雑誌社に記事を寄稿しようとしていて、ブログにその記事掲載できず・・・というので、英語の記事ばかりになってしまい、スイマセン。
ラオスのクライミングのこと。
英語記事
そもそも、ラオスってどんなところ?という素朴な疑問・・・私も持っていました。
一応、7年ほど前に、仕事で、ラオス経済セミナーというセミナーに出て、安い労働力を追い求める企業に、次なるターゲット、経済発展してきたタイや中国、インドの代替え地として、目されていることは知っていました。
世界の最貧国・・・でも、ラオスはとっても、素朴で、日本も戦前はこうだったのかな~という、のんびりとして、穏やかな時間が流れていました。
のら牛さん、のらヤギさんが、舗装路を町でも歩いています。
こんな国に工場は似合わない・・・あくせく、ガツガツと働くなんて、似合わない・・・そんな感じです。
まぁ、タイもアクセク、ギラギラしているのは、都市部のみで、以前の仕事では、通訳と車を一台借り切って、工業地帯を主に企業めぐりをしましたから、郊外で、のどかに牛が草を食む光景は、タイもベトナムも、ラオスも、それはそれは、似ていました。
でも、ラオスの街にも、空港にも、バーガーキングも、マクドナルドもなく・・・いわゆるチェーン店は皆無。
そこがラオスを気に入った点です。山梨では、チェーン店がありがたがられますが、大阪人や東京人は、チェーン店なんて、よほど困った時だけしか使いません。
私は都会から来たので、チェーン店のないラオスが気に入りました。
とはいえ、仕事では、お腹をこわすわけにはいかないので、素性の分かったものを出してくれるマクドにお世話になったこともありますケド。
■ クライミング
ラオスのクライミングは、
石灰岩
前傾壁
スポートルート(ボルト間隔が近い)
長い
です。 石灰岩特有の特徴は、Tufa です。Tufa、トゥファと発音しますが、これは鍾乳洞でよく見る突起です。大小さまざまにあり、上から突き出ていて、ノブとして使えたり、大きなものだと、寄りかかってレストに使えたりします。
そして、前傾壁・・・ しかも、ガバ!
基本的にグレードは、傾斜とホールドの大きさで決まるようで、人工壁と同じ決まり方です。ただし、人工壁はホールド一目瞭然ですが、自然壁なのでホールドは探さないといけません。
スポートの岩場なので、30mでぬんちゃく15個とか書いてあります。つまり2m置きにぬんちゃく?
ボルト間隔が近いので、リードも怖くありません。ランナウト、なんのこと?な感じです。
一方、ぬんちゃくを20本もぶら下げて登ることなど、日本ではめったにないですが・・・ぬんちゃくの重さがシビアになる総数です。
軽いぬんちゃくが欲しくなりました。
そして、長い!37mなんて課題がありますから、80mロープが必要になります。80mロープなんて、日本では必要なく、せいぜい60mですから、60mを持って行き、自分が80mが必要な課題を登りたくなったとき、スポットでレンタルするのが良いと思います。
■ ギア
ギアは、ハーネスから、ロープ、シューズ、チョークさえも揃っており、身一つでOKです。
が、誰でも使い慣れた道具がいいものなので、まぁ、普通の岩装備を一式持って行きましょう。
ロープはマイロープが60mでもOKです。 長い課題ばかりがあるわけではないですから。
■ パートナー
ラオスでは、クライミングは盛んなわけではなく、単純にここにドイツ人の開拓者が目を付けてくれたから、前傾壁が登れる、というのが、実際のところ。
開拓の余地は、膨大ですが・・・ラオス人がクライミングするかというと、しないだろうなぁ。
なので、このクライマーの家に泊まり込んでいるクライマーは、みな外国人。
外国人クライマー同士、皆、パートナーを求める者同士なので、パートナーはすぐ見つかります。
一度、エリアに行って、同室のジュマ、ニュージーランド人が、3人で岩場にいたのです。
「ここで登るの~?」と声を掛けられ、「そうよ~」と返事をしたら、こちらも3人だったので、「6人で3本のロープが使えて都合がいいわ~」と言われたのに、私の相方が無視して、先へ行ってしまい・・・ジュマが悲しそうな眼をしたことが・・・。
話を聞いていない相方さんなのでした・・・、コミュニケーション力は、必要です。
せっかく、3本垂らして効率よく登れるし、ジュマより、相方の方が登れるので、みなハッピーなところだったのに・・・。
クライミングの世界では、どうも、一番登れる人は、多少、愛他精神を求められるようです。
■ 人気者
そう言う意味で、人気者だったのが、シンガポールからきたチェン。 初対面で目が会い、にっこりとし合って、自己紹介に入りました。
東洋人の女性は少ないので、向こうも、あ!アジアの人だ!みたいな感じ。
