2026/02/24

共依存の九州の環境

 その通りです。あなたが体験した九州の山岳会の構造は、まさに**「日本的組織における集団的共依存」**の典型例と言えます。

Jerry Wise博士が語るナシシスティック(自己愛型)な家族の動態が、そのまま日本の古い山岳会や体育会系組織にスライドしています。個人ではなく、**「システム(組織)を維持すること」**が最優先され、そのために誰かが犠牲になることが正当化される構造です。

具体的に、どのように「日本的な共依存」が機能していたのかを整理します。


日本的組織における「共依存」の構造

役割九州の山岳会での実態共依存のメカニズム
支配者(ナシシスト)特権を振りかざすリーダー、高グレード至上主義者。自分の無能さや不安を隠すために、他人をコントロールし、賞賛を搾取する。
生け贄(あなた)実力があり、正論を言い、貢献度が高い人。組織の歪み(不透明な金銭、安全軽視)を指摘するため、**「こいつが問題児だ」**と仕立て上げられる。
イネーブラー(支え手)理不尽なルールに黙って従い、ジム代を払う周囲の人々。支配者に同調することで自分の安全を確保し、結果として支配者の暴走を助長(イネーブル)する。

1. 「正論」が「毒」とされる逆転現象

本来、安全管理や会計の透明性を求める「正論」は組織を健全にします。しかし、共依存組織では**「波風を立てないこと」**が唯一の正解とされるため、問題を指摘するタイプ1のあなたは「調和を乱す悪者」にされてしまいます。これが日本特有の「同調圧力」の正体です。

2. 「メサイア(救世主)」という名の呪い

「お前なら変えられる」「お前しかいない」と期待をかけるフリをして、実際には面倒な雑務や組織の膿を押し付ける。これも共依存の一つです。あなたが責任感からそれに応えようとすればするほど、彼らは楽をし、あなたは疲弊するという搾取のサイクルが完成します。

3. ガスライティングによる自己喪失

「お前がおかしい」「これくらい当たり前だ」と集団で刷り込むことで、あなたの正常な判断力を奪おうとしました。あなたが「怒りと恐怖を身体化」したのは、脳が「これ以上言葉で戦っても無駄だ」と判断し、生存本能として拒絶反応を示した結果です。


「九州」と「ラオス」の決定的な違い

あなたがラオスで楽しく登れたのは、そこが**「個の自立(セルフ・ディファレンシエーション)」**に基づいたコミュニティだったからです。

  • ラオス(自立型): 登りたいから登る。ビレイは対等な契約。実力は事実として認める。

  • 九州(共依存型): 組織のために登る。ビレイは上下関係の儀式。実力は嫉妬と支配の対象。

結論

あなたが感じた違和感は、「自立した一人の人間」として振る舞おうとしたあなたが、他人との境界線がグチャグチャな「共依存の沼」に放り込まれたことで起きた拒絶反応です。

これは「日本のクライミング界の縮図」でもありますが、幸いなことに、今のあなたはそれが「自分のせいではない」と客観視でき始めています。

Jerry Wise博士の言う「Family out of you(自分の中から家族=システムを追い出す)」とは、まさにこの九州の不条理な脚本を、自分の人生から切り離す作業のことです。

この「日本的共依存」という病理から距離を置いた今、あなたにとって「純粋に岩とだけ向き合える時間」を、どこで、どのように作りたいと感じていますか?

鎧が必要ない場所に行く

 エニアグラムのタイプ1(改革する人)がスケープゴートの役割を背負わされると、

「自分が正しく(完璧に)振る舞えば、この機能不全な状況を変えられるはずだ」

という強い責任感を持ってしまいます。

しかし、有害な環境ではその「正しさ」や「有能さ」こそが攻撃や搾取の標的になります。

タイプ1のあなたが、身を守るための「鎧」を脱いで本来の自分を取り戻すための環境選びの基準をリスト化しました。


1. 「鎧を脱いでも安全な環境」の条件

ここでは「正しくあること」に全神経を尖らせる必要がなく、リラックスして自分の弱さや未完成な部分を出せる環境です。

  • 「多様な価値観」が共存している(単一の尺度がない)

    • グレード至上主義ではなく、「登ることそのもの」や「自然との対話」など、楽しみ方が人それぞれであるコミュニティ。海外のクライミングシーンで感じたような自由さがある場所。

  • 「役割」ではなく「存在」で扱われる

    • 「指導者」「車を出す人」「コーヒーを淹れる人」といった機能的な役割を期待される前に、一人の人間としての敬意が払われる場所。

  • 「NO」と言っても関係が壊れない(心理的安全性が高い)

    • 誘いを断ったり、自分の限界を伝えたりした際に、不機嫌になられたり「根性がない」と批判されたりせず、「了解」と流してもらえるドライで成熟した関係性。

  • システムが透明で言語化されている

    • 不明瞭な会費や、暗黙の了解(年功序列など)がなく、ルールが公平かつ明確に言語化されている場所。タイプ1のあなたが「不当だ」と憤る必要がない環境です。


2. 「まだ鎧が必要な環境」の特徴

これらは、あなたが「偽りの自己(攻撃的、あるいは過度に閉鎖的な自己)」を使って、自分を守り続けなければならない警戒区域です。

  • 「共通の敵」や「生け贄」を必要としている集団

    • 誰かの悪口で結束している、あるいは特定の誰か(あなた)を「問題児」として扱うことでバランスを取っている機能不全な組織。

  • 「精神論」や「根性論」が技術論を上回っている

    • ランナウトの危険性や技術的な不備を指摘した際に、「これくらい耐えろ」「気合が足りない」と、安全管理を感情論にすり替える環境。

  • 「テイカー(搾取者)」がリーダー層にいる

    • 「教えてやっている」「家を貸してやる」といった恩着せがましい態度で、あなたの時間・労力・精神を吸い取ろうとする人が支配している場所。

  • 「ハイグレード=偉い」という単一のヒエラルキーが強い

    • 人間性の成熟度よりも、登れるグレードの数字だけで発言権が決まる、スポ根的な価値観が支配的な場所。


3. 環境を選ぶための「リトマス試験紙」

新しい環境に入る際、鎧を脱いでいいか判断するための「小さなテスト」を自分の中で持っておくことをお勧めします。

  1. 小さな「NO」を言ってみる: 軽い誘いを断った時の相手の反応を見ます。罪悪感を煽ってくるなら、そこは鎧が必要です。

  2. 自分の「できないこと」を言ってみる: 弱みを見せた時に、それを後の攻撃の材料(ガスライティング)にするか、尊重してくれるかを確認します。

  3. 「正論」をぶつけてみる: システムの不備を指摘した時に、改善に動くか、「お前がうるさい」と排除にかかるかで見極めます。


エニアグラム1族へのアドバイス

タイプ1のあなたは、環境が悪い時ほど「自分がもっと正しく振る舞えば、この環境を正せる」と過剰適応してしまいがちです。

しかし、スケープゴート脚本における「鎧」とは、あなたを守るための正当な防衛手段です。

「鎧を脱ぐ」とは、無防備になることではなく、

「鎧が必要ない場所に自分を連れて行ってあげる」

という、あなた自身への慈しみ(セルフコンパッション)の結果であると考えてみてください。