2020/12/24

指導者に求めるものとステージ

 先生を選ぶ基準

ーーーーーーーーー
ステージ1 偶然
ステージ2 スタジオ内 レッスン内容×先生
ステージ3 知名度
ステージ4 自分が求めていることを与えてくれるかどうか?
ーーーーーーーーー

2020/12/22

韓国の若いアイスクライマーの装備


チェストハーネス。これを見て、

  怖がり~

と思わないで、

  よりリスクテイキングなクライミングしているんだな~

と思いました。

2020/12/21

終了点とプロテクション

■ 終了点とプロテクション

一般化すると、4つのケースが考えられます。

1)プロテクションも悪く、終了点も悪い
=ギリギリボーイズの方限定。一般クライマーは登らない

2)プロテクションが悪く、終了点は良い
=トップロープ課題

     ---------以上、アルパインクライミングーーーーーーーーー

3)プロテクションは良いが、終了点は悪い   → TRADクライミング
=リードして懸垂で降りる

4)プロテクションは良く、終了点も良い    → フリークライミング
=普通のあるべき姿



クライマーの自己責任の取り方 ボルトに対する対応力:事例集 

■ボルトの信頼度によって登り方を変える

はじめに。最もあってはならないこと:煽り&煽られ。

「クライマーなら、自己責任で登れ」

”手で押したり、引っ張ったりして、大丈夫だと判断したボルトに通常のフリークライミングの慣例として、落下係数2のフォールをするような登りで挑むこと”

は、結局は、判断の根拠が、

 ”見た目で、大丈夫そうだった”、
 ”手で押してみたら、大丈夫そうだった”

などのおぼろげな根拠しかないまま、ボルトを信頼して登ること。見た目や手で押しても、ボルト強度は判断できません。かかる荷重はせいぜい数kg…。 

これでは、自己責任ではなく、無謀の後押しに、ほかなりません。

以下、具体的な行動の指針として、ご参考にされてください。

個々人で、採用できる安全マージンは差があります。誰かがバンバン落ちて、そのボルトを信頼していたとしても、あなたが信頼するかどうか?は別の話です。例えば、同じ高さから落ちても、肉体の壊れやすさは、個人差があります。

事例1)シャックル直付けのような、確信犯的に信用してはならない終了点の場合 

→ 係数2で落ちるクライミング(RP型)はしない。TRは必ず3点で取る。
 
このようなボルトで落下係数2の落ちるクライミングをするかしないか?は、当事者の判断によるべきです。パートナーであれば、それが意思疎通できるような人と登るべきです。

事例2)ボルト配置が悪く、落ちたら致命傷になる課題

 → 登りながら、プリクリップで対処


事例3)課題は適切(上で核心なので落ちても安全)だが、プロテクション・終了点が、両方とも信頼できない課題

  → プロテクションに頼らないで登る、もしくは、各駅停車でテンション登り 係数2のフォールはしない

 事例:このプロテクションは、ペイントで腐食もしくは錆が、ごまかされています。信頼する(落ちる)か、どうか?はクライマー次第 

事例4)人気ルートでボルトがケミカルだったり、リボルトされており、信頼できそうな課題

   → 積極的にフォールしてOK 落ちたほうが疲れない

事例5)落ちたらぶつかるルート
 
 凹角スタートで岩の突起にぶつかるなどの予想できる危険がある課題  
  → オンサイトにはこだわらず、リスクを感じたらエイド

事例6)難しくてもリスクが低い課題 

 例:自分のRPより難グレードでも、ボルトがよく、ボルト間隔が近い課題

 → Aゼロで掛けながらリードし、TRで登れば、安全にスキルアップできる

事例7)関西の”斜陽”のような、後ろに走らなければ確保できない事故多発課題
 
 → 登らない

■ その他 予防策

1)ヘルメット着用

すでにフォールで頭を打った経験がある場合、や、余裕がなくロープをまたぐことがある場合

→ ベテランクライマーがノーヘル、ニット帽だったりすることを気にせず、揶揄されても気にせず、ヘルメット着用する。

さらに念を入れるには、チェストハーネスをつける。上手に落ちても、後頭部を打つクライマーはいる。その場合に、責任を取る=長い入院生活を送ることや半身不随になることも含め、結果を被るのは自分。

