2020/01/07

ケミカルアンカーの採用の理由 景観に配慮

■ ケミカルへの抵抗感

一般にオールドクライマーが開拓者のことが多いこの業界で、ケミカルへの打ち替えが進まない理由は、

 オーバースペック感

というのがあると思います。クライマーの文化の中に、

 過剰な安全を好まない文化

というのがあるのは、事実です。

何しろ、ボルト数を減らそうというのが根底思想。もともと打つのが手打ちのジャンピングで1つ打つだけでも大変だった、という歴史的理由からですが、岩を保護する、という観点からも、人工壁並みに1m置きに打ってあるとやっぱり変だなって感じです。

■ 景観への配慮

ケミカルが推奨される、強い理由の一つは、昨今のアクセス問題のことがあるようです。

天然記念物にくさび問題、に端的にみられたように、クライミングが大衆化していくプロセスで、今まで普通に登られていた場所が、”え?!ボルト打ってある!いいのか!!”と社会の目…批判的な目のこともある…を向けられるようになった、という事情です。

昔はハーケンで、目立たなかったものが、打ち替えで、ピカピカのペツルになってしまえば?

目立ちます。

そして、不必要な注目… ”器物破損じゃないの~?”などを生んでしまいます。

クライマー目線で言えば、危険極まりないハーケンを安全安心なボルトに打ち換えるというのは、打ち換えてくれたクライマーにとっては、何も得るものはなく

 善意以外の何物でもなく、

本当にありがたいお方、なのですが、それは、同時に社会的にみると、

 犯罪

ということになってしまいます。究極のババですね…。善意のリボルトクライマーが、犯罪歴付きになってしまいます。

■ アクセス問題、という単語だけで 忌避感 があります(--;)

アクセス問題を解決する、アクセスファンド、が日本にはありませんが、アクセス問題は、おそらくアメリカでも、相当厄介な感じに受け取られている問題だと思います。

なにしろ、ラオスで登った時、どうもドイツ国内には、すでにアクセス問題を抱えず、楽しく登れる場がないから、ラオスに開拓に行ったという感じなのではないか?とうかがえたんですよね。それは、世界のクライマーの雰囲気で分かりました。

アメリカ人クライマーたちも、大勢がラオスに来ていましたが、アクセス、という単語を聞くだけで、及び腰モードな感じでした。

雰囲気は、誰も寄り付きたくない分野、みたいな?

しかし、誰かが許可を取らない限り、みんなで登る岩場は確保されません。

■ 日本百岩場に載っている岩場でも…

このような忌避感のためか、日本百岩場というきちんと印刷された本に載っている岩場であってすら、

 使用許可の受領

は、

 口約束

だったりして、かなりいいかげんなものであるそうです。その辺に野良仕事をしていた、おじさんに聞いたら、「いいよ、いいよ」と言われた、とか。

そのようないい加減なものであったり、きちんとしていたとしても、

 30年前の許可で、すでに許可をくれた人が亡くなっていたり

ということで、基本的にもう一度取り直さないといけないことのほうが多いのだと。

■ 支点のカモフラージュがマナー化しています

上記のような理由で、アクセス問題が浮上してくると、地権者やほかの利用者へ配慮して

 登らせていただいている

という姿勢が大事になります。そうなるとクライマー自身のマナーだけでなく、ボルトのも、マナーとして、

 目立たないボルト

ということが重要になります。

 ハンガーがないケミカルは目立たない点で非常に有利だ、

ということです。何しろ目立ちませんので。ラッカーなどでのカモフラージュも可能だそうです。

という事情で、岩場のアクセス問題の有無によっては、新規開拓であっても、グージョンで打つよりも、ケミカルのほうが採用に適している、ということになります。

■ 施工が難しい

しかし、欠点もあり、施工が難しいということです。施工者のスキルによりばらつきがある、ということ。それで、

 リボルト職人、

という職位を設けて、きちんと責任をもってケミカルボルトを打つことができる人を育成している、という訳なんですね。

施工の難しさについては、どのボルトも同じですが、下穴が大きすぎれば、当然、抜けます。

粉塵の洗浄が十分でない場合も、同様に抜けやすくなるので、丁寧な施工をするという細やかな配慮が必要です。

■ まとめ

上記に加え、ケミカルボルトには、他にも利点があります。

1)目立たない
2)部品点数が少ない …部品の数が少なく、コロージョンの影響がない
3)カラビナに優しい
4)強度が強い 40kN

逆に、欠点もあります。

1)1本1600円と高価  …接着剤分は除く、です
2)施工が難しい  … リボルト職人検定で対策中です
3)逆クリップが許されない 
4)粘りがない … 破断するときは唐突

