2017/05/30

ツインロープと細径対応ビレイ器

■ ツインロープ

ツインロープは、ロープの解説書などでは、アイスクライミングの用途で出てくる程度で、「いつ使うんだろう?」という疑問が湧いてくるロープ使用形態と思います。

初心者がクライミングをするのは、基本外岩でも、ショートのゲレンデ。つまりシングルピッチです。一回登ってお終い。登ったり降りたりを繰り返す。ので、こうした用途にはシングルロープ。

基本的に初心者の頃は、トップロープの用途なので、太いロープが必要です。

インドア用をアウトドアへ転用するのは、おススメできません。が、都会だと、インドアでのリードクライミングが結局のところ、一番頻度が多いかもです。長さが短くて済みます。

一方、山岳地帯のマルチピッチへ行くと、基本はダブルロープです。

ダブルは、パーティを組む一人一人が一本ずつ持ち寄ることになっていますが、初心者の場合、マルチに行く機会を掴むほうがまずもって困難で、ダブルの出番はゲレンデ練習と比較して後回しになりがちです。年に一回のご褒美って感じかもしれません。

そう言う訳で、ロープは色々と種類を揃えて買わねばならず、痛い出費の一つですが…

もっとも使い道が不明な、ツイン…ルートの性質によっては、非常に使い勝手良く使えます。

今回インスボンではツインでした。理由は…

・下降を考えるとシングル60mでは、30mしか一回に下降できない
・下降は、60m 2ピッチ
・登りは、60mシングルでOK

つまるところ

・ロープは2本必要

ですが

・ダブルだと墜落距離が大きい
・ルートは比較的まっすぐ

基本的にルートの屈曲が少ないことが前提ですね。ということで、ツインロープの出番となります。ツインのもう一つのメリットは

・一本一本が軽くコンパクト

であることです。クライマー各自が運びやすい。以前120mロープを使いましたが、6kgでした。それだけでザック満タン。

一方、デメリットもあります

・ビレイ器を選ぶ
・ロープが重い 重さは シングル>ダブル>ツイン の順
・キンクしやすく、繰り出しに不安が残る

ツインは細径なので、適合するビレイ器が限られています。繰り出しは、ダブルの時と同じです。交差がビレイ器のすぐ近くにくることが多く、セットに神経を使います。そもそも、つるべでないリードクライマーが固定の登り方は、つるべと比べて、どのロープシステムであっても時間を喰います。

つるべの場合は、ロープは出す方向に畳まれていますが、つるべでないと、ロープを下から繰り出すことになるから。

その場合、やはり、畳み直したり、最初の10m分くらいをあらかじめ、出しておいたりした方が良いです。

ツインのキンクは、ロープの新旧にもよるようで、古いとキンクが多くなるそうです。

■キンク対策

・そもそもつるべで登る
・そうでない場合は、畳み直す
・最初の分は出しておく
・ビレイヤーとしては、ロープを指で割りながら繰り出す
・セカンドが登る前に、キンクを取りのぞいてからアンザイレンする
・何回かに一回クライマーがぐるぐると回る

こちらは、今回韓国で買ったビレイ器。

7.3㎜から対応しています。

インスボンに特化して言うと、2人だけの場合は60mシングル9.2mmが良く、懸垂は2回すれば良いそうです。