2020/03/29

8a.nu について

■ 世界のクライミングサイト

世界には、一杯クライミングサイトがあるんですね~

こんなサイトを今回、古いロクスノから知ることになりました。

https://www.8a.nu/jp/crags/routes/?fbclid=IwAR00TY-0S6J6gLnVkSLI1_VFFeA6gO1_9NaLIvuI1srBPu8PWA1j1f_JwW0


Hourai (Shinshiro)Tick List Japan180

Biccyu (Takahashi)Tick List Japan53

JoyamaTick List Japan52

Mt arigasaTick List Japan31

MizugakiTick List Japan7

鳳来
備中
城山
瑞牆

となんとなく、紹介されている岩場が偏っているような気がしないでもないですが…、今の日本のボルト状況を見ると、一般の岩場を紹介するのは、ちょっと難しいですので、強いクライマーが行くところだけを紹介したほうがいいかなぁと思ったりします。

ボルダーなら紹介しても安心。そういえば、昇仙峡も海外クライマーが登っていたのは、ボルダーでしたよねぇ。キャンディクラッシュ。



Rock&Snow 024号 Mars & 『グレーディングを考える』

■ OBG 『Mars 5.13 d』

これは、城ケ崎のMars5.13dについての故・杉野保さんの記事が載っている号です。Old But Goldという、クラシックだが、味わいのあるルートという、大変すばらしい文章の連載です。個人的に杉野さんのOBGだけの単行本化を期待しています。

Marsは適正グレードであれば、5.14aであり、もし当時、そう発表されていたら、世界最難だった、ということになります。

■ 『グレーディングを考える』

この号は別途、草野さんのスタートした日本独自の段級システムがスタートした歴史的経緯が分かるようになっています。

特集で「グレーディングについて」という対談が、

小山田大さん、平山ユージさん、室井登喜男さん、杉野保さんの4名

で語られており、グレーディングの事情を知ることができます。

この特集で分かることは、室井さんのグレーディングが甘いので、海外から問い合わせが来てしまい、本当なのか?!と問題になっているという話です。

・自分の課題しか登らない
・開拓しかしない
・海外の岩場で登らない

ということが原因で、客観性の欠如となり、グレードがどんどん上がって行ってしまい、本来v15でないかもしれないにもかかわらず、v15と発表してしまう理由になっています。

これは、多かれ少なかれ、日本の開拓クライマー全員に言えることのようです。

開拓するようになると、大体、自分の課題しか登らなくなります。 前に登った〇〇が、11dだったから、それより少し難しいから、12、と設定したりしてしまいます。

しかし、その前の11dも確実ではない可能性がありますし、その時の体調が良くて、易しく感じただけだったり、得意な課題だったり、あるいは、岩のコンディションの良しあし、など、客観性を阻害する、色々な要因があります。

・自分の得意不得意
・季節
・岩のコンディション
・体調

そう言ったもので、客観性が脅かされるということです。一般に安定したクライマーであれば

・かかった便数
・かかった時間

などで、グレードは適切につけることができるようです。

■ アルパインのクライマーがつけたグレードは怪しい

一般にアルパインのクライマーは、打ち込む経験値がなく、

 かかった便数や時間で、グレードを判断することは無理

だと思います。アルパインは打ち込むタイプのクライミングではないので。大体12くらいまでは、男性クライマーも打ち込む経験値はほとんどないのではないでしょうか。

■ ほかの人の課題を登る & 海外で登っている

グレーディングをする人にも資格制がいるのかもしれません。要件は

・ほかの人の課題も日常的に登っていること
・海外でも登っていること

です。そうでないと、どんどんと主観化して、視野が狭窄し、グレードが甘くなったり辛くなったりします。

■ まとめ

024号は、大変お勧めの号です。

グレーディングについて、疑問が大きい方はぜひ一読されることをお勧めします。

Mars の吉田和正さんは、控えめのグレードを付けたために世界に名を知られることなく、生涯を終えられましたが、本来リン・ヒルより以前に5.14Aを登った方です。

吉田さんのことがさらに好きになりました。

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それにしても、Mars についての記事が、この号に載っていることについては、とってもシュール、と言わざるを得ませんね。



