このブログは、フリークライミング向けにまとめているので、アルパインクライマーとしての一通りの完成の一端である5.9マスターを書くのもどうか?と思いますが、記載します。
(余談ですが、アルパインクライマーの最低ラインは、歩荷力、踏破力、と登攀力、生活力、読図力、条件判断力、など多岐に渡りますが、登攀力は、そのうち踏破力と2大重要ポイントな感じ)
5.9マスターというのは、5.9ならどんな課題でも登れる、というような意味です。調子が良ければ登れるとか、登れる5.9もあるけど、登れないのもある、ではなく、
”安定して5.9が確実に登れる”
という意味。
スティーブ・ハウスさんは、これをザイル不要で登れる、と表現しているそうですが、同じことです。絶対に落ちないグレードということ。
■ フェイス、クラック、ワイド、オーバーハング
フェイスの5.9はもちろんのこと、クラックも、ワイドも、5.9なら登れるというのを、クライミングを始めて以来、当初の目的にしていました。
この目標達成は、まだ道半ばです。今は、5.9は、確実な登りを身につけつつありますが、まだスピード感はありません。
先日はベテランクライマーの5.9を見ていて、だいぶ感動しました。すいすい、とは、このことね!って感じ。
■ 5.9のいろいろな質
5.9にもいろいろな質があることが、去年2度目のインスボンで分かりました。
…というのは、フリーの5.9とアルパインの5.9は違う…登山靴で開かれていたり、もともとザックを背負って登ることが前提だった5.9と、クライミングそのものに特化した5.9では、もちろん、後者のほうが登攀そのものの質的に、難しいのです。それは、前者の5.9はザックを背負うことを前提にしてグレーディングしてあるからです。
登攀のムーブ的に5.8くらいの難しさでも、それがものすごく怖いところにあったり、えらく長くて体力を消耗したりすると、難しさが加味されて5.9になったりします。
ラオスでも、ただの長い6A=6Bという公式が成り立つ場合がありました。
■ 10台に入るとフリーのトレーニングが必要
5.9と5.10台では、質的にかなりの開きがあります。5.9というのは、たぶん、平均的な身長、体重、体格の人にとっては、ムーブなしで登れる、正対しかいらない課題のように思います。もちろん、ムーブを使って登ってもいいのですが。ムーブがあると楽になります。
一方、5.10aというのは、ある意味、フリーのトレーニングなしには、難しいというか、平均的な人にとっては、ムーブがいるような気がします。
■ スポーツクライミングの意味
海外では、どっかぶりも、正対で超えるパワークライマーが多く、ビックリ!
ラオスは、どっかぶり系ですが、正対ひきつけオンパレードでした。スポーツクライミングとは、このことなんだー!と開眼。つまり、パワーで登ることが目的なんだなと。
私は、フィジカルは弱いので、それでは無理で、フラないと登れません。このフリ、というのが、自転車に乗れるようになる系のことなので、私にとっては習得に、だいぶ時間がかかりました。フリなどは、年齢が早いほど習得も早いと思われます。
■ 岩を見る目
それとは別のスキルで、岩を見る目。…が育っていないということで、5.9がオンサイトできるまでに2年半かかりました。
岩を見る目が育っていないと、すってんきょうなところを登ってしまって、進退窮まり、危ないです。プロテクションから離れすぎる、ということも、初心者では良くあります。
その結末は、アンコントロールな墜落です。アンコントロールな墜落だけは、なんとしても、避けなくてはなりません。
■ どのような質で自分が強いのか?
■ どのような質で自分が強いのか?
5.10Aは、質によってオンサイトできたり、できなかったり、今でもしています。
とはいえ、トップロープでは、11Aが登れたことも一度だけあり、クライミングについては、どのような質の課題で、自分が強いのか?いろいろ思案中です。
基本的にカチは苦手です。指力は弱いです。
5.10Aがコンスタントに登れる、というためには、確実に登れる5.9の登り貯め…、いわゆる ”5.9貯金” を外岩でするだけでは、全く不足です。
5.10Aがコンスタントに登れる、というためには、確実に登れる5.9の登り貯め…、いわゆる ”5.9貯金” を外岩でするだけでは、全く不足です。
ジムで、”ムーブ貯金” が必要だ、と先日、外岩に行って思いました。
というわけで、なんだか、クライミングスイッチがオンに…な今日この頃。