です。

とくに逆クリップに関しては、これだけを取り上げて書いておいた方が良いと思いますので、別の記事にします。

ボルト=負の遺産となっていないか?

■ ボルトを打つことに対する歴史的思想の変化

昔(20年前)

・積極的には打たない
・プロテクションは必要な人が打てばいい(必要とするほどダサい、弱いというノリ)
・グラグラで怖いと思った人が打てばいい
・会員数も少なかった 数百人レベル 



 ・クライミングブーム 
 ・クライミングジム 500件 
 ・私費で打つ人が増えた あいまいなボルトの選択曖昧な技術
 ・高いグレードを登れる人が、良い開拓者であるとは言えない
 ・破断事故、すっぽ抜け事故が増え、危機感
 ・会員数 3000人レベル

■ ボルト見極めの4原則

1)材質   → ステンレスが標準
2)ボルトタイプ → グージョンが標準
3)サイズ   → M10 以上
4)施工者  → 人的ミス

■ リボルトvs新規開拓

新規開拓のほうが、すでに打たれているボルトの撤去がない分、作業は簡単です。また、新規開拓の場合、開拓者の栄誉がありますが、リボルトの場合、それはありません。ボルト自体も、選択肢が幅広く取れますが、リボルトだとケミカルという選択肢しかありません。

つまり、新規開拓より、リボルトのほうが、より技術的に難しく、得るものがない、ということです。

さらに進めると、現時点でM8などの

強度不足とされているボルトを打つことは、貢献ではなく、むしろ負の遺産

ということになります。

■ 考察

どのような資材を使うべきか?ということについて、考えない開拓者の人はいないです。

十分強度がある、というのは最低限考えていることだと思いますが、M8では、すでに強度的に十分とは言えないのだろう、ということは、ペツルのボルトが、M10以上であることからもうかがえます。 

日本の多くの岩場では、気軽な墜落をするよりも、

 テンションで静荷重のほうがいまのところ、安心である状況だ、

というのは言えそうです。特に体重が重い方は。

怖いと思う人が打ち換えれば良い、という論は、打ったボルトが負の遺産となってしまっている現在では、開拓者の無責任、ということになってしまっています。というのは、

リボルトのほうが手間が多く、なおかつ、外から見て、強度を確認する方法がない

からです。

間違ったものがあるよりは、初めから何もないほうがマシ

かもしれません。特に作業量的には。

それでは、現在打たれているボルトで登るリスクを受け取りたくないと考える人は…、見極められないと、安全を自己責任で取れ、と言われても、見極めようがないため、登らないという選択肢しかなくなり、それは、岩場に来るなという非言語メッセージを送っているのと、同じことになってしまいます。

実際、岩場に来る若い人は大変減っている、というのが実情です。きちんと若い世代はメッセージを受け取っている、ということです。

次に登る人がボルトを評価できるよう、開拓者は開拓したルート、もしくは岩場で、使用したボルトについて、

 「この岩場では、M10ステンレス製グージョンを使用しています」
 「リボルトでケミカルアンカー 〇〇ミリを採用しています」

などの記載が、トポに掲載されてしかるべきですね。そうでないと、どうやってメーカーの取説を見たりして、自己責任、を全うできるのでしょうか?

外から見て分からない腐食したペツル

現代的に強度不足のボルト

現代的に強度不足のボルト


ペツルだからと言って信用できない事例

■ ペツルでも信用できない

一般に、ハンガーにペツルの刻印があれば、クライマーは、「あ、ペツルだ~」と、ほぼ絶対的に落ちて良いボルトだと感じていると思います。

しかし、ケービング用で、信頼ができないペツルのケースもあるそうです。

まずは、写真を。



中がコロージョンしています。しかも、ボルト、短い! 何?1.5cm???

