2021/05/14

理不尽を「リスペクト」で駆逐せよ 制作現場を変えるNetflixの本気

■ 奴隷のような気持で…

クライミング…これだ~と思いました。私はまるで奴隷のような気持で登っていたんですよね。

ーーーーーーー引用ーーーーーーーーーーー
「現場で働くある女性スタッフからもらったフィードバックが印象的でした。彼女たちは、それまではまるで奴隷のような気持ちで働いていたと言ったんです。それが、リスペクト・トレーニングが導入されたことで、私たちは守られているんだと強く感じることができるようになったと。何人もからこういった感想をもらいました。それを聞いて、我々がやっていることは、業界全体に対して大きなインパクトを与えているんだと感じています」

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 https://forbesjapan.com/articles/detail/41089?fbclid=IwAR2pw7JXnKO5d3hIOX57vO35dmTF9O8c_C2DBBoqNzuBVMX19Vt94JdFnkY

岸良海外にクラックを登りに行ったら…

私の登りたい課題は誰一人ビレイを提供してくれる人がおらず… みんな私の呼びかけで集めたクライマーで、トポまでしっかり事前に渡していたのに…。

まず第一に起きたことは、初日、私が予定していた最初の岸良クラックを別の岩場に変更させられたことでした…さも行くのが嫌そうに場所の変更をお願いされ… 思えば、自分の行きたいところは行きたい、相手の行きたいところは行かない、この人は押せば折れる人だ、そういう心の習慣が成立していたのです… いつも私の方が精神的に大人で譲ってあげるからですね…。

そして、結局私は、自分の登りたかった岸良のクラックは一本も登れなかった上、ボルダーのフェスでは、痛んだ足をリスクにさらして勇気を出して登っても…

「これは…(こんなビビっているクライミングでは…)」

と相手の判断で切り捨てられてしまうという… 無理にお願いしてそのダメな私が登っているビデオ貰いましたが、別にダメではなかったです。登っていたのしかも5級だから…。

膝は今でも痛いので、ボルダーはしません、クライミングも無理をしません。2年経ちそうな勢いですが、それだけ時間がたっても回復はまだですので、当時は脱臼から、まだ数か月でかなり膝はゆるゆるですので、ホントに私エライなと今でも振り返って思います。

理不尽な目に合ってきたのですが… 気持ちは奴隷です…

奴隷みたいな気持ちにさせられるので、自分の男らしさが好きでたまらないクライマーと登るのは嫌… 私は男ではないので、男らしさを唯一の善と考える思想の人と登ると、否定され続けることになり、私のメンタルにとても良くない。

クライミングでは男性のフィジカルが有利ですが、それは日本社会が妊娠出産をしない男の人だけが働き続けられるような仕組みを作っているのと同じで、男性の能力に適したように日本の岩場が作られているからです。

私には手が届きもしないのだから、1ピン目はないのと同じ、でしょう…。グレーディングも同じで、届けば5.9、届かなければ、10台、みたいな話ですので…。人工壁で分かると思いますがなんで分からないのかなぁ…。みんな自分で課題を作らないから分からないのかなぁ…

理不尽を何度ども何度も飲み込む経験を続けると、奴隷、が出来上がる…。奴隷のように耐えながら、行動しないといけないのは嫌だなあと思うので…

対局、その反対はリスペクトです。どういう風にリスペクトするのか?それは、この記事の内容に譲ります。 

2021/05/13

米国アクセスファンドのポッドキャスト

 https://soundcloud.com/climbing_advocate_podcast?fbclid=IwAR2ixCmUO4f6mnozI4-n6Gdae2Bx1OdZx7cWt-E7TdsZQl4SbnRCTZCJpmA


ポッドキャストでアクセス問題の詳細が語られています。誰でも聞けるようになっているようですね。

米国ではクライミングエリアを守ることは、大企業による過度の環境破壊が含まれる開発から、大自然を守るということとイコールなんですね…

クライマーのうんこ問題より、ゴルフ場開発のほうがうんと巨大な悪で、なおかつ、不可逆的開発ですよね…ボルトの跡がどうこう、って、ブルドーザーと比べてどうです?

