2017/05/13

インスボン秒読み中

■ インスボン秒読み中 Ready to the flight to Korea for climbing



いや~ 去年は行けなかったインスボン。

I could not go to Korea last year, since I was not climbing good enough. 

今年は行ってもいいようです、実力的に(笑)。

This year, I can!!

みやげを買ってこい!と言われ、菊正宗の生もと造りを…何種類かあった。

My partner wants some Sake for souvenir...

純米大吟醸、純米、本醸造

とりあえず、カンに着けたいようなので純米。
大吟醸は特別な事情向けかなぁ。

パートナーの青ちゃん、しばらく前に落っこちて、ショックを受けていたので、励ましか。

Also he wants me to buy him some medication...for his injury... he had a fall recently there in Korea...

I wonder if he's OK to keep climbing... he might be too tired or something?

フェイタス買ってきてって大丈夫なのかなぁ…

初めての韓国、どうなるでしょうか…。

This is my first tour to Korea and I am so excited!!

一般の岩装備以外には、歯磨きセットとシュラフくらいしか必要ないみたいなのですが、ザック、ラオスに行った時と比べ、スカスカ… クライミング久しぶりで不安。

今回は、ラオスと比べると期間が半分というのがありますが…。

今日は朝から、ヨガのクラスを2つも受けた…。実は筋トレしたら、胸筋はホントにないらしく、頭痛が…。胸の筋肉が足りていない。筋トレ後に頭痛になる人は、世の中にいるらしく、ヤフーご意見箱に出ていた…。よほど軽い負荷から始めないといけないらしい。

筋トレすると、頭痛がするって、ホントにどんだけ!な感じ。クライミングには、胸筋、肩の筋肉いらないんですね… 

I had a weight training the other day, for my chest, and I had a headache!  A headache!!! I could not believe myself!  I am soooo weak... I don't know how I had managed to climb!!  

インスボン、ちゃんと登れるかなぁ。まぁスラブだから、大丈夫かなぁ。どうも、クラックも、あるようなのですが、内面登攀ではないそうなので、むしろ不安に…(笑)

I put Yumales in my climbing gear(^^)!

ユマール入れておきました(笑)

労作性頭痛

2017/05/07

In Memory of Ueli Steck

お亡くなりになったなんて信じられません…





2017/04/17

How To Fall

https://www.mountainproject.com/blog/3254/how-to-fall?sf53722433=1

To look back for my self.  A memo.

2017/04/09

韓国と日本

■ 今年は韓国へ♪

韓国へのクライミングの予習のため、韓国について勉強中。

以前九州にいたころは、中国人の爆買いが話題になっていた。中国や韓国の人にとって、買い物天国らしい日本。経済的地位が下がると、訪日外国人が増える、ということらしい。

韓国と日本はお隣だが、歴史的になぜか仲良くはないらしい…なので、なんとなく今まで敬遠していた…実は大阪時代に桃谷という町があって、桃谷に住もうとしたら、曖昧な感じで、不動産屋さんにこの辺は在日朝鮮人の人が多く正直お勧めできない、と言われた経緯もあった。

ラオスへ行って以来、外国人づいている(笑)。

ある意味、当然だが、私は、母の時代より西洋思考の影響が強いだろう。祖母の時代よりも、さらにそうだろう…。同じことで若ければ若いほど合理志向の割合が高いような気がするが、住んでいる土地にも因るし、海外経験にも因ると思う…が、私が思うには、今の60代より、50代の平均のほうが海外経験率は高いだろうし、50代よりは40代が、40代よりは30代がそうなのではないだろうか?

若い人が海外に行かなくなると保守化してしまうな~と思う。ちょっと心配。日本国内が保守化するということは、日本が世界で競争力をそもそも失うという意味だからだ。

以前いた市場調査の仕事では、日本だけがガラパゴス化している事実を知ったし、クライミングの世界でも、日本だけが特異なクライミング環境をそうとも知らずに作り上げている。

さて、在日外国人数だが、福岡で200万人なら、大阪ではどうかな?と思い、ちょっと検索したら、まぁ普通に1000万人越えだった(汗)。

ーーー引用ーーー
平成 25 年の訪日外国人旅行者数は、初めて 1,000 万人を超え、過去最高となる 1,036 万人となりました。国別では、韓国が 245 万6千人でトップ。
ーーーーーー
http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/13759/00153201/140502.pdf

長野や山梨は、国際線の通過がないので正確な訪日外国人数を把握するには宿泊者数をとらえるしかないようですが…

長野県 過去最高46万人
http://www.pref.nagano.lg.jp/…/t…/documents/013naganogai.pdf

外国人インバウンドは確実に増えています。やっぱり、小川山とラオスの滞在費を比較した場合、テント泊している限りは、小川山の滞在費は、そう高くなかったんですよね。ただ雨などで快適性の差はありますが。

世間の風の無風地帯、山梨にいると気が付かないこともありますね(笑)



2017/03/20

昇仙峡クラック 

■ No matter of what is given, be grateful of what is given.