これはケービング用で、15kNしか強度がない、ペツル ブリーユ という製品です。この製品が、クライミング用に中間支点として、大変多く使われているそうです。

ペツルには

クールボルト スチール  ×  気候変動により酸性雨のため日本では不可
クールボルト ステンレス 〇  スタンダード品
クールボルト HCR    ◎  

と3種のボルトがありますが、どれもグージョンですが、使えるのは、ステンレス以上の 下の二つだけです。 

さらに、ペツル社は、ハンガーだけのバラ売りもしており、ステンレスとスチールを混同して使うと、ガルバニックコロージョンが起きます。

写真のように、中が腐っていても、外からは確認ができないです。

こちらの取説には、

https://www.alteria.co.jp/download/pdf/ifu/P13.pdf

3cmしか埋め込まれておらず、せん断方向に、15kNしか強度がないことが書かれています。これは、落ちる方向に、という意味です。一般にUIAAの規定するクライミング用途での使用は、25kN以上ですよね。引き抜き方向へはNoと書いていあるだけです。

しかも、絵が手打ちの絵ですから、きっと、ジャンピングで打っていた時代のものなのでしょう…

ということで、この手のボルトを信頼しないようにするのが大事です。見分け方は、頭がグージョンのようにネジになっているか?カットアンカーのように平べったい六角かです。

ネジ山が出ているのがグージョン=OK ボルト

ペツルだけど、NGのボルト ケービング用





2020/01/06

山岳会代わりにJFAに加入しましょう

■ リボルト講習会に出た感想

出て良かったんだけど、2点、残念というか…、どうしてそうなっちゃんだろうなぁ…そんな感じのことがあった。

一つ目は、JFAの人が大変疲弊していそうなこと…。

やっても、やっても、ありがたがられず、むしろ煙たがられ、そしてキリがない仕事をしていると、厭世的になると思う…。(まさに主婦業!!!)

「講習会があるってお知らせが来ても、来ない人はどうせ来ないですよ」
「そんな人に声をかけるだけ無駄ですよ」
「安全に関心がない人は、どんなに言っても関心がないですからね」

…。厭世的...?

なので、なんだかとても気の毒になりました。”どうせ”ちっく? よほど、これまで大変だったんだろうなって…。人が嫌がる仕事のことを痰ツボと言うそうですが、そういう感じなのかも?と。

二つ目も、そんな人に何を言っても無駄、的な部分。

でも、なぁ…。

私個人は、誰からも何も言われていないけど、海外登攀に行って、

1)適正ボルト間隔、
2)適性グレード

適性か、どうかはともかく、とにかくグレードピラミッドができるくらい、たくさん課題がある世界を経験し、自分が登る課題を決めるために、トポを読むことによって、

 ボルトは何々を使っています

 ロープ長は○○にしてください

等、書かれているトポを見て、”ボルトの質”や、”その他、あれやこれや”が、大事なことだということが分かりました。

それ以前も考えてはいましたが、龍洞で、支点の最新情報をトポに書き写すほどの熱心さは、行ってから身につけました。 エクセル表があったので、なんだろ~と思ってみたら、アンカー情報だったので。誰でも、そんなものを見れば、書き写すと思いませんか??

日本ではそもそも情報が岩場ごとに提供されていないので、同じことをやろうと思っても、不可能です。

小川山クライミングも誘われない限り、行かないし、逆に自分が連れて行くときは、すでに行ったことがあるところの復習山行で、後輩にはよほどでないとリードはさせないのでした。ので、支点については良いと分かっているところしか行っていない…

九州に来てから、会だったり、信頼できる師匠というわけではない人とも行かないといけなくなり、なんだかんだで、見慣れないボルトを見るようになり、色々とアップしていたので、それはクライマーとして自分で支点を見極めようとする、というので良い事だったと思います…

