2020/02/17

レッドポインターという生き方の限界

■レッドポインターという生き方の限界

結局のところ、カットアンカーは、オールアンカー同様、落ちれないわけなので、レッドポインターと言うスタイル自体が、不可能ということでしょう…(汗)。

フリーのルートであっても、アルパインと同じく、

基本、落ちれない

ってことです。前の師匠の青ちゃんは、「おれ、すぐ落ちるクライマーは嫌い!!」と公言していましたが、私は、なかなか落ちないクライマーでしたので、互いに上手く行きました。

上手になるには、あまり粘らず、体力腕力をセーブして、回数を多くして、レッドポイント狙いのほうがいいよ、と大阪で別のクライマーのおじさんに言われましたが、それも課題の質に寄りけり、です。下部核心のルートでは落ちるのはリスクです…

結局、一度目に、オンサイトで登れないと判明したら、宿題として、ジムに持ち帰り、ジムでうんと実力をあげて、次回は一撃狙い、がいいのではないでしょうか?

オンサイトは、2度目は、もうないので、一撃と言いましたが、やっているほうは気分はオンサイトと同じくらいなもんだと思います。

クイズ カットアンカーの安全性はどう判断したらよいでしょうか?

■ クイズ

このボルトの安全性は、どう判断したらよいでしょうか?

答え
1)引っ張ってみる
2)体重をかけてみる
3)落ちてみる
4)叩いてみる

正解

 ボルトを開けて、中身を開いてみる

■ 開けてみないと分からない

これはカットアンカーです。それがステンレスか鉄かや、メーカーなども外してみないとわかりません。効き具合いも、抜いてみないとわかりません。

アンカーの状態はハンガーを外してみないとなんともいえない。


参考情報
写真は昨年末に伊豆の海金剛の下降点にあったハンガーボルトです。 外からの見た目は同じですね。 しかし、中のアンカーは鉄だったので、電解腐食でネジ山はほとんど無くなってしまっています。 抜けるのは時間の問題という状況ですね。

■ 非現実的

一回一回、全部のカットアンカーのボルトを外して、内部を確認して登るというのは、非現実的です。

■ ブランクセクション以外はカム

ということで、ブランクセクション以外はカムを用いて登るのが、もっとも

  自己責任論 & 安全性

ともに、満たしたプロテクションの解、ということになります。

■ ブランクセクションをどうするか?

1) スキルを上げる

落ちるリスクを受け入れ、100%落ちないスキル(つまりフリーソロ可能なレベル)になってから、取りつく

2)一か八か

落ちるリスクを受け入れ、一か八かの賭けに出て、掛けに勝つ。

3)TRによる試登

トップロープリハーサルを繰り返せば、自動化で、落ちるリスクは、かぎりなく0%にちかく下げることができます。

トップロープリハーサルを10回やって10回落ちなければ、確率論的に、次に落ちる可能性は、かなり低いです。

その上、トップロープリハーサルの数は、本人が好きに増やせる。

試登は、アレックス・オノルド君が、エル・キャップフリーソロに成功した手法です。

4)TR限定

とは言っても、何十回も試登してまで、その課題にこだわってフリーで登りたい!って人も、かなり少ないハズです…先に飽きちゃう…

ので、現実的には、

一般人       → 4)の解。TR限定で登る
エリートクライマー → 1)の解。ゆとり(安全マージン)を増やす。

自分のRP限界グレードが5.14なら、5.12では落ちないだろう、ということです。

5.12が登れる人だと5.8で落ちるということは、考えにくいので、ソロイストなどのソロシステムで登ることも可能になります。

5.8がギリギリの人が、ソロイストで5.8を登ると、ソロイストの信頼性は低いので、非常にリスキーな行為になります。

(5.12)- (5.8) = 4 

で、4グレードの開き。 

一般にアルパインルートでは、2グレード下が適した安全マージンと言われています。

しかし、ランナウトやブランクセクション、では、4グレード開きが要るかもしれませんね。

■ 日本の岩場のボルトの現状について

カットアンカー=外してみないと安全かどうか?が確認できないボルト、です。

つまり、以下の見識では、クライマーは自分を守ることができません。

ーーーーー
日本の岩場の今の現状では、リボルトも、なかなか進まないだろうし、クライマー自身が知識を持って、自分の安全を守ることが大切だと思う
ーーーーーー

この”思想”は、現在、一般クライマーが共有している、マジョリティが持つ思想だと思いますが、この思想では、安全性を確認した、とクライマー本人が思ったところで、まったく確認は取れないということです。

つまり、もはや、この思想が通用する時代ではない、ということです。残念ながら。

何度もいうようですが、

カットアンカー=開けてみないと外から分からない

です。私はレンチを持って行きましたが、今回、六角レンチを持ってきたクライマーは何人いたのでしょうか?