連休の週末初めは、大阪からモウアラさんご夫婦が昇仙峡を登りに来てくれた。

思えば、私のクラックは、モウアラさんが来てくれてから本格化した。クラックの初心者の頃、一緒に菊地さんの講習に出ましょう、ということで、関西からわざわざ一緒に登りに来てくれたのだ。

当時、私はクラックと言えば、小川山の小川山レイバックくらいしか知らなかったが、生まれて初めて登った小川山レイバックは意外と感触が良く、「これなら行けるかも?」

そこで、都岳連のレスキュー講習で知り合った友人と小川山に出かけ、カムエイドでトライ。ビビッて降りて、事なきを得ていた(笑)。まだまだリードで取り付くには、技術が足りていなかった…。プロテクションが核心だ。

クライミングの初心者は知らないが、初心者が一通り経験しておくべき課題と言うのがちゃんとあり、それらを一通り登りつくしてから自立、である。すっ飛ばして自立しようとしても、怪我になるだけである。

そんなこととはつゆ知らず、である(笑) ああ~落ちて死んでいなくて良かった~。実際、あの小川山レイバックは、かなりきわどかったようである。

それを察してか(?)、モウアラさんたちが来てくれて、私は菊地敏之さんの講習に出かけ、楽しく、そして、安全に、クラックを登ることになった。講習ではいかに登れていないか実感。

次のステップと言うことで、クラック名人の吉田和正さんの講習に出ることになった。吉田さんとの出会いは、アルパインからフリーへのステップアップと言う事だった。

登攀の含まれない山と登攀が入るアルパインの質の差も大きいが、アルパインの登攀とフリーの登攀の質の差もかなり大きい。

山を学ぶと言う道中において、大きな質の差が出てくることがある。そういうところへ来たら、質の差は理解するにも時間がかかるし、技術の習得となると、それこそ、半年や1年、2年という単位で時間がかかるものである。それを心得て、進むべし、である。

大事なことは、時間やお金など、きちんと自腹でリソースを掛けて理解し、習得すべきということだ。

ただレジャーとして、楽しくて登る岩、とは違う。ある程度の真剣な取り組みが必要になる。

それがまたクラックで来たわけだった。その認識をモウアラさんにもらった私は、クラックを吉田さんに教えてもらいに出かけたわけだった。ちなみに、ジャミングは本で勉強して行ったが、色々と間違ったジャミングをしていた(笑)。

余談だが、お金を払って講習会に出る、などの真剣な取り組みをしない人は、脱落して行くし、そうあるべきだ、死んでしまうので。

お遊び程度の気分で…ただ実際、遊びではあるので切り分けが難しいのだが…でクライミングしている人は、ビレイもいい加減で、人を殺してしまいそうだ。逆に言うとビレイがいい加減=テキトー気分、ということなのだが、それは講習会に出ようとしない姿勢からしてわかると思う。

一般に、お金を払ってガイドさん主催の講習会に来ている人の方が意識も高く登攀もうまい。

山岳会に指導を目的にして入る人は、意識が低い人が多い。そもそもの動機が、指導をタダでやってもらおうという、あさましい狙いなので、実際、指導されても、教わらない人が多い。それは自腹でないからではないだろうか?というのが前の師匠との共通認識だった(笑)。

だから私は講習会にきちんと出る人は尊敬している。実際、講習会で会った人の方が、安全面がきちんとしている。

■ 助け舟

山は、ありあまる時間を、何か社会的に有意義なこと、今しかできないことに費やそうと思って、始めた。

山も嵩じると、登攀と登攀のマスターは避けて通れない。登攀となると、パートナーの問題が出てくる。

パートナーに行き詰った時、助け舟を出してくれたのがモウアラさんであり、Kさんペアだった。本当に助かった。

山は私にとって社会貢献の一部なので、そうできないのであらば、いつでも山を辞める気でいたが、あらゆる難所で、誰かが、何かが、助け舟を出してくれ、続きに続いて7年。

そういうことだから、私の山の歴史は、結局のところ、山に愛された歴史だ。

あまりガツガツしてこなかった。いつも、与えらえたものをありがたいと感謝して、受け取ることにしてきた。それは今も一緒だ

No matter of what is given, be grateful of what is given.
与えられたものが何であれ、与えられたものに感謝しなさい。

■ ゆかりの地

そういうわけで、去年の今頃、私に与えらえていたのは、いまや伝説となった吉田和正さんとの時間だった。

吉田さんは、開拓クライマーで、岩場に住んでいるようなものだった。日本で初めて、5.14Aのクラックに登ったクライミング史に残る人物だ。私が山さえ行ければいいや、というような生活をしているので、講習会の後は、ビレイヤーで呼ばれて出かけていた。

その吉田さんに紹介してもらった岩場が昇仙峡というのも、すてきな話だった。

というのは、昇仙峡は、「昇仙峡開拓団」というつながりで、初めての山の先輩である三上さんや、大町のリーダー講習で私の班の講師を担当してくれた高橋さんとの接点が、すでにあったからだ。家も甲府だし、ゆかりの地。

岩登りをスタートする前から、昇仙峡には色々な思い出があった。雪では御岳新道でのラッセル三昧、読図では踏み跡全くなしの中津森や燕岩岩脈、沢では板敷渓谷や伝丈沢、アイスでは金石沢…と既に色々と遊ばせてもらっていた。

登攀は、私自身が去年はスタートして間もなく、まだ初心者。吉田さんが教えてくれた頃、やっと5.9が登れる程度の実力だ。(今は少し成長しました)