見たことない、変な支点一杯見たよなぁ…

オールアンカー

カットアンカー

海外からまで支点の疑問をアップしたら、返事が来た…。まぁ、今すぐ落ちて死ぬとかないですし、ほぼほぼ大丈夫なんですが、永久に、これでいいってのとは違うかもです。

しかし、いかに日本の支点が遅れているかは、だいぶ知見が高まりました。リボルトは急務で、なおかつお金がかかることですが、なかなか、

なり手がいない

そうです。

■ 地元って誰??問題

地元のクライマーに聞くといっても、会があるわけでもなんでもなく、バラバラの個人でしかないので、

 地元のクライマーのコミュニティ

と言っても、誰がその主体なのか?は、何年も住んでいる人しかわからない…。

上位組織もあるようでない… 誰が誰なのか、漠然としていて、あるようでない、ないようである、という岩場開拓コミュニティの在り方自体が問題なんだなーと、今回は理解しました。

結局、ボルトについて問い合わせしたくても、新しいクライマーたちが誰に何を聞いたらいいか、分からなくても当然だと思うので、

ボルトの安全性について知識を求めない 

ことを責めても、無理がある。そこに知識がある、必要性がある、ということ自体が、現代では、分かりようがないので、

 聞いてこない奴=ダメな奴、

は、誰もがハーケンスタートの、昔の基準だと思うし、今の人は、

 昔の人ほど優秀でない

だけだと思います。昔は大卒男子はエリートですが、今は普通の人です。海外のトポのように、積極的に

「この岩場はM10グージョンを使用しています」

とか、知識を出していくほうがいいのではないかなと思ったりしました。書いてあれば、Googleで”グージョン”と入れる人も中にはいるでしょう。

それに、きちんと網羅的に知識をまとめて、書けば、みな、できることはやってくると思うんだけどな。

とりあえず、そう言うきっかけとして、一番有意義なのは、リボルト講習に無料参加することですので、JFA会員になって、誰かがリボルト職人になる、そのついでに話を聞きましょう。

JFAリボルト講習会 Day2

■ 二日目

二日目は、岩場での作業です。いや~井上さんの荷物が重くて、驚いた。ずいぶん昔にしか担いでいない重さでした(笑)。

この日は、いよいよ壁で施工する日です。

見学者は、そこいらで遊んでおいて、ということです。

作業者とサポートの2名一組が効率が良いそうで、下でサポートする人が、グルーガンなどをセットしたり、手元にないものを取って渡したりします。

そういえば、吉田さんに、

「〇〇取って!」と言われ、これどうやって渡しましょう?と聞いたら、「クローブヒッチか何かでロープに結んで」と言われ、すぐクローブヒッチできたので、吉田さんに納得してもらえたことを思い出しました…。

ノットの勉強は自分の肥し。


 作業は、おおよそ、

終了点
1ピン目 
2ピン目


としていくそうです。作業計画が円滑に組み立てられないと、一人だけで作業ができる特A級の職人にはなれないのだそう。

これは、被っているところを打ち直しているところで、被っているとかなり大変…。

新しくなった終了点と古い元の終了点の痕
■ 残置ビナ文化

日本は 

 残置ビナ文化

なのだそうです(驚)! 私は最初から結び替えできるようになってからしか、岩場に行っていないので、そんなこととはつゆ知らず。残置ビナがあるから、みんなそれでトップロープ支点にしてしまうのでは???

日本って時々、かなり歪んだ考えをしますよね… わざと導いて、そうさせておいて、できない奴呼ばわりとか…。

■ 現場の怪しいボルトたち?!

ペツルと書いてあるけどカットアンカー
さてこれらは、現場で取ってきた写真ですが…

どうでしょう?

これは、何ボルトでしょうか?