2)初めて組むパートナー 
 
 →とりあえずビレイをテスト 一発目で軽く落ちるべし

3)ほかの人に紹介するルート
 
 → できれば係数2のフォールも可能なボルトの品質が良いルート


■ プロテクションの質により、登攀のスタイルを変える

登攀のスタイル…TR、プリクリップありリード、Aゼロリード、ぬん掛けリード、マスターでのリード、フラッシュ、オンサイト…等を選択するのに、

 ボルトの良しあし

ということが関係してきます。 

落ちれないボルト配置(ランナウト、トラバース)の課題では、2グレード上を登れるようになってから取り付く、などの知恵が言語化されていないので、いつまでも経験者についていないことには、その岩場で主体的に登ることができない、という事情が日本の岩場にはあります。主体的に登るというのは、自由と言う意味です。

経験者の方も、その経験には当然偏りがあるため、すべてをゆだねられる状況にはなく、とくに年配のクライマーのビレイ立ち位置には大変問題が大きいことが多いです。昔の経験から、ボルトの品質には、妥協があることが多く、人は誰でも年を取れば、最新情報には疎くなるのが当然ですので、現代の知識を期待することも、無理というものです。そこは、ビレイをしましょうと申し出たり、ボルトを負担したり、情報提供したりしましょう。

ボルトの良しあしは、見た目、手で押す、などでは判断できず、熟練の職人の目、もしくは、ボルトタイプ、材質、設置年、設置者という4つの情報が揃わないことには、安全性は判断できません。

情報不足で判断できないことに対して、「クライマーなら自己責任で登れ」と発言することは、要するに、”安全性に根拠なくとも、危険に挑め”、ということですので、そのような発言は、控えましょう。無責任です。あなたはその人が怪我をしたとき、罪悪感を感じずにいられますか?

怪我は武勇伝にはなりません。むしろ、リスク認知のおろそかさを示すものです。

■ RPするにも内容に細かな差が

RPにも内容の良しあしに色々な細かい違いがあります。

古いクライマーからは、落ちるクライミングをする若い人たちが危険だ、という指摘が根強いです。

しかし、フリークライミングはルール上、1本目を掛けたらどこでも落ちてよいというルールであるのですから、落ちる方が悪いというのは責任転嫁であって、正確には、落ちれないフリークライミングが、そもそも、フリークライミングの定義に反しているかもしれません。

そのような課題は、例外的ともいえるルールと違う現象ですので、トポ等に記載があるべきで、ちょっと説明が不足しているのではないか?というほうが事情の描写としては、適切かもしれません。

私が知っている若いクライマーたちは、13クライマーなどで、昔のクライマーと比較してはるかに高難度を登っています。危険をスキルで超越できる人たちですが、”9割落ちている”そうでした。登れない課題に挑むのがフリークライミングなのだから、当然です。

11程度を登る一般のスキルレベルのクライマーにも、自分の身を守る方法論が必要ですが、こうした事情説明は、昔の登攀しか経験がないベテランからは出てこないのが現状です。ベテランの中でもラッペルのスタイルに進んだ人は理解がある場合もあります。

今回は、粗削りながら、ひな形ができました。ベテランの方のご意見、ご指南をよろしくお願いいたします。

大事なこと。 落ちながら登るには、確実なプロテクション(ボルト)が必要です。

悪いボルトのルートでは、確実にオンサイト出来るつもりでないとバクチになるので、フリークライミングの見た目をしたアルパインクライミング、とでも表現したらいいような課題については、オンサイトにこだわる必要はない、というのが実情です。2000年代以前に開拓された岩場は、ほぼそのような岩場です。(小川山も結構そうです)