デイドリと献花
吉田さんは、そんな私にも登れる課題を見つけてくれた。ビレイのお礼で登れる課題を見繕ってくれるのだ。この辺の感覚はさすがベテランというところ。吉田さんの岩を見る目、ということだ。

そう言う目が養われた人の目で見た課題は、やはり質が良いと思われた。

今回は、お礼として、ぜひモウアラさんやKさんペアに昇仙峡を紹介したいと思っていた。

大きなエリアで捉えてのことだが、昇仙峡での遊び方は多彩だ。

だが、岩場が一番素晴らしいと思う。

本来は小川山以上の一大クライミングエリアになれるポテンシャルのある岩場だと思う。

■ 献花

初日は空荷で、エリアを案内した。めずらしく、ボルダラーや登攀中のパーティに会う。この岩場で、だれか他の人に会うのは初めてのことだった。チョーク跡は見るけど、人には遭わないんだよな。

色々なエリアがあるのだろうが、トポは公開されていないので、限定的な知識の寄せ集め、となっている。

だから、誰かに会って、あのデイドリの隣の…などと言っても話が通じない(笑)。ボルダ―も名前があるのだろうと思うが、一向にワカラナイ。

昇仙峡は相変わらずのポカポカ、るんるんの岩場だった。どうしても、吉田さん元気に天国でも登ってるかなぁ…と考えてしまう…

吉田さんが作っていた手作りのハシゴはどこかに消えていた。あれ、その辺の落ちている木をつないで作ったハシゴだったから、あぶなかったしなー。

翌日だが、デイドリのスタートラインに行くと、花が添えてあった。なんだかうれしかった。デイドリは、超かぶっている薄ーいクラックで、こんなの、登れるんだろうか~というラインだ。でも、とても美しい。

フィンガーの課題
■ 翌日

翌日はKさんペアも参加して5名でエンジョイクライミング。

吉田講習と同じ流れにした。まずは、5.10Aのボルダ―クラックでアップ。これはハンドジャムなので、比較的楽に皆登れた。

近所のデイドリエリアに移動して、本来はフィンガークラックをする予定だったが、フィンガーはパスして、ジャムジャム84の下部へ移動。

ジャムジャム84
ジャムジャムの1P目は3級なので、ロープを引いて上がり、懸垂で降りて、5.9+のワイドと5.11bのシンクラックにトップロープを張った。

モウアラさんご夫婦はジャムジャムへということで、ワイドだけトップロープで登って、ラインをつなげてもらう。

ワイドは結構大変で、登攀に時間がかかった。

私は一回目は登れなかったんだよなぁ。チキンウィングをして、それだけで上にも下にも動けず、どうにもならなくなったのだった。半身が入るような形になる。半身と背中で、もぞもぞして上がる系のクラックだ。

ここは、実は3回目だが、去年案内してきたときは、すごく登れる人と来たので、アドバイスが良くて、2回目は登れた。が、それ以来、アイス三昧しており、ワイドの登りをすっかり忘れていた。

登れるかな~と不安な気持ちで取り付いたが、なんとか登れた。一度登れたと言う記憶があるというおかげかもしれない。上の方は体を翻して、フェイスにして登る。

Kさんもトライしたが、パートナーのサチさんは登らずビレイだけだったので悪かったな~。

ワイド5.9+
みなで、11bのシンハンド?ほとんどフェイスでカチなんだけど・・・もトライ。最後回収は旦那さんにしてもらった。

この課題は、出だしが核心で背が低いと右上のカチが取れないので、一歩が出ない。右を使わないでクラックだけで、というのは、完全に不可能に感じられるラインだ。

というわけで、各自3本づつで、お腹いっぱいとなり、本日のクライミング終了となった。

アイスでは、15mくらいを7本とか登って、持久力の世界に今いるので、なんだか、だいぶ違う話だ。

それだけ岩って難しいんだな~と強く実感。

岩は岩でもアルパインの3、4級の岩場ではなくて、フリーの岩場ってことなんだが…

その、圧倒的な難しさ…が、分かっていないのが初心者で、私もその初心者に含まれていたよなー。何しろ、初見の人と小川山レイバック出かけたしなー。

相変わらず、岩場は、ポカポカ陽気で、幸せ色だった。ここは、本当にいつでも平和で幸せだ。

■ 宴会

11bのシンクラック
初日はモウアラさんたちと楽しく宴会。おもてなし。

メニューは
・前菜 魚介とオレンジのサラダ
・サラダ ミックスリーフとクルミのサラダ バルサミコビネガー
・サラダ ヒヨコ豆のサラダ 私のお気に入り
・スープ ダルスープ
・主菜  鶏胸肉のオーブン焼き オレガノ風味
・デザート リンゴのキャラメリゼとバニラアイスシナモン風味 
・ドリンク 清里のヨーグルトと低温殺菌牛乳のラッシー、豆乳のカルダモンチャイ、赤ワイン

モウアラさんたちが日本酒を持ってきてくれ感謝。

去年は一緒に小川山に出かけて宴会していた。湯河原幕岩も宴会。クライマーと話しているとクライミングの話で話題が尽きなくて、とっても楽しい。ラオスに入った話やアイスの話しかできないのだが…。