グージョンでないのは分かりますね~

ねじ山じゃない。

グージョンじゃない=NG

です。


取り除いたカットアンカー もっとスリーブが広がっていても良い

ハンガーが水平 = 緩んでいる

六角レンチがあったら、締めたらいいかもですね~。

これはグージョンです。

ハンガーはマムート。











 これも明らかにグージョンじゃない。

撤去対象ですね。
打ち換えたところのケミカルボルト



JFAリボルト講習会 DAY1

■ JFAリボルト講習会

さて、出ていない人のために簡単に流れをまとめておきます。

1日目:座学 グージョンボルト打ち&ナット締め体験会、温泉後、夜座学 1H
2日目:壁への施工。 職人志望者以外は見学

です。

■ グージョンもしくはケミカル

岩場で見る様々な支点…見るのが初めてだと、どう評価して良いものか???分からないのが普通だと思います。

小川山は、ランナウトはしていますが、ボルトは比較的整備されている方と思いますし、色々な人がたくさん登って人体実験後なので、

 誰かが登って大丈夫だったボルト=自分も多分大丈夫なボルト

という経験則で、大体大丈夫系、ですが、それでも屋根岩2峰のセレクションの最終の懸垂終了点など、ハンガーがグルグルになっていたそうです。


リングボルト、ハーケン、オールアンカーぐらいは、さすがに誰でも見て、変だな、と思うと思いますが、ハンガーがかかっていて、ボルトで留めてあれば、”多分、だいじょうぶなんじゃないか”と思ってしまいます。
右がオールアンカー NG


ボルトであっても、全信頼はできないと言われていますが、

実際問題、ボルトの質が見分けられないと、

 どれも不安 vs どれも肯定

のどちらかしかできませんよね? 

したがって、正確に見極める目を持つことが、

 落ちる勇気への第一歩

です。落ちて安心ボルトという確信が必要です。

なんとなく肯定、というのは、根拠がない。根拠がない=リスクテイカーです。

■ ボルトであっても全信頼はできないとなると…

ペツルハンガーなのに異種金属の事例 右がステン
まずは、材質問題。

ペツルであっても、ケービング用で売られていたものは、鉄、アルミ、ステンレスの3種の異種金属で、ガルバニックコロージョンの問題があるそうです。


見た目、ペツルで、ですよ??? 

これはショックですね!










グージョン
■ ボルトタイプ

ボルトのタイプですが、

オールアンカー → NG
カットアンカー → NG
グージョン → OK







グージョン 頭の見た目

です。30年前に打たれたものは、今後全部打ち替え予備軍となっています。新規開拓であれば、グージョンという選択肢もあるかもしれませんが、打ち換えるなら、ケミカルになります。

■ サイズ

M8 → NG
M10 → たぶんOK
M12 → ほぼほぼOK

曖昧な書き方なのは、施工不良や経年劣化などのほかの問題もあるためです。

あくまでサイズ的に、良いと認められるのは、10ミリ以上のボルト、ということです。

あとはケミカルです。新規に打つのではなく、打ち替えとなったら、選択肢はケミカルです。理由は後述します。

■ グージョンボルト打ち体験&ナッツ締め体験

現在施工されているM10グージョンの良さは、後から、施工の良しあし、岩への効きをナッツを締めることで、感じることができる、チェックすることができる、ということだそうです。

10ミリのビットで 穴をまっすぐあけたら、Hiltiの手動エアブラシで、削りカスを丁寧に払います。このHiltiのエアポンプがリボルト職人検定を受けると、もれなくついてくるそうです。優れものグッズです。ブラシもついてくるそう…



参加者それぞれが1本づつ、ボルトを打ちます。

大事なことは、ハンガーとナットを通してから、ハンマーでたたくこと…

ハンガーの向きは後で調整可能です。

これをやる理由は、効いているかどうか、を締めることで確認できるのがグージョンだからです。

■ ケミカルもやります 

効きをたしかめたら、後は、打ち込んで、その打ち込み痕に、ケミカルで化粧してみます。

へらでそっと撫でるのがコツ。ケミカル剤は、劇薬ですので、特殊なグルーガンを使います。これもHilti。グルーがあちこちについたりしないような、細かな神経が必要。

空気に触れると固着始まりますので、まぁ家でアロンアルファしているときと同じで、用心が必要です。


■ リボルトのほうが大変

ゼロからの開拓より、リボルトのほうが実は大変…。

なぜなら、

 ・既存のボルトの撤去

 ・その穴を生かした絶妙なドリル使い

の2点が必要になるからです…(汗)

