北川の岩場のアクセス問題です
今日クライミングの帰りに
中組地区の住民の方より下記の2点を言われました
(中組は北川の岩場がある町内の地名です)
◯駐車料金として取り決めている¥500を支払っていない方がいます。クライマーの皆さんから頂いた駐車料金は、トイレの清掃、トイレットペーパーの補給、草刈り機の燃料代などに利用させて頂いているので、駐車料金の支払いをお願いします
◯駐車場は狭いので、効率的に駐車出来る様、駐車の向きなどを考慮し、なるべくたくさん駐車出来る様にしてください
私がお話しを聞き、JFAで作って頂いた名刺を渡し、JFAからもクライマーへ広報させて頂きますと伝えました
北川の岩場の利用方法については、知らないクライマーがいれば、お伝えして来たのですが、利用するクライマー全員には、周知出来ていないと感じます
岩場に張り紙はしてあるのですが、読まない方もいる様です
北川の岩場で、今後もクライミングを続けられる様、利用されるクライマーの皆様よろしくお願いいたします
この問題は、クライマーと地域住民との信頼関係が崩れかねない「協力不履行」と「情報伝達の限界」による典型的な地域共存型リソースの摩擦です。心理学的には、社会的規範の内面化の欠如と、匿名性による責任感の希薄化が背景にあります。
心理学的視点からの問題分析:
1. 匿名性と集団責任の希薄化(社会的手抜き)
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個人が「誰が払っていないか分からない」状況では、責任感が薄れます。これは「傍観者効果」や「社会的手抜き(Social Loafing)」の一種です。
2. 内在化されていない規範(内的動機づけの欠如)
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ルールは掲示されていても、「これは守るべき理由がある」という理解や共感がないと、外的強制がなければ従わなくなります(自己決定理論:Deci & Ryan)。
3. 共感疲労・他者の努力への無感覚(共感ギャップ)
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トイレや草刈りなどの「誰かの努力」が見えないと、人はそれに感謝しにくく、支払いの正当性を感じにくくなります。
解決策:心理学的介入に基づいた多層的アプローチ
◆ ① 共感と可視化の強化:誰のため・何に使われるかのストーリー化
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トイレを掃除している地元の方の写真やコメントを掲示し、「500円で何が守られているか」を視覚とストーリーで伝える。
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→「このトイレは○○さん(住民)が週1回掃除しています」など。
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トイレや駐車場にQRコード付きのストーリーパネルを設置(動画やSNSリンクなど)。
◆ ② 行動デザイン(ナッジ)による自然な誘導
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支払い忘れを防ぐ「強化された行動誘導」を設計。
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支払い箱の周囲をカラフルにする(視認性UP)
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支払うと音が鳴る、ステッカーが出てくる(報酬性)
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「今日は○人が支払いました!」とカウント表示(規範形成)
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◆ ③ ピアからの伝達ネットワークの構築
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初訪問者がベテランから自然とマナーを学ぶ“伝統文化モデル”を活用。
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→「マナーキャプテン」的な役割を作り、リーダー的存在が「お節介」でなく自然に声かけできる空気を醸成。
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◆ ④ 規範形成の可視化:ルール=みんなが守っている
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「◯%のクライマーが500円払っています」などの掲示で、規範を強化。
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→人は“多数派の行動”に従いやすい(社会的証明)。
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まとめ:目指すのは「内発的動機づけ」と「共感的関係性の再構築」
単に「支払ってください」ではなく、
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なぜこの岩場が大切か
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誰がどのように守っているか
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自分の行動が共同体にどう影響するか
を感情・視覚・行動の3層で設計して伝えることが、持続的共存のカギです。