笑っちゃうくらい環境インパクト小さい…うんこはしばらくすれば自然に返ります… 特に日本では。

それより、除草剤をゴルフ場の芝のために蒔いたら、下流の農業は全部有機認証とれませんね…

■ クライマー協定 Commit to The Climber's Pact:

・Be considerate of other users ほかの人を思いやる
・Park and camp in designated areas 指定エリアを守る
・Dispose of human waste properly ゴミ処理を適切に
・Stay on trails whenever possible トレイルを使う
・Place gear and pads on durable surfaces ギアとパッドは丈夫な表面におくこと
・Respect wildlife, sensitive plants, soils, and cultural resources
 ワイルドライフを大事にする、植物、土、文化
・Clean up chalk and tick marks チョークを消す
・Minimize group size and noise グループは小さく、音も小さく
・Pack out all trash, crash pads, and gear ゴミもギアも忘れ物しない
・Learn the local ethics for the places you climb ローカルルール尊守
・Respect regulations and closures 規制を守る
・Use, install, and replace bolts and fixed anchors responsibly ボルトと終了点を責任もって使う
・Be an upstander, not a bystander 手本になる

米国のローカルクライマー団体のリスト

邪慢

■ 邪慢

仏教用語で邪慢という言葉を知りました。

・窃盗犯がどうだ俺ほど早く人の財布をすれるものはないだろうと自惚れたり、

・刑務所では前科の回数が自慢のタネ

・どれだけスピード違反をしたかを自惚れ

・試験の点数の悪い事や、単位を落とした事を自惚れたり

”恥ずかしい事でも自惚れの材料にしてしまう”のが、

 邪慢

です。となると、クライマーバージョンのの邪慢は、やっぱりランナウト自慢とかではないのかなぁ…

■アレックス君のコメントから類推

アレックス・オノルド君、アダムオンドラ君との対談で、初めて作ったルートは手打ちだったので、「超怖いルートになってしまった…」と普通に言っており、”どうだ!俺のルート怖いだろ!これに登れない奴はくんな!っつー意味だぜ!”とか、別に言っていなかったです…。

岩的に必然性のないランナウトは、フリークライミングの世界での”正見”は、

 ただルートづくりが不慣れで下手くそだった作品、

ってだけのことみたいですよ?

■ 現代のランナウト王子

ランナウトはアルパインの伝統です。たしかにアルパインで、数ピッチ行ってから、いちいち2m起きに支点を作る意味ないというか…私もリッジ系のに登るとき、ほとんど形だけです。支点。だって落ちないですから… 落ちた時、死体が行方不明にならないためのロープなんで…。

現代のランナウト王子と言えば、佐藤祐介さんです。確かにユースケさんもランナウト王子ですもんね…

若い男性の憧れの的?アニキだったユースケさんこと、佐藤祐介さん…スーパー赤蜘蛛フリーソロの方ですよ(笑)。

ランナウト=ボルトがあって、ロープをつけている意味がない、ではなく、
フリーソロ=最初からロープ要らねー、ですからね…。

5.12が含まれるルートです…。
 
そういう記録をきちんと読んでいたら、4級でランナウトしているようなので、威張っていても、”なんだかなぁ…”という感想になるような気がするのですが…。

4級だから要らねーではなく、意味ないランナウトをして、ええかっこしいしているのって、状況見えていなくて恥ずかしいなぁみたいな?…ランナウトへの耐性は、もっと必要な時に取っておこう、みたいな気分になると思うのですが…?

山ではしたいと思わなくても、そうならざるを得ないとき、一杯出てきますからね…。

しかし、なんでこんなカルチャーになってしまったんだかなあ…

集合意識の総和が、この世界を作っているということ

 

回ってきた記事。


いや、ホントにそうね、と思ったので掲載。

現状のクライマー界がどのような世界か?というと???

