2025/10/22
タオと山岸さんがお友達になったようでうれしい
■なんだか、やっと肩の荷が下りたような??
昨日、ちょっとTaoとChatしたのですが、どうも瑞牆に来ていたらしく、山岸尚将さんと宴会したようです。
そのことを知り、なんとなく、ほっとしたような、肩の荷が下りたような、あるいは、ちょっとうらやましかったような、複雑な感情を味わっています。
そのことについて書きますね。
率直に言って、Taoが山岸さんに会ってうれしかったのです。
私は日本のクラック資源は、アジアでは貴重なんではないか?とおもったんですよ。ラオスに行ってみて。ターケークに行って石灰岩クライミングの楽しさに目覚めました。
けど、日本で石灰岩をやるのは非常にハードです。私には日本クライミングで石灰岩という選択肢はない。
以前、山梨にいる頃に聖人岩に行ってみましたが、5.8でも歯が立たなかったのです。
石灰岩は基本パワークライミングだからです。私のようにバランスクライミングをする人には向かない。もちろん、ラオスのような誰にでも楽しめる易しい岩場は別です。
で、私は国内ではクラックなら安全にステップアップしていけると踏んでいます。理由はプロテクションが自前だからです。
アイスクライミングも、自分のプロテクションで登る限り、ほとんど怖がることなく登れました。
クラックも怖ければ、プロテクションを増やせばいいのです。ですから、日本国内での成長戦略的には、クラック。
しかし、ココ福岡では、クライミング文化自体に近づくこと自体が危険なんですよ…。
まず第一にボルジムしか行かない人たちが、攻撃的です。排他的で、外岩人種に対して、意図的に攻撃してきます。
第二に、連れて行ってください攻撃です。クライミングを教えるには、未経験者一人に対して2名の経験者が必要です。
お前はどうだったんだと言われそうですが私は最初からビレイの重要性を把握して登っていたので、先輩たちから見るとビレイが信頼できる後輩であれば、お目付け役のもう一人は必要ないわけです。先輩がルースロックをつかんで落ちたときも確保しています。まぁ当然なんですが。
福岡では私をきちんとビレイするスキルのない人が、連れて行ってください(はあと)と言ってくるので、それだけで、戦慄です。僕の(私の)楽しみのために命差し出してくださいって言っているみたいに私には聞こえています…。
これは何も根拠に基づかない判断ではなく、私は落とされて頭を7針縫っていますんで。当然の話です。
しかもベテランでも、下部核心の課題を勧めてきたり、リスク認知が甘く、ベテランがベテランとしての機能を果たしていない。
で、これらを回避する手段がないんですね。山梨時代はベテランが信頼できました。
なんせ一緒に登っていたのが、蒼氷のIWさんだったからです。山岸さんの先輩です。
瑞牆で一度山岸さん夫婦にお会いしたことがあります。私はIWさんと登っていたのですが、当時はまだクラックの技術が未熟で、リードできないのでフォローが専門でした。
山岸さんのことは、著書で前から知っており、アルパインネックレスなどを参考にしていました。厳冬期の雪山でテントがつぶれたら、ナイフで切って逃げようとか、沢でスタックしてロープを切らないといけなくなったら、ロープ切ろうとか・・・首からナイフぶら下げてマルチにはいきます。
私は、アルパインではなく、普段のゲレンデクライミングは、クラックでワイドを少しやって体幹を作ってから、グレードアップに行きたいと思い、5.9のハンドクラックが登れるようになってからは、ワイドをやるつもりでした。(あとから、アルパインのワイドと瑞牆のワイドが多少意味合いが異なることが分かりました)
ワイドをやるつもりだというと、一般にアルパイン族は逃げていきます。というのは、アルパインクライマーの言うワイドって、幅1mくらいあるワイドで、プロテクションが取れず、決して落ちれない系の課題なんです。しかし、瑞牆クライミングで言うワイドってのは、オフィズス、体ごとはさまってごぞごぞ、もそもそやるやつなんですよ。内面登攀で体も岩に密着しています。その分、ウエアが破けそうですが。
私も、スタックさせて登る技はチキンウィングを身に着けたところでした。
さて、こうして、私はアルパイン族からもフリー族からも、ちょっと違うところにいるために仲間が見つけられないのです。九州は、超絶ランナウトの花崗岩スラブか、日向神などのエイドルートをフリー化したランナウトしたフェイスかで、私のように低身長の人には、リスクを回避して、安全に登れる岩場が限りなく少ないです。
ところが、海外でクラック好き同好の仲間を見つけたんですよ。それは、例の水トラウマのフラッシュバックがあった、白亜スラブの直後に出かけた台湾クライミングです。
台湾では、タイ人のタオとマルチを登りました。タオはタイ人でしたが、中身はアメリカ人だったので、アメリカ暮らしをすでに経験していた私とは文化的に会いました。SFのノリ。
SF在住の人のYouTube。懐かしいです。https://youtu.be/BVByYXsEJDE?si=m9ofUKygamvAwCsm