つまり、カットアンカー= 時限爆弾と同じ、です。

この、クライマー自己責任思想、”思う”のは個人の思想なので、思いたけければ思えば、それは自由であるのですが、それがあるべきクライマー像だと人に強要するのは、無理がある、ということです。

現実は、カットアンカーのルートが9割、JFAが認定したグージョンのルートは1割もあるかないかでしょう。

つまり、JFA認定のグージョンでない限り、そのボルト自体の安全性をクライマーが自己責任で受け入れるためには、ボルトを外してみて、中身を見ないことには分からないということです。グージョンですら、レンチで回して、効きを確かめる必要があります。

自分自身が知識を持って、自分自身を守る

というのは理想論ですが、それはハッキリ言って、実現されていないどころか、その理想論の裏を掻くような、ボルト事情です。つまり、その理想論を地で行けば、

カットアンカー引っ張ったり、いろいろしてみて、まぁ、大丈夫そうだから登ろう!

ということになり、

落ちてボルトが外れても自己責任、

となります。外からでも分からないし、引っ張っても分からないのに。

つまり、現在通用している、流布している、クライマー自己責任論をあまりに強く言いすぎることはクライマーの間に事故死を増やします。

現実的に、クライマーが自己責任を取ることが不可能な現状が広がっているからです。

開拓者の人たちには、いつ、だれが、どういう材質のボルトをどのような技術で設置したのか?を明らかにしてもらわないといけません。

それだけ開拓者は責任が重い、ということです。いったん設置したら外目には分からないのですから。

さらに言えば、自分で打ったボルトを開拓者は登っていないことすらあります。開拓者はオンサイトと言うことは一切ない人たちです。開拓をするということは、すべての登攀が、トップロープリハーサル、ということです。

なぜ、開拓者たちがそうしているのか? 誰にも指摘されないですが、それがもっとも安全だから、なのではないでしょうか? ボルトを打った本人ですら、信用しないボルトをほかの人が信用する必要はないのでは?

■ 法的見地

法的見地からは、日本のボルトの実情は、自己責任を取ろうとしても取れない状況です。

なぜなら、国際的に最低基準とされる25kNが出ているボルトはほとんどなく、材質も明らかにされず、トポにも誰が、何年に打ったボルトか記載もされず、判断の根拠が全くない、からです。

このような状況下で死亡事故が遭った場合、”自己責任で登ります”というクライミングジムでよくある一筆があったとしても訴訟では負けること確実だそうです。

つまり、

カットアンカーのボルトを量産しつづけること=クライミング界に単なる登れない負の遺産を量産し、リボルト負担を増やし続けること、

にほかなりません。
単純に開拓者の人は、情報弱者に陥り、このことを知らないだけだと思います。

ぜひ、この知識が開拓者も含め、多くの人に広まることを願っています。

そういえば、リボルト職人の検定を受けた、トシゾーさんも、感想で、よくこんなボルトでバンバン落ちていて死ななかったものだ、運がよかった…と言っていました。

祐介さんらと登る強いクライマーです。


2020/02/15

応力腐食割れ(SCC)

応力腐食割れ(SCC)