どのような人たちで成り立っているか想像がつくかもしれない…(汗)。

岩場にうんこ問題で岩場閉鎖とか…(鳳来はそうだったらしい…)

マナーが悪いというので、JFAは、ボルダラーのマナーアップに一生懸命だが…、もしマナーアップ特集が必要だというのなら、やっぱり

マナーが悪いやつら=お子様

というレベル感なのだろう…

以前、服務している囚人にオシメを履かせる刑罰を処したところ、お子様レベルの態度が改まった、というのをどこかで読んだことがあるが… 例えば鳳来なら、クライマーにオシメを履かせたら行為は改まるのだろう(笑)。


年配のアルパインクライマーは、マナーも悪く、セクハラもします… 同じ伝統がフリーのクライマーに来ているのかも…。まぁ当然ですが、クライマーの中にも、色々な人がいるわけですが… ブイブイ?言わせたい人は、マナーの悪さで、ブイブイ、を表現していることが多いかもしれません…。

そのあんまり真似しない方がいいところを真似しているのかも???

そして、ビレイループさえ、二重というような真似をすべき良き習慣は、あんまり、受け継がれていないような気がします…。

2021/05/12

安全のリレー

FBで東さんの投稿が回ってきました。考えさせられる、良い内容だったので転載します。

(赤字当方)

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ルート保全について

~お互いの安全のために~

ある岩場にて

 昨秋、30年くらい前に開拓された岩場を尋ねました。そこで劣化した支点(ハンガー)を多く見受けられましたので、その後2回程度、支点の整備に行きました。私が開拓したルートもありましたが、整備した多数は他人が開拓したルートです。写真のように「ほとんど抜けかけたハンガー」が連続した箇所もありました。

 これは非常に危険な状態で、あと数回の墜落かテンションでハンガーが脱落していたかもしれません。

支点の強度と管理

 岩場では開拓者がルートを作りますが、その支点を終生にわたって強度保証することはありません。ただし再登者は支点強度を信じて登りますので、この辺の齟齬が事故発生の危険性をはらんでいます。

またクライミングジムでは支点は管理されていますが、自然の岩でそれはありません。

言い方を変えれば「有料施設では支点は随時点検されるが、無料の岩場では支点の管理者はいない」ということになります。

今回の問題は「ハンガーをとめるボルトがずいぶんと緩んでいたのに修正されていなかった」ことです。

クライミングコミュニティと安全の保全

 クライマーは好むと好まざるにかかわらず、クライミングをしているということで「クライミングコミュニティ」の一員になります。 我々はその場にいないクライマーを意識することは困難ですが、私が今日登ったルートは将来、誰かが再登します。そのため我々は時間軸上でつながっているといえます。

 そして管理者のいない岩場では、クライマーは無料で登れる恩恵があると共に、次のクライマーのために安全な状態を保全する必要があります。例えば、「開けたドアを次の人のために押さえてあげ、その人は次の人のために・・・」というような行為、つまり「岩場では安全のリレー」が大切です。

 今まで、死亡事故が発生して利用禁止になったエリアはいくつかあります。事故は被災した本人に壊滅的な事態が生じますが、クライミングコミュニティにも大きな被害を与えます。

岩場で出来ること

ランナウトした核心部で、ハンガーが脱落しそうであっても、必死でクリップするかもしれません。ただしそこでテンションしても、体重がかかったボルトを締めることは困難です。そのため安全な支点に到達するまで危険な状態が続きます。

ボルトを修正できる可能性があるのはロワーダウンのときです。私は岩に行くときは「小型モンキーレンチ」を持参していきます。そして回転しているハンガーはそれで補修するようにしています。

ボルダリングではチョーク跡を掃除することがマナーとして定着しています。リードのハンガーや支点問題は見かけの問題ではなく、安全の問題である以上もっと深刻です。

「続登者の安全は、先行者によって保たれる」のです。そのため「安全のリレー」に努めていきましょう。

カットアンカーからグージョンに打ち直されている

緩んでいるカットアンカー


夢中歩行グレード改定

 いつの間にかグレード改定になっていた 夢中歩行5.9 → 5.10b



2021/05/11

アダムオンドラとアレックスオノルドの対談 | スポーツクライミングとビッグウォール


■ スピードクライミング

スピードクライミングはどちらにとっても大変だそうです。そんな簡単なものではないみたいですね。スポーツ志向 と 外岩志向はやっぱり、全然違う志向体系みたいですよ?

■クライミングの歴史

クライミングの歴史を大事にしているのは、両方ともみたいですよ?