つまり、基準に満たないボルトを打ってくれるくらいなら、何も打たないほうがマシ…

という事態になっている。

同じ穴を使う場合、グージョン等の撤去の後はケミカルになります。

これは、現在考えられるベストチョイスのボルトがケミカルだから、という理由になります。別に堕落でもなんでもありません。

ケミカルも薬剤が何種類かあるそうですが、そこはリボルトする人以外必要なさそうな知識なので端折ります。

最大の問題は、強度不足、将来確実にガルバニックコロージョンを起こすこと確実のボルトを新たに打ち込むと、遠くない将来に二度手間、で環境にも、人にも悪いということです。

まさに安物買いの銭失い…

リボルトの場合、ケミカルが高いですが、結局はもっとも安くつく選択、ということです。



悲報: 九州で見たボルトはNGボルトでした…

■ JFAのリボルト講習会に見学で参加してきました

私がリボルト職人になる、というのは、考えにくいことですが、一応、リボルト講習会に参加してきました。JFA会員は、見学が無料です。

実際は、リボルト講習会に参加するリボルトしたいと考えている開拓者対象の講習の、まぁ、平たく言えば、ついで、だからです(笑)。

聴講だけの人は見て、話を覚えて帰ってね、という状態です。

しかし、それだけでも、非常に勉強になること、うけあい!

■ グージョンボルト 

ケミカルボルトを打たないとしたら、現代で許される開拓用ボルトは、最低限

M10 グージョン 

です。

カットアンカーNG。

しかるに、 1枚目の画像は、M8なのでNG。ウェッジ式というのは、グージョンということです。




このボルトはカットアンカーと言われるボルトで、NGです。

カットアンカーは

・中が空洞で腐食に弱く、
・耐荷重も不足
・後から効いているか確認できない
・岩質や施工者のスキルにより信頼性が大きく変わり、
・10%の出来でも、100%の出来でも施工直後の信頼度の確認ができません

 です



ボルトの見極め まとめ マインドマップ

良いボルトだけを覚えるといいです。落ちていいのは

異種金属を組み合わせていない、オールステンレスの、M10グージョン
施工者のスキルが分かっている、ケミカルアンカー

これら、のみです。あとは全部テスティングが必要です。

17ミリの六角レンチを持ち歩きましょう。

カットアンカーは、時代遅れ

■自己PRしているつもりで、欠点をPRしていないか?

以前、読んだ本に

「長所をPRしているつもりで欠点をPRしていないか」

というのがあった。

最近、見かけたものに、

”読書200冊をして、〇〇に開眼”

というものがある。

私の中学の頃の一か月の読書数34冊とかで、今でも週に10冊は読むので、読書200冊って、全然すごくない。その辺の中高生でも、それくらい読めるよ!な数…。

これこそ、”どうだ!すごいだろ!”と自己PRしているつもりで、欠点をPRしてしまっている事例だと思った。

一方、こちらも同じことかもしれぬ。より洞察力が必要とは思われるが…。

この記録を見た人は、このカットアンカーを見れば、この開拓者が勉強不足の開拓者だということが分かってしまう。

技術的に10年、いや20年遅れというところ、だろうか…。

残念な現実ですなぁ…

ボルトの安全性 情報量少ない

■ 情報量少ない

うーん。やっぱり情報量という意味で、一般クライマーに対して開かれている、とは言えないカモ。

手持ちの本を調べてみました。ボルトについての言及です。

内藤さんのクライマーズバイブル=ゼロ言及

中根穂高さんのフリークライミング=ゼロ言及

杉野保さんのフリークライミング =1ページ


井上大助さんのアウトドアクライミング=4ページ

菊池敏之さんのアルパインクライミング =ゼロ言及

UIAAのアルパインサマー =ゼロ言及


です。

私は情報が得られない!と感じたので、2年前に、こちらに来たときにアメリカの本を買ったのですが、その本は


『Climbing Anchors』というズバリの本ですが、そこには、

 約10ページの記載

がボルトだけについてあります。井上さんによると、アメリカは、リベットかリベットでないかだけで簡単、なそうで、その簡単なケースでも、10ページです。

アンカーだけの本って日本では売っていないですよねぇ?