2020/03/28

読了 『ジョン・ギルのスーパーボルダリング』

■ ジョン・ギルの人気本

これ、アマゾンで14989円なんですよね…それで、大阪で、ヒロさんに借りてきたんですが…

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■ 体操が有利なボルダー

九州に来たとき、アシュタンガヨガをクライマーの先輩に紹介したんですが、やっぱりボルダラーにふさわしいヨガはアシュタンガヨガだということで、アクロバティックな動き、体操があっているということに確信を深めました。

ジョン・ギルは、ボルダラーなら読んでおいてよいかも。大学の教授で、体操、特に吊り輪が好きだったそうです。

ダイナミックムーブこそがボルダラーの特権だからやらないともったいないと。

あと松脂禁止。チョークは自分に罪がある、と言っています。体操でチョーク使うんですね、そこから来たらしい。

とにかくボルダーは、体操、です。指力と体操。

■ 赤布が自分を追いかけてくるようになる

読図ができるようになると、尾根を降りていたら、赤布の行った先で、決断の証拠のように出てくるようになります。赤布が追いかけてくるようになる。

それと同じことでした。

九州行くなら、ボルダーだなぁ = 体操だなぁ =アシュタンガヨガだなぁ

= ジョンギルの本= やっぱりー!

この本は私の思想があっていたことの、赤布でした(笑)。 

■ ボルダー

私はボルダーも永遠に4級でいいです(笑)。日本中の4級を味わう系でいい。

強くなりたいと思っていません。

一生、リードも、ラオス通いでもいいかなーって思うくらいですもん…。

毎年、11月~3月にラオス行って、帰りに湯川でアイス登れたら、満足。

日本の岩場vs龍洞 比較

■龍洞の岩場のトポ

には、

1)ボルト設置年

 ”スポーツルート”と書かれた課題のほとんどは、2012年のボルト設置です。

2)使用ボルトタイプ
 
 ステンレススチールの316グレード 一体型、グルーインが2004年ごろから使用されています。

3)問い合わせ先

Climbstone@yahoo.com に問い合わせしてください

と書かれています。

たぶん、これが責任ある立派な開拓者の態度で、そうじゃない事例が一杯日本国内にはありますが…。

尊敬に足る事例を見ていないので、若い人は、悪い事例を見ても悪い事例と気が付かないだけなのでは???




道具に対する正しい使用法

道具に対する正しい使用法は当然のことすぎて、誰も口うるさく言わない上、できて当然なため、スルーになっています。

以下は最低限必要です。

1)自宅で、取扱説明書をよく読む 
  適合ロープ系
  禁止の使い方
  基本的な仕様の仕方
 
2)人工壁でテスト使用をする 

3)外岩で安全な状況でテスト使用をする

■ 事例

私の山岳会の新人男性50代は、初めての確保器を購入したのはいいのですが、全く取扱説明書を読まず、いきなり持ってきていたので、確保器の上下がさかさまでした。

分かっていてフリクションを減じるためにさかさまなのではなく、無知のためのさかさまです。

確保器はロープとの相性があります。フリークライミングで必要なのは、シングルロープ向けの確保器です。シングルスロットの人工壁用とは、使い分けましょう。フリークライミングでは、終了点で回収がある場合、懸垂下降が必要な場合があるからです。

余談ですが、フリークライミングをする人は懸垂下降を練習してから、岩場に行く必要があります。回収の方法を先に覚えて、岩場にいきましょう。

■ 事例その2

クリックアップをテストしたいということでしたが、フォールを止められず、グランドフォール。

頭を7針縫うことになりました。

人工壁で使用になれてから、外岩で使いましょう。

岩場の安全保障

岩場の安全は、当然ですが、誰にも保障されていません。

そうした中で、岩場の安全を見極めていくには、以下のような情報が必要不可欠です。

このリスト以外にも考え付く方、ぜひご連絡ください。

1)岩場が開拓された時期 …新旧

1985~90年の岩場はボルトは交換時期を迎えていますので危険と言えます。
2000年以降の開拓であれば、ボルト自体は古さはそこまでないと想定できますが、それでも20年前のボルトです。