■ アレックス君とアルパインクライミング

現代の、世界で、”ザ・アルパインクライミング”と言えば、やっぱりパタゴニアみたいですね!

アレックス君は、年に1、2回しかしないそうです。する理由は、

他のクライミング形式のありがたさが分かるから(笑)。

ホントにそうですね!ちゃんとしたアルパインをしていたら、フリーってホントに、身軽でいいなって思いますし…。落ちても死ななくていいんだぁ…って感じ(笑)。

■危険な岩場は嫌い

チェコの岩場は嫌い、だそうですよ、アレックス君は。つまり、ランナウトとヒドイ支点…

九州の支点をアップしたら、チェコのクライマーが連絡くれて、うちらのはもっと悪いと言っていましたが…絶対行きたくないだろうなぁ… 世界のフリーソロのアレックス君が嫌がるチェコ。

■ 開拓

石灰岩の開拓は、アダム君によれば、それほど大変でもないそうです。掃除がいらないから。

■ 怖いルート

アレックス君も2,3本開拓したことがあるそうですが、1本目はよく分からなかったのと手打ちだったので、最低限のボルトしか打たなかったら、かなり怖いルートになってしまったとのこと。 

ってことは、怖いルートって初心者の下手くそ開拓者が作ったルートって意味なのかも?


■アレックス君75% アダム君100% 

スポーツクライミングが専門のアダム君をアレックス君が褒めているのですが…アダム君は常に100%投入…アレックス君は頑張るって言っても75%。

私も同じなんです…75%の頑張りで、”もう頑張ってる”です。100%出し切らないと頑張っていない判定するスポーツクライミングだと、長い時間登れないから嫌…。残り25%は予備で取っておかないと…です。

あとスポーツクライミングは足るを知らないから、嫌だなぁって思います…

2021/05/10

アレックス・オノルド君のお母さんの手紙

■ アレックス・オノルド君のお母さんの手紙

良い文面なので訳しました。

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Dear Mom of a climber,

クライマーのお母さんの皆さんへ

I’m the mother of that kid you couldn’t bear to watch in Free Solo, who made your palms sweat as you wondered aloud, “How’d you like to be that kid’s mother?!”

私は、皆さんが見るに堪えない、あのフリーソロを登った子の母です。手に汗握らせたでしょう…そして、あんな子のお母さんなんてやってられないだろうなぁと思ったでしょう…

I didn’t have a choice. My son, Alex Honnold, was born climbing, and that’s all he ever wanted to do. So at 59, since I wanted to be part of his life, I tried it.

私には選択肢はありませんでした。息子のアレックスは生まれつきクライマーで、クライミングだけが彼のしたいことだったのです。しかたなく、私は59歳でクライミングをすることになりました…。彼の人生の一部でありたかったからです。

At 66, I became the oldest woman to scale El Capitan.

そして、66歳で、エルキャップを登る最高齢女性となりました。

In the short time between those two events, a lifetime of learning happened.

この短い間に、人生の貴重な学びが起こりました。

I’ve always been a teacher, a writer. A mom. Basically I spent my life at a desk, in a classroom, in the kitchen. Not exactly athlete material. But you never know until you try.

これまでの人生、私は教師として生きてきましたし、書き手であり、母でした。基本的に、私は、机、教室、そして台所で、人生を過ごしてきました。まったくアスリートの材ではありません。でも、試してみるまで分からないものですね。

As I began climbing, I learned a lot about fear; my imagination was far worse than anything that really went on ‘out there’ on Alex’s expeditions or climbing trips. Fear comes from not knowing.

クライミングを始めて、恐れとは何か?について多くを学びました。私の想像は実際よりうんと悪く、心配は無知から来るものでした。

At the beginning, I ‘knew’ I’d never be able to climb a wall; I was no athlete! I just wanted to see what it was like. I climbed a wall at the climbing gym. And another. I followed my son up an outdoor wall, terrified and thrilled. He believed I could, so I did. It’s as simple as that.