ステンレスボルトは安心か?というと、それも違うよ~という情報です。

それはSCC応力腐食割れのためです。目で見えませんし、外側から確認することも不可能です。クライマーは3点でアンカーを作るくらいしか自衛手段がありません。

316、304(ステンレスの材質です)でも、SCC(応力腐食割れ)に事故報告が出ています。

フランスペツルによると、テストしたボルトのうち20%で、1~5kNしか強度がなかったそうです。5kNでは体重を支えられません。

岩質ではカルストが最悪だそうです。平尾台の方には連絡したいです。

気温は関係なく、20度でも、それ以上温かくても起こるそうです。

また雨に濡れないところはむしろ危険だそうです。

UIAAでは、SCCが確認されたボルトは、チタン製ボルトへの転換を推奨しているそうです。

資料必要な方は、差し上げますのでご一報ください。シェアしたいのですが、資料しか送られていないです。

2020/02/10

独善と良きスタイルの切り分け

■ 楽しい一日

今日は久しぶりのクライミングデーでした。

黒木のクラック。実はてっきりボルダーだと思って、気軽に言ったら、クラックだよ、なんて言われて、あら!とうれしい驚きの日でした。

5.10dのボルダークラックなのですが、ロープを掛けて先輩は、サクッとRP。これくらいの高さのはリードです。吉田和正さんのクラック講習でもロープ掛けてありました。ボルダーでも、上手にロープを掛けるには、それなりに技が要ります。

私は、というと、フレイル化していて、5.10dはまったく離陸から登れない…。 いや~、ジャムは効くのですが、足があげられないのです。立ち込みも、腕力と分散しないと立ち込めないので、フレイル化の影響か?それでもなくても、普通にしていても、クラックの5.10dは、難しすぎるのか、かなり四苦八苦でした…。

下のボルダーを冷かしに行って、初段、触らせてもらいましたが、初段って…。離陸から無理。でも、

コンプレッション

という体の使い方が味噌だと分かった。やっぱり肩の筋力アップと体幹の使い方は、ボルダーはボルダーで、別の技術として、使い方の習得が必要なのだ、と分かりました。寄せる力、です。

■ あるもので間に合わせるということ

今日はクラッシュパッドはなく、リードの装備だけだったので、2段のクラックを触るためにボルダーにトップロープを掛けたら、偵察に来たボルダラーがあきれた顔でした。

様々なスタイルを知らないと、自分のスタイルだけが絶対と思ってしまうんだな~と理解できた。

ボルダーの装備で登れたら、そりゃ、それが一番だけど、その時に装備を持っていないこともあるし、

 基本的に初登者はオンサイトはしていません

試登=ロープで確保

です。

1)あるもので安全に登る
2)試登

を知らないと、ボルダーにロープを掛けている=非常識な人たちになってしまいます。

■ 目的のために手段を選ばず

人間は、人類の様子を見ていると、目的のためには手段を選ばず、ということになってしまい勝ちです。

ボルダーのスタイルで登るためにすべてを注ぎ込む、ということに人間はなりがち…。たとえば、今日もボルダーで強つよのお兄さんたち、”本気チョーク”とか、言っていましたっけ(笑)。そんなのあるんだ~と微笑ましいのでしたが、数年前に、FBの投稿で、効きの良いチョークがエイドだと非難されていたのを思い出しました。

エイドを憎む必要はないわけです。段階を踏めば。すべてがプロセス、というわけですね。

でも効きの良いチョークで登った後は、ちゃんとフリーで登らないとね。それは、まぁズルというのはその通りなのですから…

こちらは、吉田さんが私にグローブを大きくして登らせた記録

■ 真の自由

5000mや6000mでの高標高で、スーパーアルパインをやっている人たちは、必要ならユマールで上がるし、そんな高標高の山の山頂で、じゃんけんしてボルダリングしているし、しかも、冬靴でやって落ちたりしているし(笑)、とっても楽しそうで自由でした。

■ 檻に自ら入る

こうであらねばならない、という檻って自分で入っていくもの、なんだなぁって思いました。結局、そうした檻に入っていくのは、若い者も年寄りも関係なく、自分のスタイルだけが善という、独善という名の視野狭窄に陥っている、ということなんだろう…。

■独善と良きスタイルの切り分け

独善と良きスタイルの切り分けが難しいこともあります。

私が思う良きスタイルは、

・岩をできるだけ傷つけず、
・そのためにはクラックを使い、
・岩との対話でもっとも合理的なラインを登り
・肉体的に妥協せず、
・心理的な恐怖よりも岩の導くラインの合理性を取り、
・ランナウトも程度問題で節度があり、
・自ら危険に突っ込んでいくようなことはしないけれど、
・必要な時には勇敢で、
・無謀を賛美することなく
・つまりバカっぽくないく
・知的で肉体的にも優れた人でしか登れないラインを登る