2)岩の質

砂岩、花崗岩、石灰岩などでボルトの施工時の効きも違えば、耐久性も違います。石灰岩の岩場はしみ出しが多く、腐食のリスクが大きい岩場です。

3)しみだし
しみ出す岩場=腐食リスク高い

4)ボルトの品質 ステンレスのグレードとボルトタイプ
 
カットアンカー、グージョン、ケミカル、など全く出ている強度が違います。強度が出ていないカットアンカーで、M8のボルトの場合、落ちるクライミングはしないほうが良いと思われます。ハンガーがついている場合、M10グージョンでのみ落ちながら登るスタイルを許容しましょう。グージョンを見分けられる能力が必要です。

17ミリスパナを持ち歩きましょう。

5)開拓者の人柄

几帳面な開拓者が良いです。いくら品質の良いボルトを使っても、下穴が大きければすぐ抜けます。下穴は上半身の強靭さがないとドリルのブレ程度で大きくなってしまいます。

粉塵の除去などは、性格が出る部分があります。

開拓者が身体能力が高い人だと、ランナウトを許容する傾向が強いです。ランナウトしているということは、そのボルトは意味がない、という意味です。落ちないスキルを磨いてから、その課題には取り付くべきです。そのような配置の課題を作る開拓者は、地元では大体、危険人物として、共有されていることが多いので、詳しい人に聞きましょう。

危険人物とされている人は、それを誉め言葉だと誤解して考えている場合が多いので、当人にその修正をお願いすることは不可能なので、その人の課題は避けるだけにしておきましょう。

またランナウトを見極める目をもってからルートに取り付きましょう。

6)立地

山間の岩場は塩害がないので、ケミカルほどは必要がないですが、オールステンレスが望ましく、異種金属の混合は避けるべきです。酸性雨が問題です。

シークリフの岩場は、塩害が深刻なので、可能であれば、リムーバブルプロテクションである、カムの利用になれて、カムをプロテクションとして登るのが良いです。

低山=暑く、寒い

7)岩のもろさ

もろい岩、というのは、佐久の志賀の岩場のようなところです。私は、2度、ホールドが外れてフォールした人を止めています。

8)ボルトの管理状況

誰かまとめ役の人がいれば聞くことができます。龍洞の岩場では、エクセルファイルに腐食状況がまとめられています

9)岩場利用のされ方

三つ峠、越沢などでは、アイゼントレもできますが、そうでない岩場では御法度です。同じ岩場でも、アルパインのトレーニング向けの岩場とフリークライミングの岩場では利用のされ方が違います。

県立公園などは、キャンパーやほかの人も使います。クライマーしか来ない岩場なのか、別の人も来る岩場なのか?リスク管理は違ってきます。

初心者の間は、自分が落ちないと感じられる場所にしつこく通いましょう。ホームゲレンデを持つことで、岩場の成り立ちがだんだんと分かるようにもなってきます。

10)グレーディングの傾向

辛いのか、適性なのか、ということがクライマーの間で話されていることが多いです。
ちなみに三倉は辛いことで有名です。

11)気温と日照

12)ボルトの強度のついての問い合わせ先


■ その他

もし他にもあれば、ぜひご連絡ください。ぱっと思いつくままにリストアップしました。


アクシデントによって起こりうる事態を自分が受け入れるかどうか?