始めから、私は、壁を登るなんて無理!と”知っている”つもりでした。私はアスリートじゃないのよ!ただどんな感じがするか知りたいだけ。クライミングジムの壁を登りました。そして次の…。外壁で、息子のフォローを務め、恐怖におののき、スリルを味わいました。息子は私にもできると信じているようで、それで私も自信をつけました。それくらいシンプルでした。

By the time we did El Cap, several years later, it no longer terrified me to hang on a rope 3,000 feet above the Valley floor.

私たち親子がエルキャップをやる頃には、4,5年がたっていましたが、もはや3000フィート(1000m)の壁でロープにぶら下がることは怖いことではなくなっていました。

…続く…

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どうですか? 私が一番感動したのは、息子が何に夢中なのか知りたいと思った母親が、恐怖や偏見を乗り越えて、壁に取り組むことです。

”馬鹿言わないで!私にクライミングなんてできるわけないでしょ!”、初心者は、誰だってそう思います。そんな思いすら、乗り越える息子への愛。

私が悲しいのは、私の夫が少しでも、その意思を見せてくれたら…ということです。試しもしないで、出来ないって決めつけているなんて…。


2021/05/09

押し付けと気が付いていない価値観の押し付け

■押し付けと気が付いていない無謀の押し付け

私は、沢登りを教わりに行った東沢釜ノ沢でチェストハーネスをしている労山事務局長(K2登ったことある人)を見て、”内心、私もいるかも~”と思った口なのですが…

しばらく、前に日向神で、相方がチェストハーネスをしていると、九州のクライマーが、「え?なんでチェストハーネス?」と怪訝そうに言ったのでした…。その発言者はユージ風ニット帽。

相方は、「落ちた時、頭が下になったことがあるので」とちゃんと返事していましたが…。

明らかに、”何こいつ、変な奴”という空気を醸し出す発言者で参ったのでした…。フリークライミングはチェストハーネスなんかしないもんだろ、オーラ全開。

私も嫌だったなぁ…。マルチで出てくる下りで、明らかに一歩のミスがさよーならーにつながるところでロープを出さない。ロープだして懸垂で降りたら、変な顔されました。でも、私は、難易度ではなく、そこが危険かどうか?がロープを出す判断基準と教わったんですよ。

あと切れたところで、ザックを下ろして、渡ったら、それも変な顔されたうえ、こんなところで、とか言われました。でも、私は小さいですから、同じザックの重さでも、体が持っていかれることはよくあります。しかも、そんな私ですら、会にいた33歳室野君より、強かったんですからね…。彼がいたとしたら、ザックを下ろすどころか、確保してあげないと彼そこ通れないレベル。

というので、まぁ要するに、現代的初心者について、見聞不足が顕著で、昔の大学山岳部のノリのまま、で事故は、手弁当、の九州クライミングなのでした…きちんと統計出していないから、不透明ですが、かなりの事故件数なのではないかと思われます。

チェストハーネスの件は、私なら、”そんな自分の価値観を押し付けるような言動はしないなぁ…”と、傍で聞いていて、思ったりしたのですが…

この問答に立ち会ったことで、用心深いクライマーに対しては、私以外であっても、誰に対しても、私にしたのと同じこと…人の安全対策をこ馬鹿にする…をしているんだなぁ…と分かったのでした。

別に、私だけが否定されたわけではないのかも? 

というか、ホント、命の価値を考えていない、ええかっこしいな土地柄で、それをみんなが同じだと無邪気に思い込んでいる、という土地柄なんだなぁ…。

それにしても、発言した人はヒマラヤで友人を亡くしている人でしたが、そのような人でも、セーフクライミングではなく、価値観の押し付け、なんだなぁと。自分と同じ価値観以外は、”は?”と言う…そして、それが全世界の標準だと思っている…。違うよ、世間はもっと進化しているよ?

なんだか感動したというか、つくづく理解したというか。

ホントに自分の周りの変化に気が付いていなかった人たちなんだなぁ…と。

フリークライミングへの理解っていうのは、なんだか本当にオールドスクールのクライマーには難しいのだろうと。まぁ、若い人、入ってこないですもんね、会に。入ってくる人も、知識をもたらしてくれるようなタイプの人ではなく、その逆だし…。

今日は、6年生の、まだクライミングを一回もしたことがない男の子が、お風呂で後ろに転んだことがあるからアブナイ、と感じて登らなかった。

子どものほうが立派で、大人の方が…ですね。

価値観の押し付けは、押し付けられているほうには分かって、押し付けているほうには分からない。

気を付けよ!

