2016/12/28

ペツルだって安心はできない

■ 快晴

今日は素晴らしい快晴だ♪ 

これぞ山梨の冬!気分も爽快だ。雲一つない青空が広がっている。山梨では、冬は快晴続き。冬こそが素晴らしいのに、誰も気が付いていない(笑)。 

外国の人もこぞって冬がいいと言っているのにね。

昨日、山の先輩から、メールがきた。後輩を気にかけてもらっていて、うれしい~。

メールの内容は、

 ボルトにぬんちゃくを掛けてレストしていたら、ボルトが抜けてグランドフォールした

というものだった。

 ボルト(ペツル)だって抜けるんだよ、

ってことだ。 最近ではすっかりペツルを信頼しきって、ラオスではテンションかけかけで登ったからだ。

ラオスは、きちんと整備された岩場なので、そこが快適クライミングの理由。

■ ラオスでのこと

ラオスで、日本の常識は世界の非常識、の一例をみた。

 中間支点のペツルにぬんちゃくを掛けてレストするのは、日本独特の習慣だと分かった。

外国人のクライマーに 「そんなことしてるの、日本人だけだよ」と言われた(笑)。

そうだったんだー。 「なんのためにビレイヤーいるの?」と言われたことも。

たしかに、そのためにグリグリがあるんだしね。

■ 緩んでくるんです~

しかし、私が外国人と同じ調子で、テンションもらっていると、体がどんどん下がってくる・・・(汗)

下のビレイヤーに「下げないで~」と声を掛けると、「支点にぬんちゃくかけろ!」と非常識だと言わんばかりの調子で、返事してきた。

まだ1分もぶら下がっていない・・・(汗)。 

5分ぶら下がる程度でも、ぬんちゃくセルフは必要ないだろう。そのためのグリグリだし。

10分なら、さすがにあったほうがいいだろう・・・。

2時間なら、もうビレイヤーに、ごめんなさい・・・だろう。その人は自分で上からラッペルして、自分だけでムーブを固めてから、登るべきだと思う。

ビレイヤーはクライマーの子分ではない。

クライマーはビレイヤーの精神的支えがあってこそ、自分の限界にトライできるのだ。

落ちても止めてもらえるのだという精神的支えを提供していないビレイヤーは、ビレイヤー失格だ。

このことがあってから、この人はビレイ中によそ見をしている人だと言うことが分かったので、限界には挑まないで、楽勝のところとトップロープだけをお願いすることにした。

■ 思いやり vs 我まま発露の場

クライミングとは、思いやりを学ぶ場だ。 最近、そう思うようになった。

我まま発露の場・・・と思っている男性クライマーが多すぎる。

女性と男性だと、男性は、女性にわがままを通しやすい。わがままを通しやすいから・・・という理由で、女性をパートナーに選んでいる男性は、ルート選択で分かる。

自分の都合だけで選んでいるからだ。その女性にとって無理だったり、肉体的に危険が及ぶと分かる、つまり実力以上の、一言でいえば、”無謀な”ルート選択をする。

より経験のあるクライマーが、二人のペアではそこはまだ無理だよ、と言ったとしても、譲らない。

なぜなのだろうか? 自分が行きたいから、としか考えられないではないか・・・。

これでは、時間の問題で、常に実力以上のルートを強いられる女性パートナーの側は、殺されてしまうではないか・・・。

これは考え方と態度の問題だから、こういう行為をする人と組んでいると永遠に危険は去らない。

山はルートを選ぶところから、山なのだから・・・。

■ 頼っていいよ~

当然だけど、クライマーは、ビレイヤーに頼っている。頼っていいよ~というのがビレイヤーの役目なのだ。

だから、核心部に臨むとき、クライマーは、下のビレイヤーに「頼むよ~」と声を掛けるのである。

頼り甲斐、それが一番大事なビレイヤーの資質である。

■ ボルト抜ける

頼り甲斐と言う意味では、ボルトは、

   ハーケン < リングボルト < ペツル 

の順で、頼りがいがあると考えられてきた・・・が、ペツルも頼れない、というのが、ペツルにぬんちゃくセルフしていての支点崩壊によるグランドフォール・・・。

最後の砦、ビレイヤーは何をしていたんでしょう・・・

どうも、手を放していたとしか考えられないですが・・・

要するにぬんちゃくセルフには、

 下のビレイヤーが油断して両手を離してしまうというリスク

があるようですね!

 ハングドッグをいれつつ登るようなスタイルでフリークライミングをする場合は、リードでも
 グリグリがベター

という理由がまた一つ増えたような?