2016/12/17

ビジネスモデル比較

山梨は、クライミング王国である。

海外から、日本へきてクライミングする、という場合に筆頭になるのは、小川山だ。

小川山には、金峰山荘がある。またアイスでは岩根山荘がある。成功事例であるGCHと比較する。

正直、両者とも競争力があるとは思えない。

■グリーンクライマーズホーム

・ロープ等、ギアの貸し出しアリ
・クライミング講習会常時開催可能
・行けば、クライミングパートナーがいる
・岩場の使用は無料

■ 金峰山荘
・ロープ等、ギアの貸し出しがない

・クライミング講習会が常時開催可能ではない

なぜ金峰山荘はクライマーの宿になりえないか?というと、金峰山荘は、基本的にハイキング客を目的にしており、クライマーの長期宿泊を前提していない。

したがって、山荘の人たちは、クライミングをしないため、クライマーのニーズも分からないし、小川山の岩場が、日本最大の岩場であることについても、基本的に無知であると思われる。

おすすめエリアを解説したり、初めて岩場に来た人に、適切なルートを教えたりはできないだろう。

また山荘に行ったからと言って、パートナーがいるわけではない。

また英語でのホームページがないため、小川山が日本のクライミングのメッカである、ということ自体が、外国の人にとっては知りようがない。

■ 岩根山荘

岩根の問題は、クライミングをするのに料金がかかる点である。一日2000円もかかる。

これでは、クライマーは、岩根を”卒業”して行ってしまう。実際、タダで登れる滝がいっぱいあるのに、有料のアイスキャンディーに来る人は、初心者だけである。

GCHでは、クライミングそのものは無料だ。なので、日帰りで訪れたクライマーにとっては、岩場使用は無料。

ただし、そんな人は、まずいない。訪れるクライマーは基本的に世界中から、岩場だけを目的にしてやってくる。

ギアの貸し出しは、岩根もある。が冬季限定。

岩根では、単独で出かけても、パートナーがいるわけではない。したがって、一人で行けない。

■ まとめ

世界中からクライマーを呼び込むためには、

 ・クライミングそのものは無料

 ・一人で来ても、すぐにパートナーが見つかる環境が必要

 ・運営者自身がクライマーで、岩場の案内役が努められなければならない

 ・初心者講習は常時開催できる体制が必要

 ・ギア貸し出しが必要


核心は、どちらの施設とも、パートナーがいないから登れない、ということで、登れないところにクライマーが来るはずはなく、パートナーを連れてきている人限定になると、一気に市場サイズは小さくなるのである。

日本国内でさえ、パートナー問題が大きいのであるから。