■ 登る理由
登る理由
をアレックス君が大事にしているのが、気に入ったなぁ…。
人は何で登るのか?
私は、こないだ久しぶりに油山川行って、その時は初心者を連れていたので、一般ルート以外を歩いても、その人はよく分からないで私について来てくれるだけだったんですよね~(笑)。
それで山歩きがめちゃ楽しかった。読図の山が好きなのです。誰かいると、その分、安心も増えるので、もっと楽しい。まぁ、その人は初心者なので、私に何かあれば、その人は一人では、お家に帰れない可能性がありますが…(笑)。
しかし、そのあと、彼女からは一般ルートを離れてからは楽しくなかったのだと言われ、なるほど、ここが分かれ目か、と思いました。目的が違う。
山に行く目的が交流とか親睦、だと一般ルートを外れると面白くないです。読図しないといけないのだって、ただのめんどくさいことになってしまいます。
目的が山そのもの、だと、読図しないで済むような道を歩いても、なーんにも面白くないです。
それと同じで、クライミングも目的が岩登りそのものだと、一人のほうが岩と対峙できる。
■ 下品なクライミング
アレックス君は、周りの目が気になって、なかなか登らないでいたんですが…その理由は、
人の死ぬところを衆人環視というのは下品だから
です。
いいなぁ、この感性。
ランナウトはフリーソロと同じことなので、私も、
ランナウトしたクライムを人に見せびらかす感性は下品
だと思います。ランナウトかっこいいというより、それしか仕方なかったから、よく耐えたね!っていうほうがいいのでは?
■ 小さな動機vs大きな結果
ランナウトというのは、結局のところボルトがあったとしても、それがプロテクションとして機能しない配置で、意味がなく、フリーソロと同じ、ということなのですが…
私が、ランナウトの何が嫌いなのか?というと、その取扱いが
軽々しすぎること、
だと映画フリーソロのアレックス君を見て分かりました。皆が、あれだけの心血を注いでいるか?というと注いでいなくて、
粋がる
程度の軽ーい動機でやっているのが、恐ろしくバカっぽいというか…
それで死んだらなおさらバカっぽいというか…
私はホラー映画は見れない質なのですが、アレックス君が終にフリーソロで登って行く間は、やっぱり見ていられませんでした…。とりあえずお皿洗いながら、遠目にちらちら見る程度にしました…いや~ 成功したと分かっていても、見るの怖いです。
クライマーなら、これは、ホラームービーです。
ちょっと手を滑らせただけで、100%死ぬこと確実ですから!
以下は映画からピックアップした事実…
・Climbing over Ladies (彼女よりクライミング)
・Map クライミングの地図を頭に入れる
・Right reason to climb 正しい動機で登る
・ミスタースポックと呼ばれている
・Auto Pilot(自動操縦)
・SkechyClimb 危なっかしいクライム
・彼の偏桃体があまり反応しない
核心がいくつかあり、テフロンコーナー(テフロン加工みたいにつるつるのコーナー)か、シビアなボルダームーブのところを登るかの選択肢になる…そこ、トニーも落ちているところでした…
あとガールフレンド!ローワーダウン中のグリグリのすっぽ抜けでアレックス君を落っことしている(笑)。さらに足首の骨折…いや~私の膝も6カ月以上かかっていますが、足首も最低6カ月と言われており、一旦、痛めたところは、前と同じ感覚では登れないので、特にスラブなんか嫌だなーと思いました。フリーブラストスラブ…
あ~、怖かったー。
クライミングは、些細で、一瞬のちょっとしたうっかりミスが死や再起不能になる、大きな事故につながる。その行為と結果の重さが釣り合っていないところを、クライマーが全く理解していないで、気軽に扱うのが私は嫌いなのです。
ランナウトのある課題に挑むとき、アレックス君と同じくらい真剣に向かうなら、別にやっていいと思います。
その真剣さがなく、ほとんどが
粋がるため
程度の動機…それって命を懸けるに値する動機でしょうか?…なので、ランナウト嫌いなのです。
課題設定者でランナウトした課題を設定するのは、
俺の課題は怖いだろーとかっこつける
程度の動機で、登る側は命がけになる、その動機と結果のアンバランスさが馬鹿っぽくて嫌なのです。
ということが分かったフリーソロでした。
やっぱり自動化です。