また、ラッペルで開拓されたルートに関しては、開拓者すらOSはしていません。リードしない開拓者もいるくらいです。

■ 世代間の知識の差について

年配のクライマーは、ボルダーをしないので、SDスタートのほうが難しいことがよくあるということを理解していません。シッドダウンがより難しいということは、リードでは背が低いクライマーが取り付くほうがより困難、ということと同じです。

これは、私は小川山のジョコンダで理解しました。一手目、届けばガバ、届かなかったら、サビて手で抜けるピトンに命を預けて(?)小さいスタンスを拾わないといけなくなります。とはいえ、下部核心の課題は、下地次第です。下がふかふかであれば、下部核心であっても、ボルダーと同じ程度のリスクです。しかし、下が海岸のように岩だとか、不安定な斜面という場合で、下部核心であれば、容易に捻挫します。捻挫は数か月最低かかる故障につながります。それを大きいと見るか、小さいと見るかは個人次第です。

オンサイト重視のクライマー=難しいルートは登れないクライマーという可能性もあります。

■ ルート途中のプリクリ 技術を身に着ける

エイドをやっていない現代クライマーは、クライミング中のチョンボ棒によるプリクリップクライミング、については、よく分かりません。1ピン目が遠い時にかけるプリクリップ以外のことは無自覚かもしれません。落ちれないボルト配置(ランナウト)のような課題の場合、ルートの途中でプリクリしないと、いくらビレイヤーが良くても、墜落すれば、怪我を免れません。それで登る勇気が出なくなった場合、敗退するにも、その前のボルトに落ちてぶら下がれない、という意味です。その場合は、なんとかプリクリするしか、安全に敗退する方法がないです。

■捨てビナ (捨てマイロン)

難しいグレードに取り組みたい人は、捨てビナか捨てマイロンを持つと自己責任で敗退できます。

■ グレードに上下なし

12でひいひい言っている人と、10でひいひい言っている人と、14でひいひい言っている人の心の中は同じ動きです。

どこで、悲鳴を上げていても、その人の限界に挑んでいるという点で同じです。そのギリギリ感が、”こわ楽しい”とか、”無になれる”とか、表現は色々であっても、同じことを楽しんでいるので、上下をつける必要はありません。

比べる心が不要なのがフリークライミングだと思います。

低グレードで、ひいひい言える人は、その分長くクライミングを楽しむことができます。正直なところ、14がすぐ登れてしまうと、そのあとが困ってしまいます…。そのような人を何人か知っています。

2020/12/20

一般向け外岩整備と現代初心者向け外岩講習の両輪

■ ボルトとガバ

前に一緒に登っていた開拓者のボルト感覚っていうのは、

ガバ=ボルトを飛ばしていい

という論理だったような気が登っているとして来たのです…。が、私はクライミングに才能があるタイプではないので、私が困難に感じるだけかなと思い、色々な人に相談したら、それは多くの人が感じることだそうです。

フリークライミングは、理論上は1ピン目を掛けれたら、後はどこで落ちてもいいハズです。甲府で一緒に登っていたクライマーには、そういう風に教わりました。
 
しかし、現実は、小川山でもやっぱり3ピン目までは、なんとか登れないと落ちてよいとは言いづらいですし、5.7のスラブなどは大ランナウトなので、2グレード上の5.9のスラブが登れるようになっていないとリードは、ちと、厳しいです…。ランナウトというのは、落ちると大怪我という意味です。