…というものです。

もちろん、私はそこに達していませんが、そうでない人はその人なりの肉体的限界で楽しく登れるルートがあると思うから、それを登れたら良し。

そして、ルートの価値や意味が理解できる人であることが大事だと思っています。

価値あると思えるルートを登っている人を、尊敬でき、応援できる人材であれば、アマチュアクライマーとしては上出来だと思っています。

一言で言えば、クライミングの価値が分かる人。

それになれたら、アマチュアクライマーとしては十分と思います。

それだけでも、相当、知的努力を傾けないと、独善&視野狭窄、に陥ってしまうから。


2020/02/06

クライマーのゲストハウス まとめ 2020

クライマーのゲストハウスで、目的としていること


クライマーのゲストハウス構想 現在地

です。

空き家にみんなで寄り合って住んだら、パートナー問題も、生活苦も改善だし、いいんじゃない?と思っただけなんですけどね~

ポイントは、これは私だけがメリットがあることではない、ってことです。

私にとっては、今の現状でもあまり不満があるわけではなく、私の不満の解消だけなら、これを続けていく理由にはならないってところです。






クライマーのゲストハウス構想 現在地

■現状 

と言う訳で、やっと現状のところまで来ました。

ゲストハウスを作ることを山、作り終わることを登頂、としたら、現状は、ルートA、ルートB、ルートCのうち、どれが良き道か?を選定し終わったくらいの段階で、スタートも切っていません。

ルートA = 自分で、物件購入ルート 
       最短だがハイリスク、敗退は死。シェア発想ではなく、独り勝ち発想。
ルートB = 地元でコツコツルート 普通にクライマーとして知られるだけ  
ルートC = コミュニティ作りからルート 三方良しの可能性があり

クライマーのゲストハウスを作るには、最初に賛同して、シャア住居状態で住んでくれるクライマーが5人くらい必要です。増冨(今の候補地)に住んでくれる独身クライマー(家族持ちでもいいのですが、たくさんのクライマーに囲まれて子供を育てたい家族でないと無理)が最低でも5人くらい必要です。

一人は私として、もう一人はすでに候補の男性がいます(笑)。あと女性も候補が一人います(笑)。他に2名くらい必要だなぁ…。

と言う訳で、コミュニティづくりが大事になります。場所は、仕事の具合によっては、遠くなったりして、不便になったりもするのを寄り添って住まう賃料の安さとか、コミュニティの心地よさとかで、補えるとその個人が考えてくれないと難しくなります…

ので、ある程度、コミュニティづくりと、物件の選定は、協調して進めないといけないです。

岩場から遠くても意味がないし…。

とは言っても核心は、全員がそこそこ持続可能に住める場所と環境を見つけること、になります。

というので、色々考えてはいますが、現地の方との接点がないので、今のところ、福岡でできることは大体やりつくしている感じです。

ので、時間つぶしにならない選択肢として、他の方のコミュニティづくりを手伝うことで、コミュニティ作りを学ぶ、ということを考えています。

これは、畑を学ぶついでに、マキイさんで実現できないか?と考えています。


クライマーのゲストハウス 妄想 シェアハウス×拡張家族 

■ 拡張家族

というわけで、クライマーのゲストハウスは、ローカルクライマーのシェアハウスを基盤にするので、

 拡張家族的な概念

が必要になります。

シャアハウスは、まだ日本では取り入れられて間がなく、若い独身の間だけ、というのが手軽な解です。

シャアハウスのメリットは、誰かが常に家にいるにも関わらず、誰も家に拘束されていないということです。

84歳のジムおじいさんとシャアハウスにサンフランシスコでは暮らしていましたが、ジムにとっては若い人の感性に触れることができるし、学生らにとっては留守の間に郵便物を受け取ってもらえて便利でした。

メルボルンでは私は学生で、勉強していましたが、ちょっと見ておいてと言われて、赤ちゃんの監視と犬の監視を両方していました(笑)。どうせ勉強しているので、まったく負担ではありませんでした。