ラオスでは、私はデイビッドという家族連れのカナダ人と組んでいたので、結局3人で登りましたが、とても楽しくマルチを登りました。
マルチでは、やっぱりタオの設置したカムが遠いことが一回ありましたが、それ以外は、安心感のあるクライミングでした。
私が不安そうな顔をすると、「僕は落ちないよ」と。そう、彼体が大きいので、私のビレイで落ちられると、私のほうが吹っ飛んで、ケガするんです。
この理解がクライマーらしい理解で安心しました。
日本人のクライマーは、私が不安そうな顔をすると、
A)「なに、怖いの?」
B)怒る、
C)「連れて行ってやるのに贅沢言うな、文句あんのか」
のいずれか三つで、どれもクライマーとしての安全意識より、エゴイズムが勝った答え方。
安全よりプライド、って登りになっているんですね…。
私にも、自尊心はありますから、プライドがあるというのは分かりますが…私だって自分で3年かけて作った読図能力にはプライドがありますけど…
男性と女性の身体能力には、明白な違いがあり、その違いを無視するような態度に付き合っていると、早晩こちらが殺されてしまいます。
そうなった女性の代表が、祝子川で亡くなった女性ではないですかね…ああ、恐ろしい。
身体能力やフォローとしてのスキルが十分でも、相方が単にロープ長を計算しながら登るというリードクライミングの基本を教わっていない、知性もないというだけで、いくらこちらが自己責任を充足していても、殺されることがあるのが、マルチピッチクライミングだということが分かったのが白亜スラブでした。
いや~、まさか、そんな基本的なことを教わっていないで10年も登りつづけられるとは思っていなかったんですね。彼を指導していたのは、甲府の矢花さんという方のはずなんですが、教えていなかったみたいです。私は面識なく、名前だけを聞く感じだったのですが。矢花さん、これを見られていたら、ロープ長と長ぬんを伸ばしてロープドラッグお避けることは教えたほうがいいですよ。ダブルの使い方も。
それで、私の中では、
九州=ダメクライミング、40年前のママクライミング、
台湾で出会ったタオ=現代クライミング、
となり、タオに日本の岩場を紹介したいと強く思いました。
タオには何度も日本の岩場を勧め、とくに瑞牆に行くように何度も説得というか、声を掛けましたが、「レンタカー代が高い」の先入観でかなわず。
私が甲府にいる頃なら車も出してやれますが、今は福岡なので、福岡から山梨に行くだけで6万円くらいかかるんですよ。ガソリン代と高速で。なら、私としては、3万円の飛行機代で台湾に行きたいですよね?日本人なら。
というわけで、タオの案内役を買って出ることはかなわず。残念に思っていたのでした。
こういう人たちこそが私が一緒に登って成長してきた仲間です。
アラーキーは、そういう私の文化の中で異色でしたが、私ばかりが師匠を得て教えてもらう立場にあり、彼はそうでないというのが、少し悲しそう、寂しそうに見える瞬間があり、私が教わったことならば、どんなことでも、シェアしたいと思っていましたが…。
シェアしても聞く耳自体がないみたいなんですよね…
たとえば、間違ったカムのセッティングを指摘しても「なんでそんなこと言うんだよ!」と逆に怒ってしまうので、折角私が先輩らからハンドダウンされた知識や正しいクライミングの在り方、というのも、そもそも相手に届かないのだ、と思いました。
支点ビレイはしてはいけないビレイだ、というのもそもそも教えられていない、知らなかったら、支点やっている相手を見ても気が付かないのです。
気が付かないから、そのまま受け入れてしまいます。
福岡にいる間に、トシゾーさんとも2度あっていますが、同席できるように呼んでも男子はだれも来ないしなぁ。彼は佐藤さんらと登っていたクライマーなので、誰にとってもクライマーなら会って損がないような人で、こういう計画があるんだが…と持ち掛けると、喜んでアドバイスしてくれそうです。
ちなみに長野のCMCは山岳総合センターの講師が多いクラブですが、会の新人の山行計画をみて、ダメ出ししてくれます。会のMTGも月一じゃなくて月2か、週一だったと思います。友達の女子が入りたがって断られていました。
また、JFAの井上さんが来てくれた時も一緒に同席してもらった方が井上さんが紹介してくれる仲間との接点が広がるので誘いましたが、彼、来ませんでした。
奥村さんのビレイ講習の時も同じでした。どういういうわけか、折角、私が引き寄せている人たち、私の感覚からは素敵な人たちなのですが…を相方や男子たちは避けるのです。たち、というのは、松井さんも来なくて残念だったからです。
これらは、そういえば甲府時代も同じでしたね…。
天野和明さんの読図講習会がたったの1000円だったので会の先輩らを誘ったら誰も来なかったのです。
せっかく、いろいろな意味でクライミング上の誤解が解けて、一皮むけれるのに…。
故・吉田さんとのクライミングに誘っても来ないし…
それは長野で師匠と登っていたころ、彼に感じていた思いと一緒でした…が、結局それは、私の姉心、みたいなもので、的外れなプレゼントだったのでしょう。
