、その思いがモチベーションなのでは… 

男性の場合は、このような入り方でないと、自分で学ぶというスイッチが入らないのかもしれません。


ナチュラルライフ&クライミング

書いておかないといけないなーと、ここ1年程度思い続けて、書いていないことがある。

それは、アウトドアと近い生活をここ10年程度続けてきて、

現代人としての在り方に疑問を感じ、そして、方向を転換したいと思っている、

ということだ。

私自身は元々が自然志向で、アトピーなどで自分の肌に、科学的なものが合わないという事実があり、できるだけ、自然なもの、を求める傾向があった。

しかし、都会生活は忙しく、電車の通勤と社内での競争に忙しく、大阪の18年はバレエで健康を損なわないのがやっとだった。

転機がきたのが、登山をスタートしたことで、登山は最初から雪の山に登っている。そうした厳しい環境に身を置いても、まぁ一人で厳冬期の雪山にテント泊して大丈夫なら、まぁ、どんな環境でも大丈夫なんだろう、と思えるようになった。

まぁ平たく言えば、自信がついた、のである。それまでは、基本的に、自然界の厳しさ、と言われても、それがどういう意味なのか?それこそ、見たことも聞いたこともない状態なわけで、自分がやって行けるのか、よく分からなかった、というのが率直なところだ。なにしろ、都会の生活は、日ごろの暑い寒いというところから、???な生活なのだ。

暑さ、寒さもほとんど感じないで済むように、空調され、雨にも濡れずに会社に行ける。

というので、そのような生活に飼いなさられた都会の社畜生活は18年だった。

そこから抜け出したのは、ほんの偶然でしかない…。様々な偶然が重なり、今があるわけだが…。モノの見方が変わっただけで、別に中身も変わっていなければ、立場も変わっていない。

ただ、自然を恐れなくなっただけだ。自分には、色々な困難に耐えて行ける力がある、という自己効用感が自然の中で暮らすこと、について生まれた。

これは山小屋暮らしなどでも同じだ。

■ 自然に寄り添った生き方がしたい

私自身は、自然により深く、密接に寄り添った生き方がしたいと思っている。

それで選んだ職業が畑仕事、というわけで、私は自然界が好きだが、別にクライミングの亡者という訳じゃない。

しかし、妥協というのは、なんにでも必要で、クライミングをしないならば、まぁ、あるもので我慢する、という姿勢が必要なのは分かる。

そこで登場するのが、クライミングジム(笑)。というわけで、私にとってはジムはそのような位置づけだ。

私が追求したいのは、より自然に寄り添った生き方のほうで、

それがどういう形で可能なのか?

ということのほうで、クライミングで自分がどこまで成長できるか?ということよりは、興味がある。

■ 独占されたくない

なので、ジムや外岩など、クライミングをさせてあげるよ~というご機嫌取り?をされても…うーんって感じ。クライミングなら、別に一人でも、まぁできてしまうからだ。

ラオスに行ってあげるよ~も同じで、実のところ、来てもらわなくていい。
むしろ、私一人で行ったほうが、仲間の輪が広がっていい、ということになるのだ…

というのは、男性のパートナーは、できたら二人だけで登りたい、相手を独占したいというエネルギーが強すぎ、どうしても、私の”色々なクライミング文化に触れたい”という願望のほうは叶わないことが多いからだ。

スカートのすそを踏んづけられる方が多く、ありがとう~ということのほうが少ない。

前回の韓国でも、ファン君がソラクサンに誘ってくれたのに、相方がファン君は女たらしだと言い張るので、仕方なく、辞めたのだった。

私はそうは思わなかったんだけど…








段級グレードの考察

■ 段級グレード

段級グレードのメモリを見ていると、明らかなことは、

級 vs 段

の、対立構造、だ。

一方、Vグレードには、この対立構造がない。

なにしろ、Vグレードでやっていれば、ただV0からスタートするだけなのだ。

V0、V1、V2、V3、V4、V5‥‥と延々と続く。

1級と初段に境目がない。今世界の最難は、V17で、そこから見れば、V10(3段)であっても、まだヒヨコ。

だから、 有段者という言葉、も生まれないし、有段になることで、ステージが上がった感もない。

つまり、あっち側とこっち側がない。

日本人はあっちとこっちを作りたがる国民性ではないだろうか?

■ スタート位置感の違い

まぁ、段級システムでは、初段からが、外ボルダリングのスタートだということが、この区切りから訴えられている。

そこから、初段、2段、3段…と段をあげていく。日本のトップクライマー小山田さんは、今6段くらいなのだろうか?

私の観察では多くの男性が、2,3段で行き詰まる。たぶんそこら辺からは、肉体改造もしくは、豊富な才能のどちらかがないと先へ行けない。

一方、Vグレード採用なら、V0からだ。比較すると、どうみても、スタート位置は、かなり低い。

つまり、Vグレードのほうが、スタート位置が低いわけで、よりインクルーシブなモノサシと言える。より初級者に優しい。

このスタート位置感は、デシマル変換した場合の5級…5.9が始まる位置と呼応していると感じられる難易度だ。 

段級のスタートは10級からだ!と反論がでそうだが、インドアジムの10級や9級は、とってつけたような、どうでもいいグレードで、黙っていても、誰でも登れる。実質は、インドアでも、あるいはハンデがある人で7級あたりからしかスタートしない。

同じ、よんきゅう、と言う言葉を使うせいで、RCCIIのグレードとの混乱も大きい。山岳部出身者のような、アウトドアからスタートした人たちには、滑らかな滑り出しがしにくく、混乱を招いている。

《参考》
Decimal grade vs RCC grade(Japanese grade)
Ⅵ=11a
Ⅵ-=10d
Ⅴ+=10c
Ⅴ=10b
Ⅴ-=10a
Ⅳ+=5.9
Ⅳ=5.8
Ⅳ-=5.7
Ⅲ+=5.6
Ⅲ=5.5

この上、デシマルは避けて通れないわけで、段級グレードは

 混乱
 階級感

を加えるだけで、あまり、大きなメリットがないように思う、どうだろうか?上手くいかない仕組みなら、返上したらいいのに、と私などは思う。

■ 劣等感を植え付ける仕組み?