というので、若いクライマーが勉強不足である、聞きに来ないのが悪い、の指摘は、当たっていないのではないか、と思ったりしました。それでは、若いクライマーに厳しすぎ、気の毒な気がします。

昔はクライマー間のコミュニティが近く、気が付く場がいっぱいあったと思います。

例えば、吉田和正さんが私に良くしてくれたのは、先輩の岩〇さんをご存じだったからです。伊藤さんが私に良くしてくれたのは、師匠の青ちゃんを知っていたからです。師匠の青ちゃんが私によくしてくれたのは、私が栗〇さんの紹介だったからです。

と、まぁこの世界は、ご縁で地続きな世界です。そういうネットワークがないクライマーが、技術や思想などを盗むチャンスがあるかというと無いかもです…。

たまたま近くにあったジムに安全ブックが置いてなくても、そのクライマーのせいじゃないかも…。

でも、クライミングジムオーナーも、「おれんとこボルダリングジムだから、フリークライミングは関係ないよなー」と思うのかもしれません。




2020/01/03

2020 初クライミング

2日に2020年の初クライミングに行きました。今年は、ボルダラーデビュー元年です。

まさか、私にボルダラーな日が来るとは…。驚き!

とりあえず、私は自然の中で過ごすのが、とても好きみたいなので、今は足もイマイチ回復しておらず、強度が高い活動は無理っぽいので、まぁ、この機会にボルダラーのふり?ボルダラーの世界を教えてもらいたい!と。

とてもいい日だった。

岩のコンディションは、あまりよくないようで、朝霜が降りて溶けたおかげで、岩が濡れていた。

今日は、ボルダラー歴の長い方と一緒だったので、色々ボルダーへの知見が深まった。

■ 5級の課題

最初は5級課題へ行ったが、スラブ用のシューズを持って行ったし、左足ハイステップのかきこみがどうしても行かない…お尻を左に移動させると、右足のスメアが聞かなくなり滑るので、そのタイミングを計るのが核心。思い切りの良さ、だいぶ必要。だいぶやってみたが次回の宿題になった…。

メンタル強い先輩は、なんでメンタル強いのか、よく分からないみたいです。説明不可能。

得意なことって、みんなそうなんですかね? 

私が欲しいのは強いメンタルです…

■ 赤松ボルダー 

私は当然登れませんが、赤松ボルダーという、とても有名なボルダーがあります。

これ。てっぺんにいるのは、私です。裏から登りました☆ 


どうです?このロケーション!自然が一杯☆ 妖精とかコロボックル出て来そうです☆

一日、岩のそばをウロウロしているのですが、ボルダーは一発勝負なので、そんなに何度も数打てないため、けっこう暇です。

今は冬だから難しいですが、たぶん、昼寝可能(笑)。

スケッチブックを持って行ったのですが、この写真のほうが、うんと出来が良かった。

■ 掃除&掃除&掃除

今回のボルダーは北面のボルダーなので、ちょっと放置すると、コケがすごいことになるみたいで、コケグレード高し!な状態だったので、ランチ後の腹ごなしも兼ねて、掃除いっぱいしてみました。

掃除グッズは、すでにある(笑)。楽しく掃除できた。掃除ついでにハイステップ練習に良い岩なども見つけました。

ボルダーは、課題は作った者勝ちみたいな感じみたいですよね。吉田さんも私に作ってくれたボルダー、どこをホールドにしても、文句はないみたいでした。

■ Happyになるためのビーガンクライマー実験中

私は、あんまり厳密ではない菜食を続けて30年近くなのですが… コンビニ食やガテンめしが多くなると、どうもあんまり体調がすぐれなくなるみたいで、福岡に来て、買い物する場所が、JAの産直市場から普通のスーパーになり、なんだか買い物の満足度も下がったし、食べるものの質も下がったかも、な感じでした。

年末にThe Game Changerを見て以来、これまでのゆるベジ的な姿勢を猛省…。

これは…(汗)というので、以来、菜食化加速中です。しかし、糖質過剰も良くないらしいです。フルクトースは過剰はあまりよくないらしい。糖質ばかり食べるのも、良くないらしく、ケトン体質の私は、まだまだ研究が必要そうで、色々と悩ましいですね。