でも、ほんと、タオと山岸さんがつながってほっこりしたというか、タオにはだから、日本のクラックはいいって言ったでしょ!みたいな感じです。彼が日本に来たのは2度目で、あんなに勧めても嫌がっていたのに、2度も来たのですから(笑)。
タオはヨセミテ上がりのクライマーです。アメリカではたぶん、ヨセミテで初心者時代を過ごすのは普通みたいですよ。前の海軍の人もそうだったから。
私は瑞牆に家を安く貸してくれるオーナーさんを見つけたので、その家でこうしたきちんとしたクライマーが安く瑞牆クライミングを体験できる宿を運営するというのはできそうなのですが、その大家さんとの仲介役に不適切な人を介在させてしまったみたいで、私の計画は頓挫しています。
瑞牆の家、後ほんの少しで実現しそうだったんですけど…
残念ですが、私のこれまでのクライミングに対する熱量は、人生に対するゆとりの部分を傾けたものですので、私自身にゆとりがなくなれば、ない袖は振れません。
愛着基地として機能していたクライミングが九州ではできなくなり、九州には見るべき山もあまり見当たらず、そこまでして登りたい!行きたい!という情熱を感じられる山もないので…
山に関する活動は終息期です。
それにしても思うのは、相方のクライミングパートナー選びは、ともかく地元で人気の人とつながりたいということなんだろうなぁということです。彼はコミュニティに属し、そこで自分の立ち位置を固めたいタイプ。そのコミュニティが見つかるまでのつなぎにされた感がありますが、選ぶ基準がそもそも私とは違うと思います。私は安全な人と登りたいのです。
そして、その安全な人というのは超少数派なんですよ、特に関西以西では。
その原因は、強い東京への憧れと反発です。東京族への妬みと嫉妬心が、あっちの奴らとは対抗しよう!みたいな感じになってしまっています。ルートにも表れている。
これは、経済界でも同じだったような気がします。私は短い間ですが、三井物産に居ました。九州経済界のランチョンミーティングに出席するような仕事についていて、九電会長だの、大丸社長だののご機嫌取り役の商社代表っだことがありました…
その時の発想が…同じ。これが博多に阪急ができた理由だったりしました。
どこも変わらないなぁって思ったりしたんですよ。発想が。
というわけで、私ができなかった瑞牆の魅力紹介を、知り合いの山岸さんがしてくれてうれしかった、って話でした。
私は最近は、Kinnyのハンドルネームで主にNOTEに投稿しています。
このブログは、2018年以前は、非常に人気があり、前作のSmallSteps…と引き続き、多数の読者をひきつけていたようで、福岡に来た時は、すでに私を知っている人がいたほどでした。
2018年以降、Googleの検索アルゴリズムのロジックが変わり、固定客向けのブログになりました(笑)。
来てすぐは、当時福岡岳連の会長を務めたいた吉永さんなどにお世話になりました。一緒に脊梁山地の一泊二日の縦走をしたときは、これから、一緒にバリエーションにステップアップしていけたらいいなぁと思っていました。
吉永さんの紹介で、Moveの高田さん(重鎮)などと知り合いになりましたが、福岡クライミング界は総じて、40年前のエイドクライミングをアルパインクライミングとして理解しているようでした。それがそのままお弟子さんの若い世代に伝わるのでその若い世代もアルパイン=エイド、で昔の記録を基準にしているので、現代の基準ではあまりすごくないことが、すごいことになってしまいそうでした。しかも記録にエイド出したって書いていないので、読む方はフリーで登ったと思ってしまいます。
その高田さんのお弟子さんがスタートした会が私が”モグラたたき”というルートのある、矢筈岳に同行した会です。そこで、支点ビレイという懐古主義のビレイを見て驚きました。
もっと驚いたのは、私以外には、これが懐古主義(それどころか今では危険行為)だと気が付いた人があと一人しかおらず、相方も「まったく気が付かなかった」と言って気にも留めなかったこと、それと、たかだか5.10cのクラックをリードするのに、普段は5.12登れるという若い男性が2時間半くらいもかかったことです。そのうえ、ほぼエイド。たしかにフォローで登ってみたら悪くはありましたが、私が登れたのですから、そこまで困難なルートとは言えないでしょう。
というわけで、九州に来て発見したことは、
アルパインクライミング教育の内容が40年遅れで、現代アルパインクライミングの価値観への更新が遅れている
ってことでした。
一番悲しかったのは、自分の相方が発表した記録が、エイドでの初登で、もう、落穂ひろいもいいところで、そんなクライミングは何の価値もないことが現代では明らかなのに発表したことです。彼のクライミングの意図が名誉だけに偏っていることの証明にしかならない。一体、なんのために、一所懸命、彼に私が伝授された技術を伝えようとしてきたのか‥‥ものすごい徒労感を覚えました。
山梨では、北杜市に日本国内トップクライマーが集まっており、佐藤祐介さん、横山ジャンボさん、馬目さん、天野和明さん、花谷康弘さん、故・吉田和正さん、など、トップクラスの人の息吹を感じることができます。ガイドさんも多く、私は、保科さんや鈴木さん、菊池さんの講習に参加したこともあります。私はアイスでは、伊藤仰二さんとご一緒したことがあります。