その土地の提供する楽しいラインを登り、地のモノを食べ、クライミングの話で盛り上がり、健康的な二日間だった。

山が振り向かなければ、いつでも辞める気でいたのに、続きに続いて7年。私一人の力では、ここまで来たのではなく、導かれて来たのだなぁと思います。

今日も、幸せな思い出をまた1ページつづることができ、感謝の念でいっぱいだ。

色々考えると、私にとって良いことしか人生には起こらない。ので、一見否定的だと思われることが起こったにしても、何かしら意味あってのこと、結局は、すべてが導きであり、必要だから起こる。シャンティ☆











2017/01/10

一年のまとめ 年間128日

■ 年間山行数と年間入山日数

去年2015年は108日でしたが、2016年は128日でした・・・(汗)。遊びすぎてスミマセン!128日って・・・去年より、20日もパワーアップしているではないですか・・・。 今年はラオスに行ったので、ラオスでの10日間が効いていると思いますが・・・。

I have gone to the climbing and mountains 128 days in last year! 128 days is a lot! Total, 87 tours, 128 days. 

365日ですから、35%。年の三分の1強は山に行っている。2016年は、フリーしかしていないので、それでも、足が弱くなって、心肺機能も弱くなっている気がします。

1月 7 11
2月 8 10
3月 11 13
4月 11 15
5月 8 10
6月 8 9
7月 4 6
8月 7 19
9月
10月 9 10
11月 4 13
12月 10 12
87 128
 
  16年度 128日
 15年度 108日 
 14年度 76日 
 13年度 59日 
 
 ・・・・・ここからアルパイン・・・・ From here climbing started
 
 12年度 64日      
 11年度 22日 
 10年度 26日 

The year 2015 was 108 days... so it has grown 20 days bigger.  

In the beginning I was going only about 20 days/year, I think it is a good pace for a beginner since outdoor is so tiring.

The next two years I was concentrating on getting a training, alpine training, including avalanche and rescue, days of mountains developed triple of what of hiker's.

Then I got more serious about mountains and started to climbing. Climbing needs training so days got developed even bigger, but I was still going to hike and creeks.

Ever since I quitted Alpine Club, my tour has improved. I was thankful that I could go out to the mountains with any partner. Some partner stayed, some has left but this was the time I understood what makes a good mountaineer.

In the year 2016, I started to go out with only a few partner so I can concentrate on developing my climbing skills.

Now I have a few steady people to hang out with.


■ 2016年のまとめ

2016年は、フリーに注力したので、成果の多い年でした。

・5.9のオンサイト取溜め
・6Aのリード
・クラックの初リード
・クラックのプロテクションの練習

アルパインでは、入門ルートにリードで取り付くことができました。

 ・無雪期 旗立岩中央稜
 ・厳冬期 阿弥陀北稜

フリーの成果が大きいですかね~

■ 単独について

私は山は単独で始めました。

主たる転機となった単独行・・・

 16年度 厳冬期 阿弥陀北稜
15年度 厳冬期 甲斐駒 
 14年度 厳冬期 天狗岳テント泊
 13年度 厳冬期 茅ヶ岳東尾根 初の単独藪ルート
 12年度 無雪期 後立単独テント泊縦走 4泊5日     
 11年度 無雪期 八ヶ岳テント泊縦走   
 10年度 無雪期 北岳
       厳冬期 大菩薩嶺  

単独行を一切しない(できない)人とは、なんだか話が合わない・・・山ヤではないような気がする。

いくらセカンドで、支点の整備されたマルチピッチのバリエーションルートなどをたくさん行っていても、道なき道を歩くことに恐怖を覚える人では・・・。

道なき道へ行ってみたい!というその衝動が、アルパインの魂のような気がするからだ。

初めて北岳に行った時は、山切れで、どうしても、いてもたっても、いられなくなり、出かけた。

厳冬期の鳳凰三山は、赤岳横岳の誘惑を蹴り、今ある技術で行ける最大の山、ということで出かけた。

当時の私には、厳冬期のテント泊のスキルはまだなかった。テントも持っていなかった。体力と雪上講習のいらない程度の厳冬期の歩行スキルはあったので、鳳凰三山を選んだ。鳳凰三山だってガイド登山で行くと、5万円の山。

雪上訓練を受けていなかったので、赤岳横岳には、リーダーがいないと行くことができない。金でリーダーを買うような山はしたくなかった。

この時のガイドさんは、良い人だが、札束で頬を撫でられて、本来その山に行くべきでない人を連れて行っていた。この時、赤岳横岳に登った人たちで、それ以上の山に行くようになった人は、一人もいない。

赤岳横岳を蹴って、自分で行ける最大の山に行った私の方が、現在、困難な山に継続して登っている。

ソロで出かけて良かった山には、かならず夫を連れて行った。これで復習山行になる。夫を連れて行った北岳は、暴風雨での悲惨なテント泊デビューだった(笑)。

テント泊で生活技術を一通り身に着けたら、次は読図とルートファインディングの番だった。

タカマタギと言う山で、雪をしたいのだったら、読図の必要性を痛感した。

3年かけて、読図を勉強。これは、その辺の藪山を歩けばいいだけなので、独学。初めて茅ヶ岳東尾根を単独で歩けた年、師匠には厳冬期の甲斐駒に連れて行ってもらっていたが、標高1700mの茅ヶ岳のほうが達成感があった。

山は高さではないし、サイズでさえもない・・・注いだ努力の量で、感動が違うのだ、と思った。

もし、山に行く理由を、

 感動するため

とするならば、連れて行く山、連れられて行く山ほど、山をつまらなくするものはない。

安易になれば、なるほど、感動は薄れる。カンタンに登れてしまった山には、印象がない。

同じ山でも、ロープウェーで登り、ほとんど歩かずに登ることもできるし、標高差500mで登ることもできるし、標高差2200mで登ることもできる。

どの方法で登っても、山頂にあるのは同じ景色だ。その同じ景色を、どう感動で色づけるか?