2021/05/08

ラオスの6Aって10bもあるのかな?

 ■ 頭が下になった墜落

今日送られてきた映像…頭が下になることがあると、やはりヘルメットをかぶろうという気になります。わたしなんて、チェストハーネス、ほしいくらいですもん。

しかし… 6Aなら私も登っていましたが、ラオスの6Aって10bもあるの?ぜったい日本の10bより簡単だけどなぁ…

Thakhek, Laos. He is on a 6a (5.10b) called Soft Cheese.

あるグレードを理解するには40本必要

グレードを駆け上がらさせられる…

私はまだずっと10Aでいいのですが…なんで嫌って言ってるのにグレードピラミッドを駆け上がらさせられるのか…?それが九州では悩みでした。

小山田大さんは、

”ある一つのグレードは40本くらい登らないと分からない”

と雑誌に書いていましたが、九州では

”4本登れたら次”

だそうです。

40:4 10分の1ですよ? 10分の1の努力で次のステップに駆け上がってしまう…これがイケイケクライミングでなくて、何クライミングなんだろう…?

■ 細かいステップを踏む = 安全

そのやり方だと、ステップがおおざっぱなので、私は嫌なのです。

なんなら、5.10A100本ノックでいいんです… 

5.11A100本というのをやっている人を知っていますが、11でやるのは許されるのに、なんで5.10A100本ノックは許されないのか?

5.11Aは、どんな内容か?というと、(男性の標準体格の人のフィジカル)+ (努力をほとんどしないか微量…正体と側体が身に着いた程度)で到達できるレベルです。

同じ技量でも持っているフィジカルが女性並みなら、届くグレードは、スライドダウンして10Aになります。これは師匠を見ていたら分かるようになった。スキル、私と変わらないです。それでも背が高く(=取れるホールドのオプションが広く)、力が強い(=持てるホールドのオプションが広い)とそうなります。なので、おじいさんでスタートした人は私と同じくらいしか登れないですよ?

ジムでも、女性は7級や6級を登れるようになるのに1年、若い男性は1日です。

ちゃんと普通に努力すれば、男性なら12は中級者、女性は11で中級者だと思いますが…そういう努力が要らないレベルが、男性の11、女性の10だと思います。(子供から登っているエリートクライマーは論外ですよ) 

そういう風に多様な人材を受け入れられる課題作りは日本ではされていない…のは、まぁそれは、現状なので致し方ないですが、男性のメインストリームと同じ価値観を持てないからと言って、その人が考えを変えないといけない、というのは、おかしい。

■迷ったらハードプッシュ!

迷ったらハードプッシュ!は男性で若く予備体力が豊富な人にしか通用しない作戦です。

迷ってもハードプッシュしないで、ムーブ解決してきたから、私はまだ生きているんであって、その方針でやっていたら、今頃、とっくに死んでいます。

しかも、こんなに用心していても、頭7針縫っているんですよ? 2度目のグランドフォールがあったら、もう命はないでしょうね。

迷ったらハードプッシュの人が、それがクライミングで通用する唯一の解でないと気が付くには、大怪我するしかないのではないでしょうか…

いくらメインストリームの考えであっても、メインストリームだから正解、というわけではないのです。

蛮勇が必要、も同じです。クライミングに蛮勇が必要と思っている人は、自分には必要と言うだけで、私にクライミングで蛮勇が必要だとしたら、それはもう、クライミング一生しなくていいって意味ですから…。

フリークライミングというのは、気軽な墜落が許容されるクライミングなんであって、蛮勇が必要なクライミングではないはずですが…。

ボルトルート(スポーツルート)では、低グレードであるほど蛮勇系である仕組みになっている日本の課題…

それが男性中心主義というのは、男性には分からないので、子供や子供並み身長の私のようなクライマーが声を上げていくしかないのではないかと思ったりします。

その声を拾えるかどうか?が、日本でフリークライミングが市民のものになるかどうか?の試金石であるのかもしれません…

蛮勇やハードプッシュの俺ってかっこいいと思っている人は、どうしてもそれを必要としないクライミングを許容できないのではないかと思います…。やってしまうと、自己否定になってしまうからですね。