この日は朝はお雑煮で、昼はピーナツバターとバナナのサンド。夜は家でビーガンハンバーグ…と良い感じに菜食に暮らせました。コーヒーを辞めて豆乳ラテにすべし、だな。

■ 筋肉痛

けっこう全身疲労したみたいで、帰ったらけっこうくたびれていました。年賀状の写真にするために、こんなのをしたからです(笑)


フラッギング中。見つけたぞ!良いムーブ!なのに、それが実行できないという…左手は利いているので、振って、取れそうですが…。フラッギングって、力いるんですよね。まぁ、インサイドフラッギングより、アウトサイドだから楽なハズですが…。これは、数打てば、できるようになるかもしれない課題です。前にこんなのをジムでやっていたような気がします。

足の肉離れ、&膝の脱臼で使えない右足…右足がいらないムーブって素晴らしい!

右足は、肉離れの断裂痕を感じることができる…(汗)どうしたら、これ回復するんだろう???

…のに、パワー不足で取れない右手ガバ…。左手一本、左足のヒールにぶら下がるのまでかろうじて、できていますが…。

なんとか、ぶら下がれたの図。

注: 決して登っているわけではありません(笑)

この課題、下からつないだら、v9、上だけでも、1級の課題ですからね~

1級はThe Earth Directです。

私にとっては、引付筋強化課題。

何秒ぶら下がれるかを計るって感じ。

しかし、加齢で、筋肉痛が来るのが遅く、
一日遅れで、今日、腕の内側が痛いです…。

しかし、まがりなりにも3級や1級に触っているとは!しかも、一応離陸できているとは!! なんだか知らないが、なんかちょっとうれしいぞ!

ボルダーはパワー要りすぎて、あまり数打てず、最初の5級で、左手の薬指が痛くなった。 



帰り、実はVIPとお会いする約束がすれ違いで流れて残念…。

しかし、今の私のヨレ具合では、飲みに行ったら、速攻で舟をこいでいたかもしれず… これで良かったのかも。

ワイン、1杯というかグラスに3cmくらいで、けっこうお眠モードです…。

おかげで見れた美しい夕焼け。

どうやったら引付け筋、つくんでしょう??私はアイスクライマーなので、脇を閉じたら、それなりに引き付けられるんですが、開くと一瞬で落ちます… どこの筋肉につながっているか?も全然感じられない…ロックはできるのですが、ロックの後、一手が出ないです。何をしたらいいのか?分からないので、全然前進しない…。ジムでは5級の壁で糞詰まり中で、できるのはできるし、できないのはできない…

というので、筋トレが課題。水泳でバタフライができたらいいのかなぁ…

これがボルダーの身体イメージ。バレエは拡散するが、ボルダーは凝縮する。










これ、なんの葉っぱ?シダ?
 山でも、健康に過ごすために、こんなのをぽちっていたのだが、11月ごろに注文したのに、届いたのは今日…。なんで?

こういうレトルトがあると、山では楽です。



は食べてみた図。根菜は、けっこう小っちゃかった。

ペミカンカレーが、結局、いいのかなぁ…。


■ 次回課題 お風呂マット

私はボルダリングのマットはメトリウスの一個なので、

お風呂マット

を買おうかな~と思います。

2019/12/31

Japanese Carrort and Western carrots

We see rarely Japanese carrots these days.  

The red one is Kintoki carrot that we use for Ozouni、

We say the carrots, Western Carrots but in the U.S. this is not the carrots you will see in the Safeway...


日本では西洋ニンジンというけれど、じゃ、和ニンジンと言うか?というと言わない。

金時ニンジンは、日本でもお正月にしかお目にかかれない。


アメリカのにんじんは、細長ーい。 ので、同じ料理のレシピでも、

人参一本

って書いてあるときに、なんか量が変…と思ったら、レシピに従うより、変だと思う自分に従ったほうがいい。

ちなみに、これはニンジンよりも、キュウリでかなり高頻度に遭遇する事態だ。トマトも、かな。アメリカのトマトは細長いサイズだったりする。

■ 自分を信じましょう

山も同じだ。5.9って書いてあるときに、え~マジ?!5.9なのこれ?と思ったら、大体、トポのほうがおかしいことが多い(笑)。

基準は自分。なぜなら、落ちた時、困るのは自分だから。