  そのグレードを限界とする人のために、ボルトを打つ

のは、現代日本では今から、の技術で、

 これが突破できないと、フリークライミングがみんなのもの、には、なかなかなりづらい

です。

■ 現状に対する対策
 
現状では、インドアクライマーが、アウトドアデビューするには

・通し八の字
・ビレイ位置
・ヌンチャク一個持っていくこと
・捨てビナなどの敗退
・落ちていいところと悪いところの講習
・落ちる時の体制の事前学習

などがデビュー前に必要かなとおもいます。

特に人工壁では、墜落は気楽ですが、同じ気楽さで落ちていいようには、今の外岩のボルト事情は、できていないです。

そこでやはり、上記のような現代的事情に即した初心者講習が必要かなと思います。

■ 岩場整備

一方で、シャックル直付けとか、ハンガーなしチェーン直付けなどの、

 古典的終了点

は、歴史上、”とりあえず”という位置づけで、”ベストプラクティス”というわけではないので、上級エリアに限り、一般クライマーが登るグレードや一般クライマー向けの岩場からは、一掃が望ましいのではないかと思います。

 きちんとプロテクションとして成立するボルトと配置

で登るという意味です。

この場合、プロテクション という意味合いは、自分を墜落利いすくから守る機能、という意味です。最低でも、人間が壊れる12-13kN以上の強度がないと、落下できませんから、強度不足のボルトは、”プロテクション”の定義の外にある、ということになります。

リングボルトやハーケンなどは、どれくらいの強度か?ということと、掛けられるリスクの量は関係があります。

その時、その時に合わせて、正確にリスクを計量でき、その計量にあった自分なりの取り方でリスクを取れる、というのがクライマーの完成形かなと思います。

つまり、リングボルトでは落ちないで登り、シャックルでも落ちないで登り、グージョンの時は果敢に攻める、というようなリスクの掛け具合の差を実践行使できるということですね。

2020/12/18

二子山エアウェイ 5.11c →7c 当時日本最難

■二子山の岩場再生のこと

最近、二子山の岩場の再生のことを知り、私と同じ夢を見る人がいるんだ~と勇気づけられているのですが…。

再生された岩場で、看板ルートを再度登ってみたら、あれま!難しいじゃん!って話題です。

昔のルートって、これがありますよね。

昔のクライマーは、今よりうんと、競争相手も少なく、ジムもまだなかったので、最近登った〇〇が5.11bで、今回のはそれより、難しいような気がするから、5.11cというグレードの与え方です。とりあえず、周囲と見計らってグレードをつけていたそうですが…、そもそもクライミングできるルートも少ないですし、母数が少ない中で適正な判断ができなかったそうです。まったくあてずっぽうと変わらず、実はうーんと難しくて、現代の13、14登るクライマーが登っても、うなってしまう場合もあるそうです。控えめにグレーディングされているほうが謙虚さがうかがえますね。

なんとエアウェイは、7cなら12d、当時日本最難でしょう、とのこと。高難度と言っても、まだ12台なので、手ごろ感あり、とりついて頑張る男子いるかもしれません。7cかぁ。

話題性もあるし、これぞ再生の魅力でしょう。

■ フレンチグレード

ラオスでは、フレンチグレードだった。このことは、意味があることだと思います。

国際性もですし、再生後という意味、現代の岩場という意味が込められているのかも。

日本の岩場は、海外の岩場でもっとも人気があるグレードが少ないという事情があります。6Aとか6台ですが…そこがクライマーの最多価格帯というか、人口数が多いあたりです。このグレードで多種多様な岩に触れるというのが、むらの無い成長に大事。

その辺が日本では確立されていないので、常にリードしながら成長していくことはできないクライミング事情となっています。本来は、限界グレードはリードしながらあげれるはずですが、TRでの暗記が必要になっていますが…。

まぁ、課題設定者も、リードで取りついているわけじゃないし、オンサイトはしていないので…、いいっちゃいいんですけどね。最初からトップロープで試登して作るからです。

最初からトップロープでの試登を前提にしているのがフリー… ヨーロッパのスタイルなので、その意味でも、アメリカングレードシステムのデシマルから、ヨーロッパのグレードシステムへの移行は象徴的でいいかな、と思います。

今後はグランドアップで作られた課題をデシマル、ラッペルのルートをフレンチにしたら、分かりやすくていいんじゃないですかね?ラッペルのルートだったら別にオンサイト狙いじゃなくてもいいような気がしますが、グランドアップのだと、オンサイトできたらうれしいですよね?