とくにユースケさんは地元の山岳会とも近く、ちょっと登れるクライマーにはマルチに連れだしたりしている様子もうかがえました。地元民ならジムでも会えます。なので、そうした人との接点で、本来得れるものがたくさんあるはずなのです。クライミングのエシックもその一つです。
それを吸収していたはずだと思っていたのが違ったということが白日の下にさらされたのが九州での経験で、残念でした。
ただ、どうころんでも、現代の清く正しいアルパインクライミング(残置は使わない、易しくてもいいから、自分でルートファインディングしプロテクションを設置して登る、トップは基本オンサイト狙い、エイドを出したらセカンドやフォローでも台無し感あり、ただし作戦的に荷揚げ状態の場合は除く)を実践するのは非常に難しそうです。
ザイルを伸ばす、という発想自体が亡くなって、ボルト追っかけが善。ウェブザべ(ウェブサイトで人のムーブを見て予習する)が善と誰も疑わなくなったんですよね。
ちなみに、このブログでも何度か言っていますが、私の台湾やラオスでのクラックは基本オンサイトですからね。
私でもオンサイト出来るところを探して岩場情報を集めている、っていう方が正しいです。
Taoと山岸さんが宴を囲んでいたという知らせは、私にとって単なる「友人同士が仲良くしている」以上の意味があったのかもしれません。
長い間、私の中で大切にしてきた「流派」や「系譜」「こだわり」が、ちゃんと外の世界でつながりを持って動き出したような、そんな感覚。
以上、昨日会ったちょっといいこと、うれしいことの話でした。
Noteにも書きました。
https://note.com/kinny2021/n/nae6255da0bdd
2025/10/19
2025/10/18
AACによるグランドフォール報告ー日本クライミング界も早急に同レベルの情報公開を
https://americanalpineclub.org/news/2025/10/15/the-prescriptionground-fall
以下は上記英文の日本語訳です:
**ロックトーバー(Rocktober)となり、大陸各地でクライマーたちがプロジェクトを完登しています。今月は、「安全」と思われがちなスポーツクライミングのようなジャンルでも、事故が重大な結果を招く可能性があることを改めて思い出してほしいと思います。
この事故は2019年に発生しましたが、報告されたのは今年になってからです。なお、最新の2025年版ANAC(American Alpine Accident Report)**には、これと類似したグラウンドフォール(地面への墜落)事故がいくつも掲載されています。
また、以下に紹介するように、人間要因(ヒューマンファクター)に基づく事故後分析も特集しており、そこでは繰り返し見られるテーマや行動パターンが明らかにされています。この記事は**ヴァレリー・カー博士(Dr. Valerie Karr)**によるものです。
ネバダ州・レッドロックキャニオン国立保護区
地面への墜落|クリップ中に足が滑った
レッドロックキャニオン国立保護区は、北米でも有数のロッククライミングエリアです。数百に及ぶボルダー課題、スポートルート、トラッドルートがあり、それゆえ多様なクライミング事故も発生しています。(写真:BLM)
2019年6月22日、男性クライマーのBは、長時間のセッションを終えた後のクールダウンとして「Where Egos Dare(グレード5.12a)」というルートをリードしていました。
この4本のボルトからなる短いルートは、彼にとって容易で、すぐに登れるものだったため、Bは「真剣に考えず、非常に傲慢に登っていた」と語っています。ルートは短いものの、いくつかのクリップが難しく、リーダーが地面に落ちるリスクのある位置にあります。
Bはこう述べています:
「ハードな一日の締めくくりに登っていた。3本目のボルトでクリップしようとスラック(余分なロープ)をたくさん引いた瞬間、足が滑った。」
彼はホールドの悪い部分にぞんざいに足を置いていたため、滑ってしまったのです。手にはたくさんのスラックがあり、「真っすぐ尻から落ちた」と言います。結果、腰椎の圧迫骨折と仙骨の骨折を負いました。
「ほんの数インチ横には棚があって、もしそこに背骨を打っていたら確実に麻痺していたでしょう。」
激痛の中でも「自力で歩いて下山した。おそらくアドレナリンのおかげです」と語っています。
Where Egos Dare(5.12a)
4本のリードボルトはそれぞれ黄色い「×」印で示されており、2019年6月、クライマーが3本目のボルトをクリップ中に墜落し、地面に落ちました。
この事故はスポートクライミングに内在する危険を示すだけでなく、「リスクの常態化(risk normalization)」の典型例でもあります。
(写真:Anthony Lijewski)
分析(ANALYSIS)
Bは約15フィート(約4.5メートル)落下しました。ルートの下にはくぼみ(トラフ)があり、落下時に当たる危険がありました。