私が知っている事例です。ちなみに私はまだ登攀は4,5年というところです。

1)山岳総合センターの講師(つまり信頼している相手)と初級バリエーションの西穂~涸沢岳西尾根縦走に行き、涸沢岳西尾根で滑落。死亡、33歳。奥さん身重。

2)花谷ガイドの主宰のヒマラヤキャンプ参加者(つまりきちんと教わった人)。宝剣で400m滑落、開放骨折。ヘリレスキュー

3)中山尾根で滑落。雪1年目、若い男性。もともとリスク認知が浅く、教育をきちんと受ける機会がなかった人。

4)ベテラン。屋根岩2峰懸垂下降ですっぽ抜け

5)ベテラン。奥穂、間違い尾根で遭難。凍死。

6)ベテラン。アイストップロープソロ登攀中に懸垂で失敗。原因はロープ凍結。

7)保科ガイドの講習中に三ツ峠で参加者墜死。詳細不明。

8)四阿屋。ランナウトした3ピン目で墜落し、グランドフォール、腰椎骨折。

9)小川山 ストリームサイドでソロ登攀中に墜落 詳細不明

10)烏帽子 ランナウトもない、初心者課題にて墜落、足首骨折

11)スラブ 墜落にて骨折。

墜落して怪我になり、レスキューになる場合、ベストのビレイをしていたとしても、互いを責め合う結果になり勝ちです。

その結果から見ると、おそらく、クライマーはオウンリスクを受け入れてはいなかったのでしょう。

私自身も、足を肉離れした時に、何度もパートナーに「歩くことも痛い」と訴えたのですが、応急処置も、医療機関にかかるための帰宅も、許されず、連れまわされて、ひどい目に遭いました。その人は反省した時に、「経験から大丈夫だと思った」そうだったので、経験が同行者を無視しろ、と教えるなら、もうこれは同じことを次回もやるということだと理解し、以後は登っていません。

失敗は誰にでもありますが、その失敗から、いかに多くを学ぶか?をいうことが大事です。

事故が起きた場合の対処法については、双方で合意をあらかじめ作っておくことが大事です。

行動の結果予測について

以下は、私が行動の結果の予測がきちんとできていないなと思った事例です

1)岩場でジャンプする → 下地が岩で衝撃吸収性能がない

2)外岩でデッド → インドアクライミングではダイナミックムーブでもよいですが、アウトドアでは、デッドで取る習慣を改めてくれないとリードデビューはさせられません。もちろん、5.13などの高グレードを登る人は除きます。

3)落ちたら死ぬところで、ロープなしでいる

 例:具体的には岩の端っこのほうにセルフなしで立つこと
   トップアウト後など2級で歩けるからとロープなしでいること

4)ギアを落とす ギアを落としたら、登攀は終わりです

5)敗退用のギアを持たないでいること 

6)ザックに余計なものがじゃらじゃら外付け 枝に引っかかる

7)林道で飛ばす → 出会い頭にぶつかる

8)雪道で車間距離を開けない → おかまを掘る→車おじゃん→保険料高くなる

9)ギアに目印をつけてこない → ギアを無くす

10)年配の人を盲目に信頼する → 人のせいにする

11)天気予報を調べない → 転進先がない

13)周りと同じにする習慣 → 自分で調べないためリスクを詳細に知らない 
                人の歩いた道についてくる






2020/03/27

Free Funのオウンリスクの説明の曖昧さ

■ オウンリスクの説明の曖昧さ

たぶん、現代の知性に訴えるには、フリーファンの巻頭に掲載されている表現では、表現が曖昧過ぎるのだろう、とおもいます。

1)行動の結果が予測できない人

→ 事例をあげないと現代の人は、それがどういう意味なのかわからないのでは?

例:登ったら、降りなくてはなりません。ローワーダウンと結び替えは平地で練習してから行きましょう。など…・

2)アクシデントによって起こりうる事態を自分が受け入れるかどうか?の判断

→ この表現も曖昧過ぎて、具体例をあげないとよく分からないのだと思います… アクシデントによって起こりうる事態=死、骨折、など具体的に明示しないとおそらく、イメージできないのでは?具体的事例が必要のような気がします。それも写真付きで。

私の友人は、身重の奥さんを残して、33歳で他界しています。開放骨折で九死に一生。それ以外も、墜落で足首骨折した場合は、回復に1年くらいかかると思います。

3)岩場の安全は誰にも保障されていません

→ いつ開拓されたか?どのような人がどのようなボルトを打ったか?シークリフの場合は腐食が、もろい岩場かどうか?ボルト管理台帳はあるのか?災害履歴はあるのか?事故履歴はあるのか?
など、具体的に示さないと、おそらく何をチェックして、リスクを受け入れたら良いのか?分からないと思います。