2021/05/07

弟が死んだことと山での友人たちの死

■ 長い長いグリーフワーク

私の弟は、水泳でメダル何個も持っていたようなアスリートで、24歳で突然死しています。

あまりに突然だったので、死の実感もなく、私にとって、悲しみが癒される瞬間がなかなか訪れない…という事柄でした…。

夫と登っていた一般登山から、私がステップアップしたくなり、山岳総合センターのリーダーコースへ…。その頃から、山での友人、知人の死に出会うことが多くなりました。

例えば…

・山岳写真家だった新井さんの劔での落石による圧死、

・講習仲間の涸沢岳西尾根、

・ニュージーランド帰りのアイス仲間がパートナーが見つからなかったからと言う理由でソロで行った冬富士の遭難…、

・友達の宝剣での400m滑落と開放骨折…

・師匠の青ちゃん…腰椎、足首の骨折の回復中、ボルト23本入ってます、とか… 


そして、山岳会で出会う男性の多くは、リスクを理解しようとする頭自体がない…。その

  男性性

という性質が、これでもか!と言うくらい、弟を思い起こさせるのでした。

それはこういうことです…

小さいころ、弟がロッキングチェアに載って、動いたチェアから落ちて頭を縫いましたが、3歳の弟を見た5歳の私は、見れば分かるじゃん!と馬鹿だなぁと強く思ったのを覚えています。

山での死を見聞するのは、その思いを強く刺激するもの…でした。

■ まともな強いクライマー

一方、弟みたいなツヨツヨクライマーのハッシーは、山においては先輩でしたが、「あの頃の俺は強かった」と口にする30歳で、あの頃っていつ?って聞いたら、25歳のころ…で、現在2段…なのに、私がいいって言うんですよ、ビレイヤーには。一緒に宙づり脱出の練習を初回のロープ合わせでしましたが、教えなくていいから楽、とか言っていました。

私にパートナーができたので監督役で、ルート、付いてきてもらいましたが、なんとその日にガイドの仕事が入ってしまい…仕事を断ってついて来てくれたんですよ?なんて人情味あふれる人なんだ。

私とこれまた初心者の相方のために…。そして、相方のずさんなロープワークを見て、これでは、四尾根は日が暮れる、と指摘…。その当時、私は何度も相方に、今年の四尾根は無理と指摘していたのに、私の言うことは聞かない相方だったので、助かったのでした。四尾根は、ルートグレード3級です、初めてやるなら前穂北尾根1級でしょ。

余談ですが、前穂北尾根は二人で行く予定で頑張っていたら、初心者だけで行かせるのは心配だというので、もっとベテランの先輩がついてきてくれ、相方も誘ったのですが来なかったです…なんでやねん…

まぁ、あれこれ、山では苦労しながら、弟と死、について突き詰めてきたのでした…。

■ 人は100%死にます

死は免れない。人はどうやっても死にます。致死率100%。どうせ死ぬなら楽しいことをして死にましょう。

一方で、ロッキングチェアから落ちて死ぬような、恐ろしく知性の低い死に方をする山や多数。

例えば、宝剣ではロープをつけてさえいればよかったのでした。

■ 古い革袋に新しいワインは合わない

この人は花谷ガイドのヒマラヤキャンプで指導を受けた若い人で、昔の山岳部のやり方で育った人です。古い革袋にいれられた新しいワインです。古い革袋は、人を死に至らしめる可能性が高い。その教育法では新しいワインには向かないということです。”これくらいノーロープでいけるぜ”ってやつです。

ロープを付けない、アイゼンを付けない、そういう軽視の心は、どこに現れるか?というと、

・ブイブイ言わせたい

・めんどくさい

・危険予知できていない

そんな程度です…。そういえば、アイゼンつけたままグリセードして骨折した先輩もいたっけなぁ…。

■ グリーフワークの進行

昨日は弟が死んだことを考えて、なんどか涙があふれてきました…。やっとそこまで彼の死がリアリティとして追従してきたということですかね…。

正直、私を守るために、弟はパートナーを送ってきていると思うんですよね…。福岡では登るの辞めようとしていたのでした…アシュタンガヨガでいいやって。そしたら、アラーキーがなぜか来たし…。弟の魂は、私が山から離れるのは嫌なようでした。