岩場再生というか、リボルトですが、人気があるルートのボルトがしょぼいという問題は、早期解決が必要そうですが、放置状態というか、頼りのJFAがあまり頼りにならない状態が長く続いています。

この二子山の再生をきっかけに多くの岩場が、再整備に動き出すといいですよね。



2020/12/16

UKのボルト基金

 https://ukboltfund.org/?fbclid=IwAR097xAi6MfGIedKlM9zjNQa9K181u2VMNtnmmjI87v8pEnoM1fmwi1DHR8

こちらを見ると、各地域ごとにボルト基金があるようですね。

やっぱり岩場ごとか、九州なら九州全体のボルト基金が必要で、全国バージョンというのは、東京一極集中を生むため、地方の人はモチベーションが上がらない仕組みかもしれませんね。

JFAによると、岩場指定の振り込みも可能だそうですが、フリーファンをみても、そんなこと、どこに書かれているのか、分からない程度にしか書かれていないし…。

■ 余談:昨今のクライミング雑誌の低落ぶり

硬派のフリーファンですら、クライミングソックスの特集に14Pだと。そんなことだから、誰も読まなくなるんですよ。

ロクスノのチョーク特集もいいかげんにしろ、なノリでしたが、中身のないものを買う人がいないのは当然ですよねぇ。

再燃中のアクセス問題に14Pをさき、全国的に知識を共有すれば、無い知恵もでてこようというものです。ソックスは2P程度でいいというのが正常な物事の比重感でしょう…

だから結果として、リボルトが進まないんですよ。

やり方が悪い、ということの結果=現実、は明らかですなぁ。

12月15日のネット調査 水平打ち + ASCA

 1)避けるべき危険なボルト(米国版)American Safe Climbing Association(ASCA)

https://www.safeclimbing.org/education/dangerbolts.htm?fbclid=IwAR0zUe1gdbC-JnaXr13vrlUso-BI176apHtxpmhDa9q_tsSnpWsZKX5_MOQ

2)BMCのボルトガイドがここから、ダウンロードできます。すごく良い資料ですがかなり重いので各自ダウンロードが最適。


3)水平打ち
キンクするので、辞めたほうがいいです。少し上下にオフセットする配置にすれば、下のリングはほとんど、すり減らないので、交換時にも見極めが楽です。


この形だとキンクします。

この形で、ロープを直接かけたトップロープはだめです。

支点構築時は、ADTやJDTにならないように、クワッドアンカーなど荷重分散系を使ってください。









4)ASCAも残置スリングからラッペルリングキャンペーンをしていたようです。


アメリカでも残置スリング文化だったみたいですね。

何事も徐々にしか変わらないのですから、とにかく、前進すれば良しとしましょう。













■考察

一つのボルトの強固さ(Solidかどうか)の査定が、時代で違うんだろうなと思いました。1点にぶらさがるというのは、良くないのは当然ですが、

A)1点目強固 2点目バックアップ
B)1点目脆弱 2点目脆弱 = 荷重分散

なのか、で 配置は変わってくるものと思います。アルパインの思想だと、1個目の支点は脆弱で崩壊するかもしれないことを前提にしています… ので、2点目は必ず必要ですが、それは、2-3kNしかかからない懸垂下降でも、決して失敗が許されないからです。

一方フリークライミングの価値観では、ボルトは強固であるというのが前提です。何しろ、中間支点では、激落ちするわけですから… 人間が壊れる12-13kN以上の荷重に当然耐えるのが中間支点であり、そうでないとギリギリにどうやってチャレンジできるでしょうか?