そこが問題だ。

■ 愛情の山

山の感動は、単一色ではない・・・。連れて行ってくれた人の愛情が感じられる山もある。

私にとって、ツルネ東稜は、アルパインってこういうことだよ、ということを三上ガイドが、なんとかして、紹介したいと思って、発案してくれた思い出のルートだ。私が川俣尾根に行きたいと言ったから。

アイスで行った広河原沢左俣は、師匠となってくれた鈴木さんが選んでくれた、初のアイスアルパインだった。パートナー候補者さえ連れてきてくれたのだ。

鈴木さんには世話になった。甲斐駒も西穂高沢も思いやりが作った山だった。

前穂北尾根は、山岳会の先輩たちが、アルパインに憧れる後輩のためにハッスルしてくれた山だ。

でも、先輩たちにとっては無理がある山だった。11mmのロープは確保器に入らない・・・クライミングから遠ざかってどれくらいたっていたのだろう・・・悪かったなー。

旗立岩中央稜・・・フォローでついてきてくれた先輩に感謝。

■ アクシデントを許容できるかどうか 

私は、どの山にも感動してきた・・・感動がない山なんてない・・・と思っていた。山は多少悪いくらいが良いとも思っていた。うまく行きすぎると、仲間との連帯感が薄まるからだ。

山の良さは、仲間との助け合い精神の発揮にある。

しかし、単独では違う。

不測のことが起こってしまえば、単独行では命取り。不測のことが起こらなかった、ということが単独の喜びだ。今のところ・・・。

■ 自分で何とかできるという自信が大事

例えば、私は海外出張には慣れているので、出張中に不測のことが起こったとしても、大抵のことには、対処できる自信がある。

が、山ではどうだろうか・・・?山で起こる不測のことに対処できる自信は、まだない。

例えば、300m滑落したら・・・?

だから、単独では不測のことが起こってもいいような山、しか選べない。具体的には近所に山小屋がある、ヘリが飛ぶ、というような山・・・八ヶ岳はそう言う山である・・・である。

どんなに小さくても、自分の力で行った山のほうが、連れて行ってもらった山より価値が大きい。

それは誰にも頼れない、ということを、人生と同じ法則を、山で学ぶからだ。

■ 2017

2016年は登攀力を上げることをテーマにした年だった。

さて、2017年はどういうテーマで登ったら良いのだろうか?

私にはラオスでのクライミングは、非常に大きな開眼経験だった。海外でのクライミングは、私にとって、良い影響がある。

私自身の中身は、日本の人よりも国際化してしまって外国人とフィーリングが合う・・・読む本もほとんどが外国人の著者の本であるし・・・

ということで、海外での活動へ、目標を移動する、というのは良い視点のように思う。

日本の山は、とても難しいから(笑)。



2017/01/05

クライミング好調&カムメンテナンス

■ ホームvsアウェー

このところ、クライミングは好調で、皆が驚く上達ぶり。

クラックでも褒められたし、アイスでも褒められた。

嬉しいけれど・・・、なぜなのだろうか?と自問すると、メンタルではないだろうか?

ラオスでは、大勢の人から「アレ!アレ!」と、励まされた。

終ったらみんなが、「ナイスクライミ~ング」と声を掛けてくれる。

腕力には積極的に自信がない。ので、前傾壁は、苦手なタイプのクライミングだ。だが、それでもボルトの近さもあって、声援を浴びながら、6Aがリードできた。

西洋人の集まりの中でのクライミングは、なぜだろうか・・・英語環境は、日本語環境より快適で、完全に”ホーム”環境だった。

ラオスでは、初対面のクライマーたちとも、何の問題もなく、楽しく登ったのだった。

■ スポーツクライミング

アウェー感がある場所で、成長できないのは普通のことだ。

私にとって発見だったのは、外岩であれば、スポーツクライミングの岩場であっても、楽しいと言うことだった。

・・・今アイスもクラックも楽しいのは、実はラインが読めているから。

アイスは、氷の歌を聞かないといけない。

岩は岩の歌が聞こえなかったから苦手感があったのだろう。何しろ雪だと何も怖くないのだし。

■ フリー的なクライミングとアルパイン的なクライミングと

吉田さんは、レッドポインターだから、完全フリー派のクライマーだった。

が、アルパインの人を応援していた。アルパインにも理解があった。・・・ので、全然アウェー感がなかった。

もしかしたら、フリーしか知らないクライマーだと、クライミングを教わっても、感じが違うかもしれない?