■ 弟の死と山の死。咀嚼の歴史…

一つ目は、母が甘やかしてしまった男の子の行動原理の理解。

…甘やかさざるをえなかった母の必然の理解。

…母は男の子の育て方に自信がなかったので、水泳で弟を鍛えたんですよね…メダル重視という間違った方向性でしたが…。

…間違った方向性を許すための理解…周りが一斉に競争に向かっている社会で、競争に興味ありませんって難しいですし…そもそも子供は競争大好き。 

そして、男性心理の理解。

男性クライマーってどうしても、女性の前では、自分が強い男であることを気取るために、かっこつけたくなるんですよね…。女性が入ると、事故率増えるという研究結果がある。

君が強いのは分かったから、ランナウトじゃなくて、荷物担いでくれ、って感じ。でも、荷物を担ぐのは嫌なんですよ。大体の年配の男性は、妻に重たい荷物持たせて、自分は手ぶら…。それは女性の分担って頭から決まっている。これは74歳の開拓者と登って理解しました…晩御飯作るの嫌がっている奥さんのことをひとごとのように話してくれました…。

男性の心はギャラリーを求める心です、ナルシズムとヒロイズム。ヒーローにしてくれるから、女性を大事にするだけで、そうでないなら、しない。だからリードで取り合いにならない、女性パートナーが登れないところだけ、行きたいわけです。師匠はそうだった。だから私が行きたい石灰岩は来ない。私は引率の先生のようにビレイで付いて回らないと行けなくなるわけです…足を怪我しているのに。逆に、自分が怪我をしたときは、リードしてくれるわけですよ、ヒーローになれるから。

「〇〇で一番死に近い男」と言われて喜んでいる相方… それ、見張っていないと、やらかすって意味ですよ。みなで気を付けて見張っていよう、という意味で、かっこいい、って意味じゃないですよ…。 

なかなか治らなくて、白亜スラブでは、やっぱりやらかしていました…。それでもなぜか彼には成功体験になってしまった。私にとっては、うかつだった事件の記憶です。この記録、私以外のフォローだったら、日暮れレスキューになった可能性もある。

たいていのセカンドは、ロープアップされなかったら、どうしていいか?頭真っ白になって終わりです。自己確保で登る技術を教わってから、マルチに行く若い人は、昨今少ないです。

アレコレと書きましたが、結局のところ、私は弟の死を自分の中で消化するために登ってきたんだろうと…。

なぜ父は私たち兄弟三人を捨てたのか?…自分の自己実現のほうが子供への愛や責任より大きかったから…

なぜ母は弟ばかりを優遇して育てて無能な巨人が出来てしまったのか?母にとってすがれる男性は弟だけ…。上げ膳据え膳で溺愛したため、水泳はできるけど、水泳しかできない子になってしまった…。

なんで男性はかっこつけるのか? なぜなら、モテたいが男性の行動原理だから。親になるまで、それは変わらない。

いつ男性は自分の命を大事にし始めるのか?子供が出来てから。自分が守るべきものを得てから。

クライミングで、誰に何を言われても、ゆずらない硬い意志で、安全管理について訴え続けるのは、弟の死がコアにあるからです。

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1)許すとは、自分にはもう恨みも敵意も、自己憐憫も必要ないと気づくこと
2)許すとは、自分を傷つけた人を罰したいとは思わなくなること
3)許すとは、過去に起こったことで自分とういう人間を決めるのを辞めること
4)許しは自然に訪れる結果 
5)忘れないけど、手放すこと
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1)許すことは大目に見ることではない
2)許すことは相手を免責することではない
3)許すことは自己犠牲ではない
4)許すことは、そのことについて二度と怒りを感じないということではない
5)許すことは、一時の決意でできることではない
ーーーーーーーー 『子どもを生きればおとなになれる』 より 引用