というわけで、アルパインクライミングの思想の名残りがフリークライミングの岩場に持ち込まれていることが、現状に現われているのではないかと思いました。

フリークライミングでも、当然懸垂下降やローワーダウンは、失敗がゼロ%でないといけないわけですので、ボルトは2個必要ですが、横に並ぶ必要は、一般に25kN以上もの強固さがあるボルトを使っている場合、不必要かもしれません。ハーケンやRCCで登っていた時代の名残なのでしょう…

ちなみに、カムの終了点の場合は必ず3点です。

2020/12/15

リボルトの遅さ

■リボルトの遅さ

井上さんは責任感の強さから、対面でのリボルト職人講習を信念としておられたと思うのですが…色々な知識があるのは、すごく分かる。しかし、あまりに一対一すぎて、リボルト職人はものすごく少なく、JFAにリボルトをお願いしたら、一体いつになるのやら…、というのが現状だった。

…とはいえ、昔の開拓者だとボルトについての知識が古すぎて、こ、これは…という強度が弱いボルトだったり、長さがそもそも不十分な資材だったり…。

本来、生かされるべき、
 
 集団の英知

が生かされない、ということになってしまい、どっちに転んでもイマイチの選択肢で、つまるところ、膠着状態=現状維持、ということになっていたんだろうなぁ…。

日本の外では、若い人も年配者もみんな楽しく、新しい岩場で、バンバン落ちるクライミングを楽しくやって、ヒマラヤトレッキングの帰りにラオスやタイに登って、実家はアラスカでーす、みたいな人が一杯、回遊魚のように世界中の岩場を、安くなった格安航空券とネットでできる仕事の強みを生かして回っているのに…。

日本だけ若い人は、蟹工船…

悲しすぎる現実だわー

2020/12/14

岩場におけるフォール事例集を外岩に行く前に見ましょう

 https://www.instagram.com/p/CIq6Cdtj_6n/

こちらはインスタグラムのフォール動画です。

このような動画を、外岩にデビューする以前に、クライマー同士でたくさん見て、

1)どのようなフォールが危険で、

2)どのようなフォールが許容範囲なのか、

ということの合意を作っていかないと、今の状態では、

 落ちて行けないところで落ちるクライマー

という問題が解決できないだけでなく、

 落ちていいところでも落ちれないクライマー

という問題も、同様に出てしまいます。 

■ 初心者向きの課題を選ぶ能力

どこなら落ちてよいのか?というのは、経験による知識 です。経験による知識、というのは、経験がない人でも、想像力がある人にはカバーができる知識です。

ので、想像力の強弱で、結果が分かれてしまいます。想像力が欠如した人は、怪我をするにせよ、しないにせよ、偶然によって結果を得ることになってしまいます。

それを避けるには、想像力がない人にも事前に起きることの結果が予測できるように、こうした動画を事前に共有するしかありません。

そうすることで、

 初心者の自分に向いたリード課題を選ぶ目

 ビレイするときにクライマーに怪我をさせないビレイ

の2点が確実に得れることになります。

この2点がないまま、外岩に行くことが、基本的には、事故が減らない原因です。



2020/12/12

今回の一連の登攀で

人は何のために登るのだろうか?

バムクライマーと楽しく登って、別れたのち、様々な”事件”が起き、そのせいで、ここ2日ほど、メンタルの調子が最悪に悪いので、こんな問いを持ってしまうのである。

このような問いが出るということは、その意味は、登ることの意味が分からない、ということであり、要するに楽しくない、のである。

ではなんで、楽しくないのか?というと、詳述は控えるが…

ローカルクライマーからの抵抗に合う
クライマーの無責任体質を垣間見る

…など、そういうことがあるからである。おそらく、どこか心にやましいところがある人がいて、結局のところ岩場をクライマー人種という特権階級だけのものにしたがっているのではないか?と、私にはそういう風に思えるわけなのである。つまり地権者に許可を取っても、一般の人が訪ねていけるよう公開しないとか…。秘匿している。

そういえば、日本の有名なクライマーが世界でも、まれにみるグレードを初登した、とあり、その場所で第二登が出ていないので、グレードが曖昧であるため、海外メディアから私に問い合わせが来たことがあったなぁ…。