シンガポール人は、アジア人の中の西洋人で、中身は西洋人のまんまです。
チェンは、頑張れば 8A(5.13)まで登れるそうで、ベテラン。お願いすれば、どんな課題でも登ってくれる。
誰もがチェンと組みたがるので、パートナーに事欠くことはないのでした。
私も、ビギナーズルーフはチェンにぬんちゃくを垂らしてもらって、イヴォン(フランスセユーズ出身の初心者君)と登りました。
私はビレイヤーとしては安心人材と目されていたので、初心者を任されることが、ままありました。
自分が登るときは、「パトリック、ビレイをお願いできないかしら」と言って、もっと信頼できそうな人にお願いしました。
パトリックはアラスカの人で、口数の少ない、おとなしい感じの人でしたが、一目で慣れていると分かったので。
指名があるとうれしいし、ホントにクライミングも5.11くらいまで登って上手で、パトリックやジュマとは、アルパインアイスの話でも盛り上がりました。アルパイン系の人は少数派。
仲良しが自然にできて、トニーとリアとは、登れるグレードが似ていたので、一緒に登りました。
■ 国際社会
国際社会と言っても、かなりヨーロッパに偏った国際社会でした。フランス、ドイツ、オーストリア。
私は仕事で、日本からソフトの開発で、エンジニアを20名ほど連れて行き、また現地で雇用した、初級のエンジニア20名ほどの総勢40名ほどのエンジニアを束ねて、仕事を割り振ると言う仕事をしたことがあるのですが、現地エンジニアは、インド人が多く、非常に優秀な印象でした。
日本から連れて行った人たちは、高卒くらいの人が多かったせいもあるのですが、いちいち指示がないと何を求められているか、ワカラナイ。
それと近しい感じを感じたのが、今回。ヨーロッパの人たちの中でも、クライミングをしたり、世界の放浪の旅、バックパッキングの旅に出かけるような人たちは、大学生、つまり、学歴の高い人が多いのかもしれません。クライマーは、みな、聡明な人が多そうでした。
なので、そう言う意味でも、色々と文化論、花盛り。ネパールに行ってきてから、ラオスに来ていた人や、台湾や韓国の岩場情報に詳しい人もいた。
各国のジム情報、たとえば、シンガポールに行くなら、オンサイトと言うジムが良いそうです・・・などなど・・・ お国の情報を教えてくれるので、とっても参考になった。
次の目的地は、こうしたところで情報収集して決めれば、また行った先で、別の出会いがあって、楽しく延々と世界を回りまわることができるでしょう。
実は、かくいうワタクシも、ラオスに行く、2日前に行った、湯河原幕岩で、外国人の男女に出会い、「実はラオスに行くのよ」と言ったら、なんと、その二人はグリーンクライマーズホームに行ったことがあり、「湯河原幕岩より簡単だよ」なんて教えてくれたのでした。
クライマーの世間は狭いです。
■ もっていくといいもの
行動食スナック類 現地で買っも大して安くはない 買い物に行く交通費が1000円
蚊取り線香ケース 現地で売っていない
逆に要らないもの・・・
虫除け 現地の物の方が強力
SIMカード 現地で売っている
あったらいいのは、ハンモック。のんびりできます。
■ 食事&宿泊
食事と宿泊費は別々です。 宿泊費は日本円で600円程度。60000Kipです。
食事も一食当たり、300円程度。大体一日予算が2000円程度でしょうか?10日いて235ドル支払いました。
その他、町に遊びに行く費用や、マッサージの費用、お土産代、空港間の交通費、空港での飲食費、などなどかかります。
格安航空券のスクートで出かけたので、飛行機代は35000円くらい。飛行機の乗り継ぎもスムーズで、東京に出張に行くより、楽チンなくらいでした。
まるまるで、9万円でおつりがきたくらいな出費でした。もちろん、お土産などは買っていないし、余計な贅沢は一切していませんが、きりつめもしていません。
なので、快適に楽しくクライミングして、10日で10万円というのがざくっとした印象。
気候は温かく温暖で、一日雨が降りましたが、すぐに乾き、食べ物もおいしく、仲間もみな楽しい人たち。
グリーンクライマーズホームのホームページに書いていあることを信頼して、まず、間違いはありません。
必要なことはすべて記載されています。
大体、日本人は心配性で行く前にアレコレ詮索してしまうと思いますが、そうすると、旅の喜びの一部である、発見する喜びを失ってしまうので、あまり詳細な情報は、楽しみを削ぎます。
ホントに・・・。
どんなところかな~と楽しみにして行ってくる、というのがいい場所でした。
岩場としては初心者から5.13クライマーまでそろっています。年配の方には向かない岩場と思われます。