日本の段級システムだと、段以前の人は、まだ級の段階だね~みたいな感じに、どうしてもなってしまうし、なにより、グレーディングも、級のグレーディングは、かなりいいかげんなんだそうだ。

つまり、当てにならない。

というわけで、ここでも一般社会と同じことで、より力や知識のある者から、より力や知識のない者に対する搾取が起きている…。

より低グレードの人たちのほうが、正確なグレーディングを必要とするのは当然だ。

しかし、それがおろそかになっている。これは、5級以下の課題は、きちんとしたルートセッターに作らせず、適当にやっています、というジムと同じだ。

強者がより富み、弱者がより弱くなる仕組み…

■ 内弁慶 

より高グレードを登る人たちのほうのグレーディングが正確か?というとそうでもなく、

前の課題より辛かったから

という主観オンリーで、そのグレーディングが、第二登という客観性によってテストされていない。

当然だが、力が落ちていれば、以前、簡単だった課題も難しく感じるもの。人間は年を取るので、50代まで成長し続けるとは言われているが、実際は、20歳以上の人間は、すべて成長期ではなく、老化に向かって流れており、つまり、流れに反して泳ぐ魚のようなものだ。誰かほかの人のチェックがなければ、主観はすぐに間違う。

第2登の価値が、あいまいにされているため、本当に初登グレードがあっているか?

という議論はほとんどされないようだ。

これは、どう表れるか?というと、内弁慶、として現れるようで、Vグレードに直したら、いきなり世界最難とかだ。

そうなると、内輪の人しか見ていないから、みたいな甘々な理由で発表したグレードが、いきなり世界の注目を浴びることになる(笑)。そうなると、実はそれほど難しくはなく、もっと簡単だったりすれば、かなり恥ずかしい事態だろう。

というようなことは、古いロクスノによると、たびたび起きていることのようである。

それもこれも、Vグレードをつけないがため。

段級でのグレードを世界に換算すると、ステップアップの速度が世界と足並みがそろわないらしいのだ。

だから、段級グレードは、世界最高レベルの日本のトップクライマーたちを利しているわけではない。

じゃあ、誰の利益になっているのか? 

うーん。もしかして、俺は有段者だ、と言いたいオジサンたちのささやかなエゴ?

■ 多数の意見を反映するとより正確になっていく系

おそらく、一般的なグレードは、多くの人の平均的な意見を反映すれば、するほど、正確になっていく、という性格のものだ。

グレードなんて、目安なのだから、登った人にアンケートを取り、その平均を当てはめて行けば、自動的に正確になるようなものだ。

だが、なぜかすでにVグレードはあるのに、段級が採用されてしまっている。

というので、その意図は何か?ということになってしまうんだが…。意図はわからないが、結果どうなったか?は分かる。

それがおそらく、日本ガラパゴス化の原因…ということなんだろうなぁと。

■ Vグレードのメリット

Vグレードでやっていれば、ただV0からスタートするだけなのだ。

V1、V2、V3、V4、V5‥‥と延々と続く。1級と初段に境目がない。

だから、有段者という言葉も生まれないし、ステージ上がった感もない。あっちとこっちがない。

あるのは、トップのV17以外は、みんな押しなべて、自分の限界と戦っているんだなぁという、

”やっていることはグレードが違っても同じ”、という連帯感

のほうだ。

トップ以外は、みな結局のところ同じでないかという連帯のほうが強く出る。

私としては、こっちのほうがうんといい世界観のように思う。

この動画は、V17と検索した時に表示される現在のトップクライム。

九州のリボルト講習会の延期のお知らせ

九州のリボルト講習会受講希望者・関係者の皆さまへ 

こんばんは、JFAの井上大助です。いつもお世話になっております。 
4月下旬に計画しておりました九州でのリボルト講習(ボルトの勉強会)ですが、新型コロナウィルスの感染拡大を受け、しばらく延期したいと思います。 
東京では日に日に感染者数が増えており、欧米の状況を見ていますと、日本でも2~3週間後にピークが始まることが予想されています。
とくに今回は医療関係者の方も参加希望メンバーの中におられることから、余計なご負担をかけたくないというのもありますし、私・井上自身も都内のフィットネスクラブというかなりハイリスクな現場で仕事しているものですから、無事であるという確証がありません。 
気候も良くなり、岩場での作業には好適な時期を迎えますが、通常のクライミングよりも事故の起こる要素の多いリボルト作業をいま行なうわけにはいかないという判断をした次第です。 
この状況が落ち着きを見せ始めたら、早めに日程をご提案して、開催日を決めたいと思いますので、何卒、ご理解のほどお願い申し上げます。 

以上よろしくお願いいたします。 
JFA環境委員長 井上大助