同じクライミングも、フリーしかしない人の登りと、アルパインでスタートしてフリー化した人の登りでは全く違う。今は見れば分かる。

正直、車から降りて10分で、課題に取り付けてしまうフリークライミングに慣れてしまうと、これはこれで、山じゃないけど、とっても楽しいなと思う。

・・・のだが、実はフリークライミングの方もイバラの道で、今フリーの世界は高度というより、極度にスポーツ化してしまっており、動的ムーブが進化。もうビックリ仰天のクライミングが常態化しているのである。

■ 落としどころは?

となると、落としどころは?と言うことを考えないといけないのだが・・・。

 (持って生まれた身体条件  身長、保持力、柔軟性)
  
   +
 
 (正対&側体の基本ムーブ)

 で、こなせる最大値

が目指すところではないか?と思う。

で、それをグレードに変換すると、たぶん11A辺りでいいのだろうと思っている。

■ コソ錬が楽しい!

この考え方を逆にしてしまい、グレードを追いかけだすと、道中が楽しくなくなる。トレーニングがノルマになってしまうからだ。

もちろん、私も過去にビール瓶を振ったりとか、トレーニングしているわけなのだけど・・・。

トレーニングはしてもいい。というより、フリーにも、アルパインにもトレーニングは必要だ。しない人は行くべきでない。

より正確に表現するとすれば、知識の習得やギアのメンテナンスを含め、コソ錬と言われる、トレーニングが楽しくない人は、アルパインにも、フリーにも、向いていないってことなのだ。

■ 楽しく成長する

なにより大事なことは、

 道中を楽しく過ごす 

つまり、よく言われる言葉で表せば、プロセスを大事にすること、ことだ。

■ 冒険の再発見

実は、もう今年の冬は、ずっとフリーでいいや~と思っていた。

プライドや目標達成で、山に登っているわけではないからだ。

山に登っている様子を見ても、もう知っているから、羨ましいとも、そう感じなくなった。

要するに、フリーでも満たされている

冒険好きな人はアルパインが好きだ。冒険や探検が目的だから、困難でなくても、発見があれば、楽しいものだ。

■ 久しぶりの友達

久しぶりにアルパインの友達にあった。所属する山岳会がフリー化してきて、アルパインに行く人がいなくなってしまったのだそうだ。

現代人の忙しさが、フリー化を後押しする。

フリーをしているだけなら会はいらないし、会の外の人としか山に出かけないということになると、会はただの足手まといとなる。

ということで、退会・・・が、視野に入ってしまうという訳だ。

私もフリーしかしないなら、会は必要ない。

一般登山なら、会の人と行くくらいなら、一人で行った方が楽しいし、安全性も高い。

■ カムのメンテナンス

今日は、エイリアンのメンテナンスをしていたのだが、お湯は、あまり汚れ落ちが良くないようだった。

アルコールに浸るほど漬けて、汚れ落としを頑張ってもみたが、あまり成績は良くない。

CRC556を流れるほどつけて、綿棒で落とすのが良いらしい・・・。

黄色のエイリアンは、とても動きが悪いので、なんだかな~。




2016/12/31

2016のまとめ

■12月のまとめ

12月をまとめていたら、11月のまとめがないことを発見した(笑)。ラオスに行っていて、すっかりまとめるのを忘れていたのだった。

12月 10山行 ・・・アイスがメイン
2016年 12月29・30日 城ケ崎
2016年 12月26日 アイス
2016年 12月22日 アイス リード練習
2016年 12月20日 アイス 
2016年 12月17日 蓼科山 雪山ハイク
2016年 12月14日 アイス ピンクポイント
2016年 12月8日  アイス 初アイス
2016年 12月3・4日 佐久の岩場

11月 3山行 ・・・ ラオス 10日間の集中クライミング 
5日 大菩薩ボランティア 
6日 小川山屋根岩1峰 初5.10b RP
13日 湯河原幕岩  カムセット練習
17~27日 ラオス ターケーク 初の海外遠征

■ 初の海外クライミング

11月は、何と言っても、初の海外クライミングに行き、日本の人と登るよりも、海外の人と登る方が、水が合ってしまい、上達して帰ってきてしまった・・・。

私にとっては、欧米人は、文化的コミュニケーション的に水が合っているのだろう・・・ということを感じざるを得なかった。

大体、普通の社会生活でも、日本の会社よりも外資のほうが体質に合っていた。

今後は、米国資本の会社で働くことをやはり基本に考えよう・・・と、この経験で思った。日本の企業って体質に合わないんだろう。

■ アイスシーズン

12月はアイスのシーズンで、岩ではなく、アイスをメインに活動して、氷結が悪い中、5山行。

これは結構なハイペースである。

なにしろ、通常、年間9山行、月一回稼げたらいいほう、という稼ぎ方なのだから。

稼ぐという表現が出るのは、本当に稼ぐというほうが適切だと感じるような、頑張らねばならない状況だからだ。

■ クラック

フリーが上達したことは、フリーのまとめの方に書いた。

今年2016年は、年初にクラックと決めたので、クラックについては、去年の今頃、吉田さんの講習を始めて受けていた頃に比べ、上達を感じる。

誰のおかげかと言うと、湯川クラックしてくれた人なんだが・・・ほんの二日だがだいぶ効いたようだ。

昨日の城ケ崎では、易しい課題であれば、安定していた。ただし、プロテクションに関しては、意識し出して、一年以上になるが、自分でセットする機会がすくなかったため、あまり上達していない。