龍洞の岩場には、エクセルでまとめた終了点の信頼性評価ファイルがあります。

4)道具に対する正しい使用法を学ぶ義務があります

→ 取扱説明書を熟読し、使用を開始する際は人工壁でテストの後、使用になれてから、外岩で使用しましょう、と具体的に書かないと、学ぶ義務だけでは、スルーでしょう…

5)ナチュラルプロテクションのセット不良などは重大な被害を与える

→ これも、オブラートに包みすぎなのでしょう。カムが三つ飛んで、グランドフォールして死亡事故、など具体的に伝えないと意味が分からないのだと思います。

6)ボルトなどについては誰も保証していません

→ 曖昧表現… なぜなら、それでもボルトはあるからです…。おそらく現代のUIAAが推奨するボルト強度は25kNで、1985~90年代に打たれたM8カットアンカーは、施工が良くて、15kN、悪いと、5kNもないかもしれません、と具体的に数字を挙げて、書かないと分からない。

終了点についても同様。

7)安全マージンを考えてとりつくべき

→ そのマージンが分からないのが新人で当然なので、ボルトが信用できないJFA管轄外の岩場=落ちないグレードを外では登る、ケミカルなどの岩場、墜落は比較的許容できるがランナウトではなく、トラバースでもない、直上の素直なルートで、核心前にクリップができる、などと具体例をあげないと安全マージンの取り方がわからないのが、新人でしょう。

薄い安全マージン自慢大会に陥っているのが、日本のクライミングの現状なので、このやんわりした書き方では、意図が伝わらない。

8)低グレードのルートは、よりレベルの高いものによって、ボルトなどが設置されている場合・・・

→ これも具体的に、各岩場でどれとどれがそうなのか、具体的に指摘を受けてから、それらのルートを登るべきだと書かないと分からないと思います。トポには、開拓者の〇〇さんが、5.9を登る人なのか、5.13を登る人なのかは書いてないので、それは要するに知りようがない、という意味ですので、こんな曖昧表現では安全マージンを設定しようにも、そのための情報がないという意味になります。

9)ナチュプロを使用する際には、その知識と技術も必要です

→これも具体性をもって伝えないといけない。疑似リード状態で、カムに乗ってカムをテストする。エイドでカムのプレースメントを覚える。カム落ち練習を行う。具体性が欠如しているので、たぶん、みんなどうして良いのか分からない。

10)自分の能力とリスクを天秤にかけ、より安全なスタイルを選択することが最重要です

→ いやー これは、まったく真逆が横行しています

11)落石、ロングフォールの岩場ではヘルメット

→OK

こんな風に具体的に書くべきです。

12)グレードは数字だけに惑わされてはいけません

→ 〇〇の岩場はヨセミテグレード、など岩場ごとの特徴を知る必要があることを具体的に例示しないと分からない。ランナウトを特に避ける必要があることも具体的に書かれていないと分からない

13)落下物や落石を予測して

→ それができていないクライマーが多い。具体的に図示しないとできるようにならない

14)スポーツルート用&当てはまらないルート

→ では、フリーとスポーツとトラッドなど岩場に細かく分類をつけるべきでしょう…海外のトポはそうなっています

15)ルート下部でのフォールは・・・

→ 1ピン目を掛けたら落ちてもいいのがフリーなので、これはローカルルールになっている…落ちる位置を見定めないといけないのは当然だが、それも具体的に言及がいるでしょう

16)ビレイは信頼できる相手

→ ビレイの信頼関係の作り方を述べないと。つまり、人工壁で、第三者にビレイのチェックをしてもらう

17)着地の失敗による骨折や捻挫

→ 全治何か月なのかまで書かないと、おそらくよく分からないままで、終わる

18)脊椎、腰部損傷

→ 同じ。ボルダーのフェスで男子、ばんばん、飛び降りていましたけど。下地、石ですよね‥ 下地の種類などを細かく教えないとダメです、たぶん。山のボルダー=土、クッション性あり、など。