彼は1本目のボルトはスティッククリップ(長い棒を使って事前にロープをかける行為)していましたが、
「もし3本目もスティッククリップしていれば、この事故は起こらなかった。
当時は1本目以上をスティッククリップするのは“ズル”だと思っていて、今思えばバカげていました」と振り返っています。
彼は続けます:
「スポートクライミングって、本当に危ない!これまで散々スケッチーなギアルートを登ってきたけど、結局、身長35フィート(約10.5m)の12aスポートルートで歩けなくなる寸前だった。残念ながら、多くのスポートクライマーはこの危険を理解していないと思う。」
最後にBはこう語っています:
「もっと慎重に登るべきでした。このルートは自分の限界よりずっと下だったので、真剣に登らなかった。結果、実際のフットホールドではなく右側に足を置いて、それが命取りになりました。今は身体的には100%回復しましたが、かなりギリギリの事故だったので、心理的な影響は残っています。妻はいまだに、私をビレイ(確保)するのが怖いようです。
こうした事故の心理的影響は、決して過小評価すべきではありません。」
(出典:匿名クライマー)
人間要因の分析(HUMAN FACTORS ANALYSIS)
これは、Bが足を滑らせた実際の傾斜した不安定なフットホールドの写真です。(写真:B)
このグラウンドフォールは、まさに「リスクの常態化(risk normalization)」の典型例です。
危険に何度もさらされながらも無事でいる経験を繰り返すうちに、危険の認識が薄れていきます。
時間が経つにつれ、悪い体勢からのクリップ、高い位置のスティッククリップを避けるなどの手順を省くこと、そして中程度の難易度のルートを軽く見るような姿勢が、結果として危険地形のリスクを軽視させるのです。
事故当日、B自身も「気を抜いていた」と認めています。能力的には十分余裕のある「ウォームダウンルート」だったためです。
さらに、岩場の基部にいた他のクライマーとの会話や雰囲気も、注意散漫で「無敵感」を強める要因となっていました。
Bの語りには、クライミング文化に内在する価値観がどのようにリスクを増大させるかも表れています。
彼が言うところの「純粋主義(purity ethics)」――つまり、「1本目以降のスティッククリップはズルだ」という内面化された考え――が、実際的なリスク判断を上書きしてしまっていたのです。
事故を経て、彼は「結局、すべて作られたルールにすぎない」と理解し、スタイルよりも安全を優先する価値観へと転換しました。
(出典:ヴァレリー・カー博士)
■要約以下が本文の要点まとめです:
🧗♂️事故概要
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発生日時:2019年6月22日
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場所:アメリカ・ネバダ州 レッドロックキャニオン国立保護区
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ルート:「Where Egos Dare」(グレード 5.12a、4本のボルト)
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クライマー:男性(B)
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状況:長時間の登攀後、クールダウンとして登る。実力よりも簡単なルートで油断していた。
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事故内容:3本目のボルトでクリップ中、足が滑り約4.5m落下。尻から着地し、腰椎圧迫骨折と仙骨骨折。
⚠️原因と背景
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リスクの常態化(Risk Normalization)
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危険に何度も晒されても事故が起きない経験を重ねるうちに、危険意識が薄れていった。
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簡単なルートでは気を抜き、雑な登り方をしていた。
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「純粋さの倫理」=スタイルへのこだわり
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1本目以上のスティッククリップを「ズル」と考えていた。
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「安全より美学(スタイル)」を優先していた。
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注意力の欠如と油断
