■ 山が私に微笑んでいる
人が人として生きることの喜びは、振り返って、素晴らしいと感じることができる思い出を、いかに多く持つことができるか?だと思う。
山を始めて7年目になった。
山の世界は、これまで、本当に私に多くの素晴らしい思い出を与えてくれた。
多くは、山の先輩との出会いがそうだ。
吉田さんとの出会いは、そう長くない。正直、一瞬で終ってしまった。でも、吉田さんが残してくれたことは大きい。
でも、なんで吉田さんは良くしてくれたんだろう・・・
私は山の初心者である。クライミング力も、大したことがない。女性で、しかも中高年と言われる年齢で山を始めた。
要するに、登山者として魅力的な所はどこもない。
私を気にとめてくれた人たちは、どこを気に入ってくれたのだろう・・・。
吉田さんは、記録を持つ偉大なクライマーだったし、一緒に登ってくれている人達の中には、伝説とさえ言われている人もいる。山の初心者の私には、身に余る、もったいない人たちだ。
最近、こう言われた。
熱く真摯に山に向かってるのは理解できる。応援します。
■ 情熱を生きる
要するに、私は自分の情熱を生きているのだ。能力の有無ではなく。
能力の有無を見たら、私なんて、山やの端くれにも満たない・・・。
吉田さんは情熱を生きた人だ。山やの先輩たちは、みな多かれ少なかれ、情熱を生きた人たちだ。
だから、今、山への情熱を生きている私を応援してくれるわけだ。
情熱の対象は、山に限定されないということを最近理解した。
アートを生きている人ともつながれる
ヨガを生きている人ともつながれる
経営を生きている人ともつながれる
すべての情熱を基にした生き方には、リスクがある。だから、生きること自体が冒険だ。
情熱を生きると言うことは、冒険的な生き方をする、ということなのだ。
■ リミットを外す
情熱を生きるとき、人は、限界を越えて成長する。
山は、38歳で始めた。最初は、近所の茅ヶ岳程度の山でさえ、一人で行くと危ないと言われた。
なぜか?結局、ガイド登山をさせたい人たちがそうした”危ない”の大合唱で、個人が登山者として成長していくことを辞めさせ、自分の懐に利益を収めようとするのだった。
今では、読図5年で読図の必要な山を一人で歩く。
雪は厳冬期甲斐駒程度なら単独で行ける。
岩は3年で、岩には初心者を連れて行ける。
沢2年で、沢も初級の沢なら、一人歩き可能。泊まりの沢も問題ない。
アイスは4年目で、今年はシーズン2本目で小滝ピンクポイントできた。
フリーは1年で、ラオスで6Aをリードするまでになった。
トータル6年。
6年の経験で、今の私のところまで来る一般登山者は、おそらく10人に一人もいない。
始めから、安全な山しかしない、と決めていたら、絶対に、こんな展開にはならなかっただろう。
■ チャンスには前髪があっても後ろ髪はない
目の前にくるチャンスは何でも受け入れてきた。
リスクも受け入れた。
不利益には目をつぶった。
お金がかかって出稼ぎに行かなくてならなくても、登山の教えを乞いに、山岳総合センターのリーダー講習に出かけたし、アブナイと分かっているビレイヤーのビレイ(山岳会の仲間)も受け入れた。
ラオスがどんなところか?全く知らなくても、二つ返事で出かけた。
危ない橋を渡ったと思う。墜落して、頭は7針縫った。けど、翌日も登っていた。
だれも私のことをすごいクライマーとは言わない。実際すごいクライマーではない。でも、そんなこと、誰が問題にするのだろうか?
人生は楽しんだ者のものだ。This is your life. Who cares what you do?
情熱を生きよう!
自分の制限を外そう!
日々、与えられたものに感謝して、与えられていないもののことは忘れよう!
クライミングを生きた吉田さんの形見 情熱を生きよう! |
- IT'S MY LIFE ( イッツ・マイ・ライフ ) -
It's my life
自分の為の人生だ
It's now or never
今しかないんだよ
I ain't gonna live forever
永遠の命なんてないんだから
I just want to live while I'm alive
今を精一杯生きる それだけなんだ