19)スポッター

→ 体重差の具体的例を言わないと分からない。どっちが重いと危ないのか?何キロ程度の差、高さとの関係

20)別のスタイルの選択をすべきです

→選択の仕方を教えないと分かるようにならない

21)ジム内のグランドフォールは・・・参事に発展する可能性があります

→これも、参事の具体的事例がないと、曖昧なのだと思います

というわけで、おそらく、クライミングの能力とリスクを天秤にかけてクライミングしているクライマーは非常に少ないです。

まぁ、ここまで具体的懇切丁寧に説明しないといけないのなら、クライミングに来てもらわなくてもいい、と言いたくなるとは思いますが…。

■ ラオスの事例

私は今回はラオス行かなかったのですが、色々考えて、膝の脱臼が半年以内に、良くならなかったので、今現在考えられる、一番のリスクは、再度、脱臼すること…脱臼は癖になる、というのが最大のリスクです‥‥でしたが、ラオスでは、再脱臼した場合、医療機関にかかることができないだろう、かかれても質が…というので、辞めたのでした…。

■ プロセスを見せていない

何がリスクなのか?を考える、その思考プロセスを見せていないから、まぁ、当然ながら、リスク評価ができるようにならない、というだけなのではないでしょうか?

能力評価のほうはグレーディングという物差しがありますが、リスクについて考えるには、あまりにも現代の社会生活が安全を前提にしすぎており、道路で前を見なくても歩けちゃう(ケータイ見ながら歩いているでしょう)くらいの平和ボケですので、そのような社会という前提を考えると、自己責任といいう言葉の内容が、伝わっていないのは、まぁ歴史と現実が示しているように思います。

ロクスノ018 平山さんのサラテ

■ 50号以前のロクスノを買いましょう

いやー、今までロクスノ、買っても読むところなかったんですよね。

で、あるブログに50号以前のロクスノは良かった的な指摘があり、そうなのか~と思っていました。ロクスノは図書館にないので、見たことがなかったからです。

少しダブっている号ということで送っていただき、それは本当だったのだー!!と驚いています。

しかし、書いているメンバーが毎回同じで、もう20年くらい新旧交代していないのみたいで、そりゃー古い人たちの意識の中では、壊れたレコードのごとく、同じことを繰り返しているから、唱えるのも嫌になる、系かもしれないですね…

■ 018号 2002年

は、平山さんのサラテのことが書いてあります。普通の人が3日かかるところ、ワンディ、というので、すごく肉体疲労が…という部分が印象に残りました。一か月くらい疲労が取れなかったというくだりがあります。アドレナリンってすごいですね。

この号は、まるで古い『岳人』のように八ヶ岳のバリエーションも載っています。

山野井さんのギャチュンカン、本のほうで読んでしっていましたが…いや~壮絶。

アルパインは不快、フリーは快適、みたいな構図がそこはかとなく見えますが…。これを見る限り、フリーは下界で、楽しそうです(笑)。生と死の分岐点っぽいのは、どうもアルパイン…。

しかし、日本の岩場では、現在に至っても、生と死の分岐点博覧会状態が、改善されないままのようですが、一体どうしてこうなってしまったんでしょうねぇ…

しかし、この号は見ごたえがありますので、Amazonで購入されるなら、買い!の号です。

https://amzn.to/2WN5of5


A Historical Note: Isao Shinkai

■ ロクスノ024号

Japanese climbing magazine ROCK&SNOW 024(2004, Oct) had a list of K2 sumitter in the history. 

I found a local climber's name, Isao Shingai, on the magazine as the 2nd ascent climber, on Southeast ridge with oxygen. 
   
ロクスノ024には、K2の歴代登攀者のリストが出ていますが、鬼が鼻の岩場で発見したプレートにあるクライマーの新貝勲さんのお名前が、クリス・ボニントンの前に出ていました。

    南東稜から酸素を使って登頂 23年ぶりの第二登

とのこと。 1977年6-8月です。第一登は、1954年のイタリアアルディート・デジオ隊になっています。

これはクリス・ボニントンだけでなく、メスナーとか、ダグ・スコットとか、小西政継とか、飛田和夫とか、クルティカ、山野井泰史とか、そういうメジャーな?名前の前です。

なんか~新貝さん、損している?よく分かりませんが、鬼ヶ鼻岩クライミングの際には、K2に上った日本人のことに思いを馳せてみたいものですね。この岩場で特訓したのかもしれませんし。