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クールダウン中で集中していなかった。
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ベースエリアの雑談など、周囲のリラックスした雰囲気も影響。
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💭クライマー本人の反省
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「当時の考え方(2本目以降をスティッククリップしないのはズル)は愚かだった。」
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「スポートクライミングは想像以上に危険。」
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「自分の限界より下のルートほど油断しやすい。」
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「肉体的には回復したが、心理的後遺症が残っており、妻もビレイ(確保)に不安を感じている。」
🧩教訓
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簡単なルートでも“安全対策を省かない”こと。
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スティッククリップをためらわず使うこと。
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「安全より美学(スタイル)」を優先しない。
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経験者ほど“リスクの常態化”に注意。
要するに:
「慣れ」「スタイル信仰」「油断」が重なり、実力者でも深刻な事故は起こる。スポートクライミングでも“完全な安全”は存在しない。
2025/10/17
クライミング前チェックリスト
了解です。では、先ほどの傾向と対策をもとに、クライミング前チェックリストを作りました。シンプルで現場でも確認しやすい形です。
クライミング前チェックリスト
1. ルートとロープ
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登るルートは明確か?
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シングル・ダブルロープは適切か?
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各ピッチの長さと支点位置は確認済みか?
2. プロテクション
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スリング、カム、ナッツなど必要なプロテクションの数は十分か?
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支点強度や配置に問題はないか?
3. 敗退・安全合意
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敗退の条件を明確にしているか?
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相方と敗退基準を共有・合意しているか?
4. 相手のチェック
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相手は敗退ロープを持っているか?
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相手は山行計画を立てているか?
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相手が危険行為をしていないか事前に確認したか?
5. 自己技術・判断力
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緊急時の自己確保技術を思い出せるか?
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過去の経験に基づき判断が正しいと確信しているか?
6. 心理的準備
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「君子危うきに近寄らず」を意識しているか?
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迷った場合は登らない方針を守るか?
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現場で不測の事態が起きた場合、指摘→敗退の行動を取れるか?