これは、単純にトップロープしかしていなかったからで、私の貪欲さが足りなかったためである。

ただ、クライミング力そのものが不足している状態だったので、今考えても、プロテクションを設置するようなゆとりは全然なかったので、そのゆとりが出来てきたのが、今、ということだと思う。

結局、

1、登攀力
2、プロテクション

の順で、学ばざるを得ない。これは、男性は、いきなり2 プロテクションを学んでも良いか、私のように登攀だけ集中して学んでも、1年もかかると言うことなく、すぐに登攀力の部分はマスターして、プロテクション技術のほうへ進めるのだろう・・・憶測だが。

菊地さん、吉田さんのクラック講習から1年で、今のところまで来たので、結局、クラック5.8をゆとりを持ってリードする登攀力がつくまでに、1年かかったと言うことである。

アイスも同じ経緯であるような気がする。男性なら、1年でプロテクション設置まで行って良いと思うが、女性の場合、プロテクションを設置するような余裕ができるまでに、3年近くかかってしまうのかもしれない。基本的な保持、腕力(引付)による固定が必要だからだ。アックステンションするにしても、それだけゆとりが必要だ。

■ 全体の俯瞰

 1月 雪・クラック・アイス
 2月 アイス
 3月 クラック、アイス、アイスルート
 4月 クラック ネイチャーガイド、会入会
 5月 レスト、ハイキング 
 6月 レスキュー、 旗立岩中央稜、烏帽子左岩稜、会退会
 7月 インドアクライミングに集中
 8月 インドア ガマスラ オンサイト、カサブランカ、小川山レイバックPP 故障、吉田さん死去
 9月 インドア、グランドフォール、ボルダ―
10月 初のクラックオンサイト
11月 ラオス
12月 アイス

全体的に見て、夏・・・盛夏は、低成長というか、あまり体調も、気分も良くなく、バイオリズムは低いようだ。体質的に暑いのは苦手だ。

暑さを避けるため、去年は沢に行きまくっていた。今年は沢は縁がないのと、気持ちも沢に向けるゆとりがなかったと言うか、一度に一つのことしかしないと言う主義の為、沢ではなく、フリーを選択した。そのため、このような結果になっている。

大体、例年10月、11月が回復期になっている。今年も同じで、10月以降、正常化。

■ 取り入れたものと採り入れなかったもの

採用
・アイス
・クラック
・英語
・海外
・フリークライミング
・ヨガ
・個として生きる
・新しい世界

不採用
・ネイチャーガイド
・山岳会
・合宿
・キャンプインストラクター
・アルパインクライミング
・レスキュー
・集団に属す、看板を背負う
・古い世界

結局、ネイチャーガイドの資格、キャンプインストラクターの資格は取得しただけで、まったく活用に至っておらず、本人の興味もこちらに向いていない、ということが判明。

一方海外クライミングは、行って良かった。私にとって、海外は運気の上がる、エネルギーをたくさんもらえる場所なのかもしれない。

人との出会いも良く、単純に自信をつけ、パワーアップして帰ってきた。

■ まとめ

まとめると、やはり、グレード自体は変わっていないが、

 フリークライミングが上達した年

であると言えると思う。年初に立てた、New Years resolutionは達成したと言うことだ。

また

 人との出会いが忙しい年

でもあった。会を辞めたことによる。

 古い世界を去り、良き人との出会いがあり、個人的つながりで、楽しくフリーで成長した年

と言えると思う。

それはそのまま、アルパインのルートや冬山合宿は捨てる、ということにつながった。その代り、海外クライミングが入ってきた。

それでよいのだと思える。

■ To Do list

・足腰を弱らせないための活動

・体幹を強くする活動

・左腕の強化

・英語サイトの拡充

・クライミングギアのメンテナンスなどの充実

・ギアの安全面の知識強化

・登攀力アップへの集中

・女性の仲間

・フリーは垂壁を頑張る

・プロテクションはできるだけ多く設置練習を積む トップロープでも

・クライミング × ヨガ = 何か











女性クライマーの成長

ちょっと思いついて、記事にしたくなった。

女性クライマーと男性クライマーの成長の違いについて。

■ 身長と力

当然だが、男性は、女性よりも身長が高く、力がある。 この差は、歴然としている。

私には、身長180cm、筋肉隆々で、メダルをいくつも取っていたような、超逆三角体型の水泳選手だった弟がいた。弟とは2歳しか違わなかったため、お互いにライバル?弟にとっては、年上の兄弟は常に追いかける存在だと思われたが・・・こと体力に関しては、中学で最初から勝負にならなくなった。

同じことが、クライミングに言える。男性と女性のパワーの差は歴然としていて話にならない。

若い男性は、クライミングジムに来た初日から、たぶん、5級くらい楽勝で登れる。リーチと保持力で登ってしまうからだ。

まぁ、まったくムーブがゼロでも、リーチがあり、保持力があれば、登ってしまえるってことである。

逆に言えば、リーチも保持力もなければ、それを補うためのムーブが必要ということだ。

■ ムーブ

ムーブは誰にでも必要だ。だから、ムーブ不要で登れる時代が短いほうが、クライマーとしてはラッキーなのかもしれない。

リーチと保持力がなければ、ムーブを強いられるのは早い。だから、子供は最初からムーブがないと登れないということになり、ムーブの上に、保持力やリーチを積み上げていくから、強くなっていくのだろう。