まぁ、いい…。

私はとりあえず、どうも今の時点では登攀は楽しくないらしいので、要するに登攀を頑張る季節じゃないらしいのだ。

自然農をやっているときの、自然の理を探求したい気持ち…もっと知りたいという前向きなエネルギーが、クライミングには感じられず、知れば知るほど、真実…エリート主義…が、明らかになって、私はシラケていくだろう…ということが予想できる、ということかもしれない。大体何においても見切りは早い方だ。

ああ、何か、もっと楽しく未来に希望が感じられることはないかなぁ~

■シティライン10c

キーボウさんからアドバイスをもらったら…
ーーーーーーーーーーー
上部エリアの10Cとは、シティラインですね。終了点前の1手は難しいですが、大蛇山よりは易しいですよ。7つの子は良く覚えていませんが適正グレードだと思います。
ーーーーーーーーーーーー
と言われ、目がテン…。

今回、充実感があったクライム、No1は、大蛇山。2年前に2テンでRPした課題だったので、肉離れ&膝の脱臼という事故後、どれくらい力が落ちたか?を調べるために、登った。

初見ではない大蛇山と比べて、初見のシティラインが非常に難しく感じられるのは仕方ないのかもしれないが、テン山どころか、墜落多数で、とてもトップロープでない限り、とりつけないだろうというありさまだった…。あちゃ~

大蛇山も10cだが、2テンで登っていたあの頃、昔の自分は偉かったなぁ~ということなのだろうか… ともかく、小さい足が拾えなくなっている。

■ 悔しくない

今回の登攀は、トータルすると、どれだけ力が落ちているか?という比較になったのだが… 

それを自覚したとして、本来、感じるべき、

”悔しさ”

が感じられない。…ということは、もう私にとってクライミングは、どちらかというと過去の活動になっているのかなぁ?

あまり、当事者意識が湧いてこないからだ…。何をしたらいいか?ということも、一応聞いたし、まぁ自分でも多少ジムに通いこめば、得れる糊代はあるとは分かるけど…。そこまでする価値を感じられない。

…と言っても、別に他にすごくしたいことがあるわけじゃないが…。

■ 開拓

それよりも、ランナウトしない適正なボルトの打ち方とか、理解したい。

ので、開拓方面を勉強したいのかもしれない。

ということは、ルートセットを覚えたいのだろうか…うーん、謎だなぁ。適切なボルト配置を覚えたいのですが。

というのは、そういうことを考えていないルートのように思えるルートを5.9辺りでたくさん経験するからだ…

ガバ=ボルト飛ばしになっているような気がするルートとか…。

私は、基本的に好奇心以外では動かされないので、肉体的な強靭さを増強するにしても、誰かを感心させたいとか、自分で自分の肉体に酔いしれたいとか全くないわけで、無理。

10c程度の登攀ができない、というくらいのレベルの低さでも、別に悔しい思いが沸き起こることもないので、悔しさをバネに頑張るとか無理。

そもそも、クライミングを始めた最初から、登れるようになりたい、などと全く思っていなかったのであるからにして。

というので、探求心以外をよりどころとすることは、私には無理なので、探求する課題がなくなれば、まぁ、その活動は、ジ・エンド、と言うことになるだろうなぁ。

悪いけど… すいませんねぇ… あんまり情熱がないのに、楽しく登ってしまって。

大安心

■大安心

自然農をしていると、自分の寄る辺、例えば、水源、とかどうなっているか?すごく身近に分かるようになり、それが安心につながるのですが…、その安心を

 ”大安心”

と言うそうです。

私も雪山の登山では、自然界の中での自分の身の守り方、という意味で、この”大安心”を積み上げて登ってきたと思います。

例えば、以前は、-25度の環境でソロテント泊する場合の身の守り方が分からず、ただ雪の山は怖いだけでした…。が、心を向けて、こわごわながらも、やってみたらできました。