1958年
ロクスノ024 p107
Looking down the city of Fukuoka from where his plate is placed 

https://allnevery.blogspot.com/2018/05/blog-post_21.html

危険なボルトを登る以外は何をしてもいい→ボルダラー急増

■ダメ以外は何をしてもよい文化vs日本

20歳でアメリカに行って驚いたことは、ダメって言われたこと以外は、何でもして良いことだ。

日本は逆で、”して良い事”の幅が非常に狭く、それ以外は、みんな”出来損ない”扱いを受ける。そのため、学校を終わったころにはひどく自尊心を損ない、言われたことしかしないMYルールになっている人もいる。言われた事以外をやると、どうせ、ダメだとの烙印を押される世界が日本だからだ。

結果、日本で生まれ育った人の8~9割が、”〇〇を△△にしなさい”と事細かく詳細に言われないと、何もできない人に育っている。

特に今の時代は、知的なレベル低下も激しく、少数の何も言われなくてもできる人と、かみ砕いてやって、やらせてみて、励ましてやって、やっとこさできる人、つまりコーチの付き添いが必要な人…との二極化が激しい。

…という状況の中で、

 やってダメなことだけは伝えて、後は好きにしていいよ

って教育をするとどうなるか? たぶん、今のフリークライミングの世界みたいになるわけなんであろう。

 やってダメなこと=危険なボルトで落ちながら登る

それ以外は好きにしていいよ!

となった結果が、ボルダラーブーム、全国ボルダリングジムブームなのであり、リードクライミングのほうはお留守、という状態なのであろう…

要するに、フリークライミングのかっこよさややルールが伝わっていない。

だから、やるとなった場合も、しっちゃか、めっちゃか、ということだ。事例としては、無節操なボルト配置や岩場に木っ端とか人工ホールドとかいうことだ。

■ 教育機関がない

フリークライミングの価値観を私はきちんと誰からも教わったことがない。

アルパインの価値観なら、色々と肌感覚で教わったよなーと思うが、フリークライミングについては、北山真さんの本で読んだくらい(で、記憶によると、「日本では上手にならないと面白くならない」と書いてあった…笑)

結局、自己責任と言われる割に、じゃあと、その通りすると、あーだこーだ、言われるし、アクセス問題やボルトの問題以前に、岩場に行くと、主みたいなオジサンがいて、なんだかんだ色々と言われて、自分の好きに登れない。

結果、楽しくない、ということなのだと思う(笑)。

岩場どころか、人工壁にいてすら、誰に何も迷惑をかけている訳でもないのに、あーだこーだ言われて、登り方を指示され、楽しく登れない、という現実がある。

自由に登る=粘着性の良いチョークにこだわる

という結果になったりして、それは方向性が違うと言われても、

自由、って言ったじゃーん!

となるだろうなぁ~

自由なクライミングなのに自由じゃないじゃーんって言うわけだが、自由(フリー)の反対がエイド(人工)ということが、アブミとかユマールとか見たことも聞いたこともない現代のクライマーに分かるはずがないよな~と、彼らの立場に立てば思う…。

それはエイドクライミングだし、エイドクライミングはアルパインの世界では最初に出てくるけれど、フリークライミングの世界ではビッグウォールをやるようにならないとでてこないものである。

《アルパインの順番》
縦走→沢→冬山→懸垂下降→エイド→マルチ岩稜登攀→フリー

《フリークライミングの順番》
人工壁→外岩スポーツルートショート→ スポーツルートマルチ →ショート高グレード→ビッグウォール(エイド)

と学ぶ順番が全く違うから、アルパインを教えるところは当然だが、インドアのスポーツクライミングなんて教えない。

ので、やはり大事なことは本当のフリークライマーやフリークライミングをやっている人たちが、杉野保さんのOBGみたいな良質な記事を書き続けて、若い人たちにフリークライミングの何たるか?を見せてあげることなんじゃないですかね…???

それをサボっているから、アルパインの人たちが、普通に俺らのクライミングで何が問題なんだ?と思っているだけのように見えます。

こういうおじさんがたちが、めんどくさいので、若い人はボルダーに逃げていく、ってだけの話のような??