このチェックリストを登攀前に確認することで、判断と安全が確認でき、安心・確実に行動できます。
2025/10/16
【AAC】3ピン取るまでは決してフォールは許されない、の根拠
https://youtube.com/shorts/x_rg0EuRDBk?si=GE16Jxvt7NJ6rjRz
https://note.com/kinny2021/n/n053969a61681?app_launch=false
2025/10/13
スペインへの米国人移住者が急上昇
【心理学】現代クライマーの愚かしさ
この記事にインスパイアされ、承認と逸脱の常態化がクライミング界でも起こっていることが、愚かしい事故死が減らない理由です。
現代クライマーの愚かしさ
説明不要の愚かしさなので、こちらを参照してください。
https://allnevery.blogspot.com/2023/02/blog-post_19.html
私が囚われていたのは、このような愚かしい人たちを救う義務が自分にあるのだ、と思わされていたこと、です。
思わされていた、という表現は、究極的には自分が勝手にそう思っていたのですから、ふさわしくないですが…それでも思わされていた、と表現したいのは、それが洗脳だった、マイルドに言っても洗脳未遂だった、と思うからです。
承認欲求と帰属感の充足、そして、その二つの欲求が
逸脱が常態化した集団への帰属の欲求であり、
逸脱が常態化した集団への承認の欲求である、
という点で、洗脳なのです。
[個人の承認欲求・帰属感]
│
▼
[逸脱が常態化した集団への帰属欲求・承認欲求]
│
▼
[集団の逸脱行動を正当化/常態化]
│
▼
[個人は救う義務感や責任感を背負う(洗脳状態)]
│
▼
[愚かしい事故や行動の連鎖が続く]
中に入っている人は、それに気が付かない。
そして、その中に入っている人に対して、私は気の毒だ、ニーズを満たしてあげたい、と思ってしまったんですよね…。
それは姉としての、弟への憐憫の情からでした。
ところが、弟の側…この場合、私と組んでいたクライマーの側ですが、逆に、私のことを○○さんクライマー扱いされていなくてかわいそうと思っていたかもしれないんですよ(笑)。
ああ…勘違い。というか相手への思い違い。
私はアドレナリンジャンキーの仲間入りをしたいと思ったことは一度もありません。
山に対して不誠実な向き合い方…承認欲求で登る、スタンプラリーの山をするをしたいと思ったことはありません。
実力以上の山に挑みたいと思ったこともないし。
私のブログを読んでも、どこにもそのような記述はないと思いますが…
どうやってこの誤解が生まれたのかしら?と思うほどです。
山をステッププアップすること、それは、成長の在り方として当然なのです。なので、ステップアップ志向であることは、アドレナリンジャンキーに属したいという思いとは、全く異なります。
私のステップアップへの意欲を、なぜか自分たちの都合を満たすために利用したいと思っているような気がしますが…ステップアップ意欲と命で天秤にかければ、誰でも命が勝るはずですよね。
[個人の承認欲求・帰属感]
│
▼
[逸脱が常態化した集団への帰属欲求・承認欲求]
│
▼
[集団の逸脱行動を正当化/常態化]
│
▼
[個人は救う義務感や責任感を背負う(洗脳状態)]
│
▼
[愚かしい事故や行動の連鎖が続く]
│
▼
[中にいる人は気が付かない]
│
▼
[外部の観察者は気の毒・助けたいと思うが、誤解が生まれる]
│
▼
[弟クライマー側は逆に、外部者のことを可哀想と思うこともある]
2025/10/09
たった3万円で命を売る気にはなれないな──登山ガイドが語る“現場の真実
最近、登山ガイドの仕事が来たんです。
私は、登山ガイド積雪期ステージ2という、日本で一般登山者が取れる資格としては最も難しい資格を持っています(危急時講習のぞく)。この資格は、一般登山でスタートした人が取れる資格としては最も難しいですが、山ヤとしてみると、アルパインクライミングの入門者程度でも取れてしまいます。雪山経験数が合否の分かれ目だからです。
日本では、積雪期登山自体が、オーバーレーティングされており、全登山者の99%が夏しか登らないで1割が冬も登ります。その1割のうちさらに10%くらいが冬季の登攀も行うのです。そのうちさらに10%がアイスクライミングも行います。というので、アイスクライマーの世界は非常に狭く大体が知り合い。
つまり、日本の登山人口を500万人とすると、冬山やる人は、5万人。のうち、1割の5千人が冬期登攀。のうち500人がアイスクライマー。いや実感は50人ってところですね。まぁ、100人はいるかもしれん?ってな具合なので、活動の特殊さがあり、優劣ってあんまり関係ないんですね。いや、コンペなどでは優劣競いますが。
で、ガイド話に話を戻しますと、登山のガイドには、たいてい添乗員が付きます。その添乗員が…一応添乗員なので、登山のド素人。そして、私に自己PRしてくれたのですが…「○○さんのクライミングスクール行っています(はあと)」とか、「初心者なので…」「経験者についていきたい」。なるほどなるほど。ガイドの仕事で知り合ったガイドさんに、クライミングでも引き上げてもらいですってPRですね。
そうかい、なら…ということで、「今度ガイドするところのリスクは?」と聞いたら「ありません!歩くだけです」との答えでした。
というので私が書いた記事がこれなんですが。
https://note.com/kinny2021/n/n2d0b505ba138
ただののっぱらだったとしても、リスクはあるんですよ。平和ボケ日本のさらに平和ボケの福岡だとわからないだけで。もう、携帯見ながら自転車乗ってますから、こっちの人。前をもそもそも見ていない人多数。
初心者だったらリスクが分からないのは普通なので、分かっていないなーと思いましたが、この人、ロープ組みたいアッピールが強かったのです。この仕事を受けたら、”パートナーいなくてかわいそうな私”&”○○さんで学んでいるんです”という誠実アピールで、私としては、後輩扱いしてクライミングを教えないといけないことになりますよね??