子守りもそんな程度なのです。海外では、まだこのような助け合い精神が残っていますが、日本では都会では特に、失われています。

それを復元させる仕組みが、多世代にわたる拡張家族的なシェアハウスと言うわけです。

シェアハウスで、家賃分かち合いで住むことで、家賃は払えるわけですので、ゲストハウスでの収益性に依存しなくて良くなります。

住んでいる人たちも元々住んでいる家より安く住める、岩場に近いなど、メリットがあれば、大家さん良し、住人良し、地域良し、の3方良しになる可能性があります。

私はベテランの年配のクライマーがシェアハウスの一員として一人いると、アルパインの指導の拠点化もできると考えています。

例えば、ボルダリング用にクラッシュパッドの貸し出しをすれば、都会のクライマーにとってはメリットが出るかもしれず、情報のハブになることもできるかもしれません。

クライマーのゲストハウス×エンジョイワークスさんの手法

■クライマーのゲストハウス×エンジョイワークスさんの手法

エンジョイワークスさんの手法は、大変すばらしい手法です。

クライマー人種の貧乏さは、ある種、芸術家人種と似ています。とにかく、クライミングだけしていれば幸せで、世俗の幸福をあまり求めていないクライマー人種。とにかく、絵を描いてさえいれば幸せで、世俗の贅沢と無縁な芸術家人種。

エンジョイワークスさんの手法で、いいな~と思ったのは、アーティスト向けの倉庫の改装です。

これは、まず、困っているアーティストたちがいます。アトリエがなくて困っている。

そこにEWさんがヒアリングします。

「いくらなら出せそう?」
「月額2万円ならだせそう」

とアーティスト達が言ったそうです。そういう人が15人、集まったそうです。

2万円×15人=30万円です。これなら、大きな倉庫を30万で借りることも可能です。

まずテナントがいて、その人たちに必要な物件を探す。

これなら、入居者がいない、ということが起こるはずがありません。

クライマーが15人集まるのは大変かもしれませんが、5人は確実にできますよね。2万で住めたら、クライマーだってしあわせでしょう。5×2=10万円です。

田舎では、立派な古民家でも、月額5000円/家賃で、おつりが来ます。

5000円でレンタルした家を、残りの95000円で改築すれば、少しは家の状態も良くはなるでしょう…

運がよければ季節が良い時期には客人も泊まってくれるでしょう。無料で泊めても、その人が宣伝してくれる効果が計り知れないです。

5000円の家賃でも、年なら6万円で固定資産税1万円を毎年垂れながしにしているよりは、大家さんも5万円のプラスで、なにもしないで得れる金額としては、普通預金よりうんと有利でしょう。今どき、5万円の利子くれる貯金あります?ないですよね?

大事なのは家を買わないことかもしれません…特に取り壊し費用が膨大なぼろ家屋。

古民家調査士という仕事をしようかと考えたこともあるくらいのリスクです。下手を打つと、取り壊すのに400万円とかかかります。もうそれだけで、関わる全員ババ引いたも同然です。

とくに個人でこのようにリスクを取って物件を購入できるのは、購入費用全体をどぶに捨てても、まぁ余剰資金だからいい、と考えられる富裕層だけです。つまり、自分の生活に影響がない人。身銭ではなく、余剰資金で、全体に無駄になっても、かまわない人だけが取れるリスクです。


クライマーのゲストハウス×イベント

■役立った経験×クライマーのゲストハウス

ここまでのところ、私にとってクライマーのゲストハウスを作りたいという夢への戦略立案に役立った経験は以下です。

1)5年にわたる不動産の監視と勉強
2)空き家プロジェクトIn福岡でのセミナー参加
3)建築不可物件再生セミナーへの参加
4)地域おこし協力隊の理解
5)八女のゲストハウスでのアルバイト
6)岩根でのアルバイト
7)不登校の子どもの支援をしているまさみさんとの出会い(移住経験者)
8)エンジョイワークスさん


とくに、今年1月に不登校の子供たちへの無料クライミング体験を実施させていただいたのですが、お母さんのまさみさんはすでに地方移住を経験した身で、都会からの移住者が地方で直面する課題を教えてくださり、やっぱり私の予想は合っていると思いました…。

田舎の人は、自分たちの地域にプラスになることでも、Noと言ったらNOと言う人たちです。逆に害になることでも、例えば太陽光パネルとか…すぐ騙されてしまいます。

それをうまく解決しているのが、次郎さんで、八女のゲストハウスを運営されている方です。彼は生まれ育った村でゲストハウスができるので、最初から、部外者でないから、空き家を譲り受けることも簡単で、周囲の人からのサポートも受けやすい。その上、運が重なり、たまたま部外から来た地域おこし協力隊の人が地域貢献するための実証ケースになっていて、そういうめぐりあわせが勝因です。協力隊の人も地域の一員として認められるし、次郎さんもゲストハウスが開業でき、村もそのゲストハウスのおかげで国際化して、まさに三方良し、です。

また、4万円程度、講習費用は掛かりましたが、エンジョイワークスさんの手法は、とても役立ちました。イベントを起こして、地域の人を巻き込むことで、

「なに?あの人たち、なんかやってる」(意味:おれらに無断でけしからん!)