読図もそうで、山が怖かったのは、道に迷うということからでした。今は全く怖くない…。

山に一人で行くのが怖いのも、犯罪者が怖かったからです。例えば、富士見平小屋で女性登山者が小屋番に殺害されていましたよねぇ? 今は怖くないです。なぜなら、もはや小屋には泊まらないですし、犯罪者はたぶん読図できない。ので、逃げれる。そもそも、犯罪者が来れない山にしか行かないです(笑)。

ので、私が積み上げてきた活動は、”大安心”を積み上げる活動でした。

■ クライミングは不安を追いかける活動

しかし、クライミングになると、そうではなくなり、なぜか、心の充足、ということがなく、10Aが登れたら、次は10b、10bが登れたらさらに10c、と、延々と世界最高難度が登れるまで、エンドレス…。キリがなく、しかも、競争心の世界で、みなどうどうとマウンティング中です…。ので、最初からやる気になれません。

クライミングでは、むしろ、人間関係の問題が増え、大安心ではなく、

・若い男子が私の注意を聞かない
・ビレイヤーのスキルは信頼しても大丈夫か?
・この男性と二人で山に行っても、セクハラされないか? 
・怪我をしたときに、ちゃんと保険になってもらえないのではないか?

等々…ほとんど常にびくびくとしていないといけない。ほとんどの場合において、不安の方が勝り、大体において、その不安がリアルに現実化してしまう…ということになります。

というので、私にとってはクライミングは、現在は魅力的な活動ではまったくありません。

■ 極性の正常化

一般に、何を楽しいと感じ、何を楽しくないと感じるか、ということは、正常な人だと、楽しいことを楽しいと感じ、怖いことを怖いと感じます。

大安心につながらないことを楽しいと感じるのは、おかしなことなので、クライミングが楽しくないというのは、私の内面的感性が正常化しているということです。

本来、人は大安心につながる道を選ぶべきだと思うので。

…ということで、クライミングは、今、私が寄り添うべき道ではないと感じています。

■ クライミングについての活動

一般に、クライマーは、クライミングが楽しいという人種のことなので、他のクライマーから見たら、じゃなんでクライミングしているの~と感じるだろうとは思いますが…。

それは、日本のクライミング界が全く正常ではなく、一部の特権階級の私物化されていること、それでは、本来日本人のすべてが享受できるはずの自然界からの贈り物がすべての人の財産とならず、もったいない事、に、違うな、と感じるからです。

この気持ちは、過疎の町ターケークなどで、クライミングをし、世界中のクライマーが僻地のラオスに集まって和気あいあいと登っているさま…、人種も、年齢もこえ、言語の違いもこえ…を見ていないと理解できないのではないか?と思います。

ラオスでは、20代のツヨツヨクライマーが、4歳の女の子を登らせてあげている世界がありました…

おりゃーと雄たけびを上げる人もいましたし、私のように各駅停車でしか6Aが登れない人も、ギャラリーを得て、頑張ったら拍手を貰える世界でした…

価値観が多様化しているということです。〇級も登れなかったら頑張っていないとか、人のことに自分の価値観を押し付けてくる人はいません。

これは何と言ったって、遊びですから…。

価値観の多様性ということが、本当に実現している世界、というのは、日本の人には、かなり理解が難しいのではないかと思います…

■ 心が枯渇

そういう多様性が担保されていない日本では、いちいち考え方の面で相手の思想が危険なので、ガードを緩めることができず、常に気を張っていないといけないので、私の心の容量的に、クライミングのムーブ解析まで心が持たない…。

これは落ちるだろうなぁ、落ちたら怪我するかもなぁと思っているところに、”もっと頑張れ”と言われると、ほとんど、”怪我をしろ”、と言い換えたのと同じになってしまいます…。

自分の評価を 命知らずさの度合い、に置いているクライマーだとやはり、私とは合わず、一緒に登ると、相手の安全は増えても、私の安全は増えない。

私はやはり、相手の安全を増やしてあげている自覚があるので、相手からも私の安全を増やしてもらっている実感がある相手と登りたいです。

文化的問題で、それは九州では難しいなぁと思っています。