最初からパワーで解決していると、ムーブの必要性がなかなか発生もせず、必要が分からず、結構長い間、ムーブなしで登れてしまうだろう。それはそれで不幸せなことかもしれないが、力があるのだから、それを使わない手はない、というところだろう。

ということが何に現れるかと言うと、最初から登れるグレードが高い。パワーとリーチがあれば、5.10Aくらいは、ムーブがなくてものぼれるだろうから・・・。

実際、私がみた外国人の、むきむきクライマーたちは、ぜんぶ正対で、それくらいは登っていた。

友人の話によると、かれらにとって、ムーブが必要になるのは、10代の後半に入ってから、なのだそうだ。

しかし、女性の私にとっては、外岩の場合だと、5.8がムーブなしで登れる登攀で、それ以上行くにはムーブが必要だった。

だから、男性クライマーが、何の苦労があるの?と登ってしまうところまで登れるようになるのに、苦節3年だ。

何も知らされず、丸丸三年をトップロープで登っていた女性を知っているが、下地の無い女性には・・・そして、一般的に女性には全般にクライミングの下地があることは稀だと思うが・・・、それくらいの下地作りの期間は必要なのかもしれないと思う。

■ 腕を信用する

私自身、自分が片腕だけでぶら下がれると、自分の腕の力を信用するのに、だいぶかかった。

体は変わる。けれども、体が変わるには、時間がかかる。

今、私の腕は、クライミングを始める前とは、ぜんぜん違う。上腕二頭筋がしっかりしているし、前腕は力強い感じだ。(左腕はまだクライマー化していないので、左腕は強化が必要だな~と思う)

この腕を見るたびに、「やっぱり前の腕ではぶら下がれる気がしないよなー」と思う。

雲梯が得意だった女性もいるだろうから、すべての女性が私のように、ぶら下がる力に自信がないのか?というとそうでもないとは思うけれど、統計によると、女性で、懸垂ができる人は非常に少ないそうだ。

私自身も一回も上がらない。特に腕が伸びきってしまうと、初動が大変すぎて上がらない。腕を曲げた状態で、なら、一回、2回くらいは上がるけれど、とても、男性クライマーのようにキャンパシングで、次々とホールドを掴む、なんてできない。

なので、やっぱり、腕立て伏せや懸垂が得意な女性と言うのは例外で、私のような人が平均像に近いと思う。

となると、いくらクライミングがパワーではなく、ムーブだと言っても、ムーブは2点支持で、一本の腕で体を支えなくてはならないのだから、基本的なパワーがつくまでは、自信がないのが当たり前だと思う。

最初からパワーがあって落ちる気がしない男性とは全く違うのだ。落ちる気がする。それは単純にムーブを身に着ける以前に、パワーがないからで、落ちる気がする、というなら、やはり、落ちるだろう。

だから、女性には特に、無理にリードを薦めてはいけないと思う。

ちゃんと分かっているクライマーならば、万年セカンドで登りたいとは思っていないだろうから。

そもそも、クライマーだったら誰でもリードが楽しいと思うハズだから。

■ 成長のプロセス

というわけで、女性には女性のステップアップがあり、それは、男性のステップアップより、前段階(下積み)が長い。

1) 全般的な体力をつける 

2) クライミングに必要な基本的な保持力を付ける

3) ムーブができる (正対と側体)

4) 指力

最初の頃は、ただたくさんクライミングをすればよいというアドバイスを受けたが、それはだいぶ違うと思う。

質の悪い体験をいくら積み重ねても・・・たくさんクライミングすればするだけ、疲れて雑になるようだったら、それはしない方がいいくらいのトレーニングだろうと思う。

私が成長したな~と感じたのは、ジムの、10級や9級が、ムーブ、側体で登れるようになったときだ。

これくらいのグレードだと正対でも登れ、実際初心者はみな正対で登っている。私自身もそうで、それで登って、何が楽しいのだろう?と思っていた。

が、側体で登れば、楽勝で、全然疲れない。そうやって洗練されて、やっとクライミングが楽しいな~と思えるようになった。

それ以前は、ただ疲れるばかりで楽しくはなかったのだった。特にジムでは、山のようにトップアウトする喜びがないのだから、余計だ。

今では、ムーブの成否がクライミングの楽しさの源泉なので、易しい課題でもムーブが楽しいのが楽しい。

そして、ムーブが楽しいと思えるようになったのは、やっぱり基本的な筋力が身についてから。

やっぱりある人が言っていたが、クライミングは、最初から向いた人が楽しいのである。

向いていない人にとっては、楽しくなるまでの、ながーい修業期間がある。長ーい修業期間を終えて、やっと5.9が快適登攀になってきたから、今は楽しい。

・・・が、これも長くは続かない楽しさだろうと言うことは分かる。

クライミングは、落としどころをあらかじめ考えておかないと延々と登れないところを登ることになる。