「一緒にやろう」(へぇ~頑張ってるね~)

に変えていくことができます。ので、”クライミング&清掃”などのイベントを実施したり、地域の人たちを巻き込んだ、餅つき大会とか、障碍者支援とか、老人支援、環境運動、そういうイベントをしていくことは、かなり意味がある行為です。

■ 社会性がない

が…クライマー人種は、伝統的に人とコミュニケーションすることに興味がありません。

ただクライミングだけしたい、というエネルギーが強すぎて、社会性一切なし(笑)。

まぁ、そうじゃないと世界レベルのクライマーにはなれません。

でも、この世に、ほかの人が要らないのか?というとそうではなく、”観客”は必要なのです。自分がすごいことをしている、命がけのクライミングをしている、ということを分かってくれる人類=観客、です。

クライマーが岩場がある地元に興味がないのは、地元の人が観客ではないからです。自分のすごさは分かってくれない(笑)。

結果、双方の根本的な 無関心、が現状であり、伝統です。そこにアクセス問題の種があります。

無関心=愛の正反対、ですから…。互いに好き合っていないのに協力しようって言ったって無理つー話です(でした)。

そこを変えるのがイベントの力です。

空き家×クライマーのゲストハウス

■空き家×クライマーのゲストハウス

空き家については、山梨時代に内覧も含め、かれこれ5年程度、見ています…。福岡に来て、再建築不可物件などを再建築可能にする手法なども教えてもらいに行きました。

ただ、私が空き家を購入して、民泊でゲストハウス化するのは簡単だけど、なんか違う気がするんですよね。

というのは、田舎では、コミュニティが大事コミュニティが先、だからです。

知らない人がいきなり土地家屋を買って、住み始めるというのは、地球外生物がやってきて住み始めるのと同じように田舎の人には感じられるようです。要するに、そこに住み始めるだけで、

侵害

なんですね。なんで、

違うと本能的に感じていました。

だから物件を買わないのです…。物件だけの問題だったら、甲府はバカ安物件がたまに出て、150万円で明日から住める家が買えます。それくらいだったら、無理をすれば誰でも買えちゃいます。

家賃より安いくらいの損な物件を、なんで誰も買わないか?というと、そういう家は朽ち果てそうな古屋で、建て替えもできず、壊して更地にしても駐車場にもならないからです。ただ固定資産税を払うだけになってしまいます。ずっとボロ屋に住む決心があれば別ですが、固定資産税が1万円とすると、150万払った上に役に立たないものに、毎年1万払うことに。

住むならボロ屋に住む覚悟が必要で、その分、家賃は安く上がります。が現代的な生活を求めるとなると、修繕費のほうが高いくらいになるでしょう…

一時的にでも、カフェとかで運営利益が出ればいいですが、たぶん人口と集客の関係で、出ないと思います。民泊は、消防法の関係で許可が出ない可能性が高い。

北杜市にある、廃業したペンションが1800万円などで売られていたりして、往時を思うと格安感あるのは、分かりますが、往時ってバブル期でしょう?バブル期の価格はバブル価格で実態価格じゃない。1800万円でいま売り出し中のは、ざっくりした感覚でいえば、バブル期は1億円、実体価格は3600万円、その半額にいま下げ止まって1800万円って思います。実際、ソロバンが合う収益はもたらさないと思いますので、こんなの買ったら、もうそれこそババです。絶対一生身を粉にしても返せない借金を背負う羽目になるだろうと。買ってもらった人は一生に一度のラッキーですが。その辺、空き家だらけなのに。北杜市は都会から近いですが、いくら東京から近くても、営業利益がそんなに取れる土地柄じゃないです。バブル時代を基準にしてはいけない。