たぶん、ガイドの会社が配慮して、私にパートナーを作ってあげようという配慮があったのかもしれませんが、ビレイもまともにできない初心者なんかに来てもらっても私の命どんだけ安売りっチュー話になるだけなんで。これ、岩根の時もあったよなぁ。おかみさんが不思議そうに、なんでこの子若い男子を連れて歩かんのやろ、みたいな顔していましたが。2か月前にクライミングを始めたド素人なんか、誰だっていやだよなぁ。
そんな人を連れていると、危険なので、別のベテランが心配して、教えに来てくれますよ。
大学生のO君は、かなりしっかりした岳人でしたが、私と彼のコンビだと私のほうが危険かもしれず、いつしかベテラン交えて3人で登ることになり、私は肩の荷降りてほっとしていました。O君は、越権行為みたいなことはない子でしたが、それでも、教えた通り、のビレイではなく、周囲の人と同じようにやってしまい…結果、だらりんビレイでした。
まぁ、いろいろ考えても、自分が分かっていないことを分かろうともせず、メインガイドよりエラソーなサブガイドなんかいらんよなぁ。
ということで、これは、神が下した何の試練か?と思いました。
ガイドの仕事が来るっていうニンジン付きでも、やっぱり自分の命のほうが大事だし、たった3万円のガイド業の臨時収入くらいで、命が売りに出るのはヤダ。
しかも、こんな無能なサブガイドが付いたとして、”リスクないですから!”のセリフにごり押しされて、リスキーな行為に手を染めなくてはいけなくなったとしても、法的に責任が来るのはガイド。
お金もらってもいらない。こんなド素人パートナー。
だから、現状ではガイドって、決定的にババ引きのババみたいです。
というわけで、ここ数日、試練に勝った!と思っています。
試練に勝ったのは、4度目です(笑)。
2025/10/06
クライマー=人を愛する能力のない人?
それが、本当の「愛の形」なのだと思う。親の愛と同じことですね。甘いだけではだめで、そこに必要なのは、父性なのだということです。
2025/10/05
【大人向け運動指導】水泳で躍進中
久しぶりに水泳しているんだが、だいぶ躍進中…不思議なもんだなぁ。
過去を振り返る。
2020/09/29
2024/06/28
水泳全体
https://allnevery.blogspot.com/search?q=%E6%B0%B4%E6%B3%B3
現在、バタフライは、8キックして、1回呼吸とか。ドル平でだいぶ進捗。前バランスが分かるように。25mは、もはや何の問題もないが…。50mにチャレンジしないといけないなぁ。
https://youtu.be/Ni8oq3iZSRM?si=RHoMe3rlzRPcTwp8
今日は腕を使ったらしくて、左腕が疲れていて、よし!という感じ。
■西市民プール
とてもきれいな大会向けのプールなんだが、子供向けのエリアしか、自由遊泳の場がないので、ドリルをするにはそこに行くしかない。
それで行くんだが、きれいで広々としている。ドリルを黙々とやっている。
水中ウォーク、前、後ろ、横、反対の横。
ぶくぶくぱの呼吸練習歩きながら。
伏せ浮き。伏せ浮きからの、バタ足キック。前バランスの確認。
ビート版で、バタ足、ドルフィンキック、平、を各100m。
その後は、ドル平やバタフライ。ドルフィンキッククロール。と普通の平。持久力のシーンにはおらず、グライドを取る段階。
今日は、ドルフィンキッククロールでもだいぶ泳げました。数えていないけど、どれくらい泳いだんだろうな。
■足がつるとき=水に逆らうとき
水とお友達になることを目指しているので、脱力しようとしているんだが、どうしても力が入ってしまう…のは、呼吸が苦しくなった時。
呼吸の練習のドリルはやってみたけどうまく行かなかった。
でも、つっている足を見たら、ものすごい筋収縮だった。驚いた。
もう体力増進期に来たらしい。いやー長かったなぁ。すっかり筋肉はいなくなったが、今から体脂肪を燃焼しようという感じだな。
足の感じから、もう走ってもいいんじゃないかな?って感じがする。
何か持久的なトレーニングをスタートすることにしよう。