色々と調査した結果、やはり、田舎の人たちに、

請われて来て!と言われて行く

のが大事で、”請われて行く”には、どういうことが考えられるか?というと、その土地にメリットをもたらすと考えてもらえるということです。

ほとんど田舎の移住に成功した人たちは、最初に家をぽーんと買った人ではありません。最初は行くところないから困っています…ということで移り住んでいます。

そうしないと、田舎の人は、現金収入の当てがないので、助け合いスイッチではなく、めったにない現金収入のチャンスが来たスイッチが入ってしまうのです。

一反5000円が相場の畑に5万円払いました・・・(笑)。

1を学んで10を知る人でありたいと思っています… ので、一番大事なことは、

クライマーのカルチャーを増冨にもたらすことで、増冨地域の活性化になる、と増冨の人に実感してもらえること、だと思います。

実際、ラオスでは、ターケークで唯一に等しい観光目玉がグリーンクライマーズホームでした…

ので、どんなに不便で閑散としていても、

クライミング三昧

ができる環境があれば、世界の果てへでもクライマーは頑張って来てくれます。

■ これに役立った経験

1)5年にわたる不動産の監視と勉強
2)空き家プロジェクトIn福岡でのセミナー参加
3)建築不可物件再生セミナーへの参加
4)地域おこし協力隊の理解
5)八女のゲストハウスでのアルバイト
6)岩根でのアルバイト
7)不登校の子どもの支援をしているまさみさんとの出会い(移住経験者)
8)エンジョイワークスさん

私のクライマーのゲストハウス 第一の候補地

■増冨

私のクライマーのゲストハウス構想では、第一の候補は

瑞牆(増冨)

です。理由は、

・英語トポがあり、
・瑞牆が世界的クライマーもそこで訓練しているという岩場

だから。

■ パイロットテスト

瑞牆が良い場所かどうか?とか、外国人のクライマーがどう感じるのか?とか、パイロットケースが必要です。

その人材はすでにいて、アメリカのヨセミテで訓練を受けたタイ人のクライマー君で、私と龍洞で一緒に登ってくれたタオくん。彼は車がネックで、去年、瑞牆での登攀は、断念しました…。

英語が話せそうな人にタオを振ったりもしましたが、自信がないとか、タオのほうも信頼できるクライマーじゃないと無理、とかで… なんで私はオッケーだったのか?ってなりますが、まぁ、易しいところからしか登っていないからなぁ…。

青ちゃんにも降りましたが、英語がネックでダメ、ということでした。ので、タオがもしまた5月などに瑞牆チャレンジしたいとしたら、もう私が車出すしかないかな…と思っていますが、福岡から瑞牆まで運転48時間で、交通費6万円…(汗)。しかも、自分は得るものなし…。タオが瑞牆は世界のクライマーも楽しんで来れそうだよ、と言うか、いや~これだったらお金払ってもヨセミテだね、というか分かりませんが…。

というので、まぁ今の時点では、タオはいい人材ですが、私の環境が許さず、タオを瑞牆に案内したいなーというのは、クライマーのゲストハウス構想にとって、プラス材料になりそうなのですが、停滞中です。

今度、大堂海岸も行くので、可能性ありそうか調べてこようかなと思っています…

2020/02/05

クライマーのゲストハウスで実現したいこと3

■クライマーのゲストハウスで実現したいこと3

さらに 地域活性化、です。

これは、地域活性化が後で岩場の活性化が先です。ごめんなさい。


何しろ、日本では地域活性化を求めている地域はごまんとあります。その中で岩場があるのは一部です。

今過疎化で苦しんでいる地域では、岩場は、資産ではなく、迷惑施設と同じ扱いです…(汗)

それが資産だと気が付いていない…のを転換するのが私の目的です。

それは、昨年、八女のゲストハウスで成功事例を学習しました。地域が限界化し、誰でもいいから助けてくれ!となったときに、外国から若者たちが留学生やWooferとして来てくれたら…宿は無償提供です。

間違っても川上村みたいに、国際条例違反になる強制労働をさせてはいけない…

今ある富…空間や美しい景色を今あるもので分かち合う、と言う姿勢が大事です。田舎で何もないと思っても、銃撃されない安全と毒の入っていない水があるだけでも日本はすごい国です…

ので、ここでも国際化というのは、活性化のカギだと思っています。